目次
はじめに
「裁量労働制はデメリットの方が大きいと聞くけれど、本当なのだろうか」
「自由に働ける制度のはずなのに、なぜ不満の声が多いのだろうか」と気になっていませんか。
実際に、会社から裁量労働制への移行を説明されたり、求人票で裁量労働制と書かれているのを見たりして、「残業代はどうなるのか」「労働時間は本当に自由なのか」と不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、裁量労働制が「デメリットの方が遥かに大きい」と言われる理由や実際に起こりやすい問題点、反対にメリットを感じるケースについて整理していきます。
裁量労働制は「デメリットの方が大きい」と言われる理由
裁量労働制は働く時間を自分で調整しやすい制度として紹介される一方で、「デメリットの方が大きい」と感じる人も少なくありません。
なぜそのような評価を受けることがあるのか、よく挙げられる理由を順番に見ていきましょう。
労働時間が増えやすいと言われるため
裁量労働制では、実際に1日10時間働いた日があっても、あらかじめ定められたみなし労働時間で勤務したものとして扱われます。
そのため、業務量が多い時期は実際の勤務時間が長くなっても、制度上の労働時間に反映されにくい場合があります。
また、納期や成果を優先する中で、自分の判断で早朝や夜間に作業する時間が増えることもあります。
このような理由から、裁量労働制は労働時間が増えやすいと言われています。
残業代が出ないと感じやすいため
裁量労働制では、実際に1日9時間や10時間働いた場合でも、あらかじめ定められたみなし労働時間で勤務したものとして扱われます。
そのため、通常の労働時間制度なら残業として計算される時間があっても、追加の残業代が支給されないと感じる人もいます。
実際の勤務時間が長い日が続くと、「働いた時間に対して賃金が増えていない」と感じやすいため、残業代が出ないというイメージにつながることがあります。
成果プレッシャーが強くなりやすいため
裁量労働制では、勤務時間そのものよりも、担当業務を期限内に終えたか、求められた成果を出せたかが重視されやすくなります。
そのため、納期が近づいて作業量が増えても、自分で進捗を調整しながら仕事を進める必要があります。
成果が評価に影響する場合もあるため、「結果を出さなければならない」と感じ、プレッシャーを抱える人もいます。
裁量労働制で実際によくある不満
裁量労働制に対する不満は人によってさまざまですが、実際には制度の仕組みそのものよりも、日々の働き方や職場での運用方法に関する声が多く見られます。
制度に期待していた働き方とのギャップを感じる人も少なくないため、どのような不満が生まれやすいのかを確認していきましょう。
自由より「自己責任」が重く感じる
裁量労働制では、出勤時間や仕事の進め方を自分で決められる場面があります。
その一方で、納期の管理や作業計画、進捗確認も自分で行う必要があります。
予定どおりに進まない場合は、自ら対応を考えて調整しなければならないため、自由さよりも「自分で責任を負う」という意識が強くなり、負担に感じる人もいます。
仕事量が増えても終わりが見えにくい
裁量労働制では、業務が完了するまで自分で進捗を管理しながら仕事を進めます。
そのため、新しい案件や追加の作業が発生すると、決められた時間を区切りに仕事を終えにくくなることがあります。
業務量が増えるほど、「何時に終わるか」よりも「いつ仕事が終わるか」を意識するようになり、終わりが見えにくいと感じる人もいます。
結局は勤務時間を管理されるケースもある
裁量労働制では、業務の進め方や時間配分を本人の判断に任せる考え方があります。
しかし、実際には始業時刻や終業時刻の報告を求められたり、決まった時間帯の出社を求められたりするケースもあります。
そのため、勤務時間の自由度を期待していた人ほど、「思っていた働き方と違う」と感じ、不満につながることがあります。
裁量労働制は「制度」より会社の運用差が大きい
裁量労働制に対する評価が大きく分かれる理由の一つは、制度の内容だけでなく会社ごとの運用方法に大きな違いがあるためです。
こうした差が生まれる背景について見ていきましょう。
裁量だけ増えて権限が少ない会社もある
裁量労働制の対象でも、仕事の進め方や時間配分は任されている一方で、予算や人員配置、納期などの重要な判断は上司の承認が必要な会社もあります。
その場合、結果に責任を負う必要があるのに、自分で決められる範囲が限られていると感じやすくなります。
そのため、裁量よりも負担の大きさを感じる人もいます。
人手不足で長時間労働になりやすい
人手が不足している会社では、1人あたりの案件数や業務量が増えやすくなります。
欠員の補填や追加業務が続くと、勤務時間内だけでは仕事を終えられないこともあります。
業務量が減らないまま納期だけが決まっていると、早朝や夜間に作業する時間が増え、長時間労働につながることがあります。
成果基準が曖昧だと不満が強くなりやすい
裁量労働制では成果を基準に評価されることがありますが、評価基準が明確でない会社もあります。
その場合、「何を達成すればよいのか」が分からないまま仕事を進めることになります。
結果を出したつもりでも評価につながらなかったり、後から別の基準を示されたりすると、目標が見えにくくなり、不満を感じる人もいます。
それでも裁量労働制が合う人もいる
裁量労働制にはデメリットが指摘されることもありますが、すべての人にとって不利な制度というわけではありません。
どのような人が裁量労働制に向いているのかを見ていきましょう。
働く時間を調整しやすい
裁量労働制では、業務の進捗や納期に問題がなければ、仕事を始める時間や終える時間を自分で調整しやすい場合があります。
午前中に集中して作業を進めたり、打ち合わせに合わせて予定を組んだりできるため、時間の使い方に柔軟性を持たせやすくなります。
そのため、自分で時間配分を考えながら働きたい人には合う場合があります。
仕事の進め方を自分で決めやすい
裁量労働制では、業務の優先順位や作業手順、進行スケジュールを自分で決められる場合があります。
上司から細かく指示を受けるのではなく、自分で計画を立てて仕事を進められるため、やり方を工夫しやすいことが特徴です。
そのため、自分で判断しながら働きたい人には、働きやすいと感じられることがあります。
成果重視の働き方を好む人には合う場合もある
裁量労働制では、勤務時間の長さよりも、担当業務を期限までに終えたか、求められた成果を達成できたかが重視される傾向があります。
そのため、働いた時間よりも結果で評価される働き方を望む人には合う場合があります。
自分で計画を立てながら成果を目指したい人にとっては、働きやすいと感じられることもあります。
裁量労働制は「自由=ラク」ではない
裁量労働制という言葉から「好きな時間に働けてラクな制度」というイメージを持つ人もいますが、実際にはそれほど単純ではありません。
裁量労働制を考えるうえで押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
自由な働き方には自己管理も必要
裁量労働制では、勤務時間の使い方を自分で決められる場合があります。
その一方で、納期管理や進捗確認、作業計画の見直しも自分で行う必要があります。
予定どおりに進まないときは優先順位を調整しながら対応するため、自由な働き方を続けるには、日々の自己管理が大切になります。
制度だけで働きやすさは決まらない
裁量労働制が導入されていても、担当業務の量や納期設定、上司の指示方法、評価基準によって働きやすさは変わります。
勤務時間の自由度があっても、業務量が多ければ負担は大きくなります。
反対に、業務量や役割分担が適切に管理されていれば、働きやすさを感じやすくなります。そのため、制度だけで働きやすさが決まるわけではありません。
会社の運用次第で満足度は大きく変わる
裁量労働制でも、業務量の設定や納期の決め方、評価基準の明確さによって働きやすさは大きく変わります。
担当業務の範囲が適切で、成果基準が共有されている会社では、働きやすさを感じやすいでしょう。一方で、業務量が多かったり評価基準が曖昧だったりすると、負担を感じることもあります。
そのため、同じ裁量労働制でも、会社の運用方法によって満足度は大きく変わります。
まとめ
裁量労働制が「デメリットの方が大きい」と言われるのは、労働時間が長くなりやすかったり、成果へのプレッシャーを感じやすかったりするためです。
また、自由に働けるイメージがある一方で、納期管理や進捗管理を自分で行う必要があり、負担を感じる人もいます。
ただし、裁量労働制が合うかどうかは制度だけでは決まりません。
業務量や評価基準、任される権限など、会社の運用方法によって働きやすさは大きく変わります。
そのため、「裁量労働制だから良い・悪い」と決めつけるのではなく、自分に合った働き方かどうかを確認することが大切です。
制度の仕組みだけでなく、実際の働き方にも目を向けながら、自分にとって無理なく続けられる環境かを考えてみてください。