目次
はじめに
「PMP監査に落ちてしまったけれど、何が原因だったの?」
「再申請したいけれど、同じ内容で提出してまた監査に通らなかったらどうしよう」と不安になっていませんか。
PMPの申請では、必要な実務経験があるにもかかわらず監査で指摘を受けたり、提出書類の確認に時間がかかったりして、「自分の経験の書き方が間違っていたのでは」と悩む方は少なくありません。
この記事では、PMP監査で指摘されやすいポイントや落ちたと考えられる原因、再申請前に見直したい経験記述のコツについて分かりやすく整理しています。
PMP監査に落ちたらどうなる?
PMP監査に落ちたと聞くと、「もう受験できないのでは」と不安になるかもしれません。
ここでは、監査に落ちた場合の基本的な考え方や確認すべきポイント、再申請の可能性について解説します。
永久に受験できなくなるわけではない
監査に落ちたとしても、その時点でPMPの受験資格が永久に失われるわけではありません。
監査で確認されるのは申請内容や提出書類であり、経験記述が不足していたり、証明書類に不備があったりした場合は、内容を見直して再度申請できます。
そのため、監査に通らなかったからといって「もう受験できない」と過度に心配する必要はありません。
指摘された点を確認し、落ち着いて申請内容を整えれば、改めて受験手続きを進めることができます。
確認すべきなのは却下理由
却下された場合は、まずPMIから通知された理由を確認することが大切です。
経験記述の内容が不足していたのか、担当者の署名や証明書類に不備があったのかによって、見直すべきポイントが変わるためです。
理由を確認しないまま再申請すると、同じ箇所で再び指摘を受ける可能性があります。
焦って手続きを進めるのではなく、通知内容を一つずつ確認し、どの部分を修正すればよいのかを整理してから申請し直すと安心です。
再申請できるケースは多い
PMP監査で却下された場合でも、再申請できるケースは少なくありません。
経験記述の内容を見直したり、不足していた書類を補ったりすることで、改めて審査を受けられる可能性があります。
特に、プロジェクト経験の説明不足や証明書類の不備が原因だった場合は、指摘された内容を修正することで再申請につながりやすくなります。
一度監査に通らなかったからといって、すぐに受験を諦める必要はありません。まずは却下理由を確認し、落ち着いて準備を進めることが大切です。
PMP監査で落ちる主な原因
PMP監査で却下される場合、単に経験年数が不足しているというよりも、申請内容の伝わり方に問題があるケースが少なくありません。
ここでは、監査で落ちる原因として特に多い記述上の問題や、審査で判断しづらくなるポイントについて解説します。
プロジェクト経験の書き方
PMP申請の経験記述では、「進捗報告書を作成した」「会議資料を作った」「テストを実施した」といった作業内容だけを書くと、プロジェクトマネジメント経験として伝わりにくくなります。
PMIが重視しているのは、どのような作業をしたかではなく、計画立案やスケジュール管理、関係者との調整、リスク対応などをどのように進めたかです。
そのため、作業の一覧だけになっていないかを確認し、自分がプロジェクトの中でどのような役割を担い、どのように管理していたのかが伝わるように記載することが大切です。
自分の役割や主体性が伝わっていない
経験記述で「プロジェクトに参加した」「チームで対応した」といった表現が中心になると、自分がどの立場で何を担当したのかが伝わりにくくなります。
PMIが確認するのは、プロジェクトに関わった事実だけではなく、申請者自身がどのような管理業務を担っていたかです。
そのため、スケジュール調整や関係者との調整、リスク対応など、自分が主体的に取り組んだ内容を具体的に記載することが大切です。
自分の役割や行動が伝わる文章を意識すると、経験内容もより分かりやすくなります。
PMIが求めるプロジェクト管理経験になっていない
PMIが求めているのは、単なる担当業務の経験ではなく、プロジェクトを計画し、実行しながら目標達成に向けて管理した経験です。
そのため、設計や開発、テスト、運用といった専門作業の内容だけを記載すると、プロジェクトマネジメント経験として伝わりにくくなることがあります。
申請書では、スケジュール管理や関係者との調整、課題対応、成果物の管理など、自分がどのようにプロジェクトを進めたのかを具体的に記載することが大切です。
管理した内容が十分に伝わらない場合は、監査で確認を求められることもあります。
記述が短すぎて判断材料不足になっている
経験記述が短すぎると、申請者がどの立場で、どのような管理業務を担当していたのかをPMIが十分に確認できません。
たとえば、「プロジェクトを管理した」「関係者と調整した」と書かれていても、実際にどのような判断や対応を行ったのかが伝わりにくいためです。
記述量が不足していると、実際には十分な経験があっても判断材料が足りず、監査で確認を求められることがあります。
自分の役割や具体的な行動が伝わるよう、必要な情報を丁寧に記載することが大切です。
PMIが監査で見ているポイント
PMP監査では、プロジェクトに参加していた事実だけでなく、その中でどのような役割を担い、どのように管理業務へ関わったのかが確認されます。
ここでは、PMIが監査時にどのような観点で申請内容を確認しているのかを解説します。
プロジェクトを管理した経験があるか
PMIが監査で確認するのは、申請者がプロジェクトの中で管理業務を担当していたかどうかです。
単にメンバーとして作業を進めた経験ではなく、スケジュール管理や進捗確認、関係者との調整などを通じて、プロジェクトを前に進める役割を担っていたかが見られます。
そのため、経験記述では「何の作業をしたか」だけを書くのではなく、自分がどの範囲を担当し、どのような判断や調整を行ったのかが伝わるように記載することが大切です。
目的・役割・成果が整理されているか
PMIが監査で確認するのは、そのプロジェクトが何を目的としていたのか、申請者がどの役割を担当したのか、そして最終的にどのような成果につながったのかです。
これらが整理されていないと、プロジェクトの全体像や申請者の貢献内容が伝わりにくくなります。
そのため、経験記述では、まずプロジェクトの目的を示し、自分が担当した役割や管理業務を具体的に記載することが大切です。
日常業務ではなくプロジェクトとして成立しているか
PMIが監査で確認するのは、申請した経験が日常業務ではなく、開始日と終了日があり、明確な目的や成果物を持つプロジェクトとして成立しているかです。
毎月の定例作業や通常運用の説明だけでは、何を目指して進め、どのような成果を出したのかが伝わりにくくなります。
そのため、経験記述では業務名だけを書くのではなく、プロジェクトの目的や期間、自分が担当した管理範囲、完了した成果が分かるように記載することが大切です。
PMP監査で通りやすい経験記述の書き方
PMP監査では、同じ経験を持っていても、記述の仕方によって伝わりやすさが大きく変わります。
ここでは、PMP監査を通過しやすくするための経験記述の書き方や、見直したいポイントについて解説します。
担当業務ではなく管理した内容を書く
担当業務ではなく管理した内容を書くときは、「作業をした事実」よりも、「何を判断し、どのように進めたのか」を中心に整理することが大切です。
たとえば、資料作成やテスト実施そのものではなく、作業範囲を決めた、期限を設定した、進捗を確認した、関係者と調整したといった管理業務を記載します。
担当作業だけでは、プロジェクトマネジメント経験として伝わりにくいことがあります。
目的・行動・成果の流れで整理する
目的・行動・成果の流れで整理すると、経験記述の内容がプロジェクト管理として伝わりやすくなります。
まず、そのプロジェクトで何を達成する必要があったのかを書き、次にスケジュール管理や進捗確認、関係者との調整など、自分が行った管理業務を記載します。
最後に、どのような成果につながったのかをまとめると、経験の流れが分かりやすくなります。
チーム全体ではなく自分の役割を明確にする
チーム全体ではなく自分の役割を明確にするには、「チームで対応した」「関係者で進めた」と書くだけで終わらせず、自分が担当した管理業務を具体的に記載することが大切です。
たとえば、進捗を確認した、期限を調整した、関係者と合意形成を進めたなど、自分が実際に行った行動を書くようにします。
チーム全体の成果だけでは、申請者本人の管理経験が伝わりにくいことがあります。
そのため、自分がどの役割を担い、どのような判断や調整を行ったのかが分かる文章を意識すると、経験内容をより伝えやすくなります。
専門用語を増やしすぎない
専門用語を増やしすぎると、実際に何を管理したのかが伝わりにくくなることがあります。
PMP監査で確認されるのは、難しい言葉を使っているかではなく、申請者がどの範囲を担当し、どのような判断や調整を行ったかです。
そのため、略語や社内用語を並べるよりも、スケジュールを確認した、課題の対応方針を決めた、関係者と調整したなど、具体的な行動が分かる表現を意識しましょう
落ちやすい記述例
落ちやすい記述の例として多いのが、「システム開発に参加し、資料作成や進捗確認を担当した」のように、担当業務だけを並べた文章です。
この書き方では、自分が何を管理し、どのような役割を担っていたのかが伝わりにくくなります。
修正する場合は、「開発スケジュールを作成し、進捗を確認しながら関係者と調整を行い、成果物の完了まで管理した」というように、自分が管理した範囲や具体的な行動が分かる形で記載するとよいでしょう。
PMP監査に落ちた後の対処法
PMP監査に落ちた場合でも、すぐに諦める必要はありません。
ここでは、監査後に優先して行いたい対応や、再申請に向けた見直しのポイントを解説します。
却下された内容を整理する
却下された内容を整理する際は、まずPMIから届いた通知を確認し、どの項目が問題になったのかを把握することが大切です。
経験記述の内容不足なのか、プロジェクトとしての説明が不十分なのか、役割や成果が伝わっていないのかによって、見直すポイントが変わるためです。
理由を確認しないまま書き直すと、同じ不備が残ってしまうこともあります。
経験記述を修正して再申請する
経験記述を修正して再申請する場合は、却下理由に合わせて内容を見直し、前回の文章をそのまま使い回さないことが大切です。
担当業務の説明だけになっていた場合は、自分が管理した範囲や行った判断、関係者との調整内容が分かるように修正します。
また、目的や成果の説明が不足していた場合は、何を達成するプロジェクトだったのか、どのような成果につながったのかを補足するとよいでしょう。
第三者に記述を確認してもらう
第三者に記述を確認してもらうと、自分では気づきにくい説明不足や役割の曖昧さを見つけやすくなります。
本人は経験の内容を理解しているため、「調整した」「管理した」と短く書いても伝わるように感じますが、初めて読む人には具体的な内容が分かりにくいことがあります。
そのため、再申請前にPMP申請に詳しい人や、プロジェクト経験を客観的に読める人に確認してもらうのがおすすめです。
英語表現より内容整理を優先する
PMP監査後に経験記述を見直す場合は、英語表現を整える前に、まず内容を整理することが大切です。
どのプロジェクトで何を目的とし、自分がどの役割を担い、どのような管理業務を行ったのかが整理されていなければ、英語に直しても経験の内容は伝わりにくくなります。
翻訳表現だけを修正すると、担当業務の説明に偏ったり、役割が曖昧なままになったりすることもあります。
そのため、再申請前には英文の表現よりも、目的・役割・行動・成果が自然に伝わる内容になっているかを優先して確認するとよいでしょう。
PMP監査に落ちた人が不安になりやすいポイント
PMP監査に落ちた後は、申請内容の修正だけでなく、「今後どうなるのか」という不安を感じる方も少なくありません。
ここでは、PMP監査に落ちた人が抱きやすい疑問や不安について、確認しておきたいポイントを解説します。
再申請すると再監査される?
再申請したからといって、必ず再監査されるとは限りません。
ただし、PMP申請はPMIの確認対象になる場合があるため、再申請時にも監査に選ばれる可能性はあります。
そのため、監査の有無だけを気にするのではなく、前回の指摘内容をしっかり見直しておくことが大切です。
経験記述の目的や役割、管理した内容、成果が分かりやすく伝わるように修正しておけば、再申請にも安心して臨みやすくなるでしょう。
何回も落ちることはある?
何回も監査に落ちることは、申請内容の不備が残っている場合には起こり得ます。
たとえば、前回と同じ経験記述をそのまま使い、目的や役割、管理した内容が十分に伝わっていないと、再び確認を求められることがあります。
一方で、却下理由を確認し、自分が担当した管理範囲や判断内容を具体的に見直せば、同じ問題を繰り返しにくくなります。
回数だけを気にして不安になるのではなく、前回の指摘内容を一つずつ修正できているかを確認しながら準備を進めることが大切です。
英語が苦手でも通過できる?
英語が苦手でも、経験記述の内容がしっかり整理されていれば通過できる可能性はあります。
PMP監査で確認されるのは英文の上手さではなく、申請者がどのプロジェクトで、どの役割を担い、どのような管理業務を行ったのかです。
そのため、英語表現に自信がない場合でも、まずは日本語で目的や役割、行動、成果を整理することが大切です。
内容が明確になっていれば、短い英文でも十分に伝わることがあります。まずは分かりやすく伝えることを意識して、記述をまとめていくとよいでしょう。
まとめ
PMP監査に落ちたとしても、それだけで受験資格がなくなるわけではありません。
大切なのは、「なぜ却下されたのか」を確認し、経験記述や提出内容を見直すことです。
監査では、担当業務の多さよりも、どのような目的のプロジェクトで、どの役割を担い、何を管理し、どのような成果につなげたのかが重視されます。
そのため、作業内容を並べるだけではなく、自分の判断や管理した内容が伝わるように整理することが大切です。
もし監査に通らなかったとしても、落ち着いて却下理由を確認し、一つずつ修正していけば再申請を目指すことは十分可能です。
焦って英語表現を整えるよりも、まずは自分の経験を分かりやすく整理し、管理経験がしっかり伝わる記述を作ることを意識してみてください。