目次
はじめに
「プロジェクトの振り返りでは、具体的に何を話せばいいの?」
「反省点を出して終わるだけになり、次の仕事に活かせていない」と感じていませんか。
プロジェクトが一区切りついたあとに振り返りの場を設けても、参加者から意見が出なかったり、失敗した原因ばかりを話して具体的な改善策を決められなかったりすることがありますよね。
この記事では、プロジェクトの振り返り(レトロスペクティブ)の目的から、事前準備、当日の進め方、振り返り後に改善へつなげる方法まで分かりやすく整理します。
プロジェクトの振り返り(レトロスペクティブ)とは?
プロジェクトの振り返り(レトロスペクティブ)は、プロジェクトや一定期間の業務を振り返り、うまくいったことや改善すべきことを整理して、次の行動につなげるために行います。
ここでは、レトロスペクティブを行う目的と、一般的な振り返りとの違いについて順番に解説します。
レトロスペクティブの目的
レトロスペクティブの目的は、仕事を振り返り、次に続けることや改善することを具体的に決めることです。
チームでうまくいったことや問題点を確認し、問題があれば原因を整理して、次回からどのように改善するかを決めます。
振り返りを行動につなげることで、同じ問題を防ぎながら次の業務に活かせます。
振り返りとの違い
一般的な振り返りは、過去の出来事や結果を確認し、良かった点や反省点を整理することを指します。
一方、レトロスペクティブでは振り返るだけで終わらず、次に実行する改善行動まで決めます。
「何が起きたか」に加えて「次に何を変えるか」まで考える点が大きな違いです。
レトロスペクティブを実施する前に準備すること
レトロスペクティブをスムーズに進めるには、当日になってから進め方を決めるのではなく、事前に必要な準備を整えておくことが大切です。
ここでは、レトロスペクティブを実施するタイミングや参加者の決め方、事前に用意するものについて順番に解説します。
実施するタイミング
レトロスペクティブは、プロジェクトの終了時や業務が一区切りついたタイミングで実施します。
継続するプロジェクトでは1〜2週間など一定の間隔を決め、出来事を覚えているうちに振り返ると進めやすくなります。
参加者の決め方
参加者は、振り返る業務やプロジェクトに実際に関わったメンバーを中心に決めます。
作業や意思決定に関わった人を含め、日時や振り返る期間についても事前に共有しておきましょう。
事前に用意するもの
事前に、対象期間の目標やスケジュール、進捗、発生した課題などを確認できるようにしておきます。
あわせて、付箋やホワイトボード、オンラインの場合は共同編集できるツールを用意し、当日すぐに振り返りを始められる状態にしておきましょう。
プロジェクトの振り返り(レトロスペクティブ)の進め方・やり方
プロジェクトの振り返りでは、単に良かった点や反省点を出すだけでなく、次の行動につながる形まで整理することが大切です。
ここでは、課題の原因を話し合い、改善アクションを決め、最後に担当者と期限を設定するまでの進め方を順番に解説します。
①振り返りの目的を共有する
最初に、今回のレトロスペクティブで何を振り返り、何を決めるのかを参加者全員で確認します。
「問題点だけでなく、次に実行する改善行動まで決める」など、ゴールを共有しておくと話し合いがぶれにくくなります。
②事実や出来事を書き出す
対象期間に起きた出来事を、「予定より2日遅れた」など確認できる事実として書き出します。
評価や感想を入れずに整理しておくことで、その後の良かった点や課題を具体的に確認しやすくなります。
③良かった点と課題を整理する
書き出した事実をもとに、今後も続けたい良かった点と、改善が必要な課題に分けて整理します。
良かった点は成果につながった行動、課題は予定との差や作業上の問題を確認すると、具体的な振り返りにつながります。
④課題の原因を話し合う
整理した課題について、なぜ問題が起きたのかを参加者で話し合います。
個人の責任を追及するのではなく、作業手順や情報共有、確認方法などから、改善できる原因を整理することが大切です。
⑤改善アクションを決める
課題の原因をもとに、次の期間で実行する改善アクションを決めます。
「確認を徹底する」ではなく「作業完了後に担当者以外の1人が確認する」など、実行できたか判断できる内容にしましょう。
⑥担当者と期限を決める
最後に、改善アクションごとに担当者と期限を決めます。
「チーム全員」「次回まで」と曖昧にせず、誰がいつまでに行うのかを明確にしておくと、決めた改善策を実行につなげやすくなります。
レトロスペクティブで話し合うテーマ・質問例
レトロスペクティブでは、参加者が自由に感想を話すだけでなく、テーマに沿って質問することで振り返る内容を整理しやすくなります。
ここでは、レトロスペクティブで使える質問例を、良かったこと・課題や改善点・次回のアクションに分けて紹介します。
良かったことを振り返る質問例
良かったことは、「予定どおり進められた作業は何か」「成果につながった行動は何か」「次回も続けたいことは何か」と質問します。
結果だけでなく、うまくいった行動まで確認すると、次回も続けることが明確になります。
課題や改善点を整理する質問例
課題や改善点は、「予定どおり進まなかった作業は何か」「どこで作業が止まったか」「次回は何を変えるか」と質問します。
問題が起きた原因まで確認することで、改善すべき点を具体的に整理できます。
次回に向けたアクションを考える質問例
次回に向けては、「具体的に何を変えるか」「誰が実行するか」「いつまでに行うか」と質問します。
改善する行動と担当者、期限まで決めておくことで、振り返りの内容を次の業務に活かしやすくなります。
実際の進行例
レトロスペクティブの基本的な進め方を理解しても、実際の場でどのような順番で話を進めればよいのか迷うことがあります。
ここでは、実際のミーティングを想定したレトロスペクティブの進行サンプルを紹介します。
レトロスペクティブの進行サンプル
60分で行う場合は、最初の5分で目的を共有し、10分で出来事を書き出します。
その後、15分ずつ使って良かった点と課題の整理、原因の話し合いを行い、残りの15分で改善アクションと担当者、期限を決めます。
進行役は時間を確認しながら進め、最後に決まった内容を参加者全員で確認しましょう。
レトロスペクティブを成功させるポイント
レトロスペクティブを次の改善につなげるには、問題が起きた原因を個人の責任にするのではなく、プロジェクト全体の進め方として振り返ることが大切です。
ここでは、レトロスペクティブを成功させるために押さえておきたいポイントを順番に解説します。
個人ではなくプロジェクトを振り返る
問題が起きたときは、「誰が失敗したか」ではなく、「どの作業や進め方に問題があったか」を確認します。
個人を責めるのではなく、作業手順や役割分担、確認方法など、プロジェクト内で改善できる点に目を向けましょう。
発言しやすい雰囲気をつくる
参加者全員が意見を出せるように、発言を否定したり、特定の人だけが長く話したりしないように進めます。
発言が偏る場合は、最初に5分ほど意見を書き出し、その後1人ずつ共有すると話しやすくなります。
改善アクションは具体的に決める
改善アクションは、「情報共有を徹底する」ではなく、「毎日17時までに進捗を共有する」など、実行できたか確認できる内容にします。
何を・いつ行うのかまで決めておくと、次に取るべき行動が明確になります。
次回の振り返りで実施状況を確認する
次回のレトロスペクティブでは、前回決めた改善アクションを実行できたか確認します。
実行できなかった場合は理由を確認して内容や期限を見直し、改善を次の行動につなげていきましょう。
レトロスペクティブでよくある失敗と対策
レトロスペクティブを実施しても、進め方によっては参加者を責める反省会になったり、課題を出しただけで終わったりすることがあります。
ここでは、レトロスペクティブでよくある失敗を整理し、それぞれを防ぐための対策について解説します。
反省会になってしまう
「誰がミスをしたか」に話が集中すると、個人を責める反省会になりやすくなります。
担当者ではなく、問題が起きた作業手順や確認方法、情報共有の流れに目を向け、「どの進め方を変えるか」を話し合いましょう。
課題だけで終わってしまう
課題を挙げるだけで終わると、次のプロジェクトでも同じ問題が起こる可能性があります。
課題の原因を確認したうえで、次回から何を変えるのか、具体的な改善アクションまで決めておきましょう。
改善アクションが実行されない
改善アクションを決めても、担当者や期限が曖昧なままでは実行されにくくなります。
誰がいつまでに行うのかを決め、次回のレトロスペクティブで実施できたか確認するようにしましょう。
代表的なフレームワーク「KPT」とは
KPTは、レトロスペクティブで振り返る内容を「Keep(続けること)」「Problem(問題点)」「Try(次に試すこと)」の3つに分けて整理するフレームワークです。
ここでは、KPTをレトロスペクティブで活用する方法について解説します。
KPTをレトロスペクティブで活用する方法
KPTを使う場合は、Keep・Problem・Tryの3つに分け、Keepには続けたいこと、Problemには改善したい問題、Tryには次回から取り組む行動を整理します。
最後にTryの担当者と期限を決めておくことで、振り返りを具体的な行動につなげやすくなります。
まとめ
プロジェクトの振り返り(レトロスペクティブ)は、良かった点や課題を整理し、次の行動につなげるために行います。
反省だけで終わらせず、「次に何を変えるのか」まで具体的に決めることが大切です。
改善アクションには担当者と期限を決め、次回に実施状況を確認しましょう。まずは業務が一区切りついたタイミングで、良かったことと改善したいことを書き出すところから始めてみてください。