目次
はじめに
「経営者になったけれど、財務や会計は何から勉強すればいいの?」
「決算書を見ても数字の意味が分からず、経営判断にどう使えばいいの?」と感じていませんか。
売上や利益は確認していても、資金繰りや会社の財産、借入金の状況まで把握できていないと、数字を見ながら今後の経営を考えることが難しくなります。
この記事では、経営者が知っておきたい財務・会計の基本的な考え方や決算書の見方、経営判断に数字を活用するポイントについて順を追って説明していきます。
経営者に財務・会計の基礎知識が必要な理由
経営者が会社の経営状態を正しく判断するには、売上や利益だけでなく、資産や負債、手元の資金がどのような状態にあるのかを数字で確認する必要があります。
ここでは、経営者が財務・会計の基礎知識を身につけることで、会社の数字をどのように把握し、経営に活用できるのかを説明します。
会社の利益や財務状況を数字で把握できる
決算書を確認すると、売上や利益だけでなく、資産・負債・純資産などから会社の財務状況を把握できます。
利益が出ていても借入金が多い場合もあるため、現金預金や負債などもあわせて確認することで、会社の状態をより正確に判断しやすくなります。
資金繰りや経営判断に活かせる
財務・会計の数字を確認することで、今後の入金や支払いを見通し、必要な資金を準備しやすくなります。
手元資金が不足しそうな場合は、支出の時期や借入を検討するなど、設備投資や人件費も含めて今後の経営判断に活かせます。
経営者がまず知っておきたい財務・会計の基本
経営者が財務・会計の数字を正しく読み取るには、まず会計の種類や基本的な数字の意味を整理しておく必要があります。
ここでは、経営判断に必要となる財務・会計の基本的な違いや数字の見方について説明します。
財務会計と管理会計の違いを理解する
財務会計は、株主や金融機関など社外の関係者に、会社の経営状況を伝えるための会計です。
一方、管理会計は、経営者が売上や利益、費用などを確認し、経営判断に役立てるために使います。
それぞれの目的を理解しておくと、必要な会計情報を使い分けやすくなります。
売上・利益・費用・キャッシュの違いを理解する
売上は商品やサービスから得た金額、費用は事業にかかった金額、利益は売上から費用を差し引いた金額です。
一方、キャッシュは会社が保有する現金や預金を指すため、売上や利益と同じ金額になるとは限りません。
決算書を見るときは、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。
利益と手元資金は別に考える
会社に利益が出ていても、支払いに使える現金が十分にあるとは限りません。
売上の入金より先に仕入代金や人件費などの支払いが発生すると、一時的に資金が不足することもあります。
そのため、利益だけでなく、今後の入金や支払いの予定と手元資金もあわせて確認しましょう。
経営者が理解しておきたい財務三表
会社の経営状態を数字で把握するには、財務三表と呼ばれる損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)をそれぞれ確認することが大切です。
ここでは、経営者が財務三表から確認すべきポイントを順に説明します。
損益計算書(PL)で利益の状況を確認する
損益計算書では、一定期間の売上高や費用、最終的にどれだけ利益が残ったのかを確認できます。
売上高だけでなく、営業利益や経常利益、当期純利益まで見ることで、会社がどのように利益を生み出しているのかを把握しやすくなります。
前年や予算と比較すると、経営状況の変化も確認できます。
貸借対照表(BS)で会社の財政状態を確認する
貸借対照表では、決算日時点の現金・預金や売掛金などの資産と、借入金や買掛金などの負債、純資産を確認できます。
手元資金や借入金がどの程度あるのかを見ることで、会社の財政状態を把握しやすくなります。
前期と比較して、それぞれがどのように増減しているかも確認しましょう。
キャッシュフロー計算書(CF)で現金の流れを確認する
キャッシュフロー計算書では、一定期間に会社の現金がどのように増減したのかを確認できます。
営業・投資・財務の3つの活動に分けて見ることで、本業による収入や設備投資、借入・返済などによる現金の動きを把握できます。
現金が増減した理由を確認したいときにも役立ちます。
経営判断に必要な基本的な数字
経営判断を行うときは、売上高だけを見るのではなく、どれだけ利益を残せているのか、どの程度の費用がかかっているのか、手元の資金が十分にあるのかまで確認する必要があります。
ここでは、経営者が日々の経営判断に活用したい基本的な数字について説明します。
売上高と売上総利益を確認する
売上高は商品やサービスを販売して得た金額で、売上総利益は売上高から売上原価を差し引いた金額です。
売上が増えていても原価が大きく増えると利益は伸びにくいため、前年や予算と比較しながら、売上総利益がどのくらい残っているかを確認しましょう。
営業利益と利益率を確認する
営業利益は、本業の売上から売上原価や販売費・管理費などを差し引いた利益です。
営業利益率を見ると本業の収益性が分かるため、前年や予算より低下している場合は、売上だけでなく人件費などの費用が増えていないかも確認しましょう。
固定費・変動費と損益分岐点を把握する
固定費は売上にかかわらず発生する費用、変動費は売上に応じて増減する費用です。
これらを分けて考えると、どのくらい売上があれば利益が出るのかという損益分岐点を把握でき、売上目標の設定や費用の見直しにも活かせます。
資金繰りとキャッシュフローを確認する
資金繰りでは今後の入金と支払いの予定を確認し、必要な現金を確保できるかを見ていきます。
利益が出ていても入金より支払いが先になると資金が不足することがあるため、キャッシュフローや手元資金もあわせて確認することが大切です。
経営者が決算書を見るときの基本的なポイント
決算書を見るときは、記載されている数字を単独で確認するのではなく、前年や予算と比べてどのように変化したのかを確認することが大切です。
ここでは、決算書から経営状態を把握するために、経営者が確認しておきたい基本的なポイントを説明します。
前年や予算と比べて数字の変化を見る
決算書の数字は、前年や予算と比べながら、売上や利益、費用がどのように変化したのかを確認します。
売上が増えていても費用がそれ以上に増えると利益が減ることもあるため、差額や増減率を見ることで、経営状況の変化や計画との差を把握しやすくなります。
利益だけでなく現金の増減を見る
利益が出ていても、売上代金の入金時期や借入金の返済などによって、手元の現金が減ることがあります。
そのため、利益だけでなく現金・預金の増減も確認し、現金が減っている場合は売掛金や借入金の返済など、その原因まで見ておくことが大切です。
売上・利益・資産・負債のバランスを見る
会社の経営状態を見るときは、売上や利益だけでなく、資産や負債もあわせて確認します。
売上や利益が増えていても借入金などの負債が大きく増えている場合があるため、それぞれの数字を前期と比較すると、会社全体の状態を把握しやすくなります。
経営者が決算書を経営判断に活かす方法
決算書は、過去の業績を確認するだけでなく、今後の経営判断に活用することもできます。
ここでは、決算書の数字をもとに、日々の改善から今後の経営計画までどのように判断するのかを説明します。
利益をもとに価格やコストを見直す
決算書で売上や営業利益、利益率を確認し、前年や予算を下回っている場合は、その原因を確認します。
販売価格の低下や原価、人件費などの増加が影響していることもあるため、数字の変化を見ながら価格の見直しや費用削減が必要かを判断しましょう。
資金状況をもとに投資や借入を判断する
投資や借入を検討するときは、手元資金と今後の入金・支払いの予定を確認することが大切です。
投資後の運転資金が不足しそうな場合は、投資額や時期を見直したり、必要に応じて借入を検討したりしながら、無理のない資金計画を立てます。
数字をもとに今後の経営計画を考える
経営計画を立てるときは、これまでの売上や利益、費用、手元資金の推移をもとに、今後の目標を考えます。
現在の利益率や固定費なども確認しながら必要な売上を見積もり、投資や費用も含めて、確保できる資金の範囲で計画を立てることが大切です。
まとめ
財務・会計の知識は、会社の状態を数字で把握し、経営判断に活かすために役立ちます。
売上や利益だけでなく、手元資金や借入金なども確認し、前年や予算と比べながら変化を見ることが大切です。
まずは毎月の売上や利益、現金・預金など、身近な数字を確認するところから始めてみましょう。数字を見る習慣をつけることで、価格やコストの見直し、投資や資金計画などの判断にも活かしやすくなります。