はじめに
「P2M資格にはどんな種類があるの?」
「プロジェクト管理の仕事に役立ちそうだけれど、難易度や取得するメリットが分からない」と気になっていませんか。
プロジェクトの進行管理やメンバーとの調整を任されるようになり、スキルを体系的に身につけるために資格を探していると、P2Mという名前を目にすることもありますよね。
この記事では、P2M資格の基本から資格の種類、難易度、取得するメリットまで順を追って説明します。
P2M資格とは?
P2M資格は、プロジェクト単体の管理だけでなく、複数のプロジェクトをまとめて扱うプログラムマネジメントも含めた知識や実践力を評価する資格です。
ここでは、P2M資格の基本的な位置づけと、資格取得によって証明できる内容について説明します。
P2M
P2Mは、特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が認定する、プロジェクト・プログラムマネジメントに関する資格体系です。
個別のプロジェクトだけでなく、複数のプロジェクトを一つのプログラムとして捉え、目標達成に向けて管理するための知識や実践力が問われます。
資格には複数の区分があり、自分の経験や習得段階に合わせて選べます。
P2M資格を取得することで証明できること
P2M資格を取得すると、プロジェクトやプログラムを管理するための知識や実践力を身につけていることを示せます。
計画の作成や進捗管理、関係者との調整など、プロジェクトを進めるうえで必要な能力を証明できるのが特徴です。
資格の区分によって、基礎知識から実務で活用できる能力まで、自分の習得レベルを示せます。
P2M資格の種類
P2M資格には複数の種類があり、学習する内容や評価される能力、対象者、受験要件などが異なります。
ここでは、各資格の対象者や受験要件、試験形式を比較したうえで、それぞれの特徴を説明します。
【比較一覧】P2M資格の種類・対象者・受験要件・試験形式
P2M資格は、知識の習得を認定する資格から、実務での実践力を評価する資格まで段階的に用意されています。主な違いを一覧で確認してみましょう。
| 資格 | 主な対象者 | 主な受験要件 | 試験・認定形式 |
|---|---|---|---|
| PMCe | P2Mの基礎を学びたい人 | 所定のeラーニング受講 | eラーニング・確認テスト |
| PMC | プロジェクトマネジメントの知識を身につけたい人 | 所定のPMC講習会を修了 | CBT・50問・75分 |
| PMS | プロジェクト・プログラムマネジメントを体系的に学びたい人 | 原則として制限なし※ | CBT・100問・150分 |
| PMQ | 実務でP2Mを活用する力を証明したい人 | PMS資格+実務経験3年以上 | 実務経歴の書面審査+CBTによる論述 |
| PMR | 高度なプログラムマネジメントの実践力を証明したい人 | PMS資格+実務経験など | 実務審査・論述・グループ討議・面談 |
| PMA | P2M資格体系の最上位を目指す人 | ― | 現在は実施されていない |
※PMC資格者などは、PMSプログラム試験を利用してPMS資格を取得するルートもあります。
PMC・PMSでは主にP2Mの知識が問われるのに対し、PMQ・PMRでは実務経験を踏まえた実践力が重視されます。まずは自分の知識や実務経験を確認し、現在のレベルや取得目的に合った資格を選ぶとよいでしょう。
PMCeはP2Mの基礎を学ぶ入門資格
PMCeは、P2Mの基本的な考え方や用語を学ぶための入門資格です。
これからP2Mを学び始める人に向いており、プロジェクトマネジメントの基礎知識を身につけていることを確認できます。
PMCはプロジェクトマネジメントの体系的知識を評価する資格
PMCは、プロジェクトマネジメントの体系的な知識を評価する資格です。
プロジェクトの立ち上げから計画、実行、管理まで、プロジェクトを進めるために必要な知識や考え方が問われます。
PMSはP2Mの体系的知識を幅広く評価する資格
PMSは、プロジェクトマネジメントに加え、複数のプロジェクトを扱うプログラムマネジメントまで幅広く学ぶ資格です。
個別のプロジェクトだけでなく、複数のプロジェクトを関連付けて管理するための知識も身につけられます。
PMQはプロジェクトマネジメントの実践力を評価する資格
PMQは、P2Mの知識を実務で活用する力を評価する資格です。
実際の業務でどのように状況を判断し、課題へ対応してきたかなど、知識だけでは測れない実践力が重視されます。
PMRは高度な実践力を評価する上位資格
PMRは、プロジェクトやプログラムの管理経験をもとに、高度な実践力を評価する上位資格です。
複雑な状況で課題を判断し、関係者と調整しながら成果につなげる力などが問われます。
PMAは最上位に位置づけられている未実施の資格
PMAは、P2M資格体系でPMRより上位に位置づけられている最上位資格です。
ただし、現在は資格試験が実施されていないため、現時点で受験して取得することはできません。
PMCとPMSの違い
PMCとPMSは、どちらもP2Mに関する知識を評価する資格ですが、学習・試験の対象範囲や受験要件に違いがあります。
ここでは、PMCとPMSの違いを整理し、自分の目的に合った資格を選ぶための考え方を説明します。
PMCとPMSでは対象範囲や受験要件が異なる
PMCはプロジェクトマネジメントを中心に学ぶ資格ですが、PMSはプログラムマネジメントまで含めた幅広い知識が問われます。
また、PMCは所定の講習を修了してから受験するのに対し、PMSは講習の修了を受験要件としていない点も違いです。
PMSは実務経験がなくても直接受験できる
PMSは実務経験やPMCの取得を受験要件としていないため、最初からPMS資格試験を受験できます。
そのため、P2Mを初めて学ぶ人でも、必要な知識を身につけたうえで直接合格を目指すことが可能です。
初めてP2M資格を取得する人は目的に合わせて選ぶ
基礎から段階的に学びたい場合はPMC、プログラムマネジメントまで幅広く学びたい場合はPMSが選択肢になります。
資格を順番に取得する必要はないため、自分が学びたい範囲や取得する目的に合わせて選びましょう。
P2M資格の難易度
P2M資格の難易度は一律ではなく、受験する資格の種類によって異なります。
ここでは、資格ごとの難易度の違いと、難しさを判断するときに確認したいポイントを説明します。
難易度は資格の種類によって異なる
P2M資格は、資格ごとに問われる知識や能力が異なるため、難易度にも差があります。
基礎知識を確認する資格から実務での判断力を評価する資格まであるため、自分が受験する資格の試験内容を確認しておきましょう。
合格率だけでなく試験形式や受験要件から判断する
P2M資格の難易度は、合格率だけでなく試験形式や受験要件も含めて考えることが大切です。
知識問題だけなのか、論述や面談があるのか、実務経験が必要なのかによって、求められる準備や対策は変わります。
上位資格ほど知識だけでなく実践力が求められる
PMQやPMRなどの上位資格では、知識だけでなく、実務で状況を判断して課題に対応する力も重視されます。
そのため、試験範囲を学ぶだけでなく、これまでの実務経験を振り返り、自分の判断や行動を整理しておくことも大切です。
P2M資格を取得するメリット
P2M資格を取得するメリットは、資格そのものを得ることだけではなく、学習を通じてプロジェクトマネジメントの知識を体系的に整理できる点にあります。
ここでは、P2M資格を取得することで得られる主なメリットを説明します。
プロジェクトマネジメントの知識を体系的に身につけられる
P2M資格の学習では、目標設定から計画、実行、進捗管理まで、プロジェクト管理に必要な知識を一連の流れに沿って学べます。
用語や手法を個別に覚えるだけでなく、どのような場面で活用するのかまで整理して理解できるのがメリットです。
プロジェクトだけでなくプログラムマネジメントまで学べる
P2Mでは、個別のプロジェクトを管理する方法に加え、複数のプロジェクトをまとめて扱うプログラムマネジメントも学べます。
それぞれの目的や関係を整理し、全体の目標達成につなげるための考え方を身につけられます。
プロジェクトを管理する知識や実践力を客観的に証明できる
P2M資格を取得すると、プロジェクトを管理する知識や実践力を資格という形で客観的に示せます。
資格によって評価される範囲は異なりますが、P2Mの知識や実務で活用する力を身につけていることを証明する材料になります。
P2M資格はどれを取得すればよい?
P2M資格は複数の種類があるため、自分の知識や実務経験、資格を取得する目的に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、目的や経験に応じて検討したいP2M資格を説明します。
P2Mを基礎から学びたい人
P2Mを初めて学ぶ場合は、PMCeやPMCが選択肢になります。
基本的な用語や考え方から学びたい人はPMCe、プロジェクトマネジメントの知識を体系的に身につけたい人はPMCを検討するとよいでしょう。
体系的な知識を幅広く証明したい人
プロジェクトマネジメントからプログラムマネジメントまで、幅広い知識を証明したい人はPMSが選択肢になります。
個別のプロジェクトだけでなく、複数のプロジェクトを関連付けて管理する知識も評価されるのが特徴です。
実務経験を生かして実践力を証明したい人
実務経験を生かしてプロジェクトやプログラムを管理する力を証明したい人は、PMQやPMRを検討します。
知識だけでなく、実務でどのように判断し、課題へ対応してきたかなど、経験に基づく実践力が重視されます。
まとめ
P2M資格を選ぶときは、上位資格だからという理由だけで決めるのではなく、今の知識や実務経験、取得する目的に合っているかを考えることが大切です。
まず基礎から学びたいのか、幅広い知識を身につけたいのか、実務経験を生かして実践力を証明したいのかを整理してみましょう。
自分の現在地と目標が分かれば、取得を目指す資格も選びやすくなります。
まずは無理なく挑戦できる資格から学習を始め、必要に応じて上位資格へステップアップしていきましょう。