目次
はじめに
「オッズ比って何を表しているの?」
「計算結果が1より大きいときや小さいときは、どう判断すればいいの?」と迷っていませんか。
統計解析の結果を確認していると、オッズ比(OR)という数値が示されていても、単純な割合や確率とは違うため、結果の意味を読み取るところで迷ってしまうことがありますよね。
この記事では、オッズ比の基本的な意味から計算方法、1を基準とした結果の見方まで、具体的な数値を使いながら順を追って説明していきます。
オッズ比とは?
オッズ比を理解するには、まず「オッズ」が何を表す数値なのかを知る必要があります。
ここでは、オッズの意味から確率との違いを確認し、2つのオッズを比べた値としてオッズ比がどのように求められるのかを順に説明します。
オッズとは何か
オッズとは、ある事象が「起こる確率」と「起こらない確率」の比を表す数値です。
たとえば、起こる確率が20%なら、オッズは20%÷80%=0.25となります。
確率そのものではなく、起こる側と起こらない側を比べた値と考えると分かりやすいでしょう。
オッズと確率の違い
確率は、ある事象が起こる割合を0〜1、または0〜100%で表します。
一方、オッズは「起こる確率÷起こらない確率」で求めるため、1を超えることもあります。
たとえば確率50%ならオッズは1、確率80%ならオッズは4となります。
オッズ比は2つのオッズを比較した値
オッズ比とは、2つのグループのオッズを比べた値です。
たとえば、A群のオッズが2、B群が1なら、オッズ比は2÷1=2となり、A群のオッズはB群の2倍と表せます。
オッズ比の計算方法
オッズ比は、2つのグループについて求めたオッズを比較して計算します。
ここでは、まず2×2表を使った計算式を確認し、その後に具体的な数値を使って計算の手順を説明します。
2×2表を使ったオッズ比の計算式
2×2表では、2つのグループと結果の有無に分けて人数を整理します。
A群の「結果あり」をa、「結果なし」をb、B群をそれぞれc、dとすると、オッズ比は「(a÷b)÷(c÷d)」となり、「ad÷bc」で計算できます。
具体的な数値を使ったオッズ比の計算例
A群が「結果あり20人・なし80人」、B群が「結果あり10人・なし90人」の場合、オッズはそれぞれ0.25と約0.11です。
オッズ比は0.25÷0.11≒2.25となるため、A群のオッズはB群の約2.25倍と分かります。
オッズ比の結果の見方
オッズ比を計算した後は、得られた数値が1より大きいのか、小さいのかを確認することで、2つのグループのオッズの関係を読み取れます。
ここでは、オッズ比が1の場合、1より大きい場合、1より小さい場合の意味を確認したうえで、具体例から結果を読み取る方法を説明します。
オッズ比が1の場合は関連がない
オッズ比が1の場合、比較する2つのグループのオッズは同じです。
たとえば、A群とB群のオッズがどちらも2なら、2÷2=1となり、両者のオッズに差はありません。
オッズ比が1より大きい場合はオッズが高い
オッズ比が1より大きい場合、分子側のグループのオッズが比較対象より高いことを示します。
たとえばオッズ比が2なら、分子側のオッズは比較対象の2倍と読み取れます。
オッズ比が1より小さい場合はオッズが低い
オッズ比が1より小さい場合、分子側のグループのオッズが比較対象より低いことを示します。
たとえばオッズ比が0.5なら、分子側のオッズは比較対象の半分と読み取れます。
具体例からオッズ比の結果を読み取る方法
A群のオッズが2、B群が1なら、A群を分子側にしたオッズ比は2となり、A群のオッズはB群の2倍です。
反対にA群が1、B群が2ならオッズ比は0.5となり、A群のオッズはB群の半分と読み取れます。
オッズ比を解釈するときの注意点
オッズ比は2つのグループのオッズを比較できる便利な指標ですが、数値をそのまま発生確率の倍率として捉えたり、オッズ比だけで因果関係を判断したりすると、結果を誤って解釈することがあります。
ここでは、オッズ比を解釈するときに特に注意したい4つのポイントを説明します。
オッズ比2を「発生確率が2倍」とは解釈できない
オッズ比が2とは、「分子側のオッズが比較対象の2倍」という意味であり、発生確率が2倍になるわけではありません。
たとえば比較対象の発生確率が20%の場合、オッズが2倍になったときの発生確率は約33.3%となり、40%にはなりません。
95%信頼区間が1をまたぐか確認する
オッズ比の95%信頼区間では、区間に1が含まれているかを確認します。
たとえば1.2~3.3なら1を含みませんが、0.8~3.5なら1を含むため、オッズ比が1と異なるとは判断できません。
オッズ比とリスク比は同じ意味ではない
オッズ比はオッズを比較する値、リスク比は発生確率を比較する値です。
たとえばA群の発生確率が20%、B群が10%なら、リスク比は2ですが、オッズ比は約2.25となるため、同じ数値になるとは限りません。
オッズ比だけで因果関係があるとは判断できない
オッズ比に差があっても、それだけで一方の要因が結果を引き起こしたとは判断できません。
因果関係を考えるときは、オッズ比だけでなく、研究デザインや交絡因子などもあわせて確認することが大切です。
まとめ
オッズ比は、2つのグループで結果が起こるオッズを比較するための値です。
2×2表では「ad÷bc」で計算でき、1を基準にして、どちらのグループのオッズが高いか低いかを読み取れます。
ただし、オッズ比が2だからといって、発生確率が2倍になるわけではありません。結果を正しく理解するためにも、95%信頼区間や研究デザインなどもあわせて確認することが大切です。
まずは「オッズ比は確率そのものではない」という点を押さえたうえで、数値の意味を読み取っていきましょう。