プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントのプロセス群とは?5つの流れと全体像をわかりやすく解説

はじめに

「プロジェクトマネジメントのプロセス群って、結局どういう流れなの?」「名前は聞くけど、実際に何をどの順番でやればいいのかわからない…」そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。

プロジェクトマネジメントでは、「思いついた順に作業を進める」のではなく、最初にやること、途中で確認すること、最後に振り返ることまで、あらかじめ決まった流れに沿って進めていきます。たとえば、目的を決めないまま作業に入ってしまうと、途中で方向がずれて手戻りが発生し、結果として予定よりも1週間、2週間と遅れてしまうケースも少なくありません。

そのため、プロジェクトを進めるときは、「まず何を決めるか」「どのタイミングで確認するか」「どこで見直すか」といった手順を一つずつ押さえながら進めることが重要になります。ここが曖昧なままだと、担当者ごとに進め方がバラバラになり、同じ作業を二重に行ってしまったり、必要な確認が抜け落ちたりしてしまいます。

この記事では、プロジェクトマネジメントのプロセス群について、「最初に何をするのか」「途中でどのように進めるのか」「どこで確認・修正するのか」という流れを順番に整理しながら、全体像が具体的にイメージできるように解説していきます。

プロジェクトマネジメントのプロセス群とは?

プロジェクトマネジメントのプロセス群とは、プロジェクトを開始してから完了するまでに行う作業を、開始・計画・実行・監視コントロール・終結の5つの流れに分けて整理したものです。

たとえば、開始では「目的を1つに絞って決める」「関係者を3〜10人程度に特定する」といった最初の準備を行い、計画では「納期を〇月〇日までと決める」「作業を1日単位や1週間単位で区切ってスケジュールに落とす」といった具体的な設計を行います。

実行では決めた作業をそのまま進め、監視コントロールでは進捗が予定より何日遅れているかを確認し、ズレが出た場合は作業内容や担当を調整します。最後の終結では、成果物を提出し、予定通り完了したかを確認してプロジェクトを締めます。

このように、最初に何を決めてから動くのか、途中でどのタイミングで確認するのか、最後にどの状態で終わらせるのかをあらかじめ区切っておくことで、作業の抜け漏れや手戻りを防ぎながら進められるようになります。

5つのプロセス群一覧(全体像)

プロジェクトは、開始から終了までを5つのプロセス群に分けて管理します。最初に目的や体制を決め、次に作業内容やスケジュール・コストを具体的な数値で計画し、その計画に沿って作業を進めます。

その途中で進捗や品質を日次・週次で確認し、遅れやズレがあれば修正を行い、最後に成果物の受け渡しと正式な完了手続きを実施します。
この一連の流れを構造化したものが、立ち上げ・計画・実行・監視とコントロール・終結の5つのプロセス群です。

立ち上げプロセス群(Initiating)

プロジェクトの開始時に行うのは、実施するかどうかを正式に決定し、誰が責任者として進めるのかを明確にする作業です。

具体的には、目的・成果物・予算上限・期間の大枠を文書化し、発注者や経営層の承認を1回で取得します。同時に、プロジェクトマネージャーを1名任命し、意思決定権限と報告ラインを設定します。

ここで目的や責任範囲が曖昧なまま進めると、その後の計画作成や人員配置で前提がずれ、手戻りが発生するため、開始段階で判断と承認を完了させます。

計画プロセス群(Planning)

計画プロセス群では、開始段階で決めた目的と条件をもとに、作業内容・期間・人員・コストを具体的な数値で確定します。

まず成果物を分解して作業単位まで落とし込み、各作業に対して所要時間を1時間単位で見積もり、開始日と終了日を日付で設定します。同時に担当者を1作業ごとに1名割り当て、必要な工数と人件費を算出し、全体の予算内に収まるかを確認します。

ここで作業範囲や期間が曖昧なまま進めると、実行段階でスケジュール遅延やコスト超過が発生するため、着手前にすべての条件を数値で固定します。

実行プロセス群(Executing)

実行プロセス群では、計画で確定した作業・日程・担当者に基づき、実際の作業を日単位で進めて成果物を作成します。

各担当者は割り当てられた作業を開始日から終了日までに完了させ、進捗は1日1回の報告で共有し、予定との差分を数値で確認します。同時に、必要な指示や承認をその都度行い、計画どおりに進めるための調整を実施します。

ここで進捗管理や指示が遅れると、作業遅延が連鎖してスケジュール全体に影響が出るため、日次単位で実行と管理を繰り返します。

監視・コントロールプロセス群(Monitoring and Controlling)

監視・コントロールプロセス群では、計画で設定した日程・工数・コストと、実行で出ている実績値を日次または週次で比較し、差分を数値で把握して修正を行います。

具体的には、各作業の完了率を0〜100%で記録し、予定終了日との差を日数で算出し、工数やコストの超過分を金額で確認します。そのうえで、遅延が1日以上発生している作業には担当者の再割り当てや作業順序の変更を即時判断し、修正後の計画を再設定します。

ここで差分の把握と修正判断が遅れると、遅延やコスト超過が拡大するため、定期的に測定と是正を繰り返します。

終結プロセス群(Closing)

終結プロセス群では、すべての作業と成果物が計画どおりに完了しているかを確認し、正式にプロジェクトを終了させます。

具体的には、成果物を最終版として確定し、発注者から承認を1回で取得し、未完了タスクが0件であることを確認します。同時に、実績としてかかった総工数と総コストを集計し、当初計画との差分を数値で整理します。そのうえで、契約や支払い処理を完了させ、関係者への終了報告を実施します。

ここで完了確認や承認が曖昧なまま終了すると、後から追加対応が発生するため、すべての条件を満たした状態で終了処理を確定させます。

プロセス群の流れ(開始〜終了の全体像)

プロセス群の流れは、開始から終結までを5つの順番でつなげて進めます。最初に開始で「何をいつまでに終わらせるか」を1つに決め、関係者を5人〜10人程度に特定したうえで、プロジェクトとして動き出します。

次に計画では、納期を〇月〇日と日付で確定させ、作業を1日単位または1週間単位に分解し、担当者ごとに割り当てます。この段階で、作業ごとの開始日と終了日をスケジュールに落とし込みます。

そのあと実行では、計画で決めた内容どおりに作業を進め、担当者は割り当てられたタスクを日次または週次で消化していきます。同時に監視コントロールでは、予定と実績の差を確認し、たとえば3日以上の遅れが出た場合は担当の変更や作業の順番入れ替えを行います。

最後の終結では、すべての作業が完了しているかをチェックし、成果物を提出したうえで、予定した納期どおりに完了したかを確認してプロジェクトを終了します。この順番で進めることで、開始から終了までの流れを切れ目なくつなげて管理できます。

プロセス群と知識エリアの関係

プロセス群と知識エリアは、同じプロジェクトの中で「いつ行うか」と「何を管理するか」を分けて整理した関係になっています。

プロセス群は開始から終結までの5つの流れを示し、知識エリアはスコープ、スケジュール、コスト、品質など10項目ごとに管理内容を区切っています。たとえば、計画の段階ではスコープについては「成果物に含める作業をすべて書き出す」、スケジュールについては「各作業の開始日と終了日を日付で決める」、コストについては「人件費や外注費を合計して予算を算出する」といった形で、それぞれの項目ごとに作業を進めます。

同じように、実行の段階では品質であれば「成果物が仕様どおりかをチェックする」、監視コントロールの段階ではスケジュールであれば「予定より何日遅れているかを確認する」といったように、5つの流れの中で10項目それぞれの作業を対応させて進めていきます。

このように、流れに沿って進めるタイミングを決めながら、管理する項目ごとに具体的な作業を当てはめることで、どの段階で何をやるかを迷わずに進められるようになります。

まとめ

プロジェクトマネジメントのプロセス群は、「開始・計画・実行・監視とコントロール・終結」の5つの流れで構成されており、最初に目的や責任者を明確にし、その内容をもとに日付・工数・コストを数値で計画し、計画どおりに作業を進めながら、日次や週次で差分を確認して修正し、最後に成果物の承認と完了処理までを行う一連の手順です。

この順番を守ることで、「目的が曖昧なまま進む」「途中で3日〜1週間単位の遅れが発生する」「同じ作業を二重に行う」といった問題を防ぎ、開始から終了までを一つの流れとして切れ目なく管理できます。

また、プロセス群は「いつ進めるか」を示し、知識エリアは「何を管理するか」を示しているため、5つの流れに沿って、スコープ・スケジュール・コスト・品質などの項目ごとに具体的な作業を当てはめることで、各段階でやるべき内容を迷わず実行できる状態になります。

その結果、プロジェクトは計画どおりに進みやすくなり、遅延やコスト超過を最小限に抑えながら、成果物を予定した納期内に完了させることができます。

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