目次
1. プロジェクトマネージャ試験 午後問題とは
プロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の中でも特に難易度が高い試験です。この試験の午後問題は、合格を目指す上で最も重要なポイントとなっています。ここでは、午後Ⅰと午後Ⅱの問題がどのような内容なのか、概要を説明します。
午後問題の概要
午後問題は大きく分けて、午後Ⅰと午後Ⅱの2つのセクションがあります。
-
午後Ⅰ：3つの問題が出題され、そのうち2問を選んで記述式で解答します。プロジェクトの計画立案や課題解決に関する具体的なケーススタディが中心となっています。解答には、自分なりの考えや論理的な説明が求められるため、ただ知識を暗記するだけでは合格が難しい特徴があります。
-
午後Ⅱ：こちらは論述式問題です。2問出題されるうち、1問を選んで詳しく論じます。午後Ⅱでは「自分の経験や考えをもとに論述すること」がテーマの中心です。プロジェクトマネージャとしての判断力や表現力を試されるため、実際の業務で得た経験や、自分自身の意見をしっかりとまとめて表現する力が問われます。
午後問題で求められる力
午後Ⅰ・Ⅱともに、プロジェクトマネジメントに関する実践的な知識だけでなく、それをわかりやすく記述したり、自分の体験や意見を筋道立てて説明したりする力が必要です。そのため、普段からプロジェクトに関わっている方はもちろん、これからプロジェクトマネージャを目指す方にも、広い視野と柔軟な思考力が求められます。
次の章では、午後Ⅰ問題の具体的な傾向と対策についてご紹介します。
2. 午後Ⅰ問題の具体的な傾向と対策
午後Ⅰ問題は、プロジェクトマネージャ試験の中でも実務で役立つ知識や考える力を問われる部分です。ここでは、どんな問題がよく出て、どのように対策すると良いのか、具体的に解説します。
よく出るテーマ
午後Ⅰでよく出るのは、プロジェクト計画書の作成や組織の役割分担表（RACIチャートなど）、リスクの洗い出しや対策、スケジュールや進捗の管理、コストをどう管理するかなどです。さらに、開発にかかる工数の計算や、アローダイアグラムというスケジュール表示法、ベロシティやCPIなどプロジェクトの進み具合や効率を表す指標も頻繁に問われます。
例: 「この作業が計画に遅れた場合、どこでリカバリーできるか？」「Aさんが抜けた場合、影響を受けそうな作業や担当者は？」といった設問が典型です。
出題形式のポイント
午後Ⅰは、ケーススタディ型の問題が中心です。つまり、実際のプロジェクト現場で起こりそうな事例を元に、問題文を読み、適切な対応策や計算、判断が求められます。そのため、単に用語を暗記するだけでなく、『なぜその判断が必要なのか』を自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
効果的な対策法
- 過去問演習
直近3年間以上の過去問題に繰り返し取り組むことで、出題傾向や設問パターンに慣れることができます。 - シラバスの確認
試験範囲やポイントを押さえるには、公式シラバスを熟読することが役立ちます。 - 参考書・問題集活用
「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」「プロジェクトマネージャ 総仕上げ問題集」など解説付きの参考書を使うと、知識の定着に効果的です。 - 学習アプリの利用
スキマ時間にもスマホで学習できる「Vulpe」などのアプリを活用すると、効率的に知識を増やせます。
模擬試験や自主採点も取り入れて
演習だけでなく、実際に本番を意識した模擬試験や時間を測っての自主採点も力になります。ミスを見つけ、どこで間違えたのかを振り返る癖をつけると、さらなるレベルアップにつながります。
次の章では、午後Ⅱ問題の特徴と準備法について詳しく解説します。
3. 午後Ⅱ問題の特徴と準備法
午後Ⅱ問題はプロジェクトマネージャ試験の中でも特に論述力が求められる重要な部分です。午後Ⅱでは、与えられた課題テーマについて自身の経験や考えを論理的にまとめ、長文で回答する形式となっています。ここでは午後Ⅱ問題の特徴と、効果的な準備法について詳しく解説します。
午後Ⅱ問題の特徴
午後Ⅱ問題は、プロジェクト管理に関係する幅広いテーマが出題されます。例えば、ステークホルダ（関係者）の調整方法、リスクへの対応策、スケジュール遅延への対処、品質保証の手順などが典型例です。これらのテーマは、PMBOKというプロジェクトマネジメントの国際標準ガイドに基づいて出題されることが多いです。
特徴的なのは、単なる体験談やエピソードの記述だけでなく、専門的な知識や理論についても求められる点です。課題ごとに自分の経験を散りばめつつ、プロジェクトマネジメントの用語や考え方を適切に使って論理的にまとめる必要があります。
効果的な準備法
午後Ⅱの対策としては、まず過去問を分析し、よく出題されるテーマごとに自分の経験や参考となる事例をストックしておくことが重要です。この時、現実の体験だけでなく、架空のプロジェクトでも良いので、書きやすいパターンを準備しましょう。また、出題されやすいテーマごとに、「なぜそのような対応をしたのか」「どのような工夫をしたのか」という理由や結果が明確に語れるエピソードにまとめておくと便利です。
さらに、論述問題は手書きで回答を作成するので、実際の試験形式に合わせて、時間内に一定の量を書き上げる練習が欠かせません。最初は時間を気にせず内容重視で書き、その後は制限時間を測って書くことで、「思考→構成→記述」を円滑に進める力が養われます。
最後に、専門用語や理論を使えるよう、PMBOKでよく使われる用語や基本的な理論のまとめを作っておくと、答案に説得力が増します。
次の章では、実際に合格した方の体験談や具体的なアドバイスをご紹介します。
4. 合格者の体験談と実践アドバイス
実務未経験でも合格は十分可能です
実際に合格した方々の多くは、最初は「自分にできるだろうか？」と不安を抱えてスタートしたそうです。しかし、実務経験がなくても、着実に知識を積み重ねれば合格できます。特に重要なのは、過去問を何度も解くことで出題傾向や問い方に慣れることです。ある合格者は「最初は午後Ⅱの論述が全く書けなかったが、書く内容をパターン化して練習したことで得点源にできた」と話しています。
午後Ⅰ・午後Ⅱでの勉強法の違いは？
午後Ⅰは短めの記述式問題が中心なので、過去問を解いた後に「なぜこの解答になるのか」を必ず確認することがコツです。一問ずつ理由を理解していくことで、現代文の読解力も同時に鍛えられます。
午後Ⅱは長い論述が特徴です。「テーマ例をストックし、それぞれについて簡単な自分の経験や知識と結びつける練習が役立った」との声があります。また、「解答例を分析し、自分の言葉で書き直す練習を重ねることで、無理なく文字数を満たせるようになった」という方もいました。
モチベーション維持のポイント
「毎日10分でも机に向かう習慣をつけた」「SNSで勉強仲間と進捗を報告し合った」など、少しずつ続ける工夫もよく聞かれます。短期間で一気に詰め込むより、日々の積み重ねが大きな力になります。
体験者が勧める実践的アドバイス
- 出題テーマごとの過去問を並べて傾向を掴む
- 論述問題の練習は自分の経験や考えも交えて書く
- 模範解答をそのまま写すのではなく、自分の言葉で言い換える
これらを実践することで、着実な得点力アップにつながります。
次の章では「おすすめ参考書・アプリ・教材」について詳しくご紹介します。
5. おすすめ参考書・アプリ・教材
基本の参考書
プロジェクトマネージャ試験対策として、まず押さえておきたい書籍が「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ」（通称：みよちゃん本）です。この本は、受験生から長く愛されており、難しい内容もイラストや丁寧な解説でやさしく説明しています。各分野ごとに要点がまとまっているので、試験範囲の全体像をつかむのに最適です。実際に多くの合格者がこの一冊を軸に勉強を進めていました。
問題集の活用
知識を確認するだけでなく、解答力を磨くためには問題演習が欠かせません。「プロジェクトマネージャ 総仕上げ問題集」は午後問題を中心に、本番さながらの問題がそろっています。問題と解説がセットになっているので、間違えた箇所もしっかり復習できます。実践形式で解説しているため、学習をしながら解き方のコツをつかむことができます。
学習アプリ・オンライン教材
紙の教材に加え、移動中や隙間時間に活用できる学習アプリもおすすめです。「Vulpe」は、学習計画の作成や進捗管理ができるアプリとして多くの受験生に支持されています。目標日までにどの分野をどれくらい勉強すればよいかが一目でわかりますので、計画的に学習を進めたい方にピッタリです。
オンライン上の動画講座やWeb問題集も増えています。これらは机に向かえない時間でもスマートフォンやタブレットで手軽に学習可能です。自分のペースに合わせて繰り返し問題に取り組めるメリットもあります。
次の章に記載するタイトル：まとめ：午後問題突破のための学習戦略
6. まとめ：午後問題突破のための学習戦略
午後問題の合格を目指すためには、いくつかの重要なポイントを押さえた学習戦略が効果的です。ここでは、午後Ⅰ・午後Ⅱそれぞれの特徴を理解しつつ、基礎から応用までバランスよく力を身につける方法をご紹介します。
学習の三本柱を意識する
学習の基礎として役立つのが「過去問」「シラバス」「参考書」の三本柱です。まず、過去問を活用して出題傾向や問題の流れを知りましょう。過去問を繰り返し解くことで、本番さながらの回答力が身につきます。次に、シラバス（試験の範囲や項目表）で出題範囲を確認し、どこが重点的に問われているのかを把握してください。そして、参考書を読むことで、過去問で分からなかった部分の知識補強や理解の定着を図りましょう。
午後Ⅰと午後Ⅱ、それぞれの対策
午後Ⅰ問題では、実務的な記述力が問われます。たとえば、自分が現場でマネージャーだった場合を意識して、具体的な記述練習を行うことが大切です。一方、午後Ⅱ問題は論理的な論述力が必要です。自分の考えを筋道立てて説明する練習や、サンプル論文を参考にすることで、説得力のある答案作成につながります。
学習計画とアプリの活用
効率的に勉強を進めるには、学習計画を立ててアプリを活用しましょう。スケジュール帳やタスク管理アプリを使うと、勉強の進捗が見える化され、モチベーション維持にも役立ちます。進捗をこまめに確認し、計画通りに学習を進めることを意識してください。
合格者の体験談やサンプル論文を活かす
実際に合格した人の体験談やサンプルの解答例・論文は、とても参考になります。特に、自分と同じ悩みを持っていた経験談や、答案の書きぶりを知ることで実践的なヒントが得られます。自分なりにアレンジして練習すると、自信を持って午後問題に臨めます。
プロジェクトマネージャ試験 午後問題は準備に時間がかかりますが、計画的な学習と実践的な演習を続けることで、着実に合格へ近づけます。ご自身のペースを大切にしながら、焦らず取り組んでいきましょう。