プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントの優先順位はどう決める?実務で使える判断基準と付け方を解説

はじめに

「プロジェクトマネジメントで、どの作業から手を付ければよいのだろう」
「重要そうなタスクが多くて、優先順位の付け方が分からない」と迷っていませんか。

納期が近い作業、関係者から急かされている確認事項、後工程に影響する判断などが同時に並ぶと、何を先に進めるべきか決めきれず、対応が後手に回ってしまうことがありますよね。

この記事では、プロジェクトマネジメントで優先順位を決める際の判断基準や、実務で迷わず使える付け方を解説します。

プロジェクトマネジメントにおける優先順位とは?

プロジェクトマネジメントでは、限られた人員・時間・予算の中で複数の作業を進めるため、すべてのタスクを同じ重要度で扱うことはできません。

ここでは、プロジェクトマネジメントにおける優先順位の意味を整理したうえで、優先順位付けが必要な理由と、決めない場合に起こる問題を解説します。

優先順位付けが必要な理由

プロジェクトでは、作業によって期限や他の工程への影響が異なるため、取り組む順番を決めることが大切です。

すべての作業を同じように進めると、納期に直結する作業や、次の工程に必要な作業が後回しになることがあります。

「いつまでに必要か」「遅れるとどこに影響するか」を確認しながら、優先順位を付けて進めましょう。

優先順位を決めないと起こる問題

優先順位を決めずに進めると、担当者によって判断が分かれ、重要な作業が後回しになることがあります。

その結果、次の工程に進めなかったり、期限直前に作業が集中したりする可能性があります。

確認漏れや修正の増加を防ぐためにも、あらかじめ取り組む順番を共有しておくことが大切です。

プロジェクトマネジメントで優先順位を決める判断基準

プロジェクトの優先順位は、担当者の感覚や声の大きさだけで決めると、必要な作業が後回しになりやすくなります。

ここでは、プロジェクトマネジメントで優先順位を決める際に使いやすい主な判断基準を解説します。

重要度

重要度は、その作業がプロジェクトの成果や進行にどれだけ関わるかで判断します。

成果物の品質を左右する作業や、完了しないと次の工程に進めない作業は、重要度が高いと考えられます。

一方で、後から対応しても大きな影響がない作業は、優先順位を下げても問題ない場合があります。

緊急度

緊急度は、期限までの時間や、対応が遅れた場合の影響をもとに判断します。

今日中に対応しなければ次の作業を始められない場合や、提出期限が迫っている作業は、優先して進める必要があります。

期限に余裕があり、他の作業に影響しないものは、後から対応することもできます。

納期への影響

納期への影響は、その作業が遅れたときに、後の工程や最終的な提出日にどの程度影響するかで判断します。

後続の作業が多いものや、遅れるとスケジュール全体に影響する作業は、早めに進めることが大切です。

特に調整できる期間が少ない場合は、優先順位を高くしておくと安心です。

どの作業の遅れがプロジェクト全体の納期に影響するのか判断しにくい場合は、クリティカルパスの考え方を確認しておくと整理しやすくなります。
プロジェクトマネジメントで重要なクリティカルパスとは?意味と求め方をわかりやすく解説

プロジェクト目標への影響

プロジェクト目標への影響は、その作業が品質や納期、予算、成果物の条件にどの程度関わるかで判断します。

顧客と合意した必須条件や、目標達成に欠かせない作業は、優先して進める必要があります。

一方で、後から調整しても目標達成に影響しない作業は、優先順位を下げることもできます。

プロジェクトマネジメントで優先順位を付ける手順

優先順位を付けるときは、いきなり順番を決めるのではなく、まず対象となるタスクや課題を整理する必要があります。

ここでは、タスクや課題の洗い出しから、分類、優先順位の決定、関係者への共有までの手順を解説します。

タスクや課題を洗い出す

優先順位を付ける前に、まずプロジェクトで対応が必要なタスクや課題を洗い出します。

作業名だけでなく、担当者や期限、完了しない場合の影響まで整理しておくと、優先順位を判断しやすくなります。

会議で決まったことや未対応の依頼なども含め、抜け漏れがないか確認しましょう。

重要度・緊急度・影響度で分類する

洗い出したタスクや課題は、重要度・緊急度・影響度の3つの視点で整理します。

成果物への関わりが大きいか、期限が迫っているか、遅れた場合に他の作業へ影響するかを確認すると、優先すべきものが見えやすくなります。

それぞれの基準をもとに、対応する順番を考えていきましょう。

重要度と緊急度だけでは判断しにくい場合は、タスクを4つに分けて整理する方法もあります。具体的な使い方を確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
▶重要度×緊急度マトリクスとは?タスクの優先順位を決める方法  

優先順位を決定する

タスクを分類したら、実際に取り組む順番を決めます。

期限が近く、遅れると後続の作業や成果物の完成に影響するものは、優先して進める必要があります。

「今日中」「今週中」「後からでも対応できる」と分けると、取り組む順番を整理しやすくなります。

関係者と共有する

優先順位を決めた後は、担当者や確認者などの関係者に共有します。

どのタスクを先に進めるのか、誰がいつまでに対応するのかを明確にしておくと、認識のずれを防ぎやすくなります。

決めた内容は議事録やタスク管理表にも残し、必要なときに確認できるようにしておきましょう。

重要度×緊急度マトリクスで優先順位を決める方法

重要度×緊急度マトリクスを使うと、タスクを「重要か」「緊急か」の2つの軸で整理できます。

ここでは、重要かつ緊急なタスク、重要だが緊急ではないタスク、緊急だが重要ではないタスク、重要でも緊急でもないタスクに分けて、優先順位を決める方法を解説します。

重要かつ緊急なタスク

重要かつ緊急なタスクは、成果物の完成に大きく関わり、期限も迫っている作業です。

たとえば、当日中に必要な承認や、提出期限が近い修正などが当てはまります。

対応が遅れると後の工程や納期に影響するため、優先して取り組みましょう。

重要だが緊急ではないタスク

重要だが緊急ではないタスクは、成果物の品質やプロジェクトの目標に関わるものの、期限にはまだ余裕がある作業です。

すぐに対応する必要はありませんが、後回しにすると期限が迫り、緊急なタスクに変わることがあります。

着手日や完了日を決め、計画的に進めることが大切です。

緊急だが重要ではないタスク

緊急だが重要ではないタスクは、対応期限は近いものの、成果物やプロジェクトの目標には直接関わらない作業です。

急ぎの連絡や社内確認などが当てはまりますが、重要な作業を止めてまで時間をかける必要がない場合もあります。

対応する時間を決め、必要な範囲で進めるとよいでしょう。

重要でも緊急でもないタスク

重要でも緊急でもないタスクは、成果物への影響が小さく、期限にも余裕がある作業です。

参考資料の整理や、すぐには使わない社内用メモの修正などが当てはまります。

急いで対応せず、時間に余裕があるときに進めることで、優先度の高い作業に集中しやすくなります。

実務で使える優先順位付けの判断フレーム

実務で優先順位を付けるときは、1つの基準だけで判断すると、納期遅延や重要タスクの後回しが起こりやすくなります。

ここでは、現場で使いやすい優先順位付けの判断フレームを解説します。

重要度×緊急度

重要度と緊急度を組み合わせると、どのタスクから取り組むべきかを整理しやすくなります。

成果物への影響が大きく、期限も迫っているタスクは優先して対応します。

一方で、重要でも期限に余裕があるものは、着手日を決めて計画的に進めるとよいでしょう。

納期への影響

納期への影響は、そのタスクが遅れたときに、後の工程や最終的な提出日にどの程度影響するかで判断します。

遅れることで修正や確認に使える時間が減るタスクは、優先順位を高くする必要があります。

特に後続の作業が多い場合は、早めに対応しておくことが大切です。

プロジェクト目標への影響

プロジェクト目標への影響は、そのタスクが成果物の条件や納期、予算にどの程度関わるかで判断します。

顧客と合意した必須条件など、未完了のままでは目標を達成できないタスクは、優先して進める必要があります。

目標への影響が小さいものは、状況に応じて優先順位を下げてもよいでしょう。

リスクの大きさ

リスクの大きさは、そのタスクを後回しにした場合に、手戻りや納期の遅れ、追加費用が発生する可能性で判断します。

未確認のまま進めると大きな修正につながる作業は、早めに対応することが大切です。

後からの負担が大きくなりそうなタスクほど、優先順位を高くしておくと進めやすくなります。

複数のプロジェクトがある場合の優先順位の付け方

複数のプロジェクトを同時に進める場合、すべてに同じ量の人員・時間・予算を割くことはできません。

ここでは、経営目標との関連性、納期やリスクの大きさ、リソース配分の観点から、複数プロジェクトの優先順位を付ける方法を解説します。

経営目標との関連性

複数のプロジェクトがある場合は、それぞれが売上やコスト削減、顧客維持などの経営目標にどの程度関わるかを確認します。

会社として優先したい目標に大きく関わるプロジェクトは、人員や時間を優先的に確保する必要があります。

経営目標への影響が小さいものは、状況に応じて実施時期を調整するとよいでしょう。

納期やリスクの大きさ

プロジェクトの優先順位を決める際は、納期までの期間と、遅れた場合に生じるリスクを確認します。

納期が迫っているものや、遅れると顧客や後続の工程に大きく影響するプロジェクトは、優先して進める必要があります。

納期に余裕があり、遅れても影響が小さいものは、優先順位を下げることもできます。

リソース配分

複数のプロジェクトを進めるときは、担当者や作業時間など、利用できるリソースも考える必要があります。

同じ担当者に作業が集中している場合は、納期や重要度を確認しながら、どのプロジェクトに時間を割くかを決めます。

担当者の変更や開始時期の調整も行い、無理のない配分を考えることが大切です。

複数のプロジェクトやタスクを整理しても、担当者ごとの作業量が見えにくい場合は、リソース管理の方法もあわせて確認しておきましょう。
プロジェクトマネジメントのリソース管理とは?進め方をわかりやすく解説

優先順位を見直すタイミング

優先順位は一度決めたら終わりではなく、プロジェクトの状況に合わせて見直す必要があります。

ここでは、優先順位を見直すべきタイミングを、変更発生時・リスク発生時・定例会議や進捗確認の場面に分けて解説します。

納期や要件が変更されたとき

納期や要件が変わったときは、それまでの優先順位が合わなくなることがあります。

提出日の前倒しや新しい要件の追加があった場合は、期限や作業量、後の工程への影響を確認し直しましょう。

必要に応じて、先に対応するタスクや担当者を見直すことが大切です。

新たな課題やリスクが発生したとき

新しい課題やリスクが発生したときも、優先順位を見直すタイミングです。

仕様の未確定や担当者の欠勤などが起こると、予定していた作業をそのまま進められない場合があります。

納期や成果物への影響を確認し、必要な対応を優先できるように順番を調整しましょう。

定例会議や進捗確認のタイミング

定例会議や進捗確認のタイミングでは、現在の優先順位が適切かを確認します。

予定より遅れているタスクや、作業が止まっている部分があれば、その後の工程への影響も確認することが大切です。

状況に変化があれば、次に取り組むタスクや担当者を見直しましょう。

プロジェクトマネジメントの優先順位付けでよくある失敗

プロジェクトマネジメントの優先順位付けでは、基準を決めたつもりでも、実務では判断がぶれやすくなります。

ここでは、優先順位付けでよくある失敗を整理し、どのような点に注意すべきかを解説します。

すべてを最優先にしてしまう

すべてのタスクを最優先にすると、担当者はどの作業から進めればよいのか判断しにくくなります。

期限が近い作業と、後から対応できる作業を同じように扱うと、本当に優先すべきタスクが埋もれてしまいます。

重要度や期限を確認し、優先順位に差を付けることが大切です。

緊急度だけで判断してしまう

緊急度だけで優先順位を決めると、期限が近い作業ばかりに時間を使い、重要なタスクが後回しになることがあります。

急ぎの連絡や確認への対応も必要ですが、成果物や後の工程への影響もあわせて考えることが大切です。

緊急度だけでなく、重要度や影響度も確認して判断しましょう。

優先順位を決めたまま放置する

一度決めた優先順位も、納期や要件、進捗状況が変われば見直す必要があります。

最初に決めた順番のまま進めると、現在の状況に合わなくなり、必要な作業が後回しになることがあります。

定期的に進捗を確認し、状況に合わせて優先順位を調整しましょう。

まとめ

プロジェクトマネジメントで優先順位を決めるときは、目の前の作業を急いでこなすのではなく、「何を先に進めるとプロジェクト全体がスムーズに進むか」を考えることが大切です。

重要度や緊急度だけでなく、納期や後の工程への影響、リスクなども確認すると、本当に優先すべきタスクが見えやすくなります。

まずは必要なタスクや課題を整理し、優先する理由をチームで共有してみましょう。

また、一度決めた優先順位にこだわらず、納期や要件、進捗状況が変わったときには見直すことも大切です。

状況に合わせて無理なく調整していくことで、限られた時間や人員を活かしながら、プロジェクトを進めやすくなります。

-プロジェクトマネジメント
-,