目次
はじめに
「リスク評価では、何を基準にリスクの大きさを判断すればいいの?」
「複数のリスクがある場合、どれから対応すればいい?」と迷っていませんか。
業務上のリスクを洗い出しても、発生する可能性や影響の大きさをどのように比べるのか分からないと、対策を始める順番を決めにくいですよね。
この記事では、リスク評価の基本的な考え方から、評価基準の設定方法、具体的な評価方法、優先順位の決め方まで整理します。
リスクマネジメントにおけるリスク評価とは?

リスク評価とは、特定したリスクについて対応が必要かを判断し、複数のリスクに対応する順番を決める工程です。
ここでは、リスク評価の役割とリスクマネジメント全体での位置づけ、リスク分析との違いを説明します。
リスク評価は対応の必要性や優先順位を判断する工程
リスク評価では、リスク分析で確認した発生可能性や影響度を、あらかじめ設定した基準と照らし合わせます。
その結果から対応が必要か、受け入れられる範囲かを判断します。
対応が必要なリスクが複数ある場合は、それぞれの大きさを比較しながら優先順位を決めます。
リスクマネジメント全体の中でリスク評価を行う位置づけ
リスク評価は、リスクを特定し、発生可能性や影響度を分析したあとに行う工程です。
分析結果を基準と照らして対応の必要性を判断し、その結果を次のリスク対応につなげます。
つまり、リスク分析とリスク対応をつなぐ役割を持っています。
リスク分析とリスク評価の違い
リスク分析は、特定したリスクの発生可能性や影響度を確認し、どの程度の大きさなのかを把握する工程です。
一方、リスク評価では、その分析結果を基準と照らし合わせ、対応が必要かどうかを判断します。
リスク分析で大きさを明らかにし、リスク評価で対応の要否や優先順位を決めるという違いがあります。
リスク評価では何を基準に判断する?
リスク評価では、リスクが発生する可能性と、発生した場合に業務や目標へ与える影響度を基準に判断します。
ここでは、発生可能性と影響度の評価方法から、リスクの大きさを判断する考え方まで説明します。
リスクの発生可能性を評価する
リスクの発生可能性は、そのリスクが一定期間内にどの程度起こりやすいかを評価します。
「高・中・低」や「1~5」などの段階を設定し、過去の発生状況や現在の条件をもとに判断します。
同じ基準で評価することで、リスクごとの発生しやすさを比較できます。
リスクが発生した場合の影響度を評価する
影響度は、リスクが発生した場合に、業務や目標へどの程度の影響があるかを評価します。
「重大・中程度・軽微」や「1~5」などの段階を設け、業務への影響範囲や目標への影響をもとに判断します。
基準をそろえることで、リスクごとの影響の大きさを比較しやすくなります。
発生可能性と影響度からリスクの大きさを判断する
リスクの大きさは、発生可能性と影響度の評価結果を組み合わせて判断します。
たとえば、それぞれを1~5で評価し、数値の組み合わせからリスクの大きさを整理します。
発生可能性と影響度がともに高いリスクほど、優先して対応する必要性が高くなります。
リスクマネジメントでリスク評価を行う流れ
リスク評価を行うときは、まず評価対象となるリスクを特定し、発生可能性と影響度を分析します。
ここでは、リスクの特定から対応するリスクを決めるまでの流れを順番に説明します。
評価対象となるリスクを特定する
最初に、業務や目標に影響する可能性があるリスクを洗い出し、評価する対象を決めます。
それぞれ何が起こる可能性があり、どの業務や目標に影響するのかを確認しましょう。
評価対象を明確にしておくと、次の分析を進めやすくなります。
発生可能性と影響度を分析する
特定したリスクごとに、発生する可能性と、実際に発生した場合の影響度を分析します。
「高・中・低」や「1~5」など、あらかじめ決めた段階に当てはめて評価します。
2つの結果を組み合わせることで、リスクの大きさを把握できます。
リスク基準と照らし合わせて評価する
分析したリスクの大きさを、あらかじめ設定したリスク基準と照らし合わせます。
基準を超える場合は対応が必要、基準内であれば受容できるリスクとして判断します。
同じ基準を使うことで、複数のリスクを同じ条件で評価できます。
評価結果から対応するリスクを決める
最後に、評価結果をもとに、対応が必要なリスクとその優先順位を決めます。
対象が複数ある場合は、発生可能性や影響度を比較しながら、優先して対応するものを整理します。
優先順位が明確になれば、必要性の高いリスクから対応を進めやすくなります。
リスク評価の結果から対応の優先順位を決める方法
リスク評価の結果から対応の優先順位を決めるには、各リスクの発生可能性と影響度を整理し、対応の要否を判断します。
ここでは、リスクマトリクスによる可視化から対応の優先順位を決めるまでの流れを説明します。
リスクマトリクスで評価結果を可視化する
リスクマトリクスでは、発生可能性と影響度を「高・中・低」や「1~5」などの段階に分け、各リスクを該当する位置に配置します。
2つの評価結果を表にまとめることで、それぞれのリスクの大きさを同じ基準で確認できます。
どのリスクの評価が高いのかを比較しやすくなる点もメリットです。
リスク基準と照らして対応の要否を判断する
リスクマトリクスで整理した結果を、あらかじめ設定したリスク基準と照らし合わせます。
基準を超える場合は対応が必要、基準内であれば受容できるリスクとして判断します。
同じ基準で確認することで、対応が必要なリスクを整理しやすくなります。
評価結果から対応するリスクの優先順位を決める
対応が必要なリスクが複数ある場合は、発生可能性と影響度を比較して優先順位を決めます。
両方の評価が高いリスクほど優先順位を高くし、評価が低いものはその後に位置づけます。
優先順位を整理しておけば、どのリスクから対応すべきか判断しやすくなります。
リスク評価を行うときの注意点
リスク評価を行うときは、担当者によって判断が変わらないように、発生可能性や影響度を判断する基準を事前に決めておくことが重要です。
ここでは、リスク評価を行う際に確認したい3つの注意点を説明します。
評価基準を事前に明確にする
リスク評価を始める前に、発生可能性と影響度をどのような条件で判断するかを決めておきます。
「高・中・低」や「1~5」などの段階ごとに基準を設定すると、担当者が変わっても同じ条件で評価しやすくなります。
判断のばらつきを防ぐためにも、評価基準を事前に共有しておくことが大切です。
担当者の感覚だけで評価を決めない
リスク評価では、担当者の経験や感覚だけに頼らず、確認できる情報をもとに判断することが大切です。
過去の発生件数や損失額などを参考にすると、発生可能性や影響度を客観的に評価しやすくなります。
判断の根拠を明確にすることで、担当者による評価のばらつきも抑えられます。
環境の変化に合わせて評価結果を定期的に見直す
リスク評価は一度行って終わりではなく、事業環境や業務内容の変化に合わせて見直します。
発生可能性や影響度に変化がないかを確認し、必要に応じて現在の状況をもとに再評価しましょう。
定期的に見直すことで、実際の状況と評価結果のずれを防ぎやすくなります。
まとめ
リスク評価は、特定したリスクの発生可能性と影響度を分析し、あらかじめ設定したリスク基準と照らして対応の要否や優先順位を決める工程です。
評価では、発生可能性と影響度を「高・中・低」や「1~5」など同じ基準で判定し、リスクマトリクスを使って複数のリスクを比較します。
対応が必要なリスクが複数ある場合は、評価結果をもとに優先順位を決め、優先度が高いものから対応を進めます。
また、担当者による判断のばらつきを防ぐために評価基準を事前に決め、過去の発生件数や損失額などを根拠に評価し、事業環境や業務内容が変わった場合は再評価することが重要です。