コミュニケーションスキル

心理的安全性の尺度とは?代表的な測定方法や質問項目・スコアの見方を分かりやすく解説

はじめに

「心理的安全性を測定するには、どの尺度を使えばよいのだろう」
「質問項目やスコアは、どのように見ればよいのだろう」と迷っていませんか。

チームの雰囲気を把握したいと思ってアンケートを実施しようとしても、尺度の種類が複数あり、どれを選べばよいのか分からなかったり、結果をどう解釈すればよいのか悩んだりすることは少なくありません。

この記事では、心理的安全性の代表的な尺度や測定方法、よく使われる質問項目、スコアの見方まで、初めて測定する方にも分かりやすく順を追って説明していきます。

心理的安全性の尺度とは?

心理的安全性の尺度を理解するには、まず心理的安全性そのものの意味と、尺度がどのような役割を持つのかを押さえることが大切です。

ここでは、心理的安全性の基本的な考え方と、チームの状態を客観的に把握するために尺度が使われる理由について整理していきます。

心理的安全性は「話しやすさ」だけではない

心理的安全性は、単に話しやすい雰囲気があることだけを指すものではありません。

自分の意見を伝えたり、分からないことを質問したり、ミスを報告したりしても、不利益な扱いを受けないと感じられる状態まで含まれます。

そのため、心理的安全性の尺度でも、発言のしやすさだけでなく、質問や相談、失敗の共有が安心してできるかという点も確認します。

尺度はチーム状態を見える化する指標

心理的安全性の尺度は、チームの状態を質問への回答結果から見える化するための指標です。

発言のしやすさや質問のしやすさ、ミスを報告しやすいかなどを数値で確認できるため、感覚だけでは分かりにくいチームの状況を把握しやすくなります。

心理的安全性を測る代表的な尺度

心理的安全性を測る尺度には、研究機関が開発したものから、職場で手軽に活用しやすいものまで複数あります。

ここでは、代表的な心理的安全性の尺度と、それぞれの特徴について順番に紹介します。

「どの尺度を選べばよいか迷う場合は、それぞれの特徴や違いを比較してから選ぶと判断しやすくなります。」
心理的安全性とは?意味・注目される理由・高い職場の特徴をわかりやすく解説

エドモンドソンの心理的安全性尺度

心理的安全性尺度は、エドモンドソンが提案した質問項目をもとに作られた代表的な尺度です。

チーム内で意見を言いやすいか、ミスを安心して報告できるか、困ったときに助けを求められるかなどを質問し、回答結果からチームの心理的安全性を評価します。

東京大学が公開している心理的安全性尺度

東京大学が公開している心理的安全性尺度は、日本の職場で活用しやすいよう作成された尺度です。

リーダー、同僚、チーム全体の3つの視点から計19項目を7段階で評価し、回答結果を平均点として算出することで、職場の心理的安全性を確認できます。

簡易アンケート型の尺度

簡易アンケート型の尺度は、5~10項目程度の質問に回答して心理的安全性を確認する方法です。

短時間で実施しやすく、定期的に同じ質問を繰り返すことで、チームの状態が前回と比べて改善したか、変化がないかを確認できます。

心理的安全性の尺度の質問項目の例

心理的安全性の尺度では、メンバーが日頃どのように感じながら働いているかを把握するために、いくつかの観点から質問が用意されています。

ここでは、代表的な質問項目の例をテーマごとに紹介します。

「意見を言いやすいか」を測る質問

「意見を言いやすいか」を測る質問では、自分の考えや提案を安心して発言できるかを確認します。

例えば、「このチームでは自分の意見を安心して伝えられる」といった質問に対し、回答者が5段階や7段階で評価することで、意見を言いやすい環境になっているかを把握できます。

「失敗を共有できるか」を測る質問

「失敗を共有できるか」を測る質問では、ミスやトラブルが起きたときに安心して報告できるかを確認します。

例えば、「このチームでは失敗を報告しても責められない」といった質問に回答してもらうことで、失敗を隠さず共有できる環境かどうかを把握できます。

「助けを求めやすいか」を測る質問

「助けを求めやすいか」を測る質問では、困ったときに周囲へ相談や質問をしやすいかを確認します。

例えば、「分からないことがあれば気軽に助けを求められる」といった質問に回答してもらうことで、支援を求めやすい職場環境になっているかを把握できます。

心理的安全性を尺度で測る方法

心理的安全性の尺度は、質問に回答するだけでなく、結果をどのように読み取り、活用するかも重要です。

ここでは、基本的な回答方法やスコアの見方、結果を評価するときに意識したいポイントを解説します。

尺度の回答方法とスコアの見方

心理的安全性尺度は、各質問に対して5段階や7段階で回答し、その結果を集計してスコアを算出します。

各項目や全体の平均点を確認することで、心理的安全性が高い項目と低い項目を把握しやすくなります。

「スコアが低かった場合に何から改善すればよいか迷ったら、心理的安全性を高める具体的な取り組みも参考にしてみてください。」
心理的安全性を高める方法とは?職場で今日からできる具体的な行動例

個人ではなくチーム単位で見る理由

心理的安全性は個人の性格ではなく、チーム全体の関わり方によって決まるため、尺度の結果もチーム単位で確認します。

個人の点数だけを見るのではなく、チーム全体の平均や項目ごとの傾向を確認することで、職場の状態を把握しやすくなります。

1回だけで判断しないことが重要

心理的安全性は、1回の回答結果だけで判断しないことが重要です。

組織変更や業務内容の変化によって回答は変わるため、同じ尺度を一定期間ごとに実施し、前回とのスコアの変化を確認しながらチームの状態を把握します。

心理的安全性の尺度を使うときの注意点

心理的安全性の尺度は便利なツールですが、使い方によっては実態を正しく把握できない場合があります。

ここでは、調査結果をより正確に活用するために、事前に押さえておきたい注意点を紹介します。

匿名性がないと本音が出にくい

匿名性が確保されていないと、回答者は評価や人間関係を気にして本音を書きにくくなります。

その結果、実際より高い評価が集まりやすくなり、チームの状態を正しく把握しにくくなるため、匿名で回答できる環境を整えることが大切です。

尺度だけでは職場の本質は測り切れない

心理的安全性尺度の結果だけでは、職場の状態をすべて把握することはできません。

回答にはその時点の状況や回答者の受け止め方が反映されるため、スコアだけで判断せず、実際の職場の様子もあわせて確認することが大切です。

結果を公開するだけで終わらせない

心理的安全性尺度は、結果を公開するだけでは十分ではありません。

スコアが低かった項目を確認し、改善する内容を決めて実際の取り組みにつなげることで、尺度を実施する意味が生まれます。

心理的安全性の尺度の結果を改善につなげるポイント

心理的安全性の尺度は、スコアを確認することが目的ではありません。

結果からチームの課題を把握し、職場環境の改善につなげることが大切です。

ここでは、尺度結果を活用するときに意識したいポイントを紹介します。

発言しやすい空気があるか確認する

尺度の結果を確認するときは、メンバーが意見や質問を安心して話せる状態になっているかを見直します。

発言しやすさに関する項目のスコアが低い場合は、意見を言いにくい場面がないかを確認し、改善につなげることが大切です。

ミスを責める文化になっていないか見直す

失敗に関する項目のスコアが低い場合は、ミスを報告した人が責められる状況になっていないかを見直します。

失敗を共有しにくい環境では問題が表面化しにくくなるため、安心して報告できる状態を整えることが重要です。

上司だけが話していないか振り返る

発言しやすさを改善するためには、会議や打ち合わせで上司だけが話していないかを振り返ります。

上司の発言が大半を占める状況ではメンバーが意見を言う機会が減るため、全員が発言できる状態になっているかを確認することが大切です。

心理的安全性尺度はどんな場面で使われている?

心理的安全性の尺度は、職場だけでなく、さまざまな場面で活用されています。

ここでは、企業や教育・研究機関などで実際にどのような目的で使われているのかを紹介します。

企業の組織改善

企業では、組織改善のために心理的安全性尺度が活用されています。

アンケート結果からチームごとの状態を確認し、発言しにくい項目や相談しにくい項目を把握することで、改善が必要な点を見つけやすくなります。

1on1やチーム診断

心理的安全性尺度は、1on1やチーム診断の場面でも活用されています。

定期的に回答結果を確認することで、相談しやすさや発言しやすさの変化を把握し、その後の対話やチーム運営に役立てることができます。

研究・大学での活用

心理的安全性尺度は、大学や研究機関でも研究に活用されています。

質問への回答結果を分析することで、心理的安全性とチームの成果や働き方との関係を調べるための指標として利用されています。

まとめ

心理的安全性尺度は、チーム内で意見を言いやすいか、質問や相談をしやすいか、失敗を安心して共有できるかといった状態を確認するための指標です。

エドモンドソンの心理的安全性尺度をはじめ、東京大学が公開している尺度や簡易アンケート型の尺度などがあり、企業の組織改善や1on1、チーム診断、研究など幅広い場面で活用されています。

ただし、尺度の結果だけで職場の状態を判断することはできません。

匿名性を確保したうえで定期的に実施し、スコアの変化を確認しながら、発言しやすさや失敗を共有しやすい環境づくりにつなげることが大切です。

この記事を参考に、自分の職場に合った方法で心理的安全性を測定し、改善に役立ててみてください。

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