目次
はじめに
本書は、ラグビーの指導に関心がある方へ向けた入門ガイドです。これからラグビーコーチを目指す方や、すでに指導に携わっている方が資格や役割、求められるスキルを理解できるようにまとめました。
目的
- ラグビー指導の全体像をわかりやすく示します。資格体系や研修の流れ、現場での実務を整理します。
対象読者
- 学校やクラブで指導を始めたい方、保護者で子どもの成長を支えたい方、指導をより良くしたい現場の指導者。
本書で扱う内容（第2〜4章の予告）
- 第2章：指導者に必要な適性と資格について。どんな性格や能力が向いているか具体例を交えて解説します。
- 第3章：国際・国内のコーチング資格の概要と取得方法。研修で学ぶ項目を分かりやすく紹介します。
- 第4章：研修や交流の場としてのコーチカンファレンスの案内。参加するメリットや準備事項を説明します。
読み方のポイント
- 各章は短く区切っています。初心者の方は第2章から順に読み進めると理解が深まります。具体的な事例やチェックリストも用意していますので、実践に役立ててください。
ラグビー指導者になるには？適性や資格について解説
指導者の主な役割
ラグビーコーチは選手の技術向上だけでなく、動機づけや安全管理、試合の戦略立案も担います。具体的には、個人の技能指導、チーム練習の計画、試合での采配、安全な練習環境の確保です。選手の話をよく聞き、良い点を伸ばす声かけが重要です。
資格の体系（概要）
- スタートコーチ（初心者向け）
- 指導の基礎、安全対策、子どもや初心者への接し方を学びます。初めて指導する人に適しています。
- B級コーチ
- 個人技術の指導法やチームの課題対応を学び、現場での実践力を高めます。日本スポーツ協会などと連携した講習が含まれる場合があります。
- A級コーチ
- 戦術解析やトレーニング計画、リーダーシップを深めます。複数の視点から選手やチームを分析する力が求められます。
指導者に求められる適性
- 聞く力：選手の意見や悩みを受け止める能力
- 肯定的な声かけ：良い点を見つけて褒め、成長を促す
- 継続的な学習姿勢：最新の指導法や安全基準を学び続ける
- 観察力と指導の順序立て：何を優先して教えるかを判断する
- 安全意識：怪我予防や緊急時対応の知識
具体的な始め方（手順）
- 地元のクラブや学校でボランティア活動を始める
- スタートコーチの講習を受け、基礎を固める
- 実践経験を積みながらB級、A級へ段階的に進む
- 定期的に勉強会や研修に参加して知識を更新する
実践のコツ
- 目標を小さく設定し、達成感を積み重ねる
- 個人に合わせたフィードバックを短く具体的に伝える
- 安全チェックリストを用意して習慣化する
指導は技術だけでなく人間関係づくりも重要です。まずは試してみる姿勢で一歩踏み出してください。
ワールドラグビーと日本ラグビー協会のコーチング資格
ワールドラグビーと日本ラグビー協会は、段階的に学ぶことで安全で効果的な指導者を育てます。ここでは実務者の視点を交えて、各資格の特徴を分かりやすく紹介します。
スタートコーチ（Rugby Ready）
Rugby Readyはプレイヤーの安全と健康を最優先にする入門講座です。私の現場経験では、練習前の簡単なチェックリストと熱中症対策だけで事故が減りました。具体例：ウォームアップ、プロテクションの確認、応急処置の基礎を身につけます。
C級（基礎指導）
C級ではプレイヤーウェルフェア、プレーの原則、チームマネジメント、個人コーチング手法の4領域を学びます。たとえば個人指導では「短時間で明確なフィードバックを与える」技術を練習します。チーム運営では年間計画の立て方を学び、試合や育成のバランスを考えます。
B級以上（応用と長期育成）
B級からは週次・年度単位のトレーニング計画作成や年代別長期育成（LTPD）を学びます。負荷管理や成長段階に合わせた指導設計が中心です。実務では個々の成長記録を基に練習内容を調整することが重要でした。
指導者の根本姿勢は、常にプレイヤーウェルフェアを最優先にし、学び続けることです。資格は手段であり、現場で選手を守り育てる姿勢が第一です。
2025年度コーチカンファレンス開催のお知らせ
概要
日本ラグビー協会が主催する2025年度コーチカンファレンスを開催します。コーチのスキル向上や資格更新に対応した研修会で、最新の指導法や知識の共有、ネットワーキングの場として機能します。詳細な日程や参加条件は別途案内します。
目的
・コーチング技術のアップデート
・安全・健康管理やジュニア指導の理解向上
・指導現場で使える実践的なノウハウの提供
・地域やカテゴリーを超えた交流促進
対象と参加条件
地域クラブ、学校、大学、スクールで指導するコーチや、資格更新を希望する方を想定しています。参加には事前登録が必要となる予定です。資格更新が目的の方は、該当する要件を満たしているか確認してください。詳細は別途ご案内します。
主なプログラム（例）
・基調講演（最新の指導理論）
・実技ワークショップ（ポジション別・グループ練習）
・ビデオ分析とフィードバックの実践
・スポーツ医学・コンディショニング講座
・交流会・情報交換セッション
参加に向けた準備
指導記録や映像、質問事項、運動できる服装を用意すると実習に役立ちます。資格更新の手続きがある方は必要書類を揃えてお待ちください。
申し込み・問い合わせ
詳細な日程、会場、参加費、申込方法などは後日協会から発表します。案内が届き次第、所属団体または協会の案内をご確認ください。