リーダーシップとマネジメントスキル

チェンジマネジメントのフレームワーク6選|特徴と使い分け方を解説

目次

はじめに

「チェンジマネジメントには、どのフレームワークを使えばいいの?」
「組織の変革を進めたいけれど、どのような手順で社員の理解や行動を変えていけばいいの?」と迷っていませんか。

業務システムの導入や組織体制の変更などを進める際、計画を立てても現場に変化が伝わらず、社員の抵抗感や戸惑いから取り組みが進まないことがあります。

この記事では、代表的な6つのフレームワークについて、それぞれの特徴や活用する場面、使い分け方を整理します。

チェンジマネジメントのフレームワークとは?

チェンジマネジメントのフレームワークは、組織や業務の変化を進める際に、必要な取り組みを整理するための考え方です。

ここでは、フレームワークを使う目的と代表的なフレームワークの違いを順に説明します。

フレームワークを使う目的

チェンジマネジメントのフレームワークは、変革の目的や対象者、必要な対応を整理し、進め方を明確にするために使います。

対象者の反応や必要な支援を確認しながら、説明や研修、フォローなどの対応を決めることで、変革を進めやすくなります。

あらかじめ進め方を整理しておけば、対応の抜け漏れや担当者による進め方の違いも防ぎやすくなるでしょう。

代表的なフレームワークの違い

チェンジマネジメントのフレームワークには、組織全体の変革に適したものと、個人の行動変容に重点を置いたものがあります。

コッターの8段階プロセスは、変革の準備から定着まで組織全体の流れを整理する方法で、ADKARは5つの段階から個人が変化を受け入れる過程を整理する方法です。

組織全体を動かしたいのか、個人の変化を支援したいのかに合わせて使い分けるとよいでしょう。

チェンジマネジメントの代表的なフレームワーク

チェンジマネジメントには、変革の進め方や対象者の心理、組織の状態など、異なる視点から変化を整理するフレームワークがあります。

ここでは、それぞれの特徴とチェンジマネジメントでの活用方法を順に説明します。

レヴィンの変革モデル

レヴィンの変革モデルは、組織の変化を「解凍」「変革」「再凍結」の3段階で整理するフレームワークです。

まず現在の業務や考え方を見直す必要性を共有し、新しい方法へ移行したうえで、その状態を組織に定着させます。

変革の流れがシンプルに整理されているため、現在の状態から新しい状態へ移る全体像を把握しやすい方法です。

コッターの8段階プロセス

コッターの8段階プロセスは、組織全体の変革を8つの段階に分けて進めるフレームワークです。

危機意識の共有から推進チームづくり、目指す方向の提示、変革の定着まで、必要な取り組みを順番に進めていきます。

複数の部署や従業員が関わるなど、組織全体で計画的に変革を進めたい場合に活用しやすい方法です。

ADKARモデル

ADKARモデルは、個人が変化を受け入れる過程を「認識・意欲・知識・能力・定着」の5段階で整理するフレームワークです。

変化の必要性を理解してもらうことから始め、取り組む意欲や必要な知識・能力を身につけながら、新しい行動の定着につなげます。

従業員一人ひとりの状態を確認しながら、必要な支援を考えたい場合に活用できます。

チェンジカーブ

チェンジカーブは、変化が起きたときの人の心理的な反応を段階的に捉える考え方です。

変化への戸惑いや不安、抵抗などを経験しながら、少しずつ新しい状況への理解や受け入れが進む過程を整理します。

従業員の状態に合わせて、情報提供や対話などの支援を考える際に役立ちます。

マッキンゼーの7S

マッキンゼーの7Sは、組織を「戦略・組織構造・システム・価値観・能力・人材・スタイル」の7つの要素から整理するフレームワークです。

変革を進める際は、それぞれの要素が目指す方向と合っているかを確認し、見直す必要がある部分を整理します。

組織の一部分だけでなく、複数の要素を含めて全体の状態を確認したい場合に活用できます。

ブリッジズのトランジションモデル

ブリッジズのトランジションモデルは、人が変化を受け入れて新しい状態へ移る心理的な過程を整理するフレームワークです。

「終わり・手放し」「ニュートラルゾーン」「新しい始まり」の3段階から、古い状態を手放して新しい状態へ進む過程を捉えます。

従業員が感じる戸惑いや不安を理解し、それぞれの段階に合った支援を考える際に活用できます。

チェンジマネジメントのフレームワークを比較するポイント

チェンジマネジメントのフレームワークを選ぶときは、対象となる範囲や変革の進め方、解決したい課題を確認することが重要です。

ここでは、フレームワークを比較するときに確認したい3つのポイントを順に説明します。

変革の対象が組織か個人かで選ぶ

フレームワークを選ぶときは、変革の対象が組織全体なのか、従業員一人ひとりなのかを確認します。

組織の方針や体制を変える場合は組織全体を捉えられるもの、新しい業務方法の習得など個人の行動変化を重視する場合は、一人ひとりの変化を段階的に確認できるものが適しています。

まず変革の対象を明確にすると、自社に合ったフレームワークを選びやすくなるでしょう。

変革の段階やプロセスの細かさで選ぶ

変革をどこまで細かく管理したいかによっても、適したフレームワークは変わります。

全体の流れを大きく捉えたい場合はシンプルなモデル、開始から定着までの対応を細かく確認したい場合は、複数の段階に分かれたモデルが適しています。

変革の規模や管理したい範囲に合わせて、必要な細かさを考えてみましょう。

変革の目的と課題に合わせて選ぶ

フレームワークは、変革によって何を実現したいのか、どのような課題を解決したいのかに合わせて選びます。

たとえば、組織の戦略や体制を見直したい場合と、従業員の不安を減らして行動変化を促したい場合では、必要な視点が異なります。

まず変革の目的や課題を具体的に整理し、それに合ったフレームワークを選ぶことが大切です。

チェンジマネジメントのフレームワークはどう使い分ける?

チェンジマネジメントのフレームワークは、変革の規模や対象、確認したい課題によって使い分けます。

ここでは、それぞれの目的に合わせた使い分け方を順に説明します。

組織全体の大規模な変革ならコッター

組織全体で大きな変革を進める場合は、コッターの8段階プロセスが適しています。

危機意識の共有から推進チームの形成、変革の実行、定着までを8段階に分けて進めるため、複数の部署や従業員が関わる場合にも活用できます。

組織全体で何をどの順番で進めるのかを整理したいときに役立つでしょう。

個人の行動変容を重視するならADKAR

従業員一人ひとりの行動変容を重視する場合は、ADKARモデルが適しています。

変化の必要性を認識する段階から、意欲、知識、能力、定着までを5段階で確認できるため、どこで支援が必要なのかを整理できます。

研修で学んだ新しい方法を実際の業務に定着させたい場合などにも活用しやすいでしょう。

変革をシンプルに整理するならレヴィン

変革の全体像をシンプルに整理したい場合は、レヴィンの変革モデルが適しています。

「解凍」「変革」「再凍結」の3段階に分け、現在の状態を見直して新しい方法へ移行し、定着させるまでの流れを捉えます。

細かなプロセスよりも、変革の基本的な流れを分かりやすく整理したい場合に向いています。

従業員の心理的な変化を捉えるならチェンジカーブ

従業員の感情や反応の変化を確認したい場合は、チェンジカーブが役立ちます。

変化に対する戸惑いや抵抗から、少しずつ新しい状況を受け入れていくまでの心理的な流れを捉える考え方です。

従業員の状態に合わせて、説明や対話などの支援方法を考えたい場合に活用できます。

組織の構造や人材を総合的に見直すなら7S

組織の構造や人材、業務の仕組みなどを幅広く見直したい場合は、マッキンゼーの7Sが適しています。

戦略、組織構造、システム、価値観、能力、人材、スタイルの7要素から、それぞれが変革の方向と合っているかを確認します。

一つの要素だけでなく、組織全体のバランスを見ながら課題を整理したい場合に役立つでしょう。

チェンジマネジメントのフレームワークを実務で活用する流れ

チェンジマネジメントのフレームワークを実務で活用するときは、最初に変革の目的と対象を明確にし、現在の課題や従業員の反応を把握します。

ここでは、フレームワークを選定してから変化を定着させるまでの流れを順に説明します。

変革の目的と対象を明確にする

まず、何を変えるのか、変革によってどのような状態を目指すのかを具体的に決めます。

あわせて対象となる部署や従業員を明確にし、誰の業務や行動を変える必要があるのかを整理しましょう。

目的と対象が明確になれば、フレームワークや必要な施策も選びやすくなります。

現状の課題と変化への反応を把握する

次に、現在の業務で抱えている課題や、変革に対する従業員の反応を確認します。

新しい方法への理解度や不安、抵抗などを把握することで、どのような支援が必要なのかを整理できます。

実際の状況を確認したうえで、必要な施策を考えることが大切です。

目的に合うフレームワークを選ぶ

目的や課題を整理したら、変革の内容に合ったフレームワークを選びます。

組織全体を変えたいのか、個人の行動変容を重視したいのかなど、対象や確認したい内容を基準にすると選びやすくなります。

選んだフレームワークをもとに、具体的な変革計画へ落とし込んでいきましょう。

施策を実行して変化を確認する

フレームワークをもとに、説明や研修、業務手順の変更など、変革に必要な施策を進めます。

実施後は、新しい方法が理解され、実際の業務で行動につながっているかを確認します。

思うような変化が見られない場合は、原因を確認しながら施策を調整することが大切です。

定着状況を確認して見直す

施策を実施した後は、新しい業務方法や行動が継続しているかを確認します。

以前の方法に戻っている場合は、追加の説明やフォローが必要かを検討しましょう。

定着状況に合わせて施策を見直すことで、新しい方法を組織に根づかせやすくなります。

チェンジマネジメントのフレームワークを使うときの注意点

チェンジマネジメントのフレームワークを使うときは、モデルの手順をそのまま適用するのではなく、自社の状況に合わせて活用することが重要です。

ここでは、フレームワークを実務で活用するときに注意したいポイントを順に説明します。

フレームワークをそのまま当てはめない

フレームワークは、決められた手順をそのまま使うのではなく、自社の目的や課題に合わせて活用します。

まず何を変えたいのかを整理し、どの段階や項目が必要なのかを確認することが大切です。

不要な項目まで取り入れず、自社の状況に合った形に調整すると使いやすくなります。

必要に応じて複数のフレームワークを組み合わせる

一つのフレームワークだけでは、組織と個人の変化を十分に捉えられない場合があります。

そのようなときは、組織全体の変革プロセスと、個人の行動変容を確認するフレームワークを組み合わせる方法もあります。

それぞれの役割を分けて活用することで、組織と個人の両面から変革を進めやすくなるでしょう。

現場の反応を見ながら進める

フレームワークに沿って計画を立てても、現場が想定どおりに変化するとは限りません。

施策を実施した後は、従業員の理解度や新しい業務方法の実施状況を確認し、計画との差を把握します。

うまく進んでいない場合は、説明や研修などを見直しながら、現場の状況に合わせて調整することが大切です。

まとめ

チェンジマネジメントのフレームワークは、組織や個人の変化を整理し、変革を計画的に進めるために活用できます。

代表的なものには、組織全体の変革を扱うコッターの8段階プロセスや、個人の行動変容を整理するADKAR、変革を3段階で捉えるレヴィンの変革モデルなどがあります。

変革の対象や目的、従業員の反応に合わせてフレームワークを選び、必要に応じて複数を組み合わせることが重要です。

実務では、現状を確認して施策を実行した後も、現場の反応や定着状況を確認しながら内容を見直していきましょう。

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