リーダーシップとマネジメントスキル

▶ISO内部監査とは?目的・実施手順・チェックポイントをわかりやすく解説

はじめに

「ISO内部監査では何を確認すればいいの?」
「監査担当者になったけれど、どのような手順で進めればよいのか分からない」と感じていませんか。

ISO認証の取得や更新に向けて内部監査の実施を求められたものの、チェック項目の作り方や監査の進め方が分からず、準備が思うように進まないこともあるでしょう。

この記事では、ISO内部監査の目的や実施手順、監査で確認すべきチェックポイント、効果的に進めるためのポイントについて順を追って説明していきます。

ISO内部監査とは?

ISO内部監査は、ISO認証を維持するためだけに行う手続きではなく、マネジメントシステムが規格の要求事項に沿って適切に運用されているかを組織内で確認し、改善につなげるための重要な取り組みです。

ここでは、ISO内部監査の意味と実施する目的について順番に解説します。

ISO内部監査とは

ISO内部監査とは、自社のマネジメントシステムがISO規格の要求事項や社内で定めたルールどおりに運用されているかを、組織内で確認・評価する活動です。

業務の進め方や記録の内容を確認し、不適合や改善が必要な点がないかを客観的な事実にもとづいて確認します。

自社の課題を把握し、継続的な改善につなげるために定期的に実施されることが一般的です。

ISO内部監査を実施する目的

ISO内部監査を実施する目的は、マネジメントシステムがISO規格の要求事項や社内ルールに沿って適切に運用されているかを確認し、改善が必要な点を早い段階で見つけることです。

不適合や運用上の課題を把握して是正処置につなげることで、継続的な改善や品質の維持・向上につなげられます。

また、第三者審査へ向けた準備としても重要な役割を担います。

ISO内部監査と外部監査(認証審査)の違い

ISOには「内部監査」と「外部監査(認証審査)」があり、どちらもマネジメントシステムを確認する点は共通していますが、実施する人や目的、確認する視点には違いがあります。

ここでは、内部監査と外部監査の違いと、それぞれの役割や実施するタイミングについて順番に解説します。

内部監査と外部監査の違い

内部監査は、自社で選任した内部監査員が、マネジメントシステムがISO規格や社内ルールどおりに運用されているかを確認する監査です。

一方、外部監査は認証機関の審査員が第三者の立場で実施し、ISO規格への適合状況を審査します。

内部監査は自社の改善を目的として行われるのに対し、外部監査はISO認証の取得や維持を判断するために実施される点が大きな違いです。

それぞれの役割と実施するタイミング

内部監査は、不適合や改善が必要な点を早期に見つけ、是正処置や継続的な改善につなげる役割があります。

そのため、年間の監査計画に沿って定期的に実施されることが一般的です。

一方、外部監査は認証機関がISO規格への適合状況を確認するために行われ、認証取得時や維持審査、更新審査のタイミングで実施されます。

ISO内部監査の実施手順

ISO内部監査は、規格の要求事項を確認するだけでなく、組織の改善につなげるために計画的に進めることが重要です。

ここでは、監査計画の作成から監査の実施、結果の報告、是正処置と改善状況の確認まで、ISO内部監査の基本的な実施手順について順番に解説します。

監査計画を作成する

監査計画では、まず監査の目的や対象部門、監査範囲、実施日、担当する内部監査員を決定します。

あわせて、監査で確認するISO規格の要求事項や社内規程を整理し、年間の監査計画との整合性を確認します。

そのうえで、監査日程や対象範囲を関係部門へ事前に共有し、監査が円滑に進められるよう準備を整えます。

監査の準備を行う

監査の準備では、監査対象部門の手順書や各種記録、前回の内部監査結果や是正処置の実施状況などを事前に確認します。

その内容を踏まえて、確認すべき項目を整理したチェックリストを作成し、監査当日に確認する内容や質問事項をあらかじめ明確にしておきます。

事前にしっかり準備を行うことで、当日の監査をスムーズに進めやすくなります。

監査を実施する

監査では、手順書や記録の確認に加え、担当者への聞き取りや実際の業務状況を確認し、ISO規格や社内ルールに沿って適切に運用されているかを客観的な事実に基づいて確認します。

確認した内容は監査記録として残し、不適合や改善の機会が見つかった場合は、その根拠とあわせて記録します。

思い込みではなく、事実に基づいて判断することが内部監査では大切です。

監査結果を報告する

監査が終了したら、確認した内容を監査報告書にまとめ、監査結果を対象部門や関係者へ報告します。

不適合が確認された場合は、該当するISO規格の要求事項や実際に確認した事実を明記し、どのような改善が必要なのかを分かりやすく共有します。

改善の方向性を関係者全員で共有することで、その後の対応も進めやすくなります。

是正処置と改善状況を確認する

不適合が確認された場合は、まず原因を明らかにしたうえで是正処置を実施し、同じ問題を繰り返さないための再発防止策を検討します。

その後、実施した是正処置が計画どおりに完了し、問題が解消されているかを確認します。

改善状況を記録として残し、必要な対応が完了したことを確認して内部監査を終了します。

ISO内部監査で確認する主なチェックポイント

ISO内部監査では、業務が規格や社内ルールに沿って運用されているかを客観的な証拠にもとづいて確認することが重要です。

ここでは、ISO内部監査で確認する主なチェックポイントについて順番に解説します。

規程や手順どおりに運用されているか

規程や手順どおりに運用されているかは、実際の業務が手順書や作業標準書、ISO規格の要求事項に沿って行われているかを確認します。

担当者への聞き取りだけでなく、実際の作業状況や記録も確認し、運用に違いがないかを把握します。

手順から外れた作業や承認漏れがないかを、客観的な事実にもとづいて確認することが大切です。

記録や証拠が適切に管理されているか

記録や証拠が適切に管理されているかは、点検記録や教育記録、会議記録などが社内ルールに沿って作成・保管されているかを確認します。

記録に必要な情報が記載され、定められた期間保存されていることも重要な確認項目です。

監査時に必要な記録をすぐに提示できる状態で管理されているかも確認します。

不適合や改善点が適切に把握されているか

不適合や改善点が適切に把握されているかは、過去の不適合や苦情、内部監査の指摘事項が適切に記録されているかを確認します。

そのうえで、原因分析や是正処置が実施され、改善につながっているかを確認します。

同じ問題が繰り返されていないかまで確認することも、内部監査では重要です。

ISO内部監査を効果的に進めるポイント

ISO内部監査の効果を高めるには、規格への適合を確認するだけでなく、改善につながる監査を意識して進めることが大切です。

ここでは、ISO内部監査を効果的に進めるためのポイントについて順番に解説します。

監査の目的を関係者で共有する

内部監査を始める前に、規格への適合状況を確認するだけでなく、運用上の課題を見つけて改善につなげることが目的であると関係者へ共有します。

あらかじめ監査の目的や対象範囲を伝えておくことで、必要な資料や記録を準備しやすくなります。

事前に認識を合わせておくことで、監査も円滑に進めやすくなります。

客観的な事実に基づいて評価する

監査では、担当者の説明や印象だけで判断せず、手順書や記録、実際の作業状況などの客観的な証拠を確認して評価します。

不適合や改善点を指摘する場合も、ISO規格や社内ルールに照らして根拠を明確にすることが大切です。

事実にもとづいて判断することで、公平で納得感のある監査につながります。

改善につながる指摘を意識する

監査では、不適合を指摘するだけでなく、改善につながる内容を意識することが大切です。

どの運用に問題があり、どのような対応が必要なのかを具体的に整理することで、是正処置や再発防止につなげやすくなります。

監査結果を継続的な改善に生かすことが、内部監査の重要な役割です。

ISO内部監査でよくある課題と対策

ISO内部監査は定期的に実施していても、進め方によっては十分な効果を得られないことがあります。

ここでは、ISO内部監査でよくある課題と、その対策について順番に解説します。

監査が形骸化してしまう

内部監査が毎年同じ手順や内容で行われるだけになると、運用上の課題を見つけにくくなり、改善につながりにくくなります。

形だけの監査にしないためには、実際の業務状況や運用実態を確認しながら監査を進めることが大切です。

改善につながる視点を持って取り組むことで、監査の効果を高められます。

チェックリストどおりの確認で終わる

チェックリストだけを順番に確認する監査では、実際の運用との違いを見逃してしまうことがあります。

そのため、手順書や記録、現場での作業状況、担当者への聞き取りなどもあわせて確認することが大切です。

実際の運用まで確認することで、より実効性のある監査につながります。

是正処置が改善につながらない

是正処置が改善につながらない場合は、不適合の修正だけで終わり、発生原因の分析や再発防止策の検討が十分でないことがあります。

原因を確認したうえで適切な是正処置を行い、その後の改善状況まで確認することが大切です。

同じ問題を繰り返さない仕組みを整えることで、継続的な改善につなげられます。

ISO内部監査に関するよくある質問

ISO内部監査について調べる際は、実施方法だけでなく、運用ルールや対象範囲に関する疑問を持つ方も少なくありません。

ここでは、ISO内部監査に関するよくある質問について順番に解説します。 

内部監査はどのくらいの頻度で実施しますか?

ISO規格では、内部監査の実施回数は具体的に定められていません。

そのため、マネジメントシステムの重要性や変更内容、過去の監査結果などを踏まえて計画的に実施することが求められます。

多くの組織では年間計画を作成し、認証範囲全体を定期的に監査しています。

内部監査員はどのように選任しますか?

内部監査員は、ISO規格や自社のマネジメントシステムを理解し、公平な立場で監査できる人を選任します。

また、客観性を保つため、自分が担当している業務や部門は監査対象としないよう担当を決めます。

公正な監査を行える体制を整えることが大切です。

内部監査の対象はどこまでですか?

内部監査の対象は、ISO認証の対象となっているマネジメントシステム全体です。

対象となる部門や業務、プロセスが、ISO規格や社内ルールに沿って運用されているかを確認します。

年間の監査計画に沿って、認証範囲全体を計画的に監査することが一般的です。

まとめ

ISO内部監査は、不適合を見つけるためだけではなく、マネジメントシステムが適切に運用されているかを確認し、継続的な改善につなげるための大切な取り組みです。

監査計画や事前準備をしっかり行い、手順書や記録、実際の運用状況などの客観的な事実にもとづいて確認することで、より効果的な監査につながります。

内部監査を形だけの作業にせず、現場の課題や改善点を見つける機会として活用することが、ISOマネジメントシステムの有効性を高めるポイントです。

この記事を参考に、自社に合った内部監査の進め方を取り入れ、継続的な改善とISO認証の維持・向上に役立てていきましょう。

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