目次
はじめに
目的
この文書は、Windowsで「管理者として実行」を解除したい方向けに、具体的な手順をわかりやすく示すことを目的としています。設定を変えることで、操作ミスによるシステム変更や不意の権限昇格を防げます。
対象読者
普段は自分のパソコンを使うが、常に管理者権限で動くのは不安な方。具体例としては、ソフトを誤って管理者権限で起動してしまうことを避けたい人や、家族と共用している端末の安全性を高めたい人です。
ここで扱う内容
本書は主に3つのパターンに分けて説明します。
1. ショートカットに設定された「管理者として実行」を解除する方法
2. 自分のアカウントの管理者権限を標準ユーザーに戻す方法
3. 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか？」というユーザーアカウント制御（UAC）の表示を減らす方法
各章は手順を順に示し、操作前の注意点やよくあるつまずきも紹介します。
注意点
重要な操作は別の管理者アカウントを用意してから行ってください。権限を下げると、一部のソフトが動かなくなる場合があります。設定変更は自己責任で行ってください。
本書の読み方
まず第2章から順に読み、自分の状況に合う章の手順を実行してください。操作に不安がある場合は、章ごとの注意をよく確認してから進めてください。
1. 常に管理者で動くのをやめたい（ショートカットの設定解除）
何をするか
特定のショートカットに「常に管理者として実行」の設定が付いていると、そのショートカットから起動するたびに管理者権限で動きます。ここではそのチェックを外して通常のユーザー権限で起動する方法を説明します。
対象
デスクトップやエクスプローラー上のショートカット、スタートメニューにピン留めしたアプリのショートカットが対象です。ストアアプリなどでは設定できないことがあります。
手順（簡潔）
- 解除したいショートカットを右クリックして「プロパティ」を開きます。
- 「互換性」タブを開きます。
- 「管理者としてこのプログラムを実行する」のチェックを外します。
- 「OK」または「適用」を押して完了です。
スタートメニューにピン留めしている場合は、ピン留めのメニューから「その他」→「ファイルの場所を開く」で実体のショートカットを表示し、同じ手順で設定を変更してください。
注意点
- 互換性タブが見つからない、またはチェック項目がグレー表示の場合は、システム管理者やグループポリシーで制限されている可能性があります。その際は管理者に相談してください。
- この操作でアプリの動作に支障が出ることはほとんどありませんが、特定機能で管理者権限を必要とする場合は正常に動作しなくなることがあります。
困ったとき
設定を戻してもUAC（ユーザーアカウント制御）の確認が出る場合は、別の設定が影響しています。毎回の確認を減らしたい場合は第4章を参照してください。
2. 自分のアカウントの管理者権限をやめたい（標準ユーザーに戻す）
概要
自分のWindowsアカウントを管理者から標準ユーザーに戻す手順です。操作は別の管理者アカウントでサインインして行います。必ず事前に別の管理者が存在するか確認してください。
注意（必ず確認）
- 現在のアカウントだけが管理者の場合は、先に別の管理者を作成してください。\n- 組み込みのAdministratorアカウントは扱いが特殊な場合があります。
手順（Windows 10/11 共通の流れ）
- 別の管理者アカウントでWindowsにサインインします。例: 家族の管理者アカウントや職場の管理者アカウント。\n2. スタートメニューから「設定」→「アカウント」を開きます。\n3. 左側で「家族とその他のユーザー（Family & other users）」を選びます。\n4. 標準に戻したいアカウントを見つけ、「アカウントの種類を変更」をクリックします。\n5. 表示される選択肢で「標準ユーザー」を選び、「OK」や「保存」を押します。\n6. 変更後、対象ユーザーでサインインして権限が切り替わっているか確認します。
動作確認のポイント
- 管理者権限が必要なアプリのインストールや設定変更で、権限を求められるようになれば標準ユーザーに戻っています。\n- 必要なら元に戻すには、同じ手順で「管理者」を選べば復元できます。
よくある質問
Q: 自分で戻せないときは？\nA: 別の管理者に頼むか、職場のIT管理者に連絡してください。\nQ: データは消えますか？\nA: アカウントの種類を変えても個人ファイルは基本的に残りますが、念のため重要なデータはバックアップしてください。
3. 毎回出る「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか？」を減らしたい
説明
Windowsの「ユーザーアカウント制御（UAC）」は、アプリが重要な操作をする際に確認を求めます。頻繁に出ると作業の妨げになります。UACのレベルを下げると確認ダイアログが減りますが、セキュリティが下がる点に注意してください。
手順（簡単）
- コントロールパネルを開く→「ユーザーアカウント」→「ユーザーアカウント制御設定の変更」を選びます。
- 表示されるスライダーを一段か二段下げます（完全にオフは避けることを推奨）。
- 「OK」を押し、必要なら管理者パスワードを入力します。
注意点
スライダーを下げると悪意あるソフトが気づかれにくくなります。普段使うPCでは一段下げる程度が現実的です。重要なファイルやネットバンキングを扱う端末では変更しない方が安全です。
代替策（特定アプリだけダイアログを避けたい場合）
タスクスケジューラでそのアプリを"最上位の特権で実行"するタスクを作り、タスクを起動するショートカットを作成すると、UACの確認を回避できます。手順はタスク作成→操作で実行ファイルを指定→「最上位の特権で実行」にチェック→ショートカットでschtasks /run /tn "タスク名"を使います。全体のUACを下げたくない場合に便利です。
必要なら、手順を画面ごとの詳細で案内します。