リーダーシップとマネジメントスキル

休職した管理職は降格される?違法になるケースや会社が降格できる条件を解説

はじめに

「休職したら管理職を降格されるの?」
「復職するときに役職を外されることはあるのかな」と、不安を感じていませんか。

体調を優先して休職したものの、会社から復職の話が出始め、「管理職のまま戻るのは難しいかもしれません」と伝えられたり、自分から降格を受け入れたほうがよいのか迷ったりして、今後の働き方を決められずにいる方も少なくありません。

この記事では、休職した管理職が降格されるケースや違法となるケース、会社が降格できる条件をはじめ、復職時に確認しておきたいポイントまで順を追って説明していきます。

休職した管理職は降格されることがある?

休職した管理職が必ず降格されるわけではありません。実際の対応は就業規則や人事制度、復職時の状況などによって異なります。

ここでは、休職しただけで自動的に降格になるわけではない理由と、会社が降格を判断する際に確認する主なポイントについて説明します。

休職しただけで自動的に降格されるわけではない

休職したという理由だけで、自動的に管理職から降格になるわけではありません。

休職は、病気やけがなどで一定期間仕事を休むための制度であり、役職を外す制度とは別に運用されるのが一般的です。

そのため、休職に入った時点で課長や部長などの役職を失うとは限らず、休職中も役職を維持したまま、復職を前提として対応する会社もあります。

降格の判断で会社が重視するポイント

会社が降格を判断する際は、休職したこと自体ではなく、復職後に管理職としての業務を継続して担える状態かどうかを重視します。

たとえば、部下のマネジメントや重要な判断、管理職として必要な業務を十分に行うことが難しいと判断された場合は、降格が検討されることがあります。

また、実際の判断は就業規則や人事制度にもとづいて行われるため、会社ごとの基準を確認しておくことも大切です。

休職を理由に管理職を降格できるケース

休職を理由に会社が管理職を降格できるかどうかは、一律には判断できません。体調や復職後の業務遂行能力、就業規則の内容、本人の意思などを踏まえて判断されるのが一般的です。

ここでは、休職を理由とした降格が認められる主なケースについて説明します。

復職後に管理職としての職務遂行が難しい場合

復職したあとも、管理職として必要な業務を十分に行うことが難しい場合は、降格が検討されることがあります。

例えば、部下の指導や評価、業務の進捗管理、重要な判断など、管理職に求められる役割を継続して担うことが難しいと会社が判断した場合です。

復職時の体調や業務遂行の状況を踏まえながら、今後の働き方について会社と相談したうえで、人事上の対応が決められるのが一般的です。

就業規則や人事制度に降格規定がある場合

会社の就業規則や人事制度に降格の条件が定められている場合は、その内容にもとづいて判断されることがあります。

役職の任免基準や管理職に求められる職務、降格となる条件などが規定されている会社もあり、その基準に当てはまるかどうかが確認されます。

実際の運用は会社ごとに異なるため、気になる場合は就業規則や人事制度を確認しておくと安心です。

本人が降格に同意している場合

本人が体調や今後の働き方を考えたうえで降格を希望し、会社もその内容に合意した場合は、役職を変更することがあります。

管理職として復職することに負担を感じる場合は、役職を外して責任の軽い業務や一般職として働くことを選ぶケースもあります。

無理をして元の役職に戻るのではなく、自分に合った働き方を会社と相談しながら決めることも、一つの選択肢です。

休職後の降格が違法になるケース

休職後の降格がすべて適法とは限りません。会社には人事権がありますが、その行使には合理的な理由や適切な手続きが求められます。

ここでは、休職後の降格が違法と判断される可能性がある代表的なケースについて説明します。

休職したことだけを理由に降格する場合

休職したという事実だけを理由に管理職を降格することは、認められない可能性があります。

休職制度は、病気やけがなどで一定期間仕事を休むための制度であり、休職したこと自体がそのまま降格の理由になるわけではありません。

管理職としての業務遂行能力や就業規則上の根拠がないまま降格した場合は、人事権の濫用と判断される可能性があります。

合理的な理由なく管理職を解任する場合

管理職を解任する合理的な理由がないまま降格した場合も、認められない可能性があります。

管理職としての業務に大きな問題がなく、就業規則や人事制度にも根拠がないにもかかわらず役職を外すことは、適切な人事措置とはいえません。

会社には客観的に説明できる理由が求められるため、その根拠が十分でない場合は、人事権の濫用と判断されることがあります。

著しく不利益な処分になっている場合

降格によって本人に著しく大きな不利益が生じる場合は、その人事措置が認められない可能性があります。

例えば、役職を外す必要性がはっきりしないにもかかわらず、大幅な給与の引下げや職務内容の変更が行われるケースです。

会社には人事権がありますが、その内容は必要性や不利益の大きさとのバランスを踏まえて判断されるため、著しく不合理な処分は問題となることがあります。

降格は本人の同意が必要?

降格に本人の同意が必要かどうかは、すべてのケースで同じではありません。降格の理由や就業規則の内容、人事権の範囲によって判断が分かれるためです。

ここでは、本人の同意が重視される場合と、会社の判断で降格できる場合、争いになりやすいケースについて説明します。

本人同意が重視されるケース

本人の同意が重視されるのは、自ら降格を希望する場合や、役職や職務内容を大きく変更する場合です。

例えば、体調への負担を考えて管理職を外れたいと本人が希望し、会社と話し合いながら今後の働き方を決めるケースがこれにあたります。

お互いに内容を十分に確認し、納得したうえで進めることで、安心して復職しやすくなります。

会社の人事権で降格できるケース

就業規則や人事制度に降格の基準が定められており、その条件に当てはまる場合は、会社の人事権にもとづいて降格が行われることがあります。

例えば、復職後も管理職として必要な職務を継続して担うことが難しいと判断され、人事制度上の要件を満たした場合です。

このようなケースでは、会社が人事上の判断として役職を見直すことがあります。

同意がなくても争いになりやすいケース

本人の同意がないまま降格が行われ、その理由や必要性を会社が十分に説明できない場合は、トラブルにつながることがあります。

就業規則や人事制度に明確な根拠がない場合や、管理職としての職務遂行能力に大きな問題が見られない場合は、降格の妥当性が問われることもあります。

そのため、会社には降格の理由や判断の根拠を客観的に示し、丁寧に説明することが大切です。

就業規則・人事権と降格の関係

降格が適法かどうかを判断する際は、会社の人事権と就業規則の内容が重要なポイントになります。

ここでは、人事権の基本的な考え方や就業規則が重要となる理由、人事権の濫用と判断されるケースについて説明します。

会社に認められている人事権とは

人事権とは、会社が業務を円滑に進めるために、従業員の配置や異動、昇進、降格などを決める権限のことです。

管理職への昇格や管理職からの降格も、この人事権にもとづいて判断されます。

ただし、会社が自由な判断で降格できるわけではなく、就業規則や人事制度に定められた基準に沿って、適切に運用することが求められます。

就業規則が重要になる理由

就業規則には、降格の条件や役職の任免基準、人事異動に関するルールが定められていることがあります。

会社が降格を検討する際は、こうした内容にもとづいて判断するのが一般的です。

そのため、降格が適切な手続きで行われたかを確認したい場合は、まず就業規則や人事制度の内容を確認してみることが大切です。

人事権の濫用と判断されるケース

人事権が認められているとはいえ、その使い方に合理的な理由がなければ問題となることがあります。

例えば、就業規則や人事制度に根拠がないまま降格した場合や、管理職としての職務遂行能力に大きな問題がないにもかかわらず役職を外した場合です。

また、降格による不利益が必要以上に大きい場合も、人事権の濫用と判断される可能性があります。

降格と減給はセットになるのか

降格になった場合でも、必ず給与が下がるとは限りません。減給できるかどうかは、就業規則や賃金制度、降格の理由などを踏まえて判断されます。

ここでは、降格と減給の関係や、減給が認められるケース、違法と判断されるケースについて説明します。

降格しても必ず減給されるわけではない

降格した場合でも、必ず給与が下がるわけではありません。

会社の賃金制度によっては、役職と基本給が連動しておらず、役職を外れても給与額が変わらないことがあります。

また、基本給はそのままで、管理職手当などの役職手当だけが支給されなくなるケースも少なくありません。

減給が認められるケース

減給が認められるのは、就業規則や賃金制度で役職ごとの給与体系が定められており、その基準にもとづいて降格が行われる場合です。

例えば、管理職手当が役職に応じて支給されている会社では、管理職を外れることで役職手当の支給が終了することがあります。

このように、会社の制度に沿った給与の見直しであれば、認められる場合があります。

違法な減給と判断されるケース

一方で、就業規則や賃金制度に根拠がないまま給与を引き下げた場合は、違法と判断される可能性があります。

また、降格の必要性が十分に認められないにもかかわらず、大幅な減給を行うなど、不利益が大きすぎるケースも問題となることがあります。

会社は降格の理由だけでなく、給与を見直す根拠についても、制度にもとづいて適切に判断することが求められます。

降格に納得できない場合の対処法

降格の理由や手続きに納得できない場合は、そのまま受け入れる前に事実関係を確認することが大切です。

ここでは、降格に納得できない場合の具体的な対処法について説明します。

会社へ降格理由の説明を求める

降格に納得できない場合は、まず会社へ理由を確認してみましょう。

どのような事実や就業規則、人事制度にもとづいて降格が決定されたのかを知ることで、判断の根拠を整理しやすくなります。

説明を受けたうえで、事実と異なる点や疑問がある場合は、落ち着いて会社へ伝えることが大切です。

就業規則や人事制度を確認する

会社から説明を受けたら、あわせて就業規則や人事制度の内容も確認しておきましょう。

降格の条件や役職の任免基準、人事権の範囲などを確認することで、会社の対応がルールに沿って行われているか判断しやすくなります。

説明内容と就業規則を照らし合わせながら確認すると、状況をより整理しやすくなります。

労働局や弁護士へ相談する

会社へ確認しても疑問が解消しない場合は、労働局や弁護士などの専門機関へ相談することも一つの方法です。

降格の理由や就業規則、人事制度との整合性について客観的な立場から確認してもらうことで、自分の状況を整理しやすくなります。

一人で悩み続けるのではなく、必要に応じて専門家の助言を受けながら対応を考えていくと安心です。

「会社へ相談しても解決しない場合は、まず労働局へ相談するべきか、それとも弁護士へ相談するべきか迷う方もいます。それぞれの相談先の違いや利用する目安を知りたい場合は、こちらも参考にしてください。」
▶降格に納得できない場合は労働局と弁護士はどっちに相談する?相談先の選び方を解説

まとめ

休職した管理職は、休職したという理由だけで自動的に降格されるわけではありません。

実際には、復職後の業務遂行の状況や就業規則、人事制度などを踏まえて、会社が総合的に判断します。

一方で、休職だけを理由に降格したり、合理的な理由や制度上の根拠がないまま役職を外したりした場合は、適切な人事措置とは認められない可能性があります。

また、降格した場合でも、会社の賃金制度によっては必ずしも給与が下がるとは限りません。

もし降格に納得できないときは、一人で判断せず、まずは会社へ理由を確認し、就業規則や人事制度の内容を確認してみましょう。

それでも疑問が残る場合は、労働局や弁護士などへ相談することも大切です。

制度の内容を正しく理解したうえで、自分に合った働き方を落ち着いて考えていきましょう。

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