コミュニケーションスキル

▶共感とは?意味・使い方・例文を分かりやすく解説します

はじめに

「共感ってどういう意味?」「同情とは何が違うの?」「会話ではどんなときに使う言葉なの?」と疑問に思ったことはありませんか。人の話を聞いていると、「それはつらかったね」「その気持ち分かるよ」と言われる場面がありますが、このように相手の気持ちに寄り添う言葉が共感です。

ただ、共感という言葉は日常でもよく使われる一方で、「同情との違いがよく分からない」「実際の会話ではどう使えばいいのか迷う」と感じる人も少なくありません。意味は何となく分かっていても、具体的にどんな場面で使う言葉なのか、どんな言い方をすると共感になるのかまでは、はっきり説明できないこともあります。

この記事では、共感の意味や使い方を、会話でよくある場面を思い浮かべながら順番に説明していきます。共感とはどんな気持ちを指す言葉なのか、同情との違いは何か、日常会話やビジネスの場面ではどのような言い方になるのかを、具体的な例とあわせて分かりやすく紹介します。

共感とは?

共感とは、相手が感じている感情を自分の立場に置き換えて理解し、その気持ちを言葉で受け止める行動です。相手が「悔しい」「不安」「うれしい」と話したときに、その感情を否定したり評価したりせず、「それは悔しいですね」「その状況なら不安になりますよね」と感情そのものに対して言葉を返します。相手の発言の内容ではなく、相手がその場で感じている感情に焦点を当てて受け止める対応を共感と呼びます。

共感の使い方

共感という言葉は、会話の中でそのまま動詞として使う場合と、「できる・できない」という形で感情の一致を表す場合で使い方が変わります。ここでは、日常会話で実際によく使われる「共感する」という言い方と、「共感できる・共感できない」という言い方の2つに分けて、どの場面でどう使うのかを具体的に整理します。

共感するの使い方

「共感する」は、相手が話した感情をそのまま受け止める場面で使います。相手が「悔しかった」「不安だった」「うれしかった」と感情を言葉にしたときに、「それは悔しいですね」「その状況なら不安になりますよね」「それはうれしいですよね」と返します。

出来事の正しさや解決策を先に出すのではなく、相手が口にした感情の言葉をそのまま受けて返すときに「共感する」を使います。

共感できる・共感できないの使い方

「共感できる」は、相手が話した出来事や感情に対して自分も同じように感じる場合に使います。相手が「その対応は納得できなかった」と話したときに、「その状況なら納得できない気持ちは共感できる」と返します。

反対に、自分の経験や考えと一致しない場合は「その気持ちは共感できない」と使います。相手の感情や判断に対して、自分の感情や経験が一致しているかどうかを示すときに「共感できる」「共感できない」を使います。

共感の例文

共感という言葉は、友人との会話などの身近な場面でも、仕事のやり取りの中でも使われます。ただし、話す相手や場面によって表現の仕方は少し変わります。ここでは、日常会話で使われる共感の言い方と、ビジネスの場面で相手の気持ちを受け止めるときの共感の例文を分けて紹介します。

日常会話での共感の例文

日常会話では、相手が話した出来事に対して評価や解決策を先に出さず、相手が感じている感情をそのまま受けて言葉を返します。

友人の場合

「昨日、上司に強く注意されて落ち込んでいる」と言われたとき
→「それはつらかったね。自分でも同じ状況なら落ち込むと思よ。」

「何日も準備したのにプレゼンがうまくいかなかった」と言われたとき
→「それだけ準備していたなら悔しいよね。」

家族の場合

「今日は仕事が忙しくて本当に疲れた」と言われたとき
→「一日中忙しかったなら疲れるよね。」

「朝から家事が多くて大変だった」と言われたとき
→「朝からずっと動いていたなら大変だよね。」

相手が話した出来事を評価するのではなく、相手が口にした感情の言葉に合わせて「つらい」「悔しい」「疲れた」といった感情をそのまま返す形で言葉にすると、日常会話で自然に共感を伝えることができます。

ビジネスでの共感の例文

ビジネスの場面では、相手が仕事の状況について話したときに、その場で感じている感情や負担をそのまま言葉にして返します。

取引先の場合
1「今回の仕様変更で作業が増えてしまいました」と言われたとき
→「仕様変更が入ると作業量が増えて大変ですよね。」

顧客の場合
1「サポート窓口につながるまで20分以上待ちました」と言われたとき
→「20分以上お待たせしてしまうとご不便ですよね。」

同僚の場合
1「3日かけて作った資料が会議で使われなかった」と言われたとき
→「3日かけて準備していたなら悔しいですよね。」

部下の場合
1「担当していた案件が途中で別の人に変わりました」と言われたとき
→「途中まで担当していたなら戸惑いますよね。」

相手が話した状況に対して評価や指示を先に出すのではなく、相手が感じている負担や感情をそのまま言葉にして返すと、仕事の会話でも共感を示すことができます。

共感の類語

共感という言葉は、日常会話の中で「同情」「理解」「賛同」と似た意味で使われることがあります。しかし、それぞれの言葉は相手に対する感情の向きや意味が少しずつ異なります。ここでは、共感とよく混同されやすい言葉として「同情」と「理解・賛同」を取り上げ、それぞれの違いを整理します。

同情との違い

同情は、困っている人を外側から見て「気の毒だ」と感じ、その状況に対して言葉を返す行動です。たとえば、同僚が上司に強く叱られて落ち込んでいるときに「それは大変でしたね」「つらい状況ですね」と出来事そのものを気の毒だと評価して声をかける場合は同情です。

一方で共感は、相手がその場で感じている感情に焦点を当て、「それは悔しいですね」「自分でも同じ立場なら落ち込みます」と感情をそのまま受け止めて言葉を返す対応を指します。つまり、出来事を外側から見て気の毒だと感じて言葉を返すのが同情で、相手が感じている悔しさや不安などの感情に対して理解を示して言葉を返すのが共感です。

同情との違いをさらに詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
▶同情とは?意味・使い方・共感との違いを分かりやすく解説します

理解との違い

理解は、相手が話した内容や状況を頭で整理し、「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」を把握する行為です。たとえば、同僚が「締切までに資料を作り終えられなかった」と説明したときに、「業務量が多かったから間に合わなかったんですね」と事情や理由を確認して受け止める対応は理解にあたります。

一方で共感は、出来事の理由を整理するのではなく、その出来事によって相手が感じている感情に言葉を返す行動です。同じ場面で「それは焦りますよね」「締切が近いと不安になりますよね」と感情に対して言葉を返す対応が共感です。つまり、出来事や理由を整理して把握するのが理解で、その出来事によって生まれた感情を受け止めて言葉を返すのが共感です。

賛同との違い

賛同は、相手の意見や主張に対して「自分も同じ考えだ」と判断し、その内容を支持する行動です。たとえば、会議で同僚が「この企画は広告費を10%増やして集客を増やすべきだ」と提案したときに、「その方針に賛成です」「自分も同じ考えです」と意見の内容に同意して立場を示す場合は賛同です。

一方で共感は、相手の意見の正しさや方針に同意することではなく、その発言の背景にある感情に言葉を返す対応です。同じ場面で「売上を伸ばしたい気持ちは分かります」「集客を増やしたいと考えるのは自然ですね」と発言の背景にある思いや焦りなどの感情を受け止めて言葉を返す場合は共感です。

つまり、意見や主張の内容に同意して同じ立場を示すのが賛同で、相手の発言に含まれる感情を受け止めて言葉を返すのが共感です。

相手の気持ちを理解する力について詳しく知りたい方は、次の記事も参考になります。
▶共感力とは?高い人の特徴と共感力を高める方法を解説します

まとめ

共感とは、相手が感じている感情を自分のことのように受け止めることです。相手が「悲しい」「悔しい」「うれしい」と話したときに、その感情を否定せず「それはつらいよね」「その気持ちは分かる」と言葉を返す行動が共感です。

会話で迷ったときは、相手の出来事ではなく「相手の感情」に注目します。出来事を評価したり解決策を先に言ったりするのではなく、相手が感じている気持ちに合わせて言葉を返します。たとえば「それは悔しいよね」「自分でも同じ状況なら落ち込むと思う」と返す形です。

共感は日常会話でも仕事の場面でも使われます。友人が失敗して落ち込んでいるときに「それはつらかったね」と言う場面や、顧客が不満を話したときに「それは分かりにくいですよね」と感情を受け止める場面で使います。相手の感情を一度受け止めてから会話を進めることで、相手は「気持ちを理解してもらえた」と感じます。

意味は「相手の感情を自分のことのように受け止めること」、使い方は「相手の気持ちに合わせて言葉を返すこと」です。この2点を押さえておけば、共感という言葉の意味と使い方で迷うことはなくなります。

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