目次
はじめに
「PMBOKガイド第6版とは何だろう?」
「第7版が出ているのに、第6版を勉強する意味はあるの?」と疑問に感じていませんか。
PMP試験やプロジェクトマネジメントを学び始めると、「5つのプロセス群」「10の知識エリア」「49のプロセス」といった言葉が次々に出てきて、それぞれがどうつながっているのか分からず、途中で手が止まってしまうことがありますよね。
この記事では、PMBOKガイド第6版の基本構成をはじめ、5つのプロセス群と10の知識エリアの関係、第7版との違いまで、初めて学ぶ方にも分かりやすいよう順を追って説明していきます。
PMBOKガイド第6版とは?まず知っておきたい基本概要

PMBOKガイド第6版を理解するには、まず「PMBOKガイドとは何か」と「第6版ならではの特徴」を整理しておくことが大切です。
ここでは、PMBOKガイド第6版の基本的な概要について順番に見ていきましょう。
PMBOKガイドはプロジェクト管理の標準知識をまとめたガイド
PMBOKガイドは、プロジェクトを計画どおりに進めるための考え方や進め方を体系的にまとめたガイドです。
個人の経験や企業独自のルールではなく、多くのプロジェクトで共通して活用できる標準的な知識が整理されています。
そのため、業種やプロジェクトの規模を問わず活用しやすく、実務や資格試験の学習でも広く利用されています。
第6版は「プロセス重視」が特徴
PMBOKガイド第6版は、プロジェクトを進める手順をプロセス単位で整理していることが特徴です。
立ち上げ・計画・実行・監視・終結の5つのプロセス群に加え、49のプロセスを実施する順序や入出力、使用する手法まで体系的にまとめています。
そのため、「どの作業を、どのタイミングで、どのように進めるか」を流れに沿って理解しやすい構成になっています。
PMP資格との関係性
PMP資格の試験では、PMBOKガイドの考え方が学習の土台として広く活用されています。
第6版は5つのプロセス群や10の知識エリア、49のプロセスを体系的に整理しているため、プロジェクトマネジメントの基本を理解する教材として利用されてきました。
ただし、現在のPMP試験はPMBOKガイド第6版だけを出題範囲としているわけではなく、複数の参考資料や実務で求められる内容も含めて出題されています。
PMP試験を目指している場合は、PMBOKガイドだけで十分なのか、ほかに必要な教材があるのかも確認しておくと学習計画を立てやすくなります。
▶PMP試験の勉強方法|おすすめ教材と学習の進め方を解説
PMBOK第6版の「5つのプロセス群」とは?

PMBOKガイド第6版では、プロジェクト全体の流れを5つのプロセス群に分けて整理しています。
それぞれのプロセス群には異なる役割があり、順番や目的を理解することで、プロジェクトがどのように進んでいくのかを把握しやすくなります。
ここでは、5つのプロセス群の内容を一つずつ確認していきましょう。
立ち上げプロセス群
立ち上げプロセス群は、プロジェクトを正式に開始するための最初の段階です。
このプロセス群では、プロジェクトの目的や期待する成果を明確にし、実施する権限を与えるプロジェクト憲章を作成します。また、プロジェクトに関わる利害関係者を特定し、それぞれの役割や関心事項を把握します。
ここで開始の条件を整理しておくことで、その後の計画プロセスへ進みやすくなります。
計画プロセス群
計画プロセス群は、プロジェクトをどのような手順で進めるかを具体的に決める段階です。
作業範囲、スケジュール、予算、品質、リスク、調達、コミュニケーションなどの計画を作成し、それぞれを統合してプロジェクトマネジメント計画書としてまとめます。
ここで実施方法や管理基準を明確にしておくことで、実行段階で判断に迷いにくくなります。
実行プロセス群
実行プロセス群は、計画プロセス群で作成した計画に基づいてプロジェクトを進める段階です。
プロジェクトメンバーへ作業を割り当て、成果物を作成しながら、品質の確保やチームのマネジメント、関係者とのコミュニケーションを実施します。
計画した内容を実際の作業へ反映することで、プロジェクトの成果物を完成へ向けて進めていきます。
監視・コントロールプロセス群
監視・コントロールプロセス群は、プロジェクトが計画どおりに進んでいるかを確認し、必要に応じて修正する段階です。
進捗状況、コスト、品質、スケジュールなどを計画と比較し、差異が発生した場合は原因を確認して是正措置や変更管理を実施します。
継続的に状況を確認して調整することで、プロジェクトを計画した目標へ近づけます。
終結プロセス群
終結プロセス群は、プロジェクトや契約を正式に完了させる段階です。
成果物が要求どおりに完成していることを確認し、発注者や依頼者から正式な承認を受けます。その後、契約の完了手続きや関連資料の保管、実施結果や教訓の記録を行い、プロジェクトを正式に終了します。
これにより、成果物の引き渡しとプロジェクトの完了を明確にできます。
PMBOK第6版の10の知識エリアを簡単に解説

PMBOKガイド第6版では、プロジェクトを適切に進めるために必要な知識を10の知識エリアに分類しています。
ここでは、10の知識エリアを関連する内容ごとに分けて分かりやすく解説していきます。
統合・スコープ・スケジュール管理
統合管理は、プロジェクト全体の計画や変更を一元的に管理する知識エリアです。
スコープ管理は、実施する作業と実施しない作業を明確にし、成果物に必要な作業範囲を管理します。スケジュール管理は、作業の順序や所要時間を整理して工程表を作成し、開始日や完了日を管理します。
この3つを適切に管理することで、計画どおりにプロジェクトを進めやすくなります。
コスト・品質・資源管理
コスト管理は、予算を見積もり、実際の支出が計画を超えないよう管理する知識エリアです。
品質管理は、成果物が定めた品質基準を満たしているかを確認し、必要に応じて改善を行います。資源管理は、プロジェクトメンバーや設備、資材を適切に割り当て、必要な時期に必要な資源を確保します。
この3つを管理することで、予算・品質・人員のバランスを保ちながらプロジェクトを進められます。
コミュニケーション・リスク・調達・ステークホルダー管理
コミュニケーション管理は、必要な情報を関係者へ適切なタイミングで共有し、認識のずれを防ぐための知識エリアです。
リスク管理は、発生する可能性のある問題を事前に洗い出し、対応方法を決めて影響を抑えます。調達管理は、外部企業への発注や契約、納品までを管理します。
ステークホルダー管理は、依頼者や利用者、経営層など関係者の期待や要望を把握し、適切に対応しながらプロジェクトを進めます。
PMBOK第6版と第7版の違い

PMBOKガイド第6版と第7版は、同じPMBOKガイドでも重視している考え方や構成が異なります。
ここでは、第6版と第7版の主な違いと、どちらから学ぶべきかを順番に見ていきましょう。
第6版と第7版の違いを見ても、「結局どちらから勉強すればいいの?」と迷う方は、選び方を詳しくまとめた記事も参考にしてみてください。
▶PMBOK第6版と第7版の違い|どっちから学ぶべきかを解説
第6版はプロセス中心
第6版は、プロジェクトを進める手順をプロセスごとに整理していることが特徴です。
5つのプロセス群と10の知識エリアを組み合わせ、49のプロセスについて実施する順序や入出力、使用する手法を体系的にまとめています。
そのため、「どの作業を、どの順番で、どのように進めるか」を手順に沿って理解しやすい構成になっています。
第7版は原理原則・価値提供重視
第7版は、決められた手順を順番どおりに実施することよりも、プロジェクトで価値を提供するための考え方を重視しています。
49のプロセスを中心に学ぶ構成ではなく、プロジェクトマネジメントの12の原理原則と8つのパフォーマンス領域を軸に、状況に応じて進め方を選択する考え方を示しています。
そのため、プロジェクトの種類や開発手法に合わせて柔軟に管理方法を選びやすい構成になっています。
どちらから学ぶべきか
プロジェクトマネジメントの基本的な流れを体系的に理解したい場合は、第6版から学ぶと進めやすいです。
一方で、状況に応じた考え方や最新のプロジェクトマネジメントを学びたい場合は、第7版もあわせて学ぶと理解が深まります。
まずは第6版でプロセスの流れを身につけ、その後に第7版で原理原則や価値提供の考え方を学ぶ順番が理解しやすいでしょう。
PMBOK第6版はどんな人におすすめ?

PMBOKガイド第6版は、プロジェクトマネジメントを基礎から体系的に学びたい人に適した内容です。
ここでは、第6版がどのような人に向いているのかを、それぞれの目的に分けて解説していきます。
プロジェクト管理を体系的に学びたい人
PMBOKガイド第6版は、プロジェクト管理を順序立てて学びたい人に向いています。
5つのプロセス群や10の知識エリア、49のプロセスが体系的に整理されているため、プロジェクトが立ち上がってから終了するまでの流れを段階ごとに理解できます。
プロジェクトマネジメントの全体像を基礎から身につけたい場合に学びやすい内容です。
PMP資格を目指している人
PMBOKガイド第6版は、PMP資格の学習を始める人にも役立ちます。
現在のPMP試験は第6版だけを出題範囲としているわけではありませんが、5つのプロセス群や10の知識エリアなど、プロジェクトマネジメントの基本を理解する土台として活用できます。
試験で扱われる考え方を理解しやすくなるため、基礎知識を身につける教材として学ぶ価値があります。
実務でプロジェクト管理を担当している人
PMBOKガイド第6版は、実務でプロジェクト管理を担当している人にも適しています。
スケジュール管理、コスト管理、リスク管理、品質管理などを体系的に整理して学べるため、現在行っている業務を標準的な考え方で見直しやすくなります。
日々の管理業務を理論と結び付けて理解できるため、実務の進め方を整理したい人に役立ちます。
PMBOKガイド第6版の書籍情報

PMBOKガイド第6版には複数の購入方法があり、媒体や言語によって使い勝手や価格が異なります。
自分の学習スタイルや利用目的に合ったものを選ぶためにも、それぞれの特徴や購入前に確認したいポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、書籍情報や選び方について順番に解説していきます。
書籍版・Kindle版・中古版の違い
書籍版は紙に書き込みや付箋を付けながら学習したい人に向いています。
Kindle版はスマートフォンやタブレット、パソコンで持ち運びやすく、検索機能を使って用語を探しやすいことが特徴です。
中古版は購入費用を抑えやすい一方で、書き込みや傷みがある場合や、付属資料が不足している場合があるため、購入前に商品の状態を確認することが大切です。
購入前に確認したいポイント
購入前は、第6版であることを確認したうえで、紙版・電子版のどちらが自分の学習方法に合っているかを確認しましょう。
また、中古品を選ぶ場合は、書き込みやページの破損がないか、付属資料の有無なども確認しておくと安心です。
学習中に使い続ける書籍だからこそ、価格だけでなく使いやすさも含めて選ぶことが大切です。
英語版と日本語版の違い
英語版と日本語版は内容や構成は同じですが、使用する言語が異なります。
日本語で基礎から学びたい場合は日本語版が理解しやすく、英語の原文で用語や表現を確認したい場合は英語版が適しています。
PMP資格の学習で英語の教材や問題集を利用する予定がある場合は、英語版の用語に慣れておくことで学習を進めやすくなります。
まとめ
PMBOKガイド第6版は、プロジェクトマネジメントの基本を体系的に学べるガイドです。
5つのプロセス群や10の知識エリア、49のプロセスを通して、プロジェクト全体の流れを理解しやすいことが大きな特徴です。
現在は第7版が公開されていますが、基礎を身につけるうえでは第6版も十分役立ちます。
まずは第6版で全体像を理解し、その後に第7版の考え方も学ぶことで、より実践的なプロジェクトマネジメントを身につけやすくなるでしょう。