目次
はじめに
「PMIってよく聞くけど、結局なに?」「自分に関係あるのかな?」と気になってここまで来られたのではないでしょうか。
PMIとは何かを調べていると、団体の歴史や規模など、いろいろな情報が出てきますよね。でも、最初に細かい概要を全部覚えようとしなくても大丈夫です。大切なのは、「自分にどのくらい関わりがあるのか」をはっきりさせることなんです。
これからPMBOKを学ぶ予定がありますか?それとも、PMP資格の取得を本気で考えていますか?もし試験対策まで視野に入れているなら、PMIの役割や仕組みをきちんと理解しておいたほうが安心です。反対に、「名前だけ知っておけば十分」という段階であれば、概要を押さえるだけでも困ることはありません。
このあと順を追って説明していきますが、まずは「自分はどこまで関わるつもりなのか」を思い浮かべながら読み進めてみてくださいね。
PMI(Project Management Institute)とは?

PMIとは、Project Management Institute(プロジェクト・マネジメント・インスティテュート)の略で、日本語では「プロジェクトマネジメント協会」と訳されることが多い団体名です。プロジェクトマネジメントの国際的な基準づくりや、PMPなどの資格認定を行っている組織として知られています。では、このPMIはどのような性質を持つ団体なのか、役割や特徴を順に見ていきます。
PMIはプロジェクトマネジメントの基準を作る団体
PMIは、プロジェクトマネジメントの進め方を体系的に整理し、実務で使える形で文書化している団体です。正式名称はProject Management Instituteです。
たとえば「プロジェクト開始時に何を承認するのか」「計画はどの成果物から作るのか」「変更要求はどの手順で判断するのか」といった具体的な手順を、プロセス単位でまとめています。代表的な出版物がA Guide to the Project Management Body of Knowledgeで、立ち上げから終結までに実施する活動や成果物が明確に整理されています。
さらに、PMIは資格制度も運営しています。代表的な資格であるProject Management Professionalでは、これらの基準を理解し、状況に応じて使えるかどうかが試験で問われます。
つまりPMIは、プロジェクトの進め方を経験則だけに頼らず、文書として定義し、再現できる形で示している団体です。
PMIは非営利で運営されている団体
PMIは株式会社のように株主へ利益を分配する組織ではありません。会員の年会費、資格試験の受験料、出版物の販売収益などを運営資金として活動している非営利団体です。
得られた収益は、基準書の改訂作業、試験問題の開発、システム維持、研究活動、各国支部の運営支援などに使われます。利益を配当する仕組みはなく、資金はすべて組織の目的達成のために再投資されます。
つまりPMIは、特定企業の利益拡大を目的とする団体ではなく、プロジェクトマネジメント分野の標準化と人材育成を目的に運営されている組織です。
PMIは国際的に活動している団体
PMIはアメリカに本部がありますが、活動範囲は一国に限定されていません。世界各国にチャプター(地域支部)を設け、各地域でイベントや勉強会、ネットワーキングの場を提供しています。
資格試験は多言語で実施されており、アジア、ヨーロッパ、中南米など世界中の受験者が同じ試験基準で受験しています。発行される基準書も各国語に翻訳され、現地で利用されています。
つまりPMIは、アメリカ国内向けの団体ではなく、同じプロジェクトマネジメント基準と資格制度を世界規模で展開している国際組織です。
PMIとPMBOKの関係は?

PMIとPMBOKは別の言葉ですが、役割がはっきり分かれています。PMBOKを理解するには、まず「誰が作っているのか」「どんな立場の組織なのか」を押さえる必要があります。ここでは、発行元とガイドブックという関係性を整理しながら、両者のつながりを具体的に確認します。
PMIが発行元|PMBOKはその公式ガイドブック
発行元はProject Management Instituteです。この団体が公式に出版している標準書がA Guide to the Project Management Body of Knowledgeです。
PMBOKは、プロジェクトの立ち上げから終結までに行う具体的な活動と成果物を章立てで示しています。例として、プロジェクト憲章の作成時点、スケジュール計画の作り方、変更要求の審査手順などが、用語の定義付きで整理されています。
関係は単純です。PMIが発行し、PMBOKがその内容を記した公式ガイドブックです。
PMIは運営団体|PMBOKは実務の考え方をまとめた文書
PMIは、基準策定、資格制度の設計、試験の実施、研究やコミュニティ活動の運営を行う組織です。文書そのものではありません。
PMBOKは、実務で使う判断基準と手順を文章化した標準書です。たとえば、計画書に含める項目、コスト管理の流れ、リスク登録簿の扱い方など、現場でそのまま参照できる形で示されています。
つまり、PMIは運営・管理する側、PMBOKは現場で参照する文書という役割分担です。
PMIが改訂しPMBOKが更新される
PMBOKは版ごとに更新されます。改訂作業を行うのはPMIです。実務環境の変化や管理手法の普及状況を踏まえ、内容を見直します。
実際に、第7版では構成が変更され、プロセス中心の整理から原則やパフォーマンス・ドメイン中心の構成へ移行しました。改訂後は新しい版が正式版として発行され、資格試験や研修内容もその版に合わせて更新されます。
流れは明確です。PMIが内容を改訂し、その結果としてPMBOKの版が更新されます。
PMIとPMPの関係は?

PMIとPMPはよく似た略称ですが、役割はまったく異なります。まずは、世界的なプロジェクトマネジメント団体であるPMI(Project Management Institute)と、その団体が認定する資格との関係を整理することが理解の出発点です。ここでは、団体・資格・試験範囲のつながりを順番に確認していきます。
PMIは団体|PMPはその団体が認定する資格
PMIは資格制度を設計・運営する組織で、PMPはその組織が個人に与える資格です。PMIの正式名称はProject Management Instituteです。
PMPはProject Management Professionalの略称で、受験者は所定の実務経験年数と研修受講時間を満たしたうえで試験に合格する必要があります。合格後も、一定期間ごとに学習単位(PDU)を取得しなければ資格は更新できません。
つまり、PMIは制度を管理する側、PMPはその制度を通過した個人に付与される資格という関係です。
PMBOKは試験範囲の基礎になる
PMP試験の出題は、PMIが定めた基準をもとに構成されています。その基礎資料の一つがA Guide to the Project Management Body of Knowledgeです。
PMBOKには、プロジェクト憲章の役割、スケジュールやコスト計画の作成手順、変更管理の流れ、リスク登録簿の扱い方などが整理されています。試験では、これらの用語や手順を前提として、「この場面で優先すべき対応は何か」といった状況判断問題が出題されます。
暗記だけでは対応できませんが、PMBOKに記載されている定義やプロセスの関係を理解していないと正解を選べません。つまり、PMP試験はPMBOKの内容を土台にして作られています。
PMIが世界標準と言われるのはなぜ?

PMIが「世界標準」と言われる背景には、単なる知名度ではなく、国境を越えて通用する共通ルールを作ってきた実績があります。ここでは、PMI(Project Management Institute)がどのように各国・各企業に影響を与え、なぜ国際的な基準とみなされているのかを具体的に整理します。
多くの国や企業が共通基準として採用している
PMIが策定する基準は、国や業界をまたいで実務に導入されています。基準を作成しているのはProject Management Instituteで、同団体が発行するA Guide to the Project Management Body of Knowledgeは各国語に翻訳され、企業や公共機関で参照されています。
実務では、プロジェクト憲章の承認手順、WBSの作成方法、変更要求の審査フローなどをPMI基準に合わせて運用する企業があります。海外拠点を含めて同じ管理手順を使うことで、計画書の形式や承認プロセスを統一できます。
このように、企業が実際の運用ルールとして採用している点が「世界標準」と言われる理由です。
国をまたいでも同じ用語と手順で通用する
PMI基準では、用語の定義と進め方が明確に決められています。たとえば「プロジェクト憲章」「WBS」「変更要求」「リスク登録簿」といった言葉は、国が違っても同じ意味で使われます。
進め方も共通です。計画を立て、実行し、進捗を監視し、完了させるという流れが標準化されています。そのため、日本で作成したWBSを海外拠点がそのまま理解し、同じ前提で議論できます。
用語と手順が共通しているため、国境を越えても説明や引き継ぎが成立します。
PMIが認定する資格が海外でも通用する
PMIが運営する資格制度も世界共通です。代表的な資格はProject Management Professionalで、取得国によって内容が変わることはありません。
受験要件(実務経験年数や研修時間)、試験基準、更新要件(PDU取得)は全世界で同じです。そのため、日本で取得したPMPは海外企業でも同じ資格として扱われます。実際に、海外求人でPMP保有が条件として示されることがあります。
資格評価が国ごとに変わらない点も、PMI基準が国際的に通用する理由の一つです。
PMIを知っておく意味はある?
PMIの知識が自分に必要かどうかは、関わる仕事の範囲によって変わります。すべての人に必須というわけではありませんが、国際基準や資格制度と接点があるなら無視はできません。ここでは、PMI(Project Management Institute)を知っておくべきケースと、必須ではないケースを整理します。
PMIに関わる予定があるなら知っておいた方がいい
PMIに関わる予定があるなら、事前に基礎を理解しておいた方が実務や学習が止まりません。具体的には、Project Management Professionalを受験する場合、PMI基準で使われる用語やプロセスの流れを知らないと、問題文の前提が読み取れません。
また、取引先から「PMI基準で進めてください」と指定された場合、プロジェクト憲章の作成や変更要求の正式な承認手順など、求められる成果物と手順を理解していないと対応できません。事前に団体の役割や基準の位置づけを把握しておけば、資料や契約書を読んだときに意味を取り違えずに済みます。
国内業務だけで完結するなら必須ではない
一方で、業務が国内のみで完結し、社内独自の管理ルールで問題なく回っている場合は、PMIの詳細な基準を知らなくても支障は出ません。既存の社内フォーマットで計画書を作成し、社内承認フローで意思決定が完了する環境であれば、外部標準を参照する必要はありません。
海外拠点との共同案件がなく、外部からPMI準拠を求められることもなく、PMP取得予定もない場合は、業務上の必須知識にはなりません。状況によって必要性が変わる、という位置づけです。
まとめ
PMIは、プロジェクトマネジメントの進め方を文書として定義し、資格制度まで含めて管理している団体です。PMBOKはその基準をまとめた公式ガイドブックであり、PMPはその基準を理解し実務で扱えることを証明する資格です。役割は明確に分かれています。PMIは制度を運営する側、PMBOKは基準を示す文書、PMPは個人に与えられる資格です。
PMIが「世界標準」と言われるのは、用語や手順が国をまたいで共通化され、資格も海外で同じ基準で評価されるからです。海外拠点との共同プロジェクトや、グローバル企業での勤務を考えている場合は、これらの基準を理解しているかどうかでやり取りのしやすさが変わります。
一方で、国内案件のみを扱い、社内ルールで完結している環境では、詳細な基準まで把握する必要はありません。名称と位置づけを理解していれば十分な場合もあります。
重要なのは、「自分がどの立場で関わるのか」を基準に判断することです。PMPを受験するのか、PMI基準の導入案件に関わるのか、あるいは名称だけ知っていれば足りるのか。今後の業務やキャリアの方向に合わせて、必要な範囲だけを押さえてください。