目次
はじめに
目的
本書は、プロジェクト管理ツール「Jira」の全体像を分かりやすく伝えることを目的としています。Jiraが何を得意とするか、どのように日々の課題管理や情報共有に役立つかを具体例を交えて説明します。初心者でも読み進められるよう配慮しました。
想定読者
- プロジェクト管理を始める個人やチーム
- 既に別のツールを使っていてJira導入を検討している方
- Jiraの基本機能を改めて整理したい方
専門用語は最小限にし、実務での使い方をイメージしやすく書きます。
本書の範囲
第2章でJiraの概要、第3章で主要機能、第4章で基本的な使い方を順に説明します。課題の作成や検索、ダッシュボードの活用など、日常で使う機能に重点を置いています。
読み方のヒント
まず第2章で役割を把握すると、第3章・第4章が理解しやすくなります。実際に手を動かす際は、章ごとの例を参考に進めてください。
Jiraとは何か
概要
Jiraはブラウザで使うプロジェクト管理ツールです。もともとはバグ追跡のために作られましたが、今はタスク管理やチームの進捗確認に広く使われています。画面上で「やること（チケット）」を作り、担当者や期限を決めて進めます。
主なイメージ（具体例で説明）
- チケット：やることを1つのカードにまとめます。例）「ログイン画面の不具合を修正」
- 担当者と期限：誰がいつまでにやるかを記録します。例）エンジニアAが3日以内に対応
- ボード：作業の進み具合を視覚化します。例）「未着手→進行中→完了」の列にカードを移動
- ワークフロー：作業の流れを決める仕組みです。ステータスの移動ルールを設けられます。
どんな場面で使うか（具体例）
- 開発チーム：バグ管理や機能作成の進捗確認に便利です。
- サポート窓口：問い合わせの対応状況を追跡できます。
- 広報・営業：タスクの割り振りと期限管理にも使えます。
特徴と利点
- 可視化：誰が何をしているか一目で分かります。
- 協働：コメントや添付で情報を共有できます。
- 柔軟性：テンプレートやカスタム項目でチームに合わせられます。
初めての一歩
まずは小さなプロジェクトを作り、簡単なチケットをいくつか登録してみてください。ボードを動かしてみることで、直感的に使い方が分かります。
Jiraの主要機能
課題管理（Issue）
Jiraの中心は課題（Issue）です。作業や不具合を課題として登録し、担当者・期限・優先度を設定できます。例えば「ログイン画面の表示崩れ」を登録してスクリーンショットを添付し、フロントエンド担当に割り当てます。
ワークフロー
課題は定義された工程（未着手→進行中→完了）に沿って進みます。各工程で必要な承認やチェックを組み込めます。プロジェクトに合わせてステータスや遷移をカスタマイズします。
添付とリンク
設計資料やスクリーンショットを課題に添付できます。関連する課題をリンクして依存関係を表現すると、作業順序が分かりやすくなります。
カンバンボード
カンバンではカードを列に並べ、ドラッグで状態を更新します。視覚的なので進捗を直感的に把握できます。例：今週は「実装中」列のカードを優先的に処理します。
ロードマップ（ガント風）
期間と依存関係を表示し、プロジェクト全体の予定を管理できます。あるタスクが遅れると影響範囲が一目で分かります。
JQLによる検索
Jiraクエリー言語（JQL）で細かな絞り込みが可能です。例：担当者と期限で検索して今週の作業一覧を作成します。
ダッシュボードとコンポーネント
ウィジェットで進捗や優先度の分布を可視化できます。コンポーネントで機能ごとにタスクを分割すると大規模プロジェクトの管理が楽になります。
Jiraの基本的な使い方
1. アカウント作成とログイン
Jiraのウェブサイトにアクセスし、メールアドレスでアカウントを作成します。フリープランもあるため、まずは無料で始められます。ログイン後は基本情報を入力しておきます。
2. プロジェクトの作成
プロジェクトを作成し、目的に合うテンプレートを選びます（例：ソフトウェア開発やタスク管理）。名前やキーを設定すると、プロジェクトの骨組みができます。
3. 課題の登録と管理
「課題（Issue）」を新規作成します。タイトル、説明、期限を入れ、必要に応じてラベルを付けます。具体例：バグを見つけたら「バグ」とラベルをつけ、再現手順を説明します。
4. 担当者の割り当てと優先度設定
課題に担当者を割り当て、優先度（高・中・低）を設定します。担当者は通知を受け取り、作業を開始できます。
5. 進捗の可視化（ボードとレポート）
カンバンやスクラムのボードで「To Do→In Progress→Done」の流れを見える化します。ボード上でカードを移動するだけで状況が更新されます。レポートやダッシュボードで進捗を確認できます。
6. 実務での小さなコツ
・テンプレートやワークフローは最初にシンプルにします。
・課題は小さく分け、完了を増やすと見通しが良くなります。
・通知設定を調整して重要な更新だけ受け取るようにします。
これらの手順で、チームの作業を効率的に管理し、プロジェクトの状況を把握できます。