目次
はじめに
「プロジェクトを進めている途中で予想外のトラブルが発生したら、どのように対応すればよいのだろう」
「リスクを洗い出して管理すると言われても、具体的に何を確認すればよいのか分からない」と感じていませんか。
プロジェクトの担当者になると、納期の遅れや予算超過、品質低下などを防ぐために事前の対策が求められますが、発生する可能性のある問題をすべて予測することは難しく、どこまで準備すればよいのか迷うことがありますよね。
この記事では、プロジェクトにおけるリスクマネジメントの意味や必要性、基本的な進め方、発生したリスクへの対応方法について順を追って説明していきます。
プロジェクトのリスクマネジメントとは?

プロジェクトのリスクマネジメントとは、プロジェクトの進行中に発生する可能性がある問題を事前に洗い出し、適切な対策を講じるための管理手法です。
まずは、リスクマネジメントがどのような活動を指すのかを確認したうえで、事前にリスクを把握することがプロジェクトへどのような効果をもたらすのかを見ていきましょう。
プロジェクトリスクマネジメント
プロジェクトリスクマネジメントとは、プロジェクトの進行を妨げる可能性がある出来事を事前に洗い出し、発生する可能性や影響の大きさを確認しながら対応方法を決めて管理する活動です。
問題が起きてから対応するのではなく、あらかじめ備えておくことで、トラブルが発生した場合でも落ち着いて対応しやすくなります。
リスクを事前に把握することでプロジェクトへの影響を抑えられる
リスクを事前に把握して対応策を準備しておくと、問題が発生した場合でも慌てずに対応しやすくなります。
その結果、スケジュールの遅れや予算超過、品質低下などの影響を抑えながら、プロジェクトを計画に沿って進めやすくなります。
プロジェクト全体の安定した運営につながる点も、大きなメリットです。
プロジェクトでリスクマネジメントが必要な理由
プロジェクトでは、リスクへの対応が遅れるほどスケジュールの遅延やコストの増加など、計画全体への影響が大きくなります。
ここでは、プロジェクトでリスクマネジメントが必要とされる理由を確認していきましょう。
問題が発生してから対応するとスケジュールやコストへの影響が大きくなる
問題が起きてから対応を始めると、原因の調査や対応方法の検討、作業のやり直しが必要になることがあります。
その結果、スケジュールの遅れや追加コストが発生しやすくなり、プロジェクト全体へ影響が広がる可能性もあります。
だからこそ、事前にリスクを把握して備えておくことが大切です。
事前にリスクを管理することで適切な判断と対応がしやすくなる
あらかじめリスクを洗い出し、発生する可能性や影響を整理しておくことで、問題が起きたときも落ち着いて対応しやすくなります。
状況に応じた判断がしやすくなるため、場当たり的な対応を避けながら、プロジェクトへの影響をできるだけ抑えて進めやすくなります。
プロジェクトリスクマネジメントの基本的な進め方
プロジェクトリスクマネジメントは、一度対策を決めて終わりではなく、リスクの発見から評価、対応、見直しまでを継続的に行うことが重要です。
ここでは、プロジェクトリスクマネジメントの基本的な進め方を順を追って確認していきましょう。
リスク管理だけでなく、プロジェクト全体をどのような流れで進めればよいのか知りたい場合は、基本的な進め方をまとめた記事も参考になります。
プロジェクトマネジメントとは?意味・必要性・管理するものをわかりやすく解説
リスクを特定して発生する可能性のある問題を洗い出す
まずは、プロジェクトの目的や作業内容、スケジュール、予算、人員などを確認し、目標達成を妨げる可能性があるリスクを洗い出します。
どのような問題が起こりそうかを事前に整理しておくことで、その後の評価や対応を進めやすくなります。
発生確率と影響度を評価して優先順位を決める
洗い出したリスクは、発生する可能性の高さと、発生した場合の影響の大きさをもとに優先順位を決めます。
特に影響が大きいリスクから対応することで、限られた時間や人員を有効に活用しながら管理しやすくなります。
リスクごとに対応策を検討して実行する
リスクごとに、発生を防ぐ方法や発生した場合の対応手順をあらかじめ決めておきます。
担当者や実行するタイミングも整理しておくことで、リスクの兆候が見つかった際に、落ち着いて対応しやすくなります。
プロジェクト進行中もリスクを監視して見直す
リスク管理は、一度対応策を決めて終わりではありません。
プロジェクトの進行に合わせて状況を定期的に確認し、新たなリスクや変化があれば評価や対応策を見直すことが大切です。
継続して確認することで、状況の変化にも柔軟に対応しやすくなります。
プロジェクトにおけるリスク対応の4つの方法
プロジェクトのリスク対応では、すべてのリスクに同じ対策を取るのではなく、原因や発生確率、影響の大きさに応じて方法を選ぶ必要があります。
ここでは、それぞれの対応方法と違いを確認していきましょう。
リスク回避によって問題が発生する原因を取り除く
リスク回避は、リスクが発生する原因そのものをなくし、問題を未然に防ぐ考え方です。
リスクの原因となる作業や計画を見直したり、中止したりすることで、プロジェクトへの影響をできるだけ避けやすくなります。
リスク低減によって発生確率や影響を小さくする
リスク低減は、リスクを完全になくすのではなく、発生する可能性や影響をできるだけ小さくする対応方法です。
事前に対策を講じておくことで、万が一リスクが発生しても、プロジェクトへの影響を抑えやすくなります。
リスク転嫁によって発生時の負担を他者へ移す
リスク転嫁は、リスクが発生した場合の費用や責任などの負担を、契約や保険などを活用して第三者へ移す方法です。
あらかじめ負担の範囲を決めておくことで、プロジェクトへの影響を軽減しやすくなります。
リスク受容によって発生時の対応を準備する
リスク受容は、リスクが発生する可能性を受け入れたうえで、あらかじめ対応方法を準備しておく考え方です。
対応手順や体制を事前に決めておくことで、問題が起きた場合でも落ち着いて対応しやすくなります。
プロジェクトリスクマネジメントとPMBOKの関係
プロジェクトリスクマネジメントを進める際は、PMBOKで整理されている考え方を参考にできます。
ここでは、PMBOKとリスクマネジメントの関係や、実務での活用方法を確認していきましょう。
PMBOKはリスクマネジメントの考え方を整理したガイドライン
PMBOKは、プロジェクトリスクマネジメントを含む、プロジェクト管理の考え方を体系的にまとめたガイドラインです。
リスクの特定から評価、対応、監視までの進め方が整理されているため、プロジェクトに応じたリスク管理の進め方を理解しやすくなります。
PMBOKについて詳しく知りたい方は、役割やプロジェクトマネジメントとの違いをまとめた以下の記事も参考にしてください。
PMBOKとは?プロジェクトマネジメントの意味・違い・全体像を初心者向けにわかりやすく解説
PMBOKの考え方は実務でのリスク管理にも活用できる
PMBOKの考え方は、実際のプロジェクトでリスク管理を行う場面でも役立ちます。
一定の手順に沿ってリスクを管理することで、対応の漏れや担当者ごとの判断のばらつきを抑えながら、安定したプロジェクト運営につなげやすくなります。
プロジェクトのリスクマネジメントを成功させるポイント
プロジェクトのリスクマネジメントは、リスクを洗い出すだけでは十分ではありません。
ここでは、プロジェクトのリスクマネジメントを成功させるために押さえておきたいポイントを確認していきましょう。
リスク情報を共有してチーム全体で管理する
リスク情報は担当者だけで抱え込まず、チーム全体で共有しておくことが大切です。
リスクの内容や対応状況、担当者を誰でも確認できる状態にしておくことで、状況の変化にも気付きやすくなり、必要な対応をスムーズに進めやすくなります。
計画段階だけでなく進行中もリスクを更新する
リスク管理は、計画段階で終わるものではありません。
プロジェクトの進行に合わせて定期的に見直し、新たなリスクや状況の変化を反映することで、その時々に応じた対応を取りやすくなり、プロジェクトへの影響も抑えやすくなります。
発生した問題ではなく将来起こる可能性のあるリスクを見る
リスクマネジメントでは、すでに発生した問題ではなく、これから起こる可能性がある事象に目を向けることが基本です。
事前にリスクを把握して対応策を準備しておくことで、万が一問題が起きた場合でも、落ち着いて対応しやすくなります。
まとめ
プロジェクトリスクマネジメントは、将来起こる可能性がある問題を事前に把握し、適切な対応を準備しておくための管理手法です。
問題が発生してから対応するのではなく、あらかじめ備えておくことで、スケジュールやコスト、品質への影響をできるだけ抑えながらプロジェクトを進めやすくなります。
リスク管理では、リスクを特定して評価し、状況に応じた対応策を選んだうえで、プロジェクトの進行に合わせて継続的に見直していくことが大切です。
また、PMBOKの考え方を参考にしながら、リスク情報をチーム全体で共有することで、状況の変化にも落ち着いて対応しやすくなります。
プロジェクトを円滑に進めるためには、問題が起きてから対処するのではなく、日頃からリスクを意識して備えておくことが大切です。
まずは身近なプロジェクトからリスクを整理し、無理のない範囲でリスクマネジメントを取り入れてみてください。