目次
はじめに
「PMBOKのリスクマネジメントって、具体的に何をすればいいの?」
「第7版になって、これまでのリスク管理と何が変わったの?」と迷っていませんか。
プロジェクトを進めるなかで、納期の遅れや予算超過などの可能性に気づいても、どの段階で洗い出し、誰が対応するのか決められず、管理表を作っただけになってしまうこともありますよね。
この記事では、PMBOK第7版におけるリスクの捉え方を整理したうえで、リスクの特定から分析、対応、監視まで、実務で取り入れやすい流れを紹介します。
PMBOKにおけるリスクマネジメントとは?

PMBOKにおけるリスクマネジメントでは、プロジェクトの進行や成果に影響する不確実な事象を把握し、必要な対応を検討します。
ここでは、PMBOKにおけるリスクの捉え方と、リスクマネジメントを行う目的について説明します。
PMBOKではリスクを「脅威」と「好機」の両面で捉える
PMBOKでは、リスクを悪い影響を与える「脅威」だけでなく、良い影響をもたらす「好機」も含めて考えます。
例えば、納期の遅れやコストの増加は脅威、予定より早い完了やコスト削減は好機にあたります。
そのため、リスクを確認するときは、プロジェクト目標にどのような影響があるかを両面から考えることが大切です。
リスクマネジメントは不確実性を管理してプロジェクト目標の達成につなげる活動
リスクマネジメントは、プロジェクトで起こり得る不確実な事象を把握し、目標への影響に応じて対応する活動です。
リスクが発生する可能性や影響の大きさを確認し、優先して対応すべきものを判断します。
脅威による悪影響を抑えながら好機を活かすことで、プロジェクト目標の達成につなげます。
PMBOK第7版におけるリスクマネジメントの考え方
PMBOK第7版では、決められた手順を一律に適用するのではなく、プロジェクトの状況に合わせてリスクへの対応を考えます。
ここでは、第7版におけるリスク対応の原則と、プロジェクトに合わせて管理方法を調整する考え方について説明します。
第7版では「リスク対応策の最適化」が原則の一つ
PMBOK第7版では、12の原則の一つに「リスク対応策の最適化」があります。
プロジェクトに影響する脅威と好機を継続的に確認し、悪影響を抑えながら良い影響を活かすことを重視しています。
そのため、リスクへの対応では、プロジェクト目標への影響を考えながら適切な対策を選ぶことが大切です。
プロジェクトに合わせてリスク管理の方法を調整する
PMBOK第7版では、プロジェクトの規模や複雑さに合わせて、リスク管理の方法を調整することが大切です。
管理するリスクの範囲や確認する頻度、記録する項目などを決め、状況に合った方法を選びます。
また、プロジェクトの状況が変わったときは管理方法も見直し、必要に応じて調整していきます。
PMBOKにおけるリスクマネジメントのプロセス
PMBOKのリスクマネジメントでは、リスクが発生してから対処するのではなく、事前に特定・分析し、対応策を準備して継続的に管理します。
ここでは、リスクマネジメントの計画からリスクの特定・分析、対応策の計画と実行、継続的な監視までの流れを説明します。
リスクマネジメントの進め方を計画する
まず、プロジェクトでリスクをどのように管理するかを計画します。
リスクを確認する時期や頻度、評価基準、担当者、記録方法などを決めます。
誰がいつ、どの基準で判断するかを明確にしておくことで、チーム内で管理方法を統一できます。
プロジェクトで発生する可能性があるリスクを特定する
プロジェクトの計画や作業内容を確認し、目標に影響する可能性があるリスクを洗い出します。
納期の遅れやコストの増加など、起こり得る問題とその影響を具体的に考えます。
特定したリスクは内容や影響を記録し、後から分析や対応ができるようにしておきます。
定性的分析でリスクの優先順位を決める
定性的分析では、リスクの発生確率と影響の大きさを評価し、対応する優先順位を決めます。
あらかじめ設定した基準に沿って、優先して対応するリスクと経過を確認するリスクを分けます。
これにより、限られた時間や人員を重要なリスクへの対応に充てやすくなります。
定量的分析でプロジェクトへの影響を数値で評価する
定量的分析では、リスクがプロジェクトに与える影響を金額や期間などの数値で評価します。
発生確率や想定される損失額、遅延日数などをもとに、コストや完了時期への影響を分析します。
数値で把握することで、必要な予備費やスケジュールの余裕を判断しやすくなります。
リスクへの対応策を計画して実行する
優先度の高いリスクについて、発生を避ける方法や影響を小さくする方法など、具体的な対応策を考えます。
対応策ごとに実施内容や担当者、時期を決め、計画に沿って進めます。
決めた対策を着実に実行することで、リスクによる悪影響を抑えやすくなります。
リスクを継続的に監視して変化に対応する
プロジェクトの進行中は、リスクの発生確率や影響の大きさに変化がないかを定期的に確認します。
対応策が予定どおり進んでいるかを確認し、新たなリスクが発生していないかも調べます。
状況が変わった場合は評価や対応策を見直し、その時点に合った方法で対応していきます。
PMBOKのリスクマネジメントを実務で進めるポイント
PMBOKの考え方を実務で活用するには、特定したリスクを記録し、対応の優先順位や担当者を明確にする必要があります。
ここでは、リスク登録簿への記録方法、優先順位の付け方、定期的な見直しと対応策の更新について説明します。
リスク登録簿に内容・影響・対応策・担当者を記録する
特定したリスクは、内容や影響、対応策、担当者をリスク登録簿にまとめます。
リスクごとに必要な情報を整理し、誰がどのような対応を行うのかを明確にします。
担当者まで決めておくことで、対応が必要になったときもスムーズに行動できます。
優先順位を付けて対応すべきリスクを絞り込む
特定したリスクは、発生確率と影響の大きさをもとに優先順位を決めます。
発生確率や影響度が高いリスクを優先し、低いリスクは経過を確認するなど、対応方法を分けます。
優先順位を明確にすることで、限られた時間や人員を重要なリスクへの対応に充てられます。
定期的にリスクを見直して対応策を更新する
リスクは一度評価して終わりにせず、週次会議や月次会議などで定期的に見直します。
発生確率や影響度、対応策の進み具合を確認し、変化があれば記録を更新します。
状況に合わなくなった対応策は内容や担当者、実施時期を見直し、適切に対応できる状態を保ちます。
まとめ
PMBOKのリスクマネジメントでは、リスクを「脅威」と「好機」の両面から捉え、プロジェクト目標への影響に応じて対応します。
第7版では「リスク対応策の最適化」が原則の一つとされ、プロジェクトの規模や状況に合わせた管理が重視されています。
実務では、リスクの特定や分析、対応策の実行、監視を継続して行うことが大切です。
リスク登録簿で内容や担当者を管理し、定期的に対応策を見直すことで、悪影響を抑えながら目標達成につなげられます。