リーダーシップとマネジメントスキル

「労基法改正で管理職の残業代は義務化される?」内容と誤解されやすいポイントを解説

はじめに

「労基法改正で管理職にも残業代の支払いが義務化されるって本当?」
「ニュースで制度見直しの話を見たけれど、自分は今後残業代を受け取れるようになるの?」と気になっていませんか。

課長や部長、店長などの立場で働いている方の中には、長時間働いているにもかかわらず残業代が支給されず、「法改正で状況が変わるのでは」と期待や不安を感じている方もいるでしょう。

この記事では、2026年時点で話題になっている労基法改正の議論内容、管理職の残業代に関する現行ルール、誤解されやすいポイントについて順を追って説明していきます。

労基法改正で管理職の残業代は義務化されるの?

2026年の労基法改正に関する議論を見て、「管理職にも残業代が必ず支払われるようになるのでは?」と考える方は少なくありません。

まずは管理職の残業代に関する基本的な考え方を整理したうえで、今回の議論で誤解されやすいポイントを確認していきましょう。

「全管理職が対象になる」わけではない

労基法改正の議論があることから、「今後は管理職にも一律で残業代が支払われるのでは」と考える方もいます。

ただ、現在の議論は、会社のすべての管理職を一律に対象とするものではありません。

残業代の対象になるかどうかは、課長や部長といった役職名ではなく、経営への関わり方や人事権の有無、勤務時間の裁量など実際の働き方をもとに判断されます。

そのため、制度が見直された場合でも、全管理職が同じ扱いになるとは限らないと考えられています。

「勤怠管理義務化」と「残業代義務化」は別

勤怠管理義務化と残業代義務化は、同じ意味ではありません。

勤怠管理義務化は、会社が管理職を含む従業員の労働時間を把握し、健康管理に役立てることを指します。

一方、残業代義務化は、時間外労働に対して割増賃金を支払う義務が生じることです。

そのため、会社が管理職の勤務時間を記録していても、それだけで残業代の支払い対象になるとは限りません。

管理職でも残業代が発生する場合がある

「管理職だから残業代は一切出ない」と考えられがちですが、実際には役職名だけで残業代の対象外になるわけではありません。

ここでは、管理職と管理監督者の違いや、いわゆる名ばかり管理職との関係について確認していきましょう。

管理職と管理監督者は同じではない

会社で課長や店長などの管理職と呼ばれていても、全員が労働基準法上の管理監督者に当てはまるわけではありません。

管理監督者と認められるには、人事権の有無や勤務時間の裁量、役職に見合った待遇など、実際の働き方が重視されます。

そのため、管理職という肩書きがあっても、管理監督者の要件を満たしていなければ、残業代の支払い対象になる可能性があります。

名ばかり管理職は残業代対象になる可能性がある

管理職という肩書きがあっても、人事権がなく、勤務時間や業務内容を細かく管理されている場合は、労働基準法上の管理監督者と認められないことがあります。

こうしたケースは一般的に「名ばかり管理職」と呼ばれます。

管理監督者の要件を満たしていないと判断された場合は、時間外労働に対する残業代が支払われる可能性があります。

2026年の労基法改正で変わると言われている内容

2026年の労基法改正をめぐってはさまざまな情報が出回っていますが、実際に何が変わる可能性があるのかを正確に理解することが大切です。

ここでは、現在取り上げられている主な論点と、現時点での議論の状況について整理していきます。

企業に求められるのは労働時間の把握

2026年の労基法改正に関する議論では、管理職を含めた労働者の健康管理のため、企業が実際の労働時間を適切に把握することの重要性が指摘されています。

具体的には、出勤時刻や退勤時刻などを客観的な方法で記録し、長時間労働の状況を確認できるようにしておくことが求められます。

そのため、企業には役職に関係なく、実際に働いた時間を継続して把握する対応が必要になると考えられています。

2026年改正は現時点で議論段階とされている

2026年の労基法改正についてはさまざまな情報がありますが、現時点では法改正として確定した内容ではなく、議論が続いている段階とされています。

そのため、「2026年から管理職の残業代が必ず支給される」といった情報は正確ではありません。

制度が変更されるかどうかや具体的な内容については、今後の公表内容を確認することが大切です。

管理監督者でも勤怠管理が必要な理由

管理監督者は労働時間や休憩、休日に関する一部の規定が適用除外となりますが、だからといって会社が勤務状況を把握しなくてよいわけではありません。

ここでは、管理監督者であっても勤怠管理が必要とされる主な理由について見ていきましょう。

健康管理のため労働時間把握が必要になる

管理監督者は、労働時間や休憩、休日に関する規定の一部が適用除外となる場合があります。

ただし、会社には労働者の健康状態を把握し、長時間労働による健康障害を防ぐ義務があります。

そのため、管理監督者についても出勤時刻や退勤時刻などを記録し、実際の労働時間を把握しておくことが求められています。

深夜労働の割増賃金は対象になる

管理監督者は、時間外労働や休日労働の割増賃金の対象外とされています。

ただし、午後10時から午前5時までの深夜労働については、割増賃金の支払い対象です。

そのため、深夜に働いた時間を正しく計算できるよう、管理監督者であっても勤務時間を把握しておく必要があります。

労基法改正で誤解されやすいポイント

労基法改正に関する情報は注目されやすい一方で、制度の内容が簡略化されて伝えられ、実際のルールとは異なる理解が広がることがあります。

ここでは、改正議論をめぐって誤解されやすいポイントを整理していきましょう。

「管理職=残業代なし」とは限らない

「管理職になったら残業代は出ない」と思われがちですが、役職名だけで残業代の支払い対象外になるわけではありません。

課長や店長などの肩書きがあっても、経営への関わり方や勤務時間の裁量などによっては、管理監督者と認められない場合があります。

そのため、管理職と呼ばれていても、実際の働き方によっては残業代が支払われる可能性があります。

法改正だけで自動的に残業代が発生するわけではない

法改正の議論が行われたとしても、それだけで管理職全員に残業代が発生するわけではありません。

残業代の支払い対象になるかどうかは、管理監督者に当てはまるかや、実際の権限、勤務時間の裁量、待遇などをもとに判断されます。

そのため、法改正という言葉だけで残業代の有無が決まるわけではないと考えておくとよいでしょう。

まとめ

2026年の労基法改正に関する議論が話題になっていますが、現時点で「すべての管理職に残業代が支払われる」と決まっているわけではありません。

管理職の残業代は役職名だけで判断されず、管理監督者に当てはまるかどうかや、実際の権限、勤務時間の裁量、待遇などをもとに判断されます。

また、企業が労働時間を把握することと、残業代を支払うことは別の問題です。

管理監督者であっても健康管理や深夜割増賃金の計算のために勤怠管理は必要ですが、それだけで残業代の支払い対象になるわけではありません。

もし「自分は管理職だから残業代は出ない」と説明されていても、実際の働き方によっては対象になる可能性があります。

制度や肩書きだけで判断せず、自分の働き方がどのように扱われているのか、一度確認してみると安心です。

今後の法改正の動きも含め、最新情報を確認しながら落ち着いて判断していきましょう。

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