プロジェクトマネジメント

PM(プロジェクトマネージャー)外注の料金・費用相場と単価・見積もりの違いを徹底解説

目次

PM(プロジェクトマネージャー)を外部に依頼する際の失敗しない依頼方法までまとめて紹介

プロジェクトを成功させる上で、PM(プロジェクトマネージャー)は欠かせない存在です。しかし社内に経験者がいない、育成する余裕がないと悩む企業も多く、外部PMのニーズは年々高まっています。本記事では、PMを外部に依頼する場合の費用相場・単価から、依頼先ごとの違い、費用が変動する理由、注意点まで網羅的に解説します。

はじめに

本記事の目的は「PMを外部に発注したい企業に向けて、実際の費用と依頼方法を明確にすること」です。特にこれから新規プロジェクトを開始する、あるいは既存プロジェクトの品質改善をしたい企業に役立つ内容です。記事前半では費用相場を、後半ではPM選定のポイントやリスクを解説します。

この記事でわかること

  • PM(プロジェクトマネージャー)を外部に依頼する際の費用相場(時給・月額・稼働日別の具体的な金額感)
  • 依頼先別(フリーランス/エージェント/外部企業)による単価の違いと、それぞれのメリット・デメリット
  • プロジェクト規模・難易度・要件定義の状況によってPM費用が変動する要因
  • 外部PMを活用することで得られる具体的なメリット(成功率向上・リスク減少・工数削減など)
  • PMに求められるスキルセットと、依頼前に確認すべき役割範囲・契約上の注意点
  • PM外注費を抑えつつ、プロジェクト品質を維持するための実践的な方法(スコープ明確化・会議最適化など)

PM外注の費用相場【結論】

ポイント

PMの外部委託は、時給換算・月額単価ともに年々高騰しています。
2025年時点での相場は次のとおりです。

・時給相場:6,000円〜12,000円
・日給目安:4万円〜8万円(稼働8時間換算)
・週3日稼働:月40万円〜60万円
・週5日フル稼働:月80万円〜120万円

依頼先によって費用が大きく変わるため、選定時の比較が非常に重要です。

PM(プロジェクトマネージャー)の料金体系|費用相場との違い

料金体系①:時給制(時間単価)

6,000〜12,000円/1時間
スポット相談や短期支援のときに使われる
会議参加だけのケースも多い

料金体系②:日額制(デイリー単価)

4万円〜8万円/1日
稼働内容により幅が出る(要件定義含むか、調整のみか)

料金体系③:月額制(準委任契約)

週3:40〜60万円
週5:80〜120万円
一番利用される一般的な契約パターン

料金体系④:成果報酬型(成功報酬)

PMとしては例外的だが
KPI達成・納期短縮・品質改善などを条件にするケースもある
リスクと責任範囲が曖昧になりやすく非推奨


費用相場と料金体系の違い(読者が理解しづらい部分の補強)

費用相場=実績から見える“一般的な価格帯”
料金体系=どういう単位で料金が発生するか(時給/日額/月額)
両者が混同されやすく、結果として見積もりの読み違いが発生しやすい


PM料金が高くなるケースと安くなるケース(料金検索向け要素)

高額になるケース

要件定義〜設計まで丸ごと依頼
短納期で関係者が多い
トラブル案件の立て直し
ベンダー複数管理

安く抑えられるケース

進行管理だけ依頼(アシスタントPM)
要件定義があなたの会社内でまとまっている
会議体が少ない
スコープが明確

PMの費用が高騰している理由

理由は大きく3つあります。

ポイント

1:PM人材が希少
IT領域のPMは経験と判断力が必須で、市場に出てくる人数が圧倒的に不足しています。

2:プロジェクトの複雑化
システム連携、クラウド活用、外部ベンダー調整など、プロジェクトの要素が増えています。

3:要件定義と折衝の負荷増大
プロジェクト開始前の要件整理・利害調整に多くの手間がかかり、PM依存が大きくなっています。

依頼先別の費用相場

PMの依頼先は大きく3パターンあります。

フリーランスPM

相場:時給6,000〜7,500円/月40万〜60万円
メリット:コストを抑えられる/スピード感がある
デメリット:実力に個人差が大きい/バックアップ体制が弱い

エージェント経由PM

相場:時給1万円〜/月80万〜120万円
メリット:実績のあるPMを紹介してもらえる/ミスマッチが少ない
デメリット:マージンが乗るため高め

外部企業(コンサル・制作会社)のPM

相場:月100万〜150万円以上
メリット:複数名体制/設計や開発まで一括発注が可能
デメリット:最も高額/費用対効果の見極めが必要

依頼先比較表

フリーランス:安い/早い/スキル差あり
エージェント:中〜高額/品質安定
外部企業:高額/包括力あり/大規模向け

プロジェクト規模別のPM費用の目安


PMの費用はプロジェクト規模によっても変わります。以下の数字は実務でよく使われる目安です。

ポイント

小規模(100〜300万円):20〜40万円
中規模(300〜1000万円):50〜80万円
大規模(1000万円〜):100〜150万円


PM工数は総工数の10〜20%が基本となります。

PMの費用が変動する要因


次の条件が多いほど単価は高騰します。

ポイント

・PMに求めるスキルが高い(要件定義〜品質まで担当)
・関係者が多い(社内+外部ベンダー)
・短納期
・不確定要素が多い
・トラブル案件の立て直し


逆に、要件が固まっている案件や、進行管理のみのPMは低く抑えられます。

プロジェクトマネジメント費用の内訳と基本構造

PM外注費は「PM個人のギャラ」だけではなく、プロジェクト運営に関わるさまざまな費用の集合体です。全体像を押さえておくと、見積書の読み解きやコストコントロールがしやすくなります。

人件費(PM/PMO/リーダー/コーディネーター)

もっとも比重が大きいのが人件費です。
PM本人だけでなく、サブPM・PMO・各種リーダー・調整役のコーディネーターなど、プロジェクト運営に関わるメンバーの時間単価×工数で積み上がります。

例)

PM:5,000〜10,000円/時間 × 想定工数
PMO:3,000〜6,000円/時間 × 想定工数

PM外注費の見積もりを見るときは、「誰の工数がどのくらい含まれているか」を必ず確認しましょう。

ツール・ライセンス・ハードウェア費

プロジェクト管理ツール、ドキュメント共有、チャット、Web会議など、運営に必要なクラウドサービスやソフトウェアの利用料もPM費用の一部です。
ユーザー課金型のツールは「人数×月額×期間」でコストが変わるため、規模が大きいほどインパクトが出ます。

オフィス・通信・インフラ費

会議室利用料
専用のプロジェクトルーム
通信費・電気代の按分

など、プロジェクト運営のためのインフラ費用を「人数」や「期間」で按分して計上します。特に常駐型PMの場合は、こうした共通費も見積書に含まれているケースがあります。

トレーニング・教育費

新ツール導入や新プロセスへの切り替え時には、関係者への研修・説明会・マニュアル整備が必要です。

外部講師・コンサルの費用
研修に参加するメンバーの時間コスト
オンライン講座やeラーニングの受講費

などが含まれます。

外部委託・コンサル費

第三者レビュー(品質・進め方の監査)
PMO支援会社によるプロジェクト管理の一部代行
特定領域(セキュリティ・AI・検索システムなど)の専門家スポット参画

といった「外部プロの知見」に対する費用です。プロジェクトが複雑になるほど、この部分の比率が高まります。

リスク対応費・予備費(コンティンジェンシー)

スケジュール遅延
想定外の追加作業
要件変更への対応

など、不確実性に備えるために、あらかじめ「総額の○%」を予備費として確保しておくのが一般的です。
「PM費用10〜15%+リスクバッファ」という設計になっている見積もりも多く、ここを理解しておくと“高く見える理由”が腑に落ちやすくなります。


PM費用の計算方法(式と実例)

PM外注の料金を検討するときは、「どうやって金額が出ているのか?」を理解しておくことが重要です。ここでは実務でよく使われる3つの計算方法を整理します。

1. パーセンテージ法(総額の○%で見積もる)

もっともシンプルなのがパーセンテージ法です。
「プロジェクト総予算 × 管理比率」でPM費用を算出します。

計算式例
PM費用 = プロジェクト総予算 × 管理比率(5〜15%が目安)

具体例

総予算:1,000万円
管理比率:10%
→ PM費用:100万円

Web制作・システム開発・マーケティングなど、多くの領域で使われる考え方です。

2. 工数積み上げ法(時間単価ベースで積算)

工数ベースでより精緻に積算するケースもあります。

計算式例
PM費用 =(役割ごとの想定工数 × 時間単価)の合計 + ツール費 + 外注費 + 教育費 + 予備費

具体例

PM:5,000円/時間 × 40時間
アシスタント:3,000円/時間 × 20時間
ツール費:2万円
外注費:3万円
教育費:1万円
予備費:2万円

合計:
(5,000×40) + (3,000×20) + 20,000 + 30,000 + 10,000 + 20,000
= 330,000円

短期間のスポットPMや、スポット相談+進行管理のような案件では、この方式が使われることが多いです。

3. ハイブリッド法(比率+係数で調整)

以下のように、比率と工数の両方を加味した「ハイブリッド型」の考え方もあります。

基本式の例
PM費用 = 総予算 × 基準比率 × 複雑性係数

具体例

総予算:1,000万円
基準比率:10%
複雑性係数:1.2(関係者が多い・要件が複雑)

→ 1,000万円 × 0.1 × 1.2 = 120万円

大規模案件や、リスクが高い案件ほど「複雑性係数」を1.1〜1.5程度まで上乗せして調整するイメージです。


プロジェクト種類別に見たPM費用の考え方

同じ「PM外注」といっても、プロジェクトの種類によって費用の比重やポイントは変わります。

SI/基幹システム開発の場合

初期構築費(要件定義〜設計〜開発〜テスト)
運用保守費(監視・障害対応・改善)

の2層で考えるのが一般的です。
システム連携やAI・検索機能などの要素が増えるほど、調整コストとリスクが高まり、PM費用も上振れしやすくなります。

マーケティング・SEO施策の場合

広告運用・レポーティング
コンテンツ制作ディレクション
定例ミーティング・改善提案

といった「継続運用コスト」の中にPM工数が含まれるイメージです。
月額フィーの5〜15%をPM工数として見積もるケースが多く、スモールスタートの場合は「月○時間までPMが伴走」のような契約もよく使われます。

内製型DX推進の場合

DXプロジェクトでは「ツール導入」よりも「人・組織を変えるためのコスト」が大きくなりがちです。

関係者への説明会・研修
現場ニーズのヒアリング・整理
段階的なロールアウト計画づくり

など、チェンジマネジメントの工数をPM費用の中にしっかり組み込んでおく必要があります。


PMにかかるツール費用と料金イメージ

PMを外部に依頼する場合でも、「ツール費」が別明細で請求されることがあります。

主な課金体系の例

ユーザー単位課金:1ユーザー月額1,000円前後〜
プロジェクト数やストレージ量による課金
上位プランでレポート自動生成やコスト管理機能が解放されるタイプ
API連携・高度な分析機能はアドオン課金 など

例えば、
「PM+クライアント+開発メンバー10名」でツールを使う場合、
合計10〜15ユーザー分のライセンス費がPM費用の一部として計上されることがあります。

ツール費が見積書のどこに含まれているか(PM費に含まれているのか、別項目なのか)も確認しておくと安心です。


見積・契約で押さえておきたいPM費用のポイント

PMの料金を確認する際は、金額だけでなく「前提条件」をセットで見ることが重要です。

スコープ変更時のルール

作業量が当初想定から大きく増減した場合、PM費用も連動して増減するのか
「ここまでは見積もり内」「ここからは追加」といった線引き

を見積書または契約書に明記してもらいましょう。

成果物・KPIの合意

週次/月次レポートの頻度
会議体の数(週次定例・ステアリングコミッティなど)
プロジェクトのKPI(納期・品質・成果指標など)

を事前に決めておくと、「やりすぎ」でPM工数が膨らむのを防げます。

透明性のある内訳

PM費用が「総額の10%」とだけ書かれている場合でも、

想定工数
時間単価のレンジ
予備費の考え方

などを説明してもらえると、納得感が高まり、後半のトラブル防止にもつながります。


PM費用サンプル計算テンプレート

最後に、検討のたたき台として使える簡易テンプレートを載せておきます。自社の案件にあわせて数値を入れ替えれば、そのまま社内説明資料にも使えます。

ケースA:中規模Web開発プロジェクト

全体予算:2,000万円
PM費:全体の10%(パーセンテージ法) → 200万円
ツール費:20名 × 1,000円/月 × 6ヶ月 = 12万円
予備費:PM費の10% → 20万円

入力テンプレ

全体予算:____円
PM費(全体予算 × ○%):____円
ツール費(人数 × 単価 × 月数):____円
予備費(PM費 × ○%):____円

ケースB:検索システム導入プロジェクト

初期費用:150〜300万円
月額運用費:2万〜50万円
PM費:全体費用の10〜15%
複雑な要件(AI・外部連携など)が多い場合は複雑性係数を上乗せ

入力テンプレ

初期費用:____円
月額運用費:____円
PM費(全体費用 × ○%):____円
追加係数(複雑性・リスク分):____円

ケースC:SEO改善プロジェクト

月額コンサル費:15〜50万円
初期費用:20〜50万円
PM費:月額コンサル費の5〜15% または工数積み上げ

入力テンプレ

月額コンサル費:____円
初期費用:____円
PM費(月額費 × ○% または工数合計):____円

PMを外注するメリット

1:即戦力を確保できる

社内育成より早くプロジェクトが動く。

2:プロジェクト成功率が上がる

PMの品質=プロジェクトの成功率。

3:要件定義の精度が上がる

外部PMは第三者視点で仕様の穴を見つけてくれる。

4:社内リソースの削減

担当者が無理なく本来業務に集中できる。

5:リスク管理が強化される

遅延・品質トラブルを未然に防げる。

PMに求められるスキルセット


PMに求められるスキルは多岐にわたります。

ポイント

・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・リーダーシップ
・ファシリテーション能力
・技術理解(SEレベルの知識)
・業務把握力
・管理能力(スケジュール/リスク/予算)


これらが揃っていないとPM費用に見合った結果が出ません。

PMの仕事内容


PMはプロジェクト開始〜完了まで全てに関わります。

ポイント

・要件定義
・スケジュール作成
・進捗管理
・課題・リスク管理
・会議ファシリテート
・関係者調整
・テスト進行管理
・レビュー
・完了報告と振り返り


作業量は決して少なくなく、単価が高い理由もここにあります。

PM外注の注意点


依頼時は次のポイントを必ず確認してください。

ポイント

・「役割範囲」を明確にする(要件定義含むのか?管理だけか?)
・「稼働時間」と「稼働日」を明確にする
・成果物は何かを明示する
・コミュニケーション手段(Slack/Chatwork)
・リスク管理方法


契約時に曖昧にすると、後半でトラブルが起きます。

PM費用を抑える方法

1:スコープを明確にする

仕様変更が多いとPM費用が膨らむ。

2:要件定義を固める

曖昧な要件は管理コストの増加に直結する。

3:会議体を最適化する

不要な定例は削減する。

4:サブPM活用

メインPMの負荷を下げて費用削減。

5:フェーズ分割

「まずは要件定義だけ発注」も有効。

ポイント

PMを外部に依頼する前に、PMの基礎スキルやプロジェクト管理の流れを理解しておきたい方も多いはずです。特に、社内担当者がPMと並走するケースでは「最低限のプロジェクトマネジメント知識」があるだけで、プロジェクトの成功率が大きく変わります。

そのため、まずはプロジェクトの全体像を把握し、要件整理や管理工数の考え方などを押さえておくことが重要です。
こうした基礎知識を補完するために、関連するまとめ記事も用意しています。

関連記事

プロジェクト管理費の割合とは?
▶ プロジェクトの管理コストがどう決まり、なぜ10〜15%が相場になるのかを整理した解説です。

・要件定義の基本とチェックリスト|プロジェクトを失敗させない準備のまとめ
▶ 手戻りや追加費用を減らすために、プロジェクト開始前に整理すべき内容をまとめています。

・プロジェクトの外注トラブルを防ぐための見積書チェックポイントまとめ
▶ 見積書のどこを見るべきか、よくある誤解・漏れを防ぐチェックポイントを紹介しています。

そして、プロジェクト管理の流れを体系的に学びたい方には、未経験でも理解しやすく実務レベルの知識が身につく教材としてこちらもおすすめです。

▶ 実践で学ぶプロジェクトマネジメント講座(Udemy)

まとめ


PM外注の費用相場は、時給6,000〜12,000円、月額80〜120万円が一般的です。依頼先によって費用は大きく変わるため、スキル・体制・稼働日を明確にした上で選定することが重要です。外部PMを活用することで、プロジェクトの成功率が大幅に上がり、社内の負荷も軽減されます。費用を抑えたい場合は、スコープ明確化と要件定義を徹底し、ムダな会議を削減しましょう。あなたのプロジェクト規模に合わせて最適なPMを選定し、失敗しないプロジェクト運営を実現してください。

-プロジェクトマネジメント
-, ,