目次
2. 記事内容まとめ
PMBOK第6版とは
PMBOK(ピンボック)第6版は、世界中で使われているプロジェクト管理の標準ガイドです。2017年に発行されて以降、多くの現場や資格試験(PMPなど)で広く利用されています。プロジェクトをスムーズに進めるための具体的なやり方や手順がまとめられている点が特徴です。
基本構造 ― 10の知識エリアと5つのプロセス群
PMBOK第6版は、プロジェクト管理に必要な内容を「10の知識エリア」と「5つのプロセス群」という2つの柱で整理しています。
- 10の知識エリアとは、プロジェクトを成功させるために押さえておくべき10の分野です。具体例を挙げると、費用やスケジュールの管理、関係者とのコミュニケーション、リスクへの対応などがあります。
- 5つのプロセス群は、プロジェクトのライフサイクルを段階ごとに分けたものです。プロジェクトの始まりから終わりまで、「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の順に整理されています。
このように、どの知識エリアで何をすべきかが明確に示されているため、実際のプロジェクト現場でも活用しやすい仕組みです。
実際に活用するメリット
PMBOK第6版には、現場で役立つ具体的な手法やツールが豊富に紹介されています。例えば、スケジュール管理にはガントチャート、リスク管理にはリスクリストといった形で、すぐに使える事例が用意されています。このため、標準化や失敗リスクの低減、関係者との合意形成にも大きく貢献します。
第7版との違いと第6版の重要性
2021年に第7版が登場しましたが、第7版は「原則」を重視した構成に変わりました。しかし、多くの現場や試験では、具体的な手法やプロセスがまとめられている第6版が今も重視されています。これまでのノウハウが体系的にまとめられている点が、移行の負担を減らしている理由です。
試験や学習での活用
PMP資格試験を受ける人にとっても、第6版の知識は必要不可欠です。PMI会員なら無料でPDF版を入手でき、試験や学習の教材として幅広く利用されています。
次の章では「補足 10の知識エリア一覧」について解説します。
補足 10の知識エリア一覧
この章では、プロジェクトマネジメントにおいて特に重要となる10の知識エリアについて、具体例を交えながら分かりやすくご紹介します。
1. 統合マネジメント
プロジェクト全体の方針を決めて、各分野の取り組みをバラバラに進めず、しっかりつなぎ合わせる管理手法です。例えば、分担して作業している複数のチームの進捗や課題をまとめて把握し、全体の調整を行います。
2. スコープマネジメント
プロジェクトで何を作るか、何をやるかを明確にし、必要な作業のみを進めていきます。「お客様から頼まれた内容以外のことはやらない」と区切ることで、無駄な作業を防ぎます。
3. スケジュールマネジメント
作業工程を計画し、順調に進んでいるかを日々確認します。たとえば「来月までにAの作業を終わらせる」など、納期を守るための調整を行います。
4. コストマネジメント
予算内でプロジェクトを完成させるために、お金の使い道を細かく管理します。無駄な出費を避けるのもポイントです。
5. 品質マネジメント
納品する成果物の品質を確保し、不良が出ないように事前チェックを行います。例として、ソフトウェア開発ならテスト工程を充実させるなどです。
6. 資源マネジメント
人員や道具、設備など、プロジェクトで必要な資源を確保し、効率よく使います。例えば「必要な人数を集めて、最適なチーム編成にする」活動です。
7. コミュニケーションマネジメント
関係者との情報共有や連携がスムーズに進むように工夫します。進捗や課題報告の定例会議を設けるなどが例です。
8. リスクマネジメント
失敗や問題が起こりそうな要因(リスク)を考えて、事前に対策を立てます。例えば「納期遅れの可能性」に備えて、予備の日程を確保します。
9. 調達マネジメント
プロジェクトに必要な材料やサービスを外部から調達する管理です。信頼できる取引先の選定や契約締結などが含まれます。
10. ステークホルダーマネジメント
プロジェクトに関わる人々(お客様・メンバー・協力会社など)との調整や要望の確認を行い、全員が納得できるように進めます。
次の章では「参考 おすすめの学習法」について解説します。
参考 おすすめの学習法
PMBOKの知識を効率よく身につけたい方には、いくつかの学習法があります。ここでは、どなたでも無理なく取り組める方法をご紹介します。
わかりやすい解説書を活用する
「図解入門 よくわかる 最新 PMBOK 第6版の基本」など、初心者向けに図解でまとめられた書籍がおすすめです。専門用語も解説しているため、最初の一冊に向いています。まずは全体像をざっくりつかみ、分からない用語や考え方を調べることから始めてみましょう。
公式PDFで必要な箇所を重点的に読む
PMI(プロジェクトマネジメント協会)会員になると、PMBOKの公式PDFが利用できます。全ページを読むのではなく、仕事で役立てたいパートや気になる分野だけ重点的に読み進めていくと効率的です。
実際のプロジェクト管理と結びつける
学んだ知識を、身近なプロジェクトに当てはめてみることも重要です。たとえば、日常のイベント準備や職場での簡単なタスク管理を例に、学んだ用語や流れを意識してみると、より理解が深まります。実際に手を動かすことで、知識が定着しやすくなります。
以上の方法を組み合わせることで、自分に合ったペースでPMBOKの理解を深められるでしょう。