目次
プロジェクトマネジメント講座の全体像
プロジェクトマネジメント講座では、プロジェクトの立ち上げから計画、実行、監視、終結までの流れを体系的に学べます。たとえば、計画を立てたり、進捗やチームのメンバーを管理したり、成果物の品質を守る方法など、現場ですぐ使えるスキルが身につく内容です。さらに、プロジェクトの運営にはリーダーシップやチームづくりも大切なので、リーダーとしての考え方や実践方法、チームで協力する力も身につきます。
多くの講座は、PMBOK(プロジェクトマネジメントのガイドライン)の第7版に基づいています。これは「価値を生み出すこと」に焦点を当てており、単なる手順ではなく、なぜこの管理が必要なのか、どんな意義があるのかまで踏み込みます。ですので、理論だけでなく、実際に活かせるポイントも多く盛り込まれています。
受講方法も多彩です。ライブで講師とやりとりできるオンライン型、自分の都合に合わせて視聴できるオンデマンド型、短時間で基本を学べる1日入門研修や、会社単位でまとめて学ぶ集中研修、スキマ時間に進められるeラーニングなど、自分に合った方法が選べます。
料金の相場で見ると、公開集合研修は1日あたり3万円から5.5万円、オンライン講座は2万円から5万円、講師を会社に呼んで実施する場合は20万円から30万円、eラーニングなら1千円から3万円程度です。目的や予算に合わせて、無理なく受講できるのが特徴です。
次の章では、初心者向けに短時間で基礎を固めたい人への講座内容についてご紹介します。
初心者向け:短時間で基礎を固めたい人に
プロジェクトマネジメントをこれから学びたい方、時間が限られている方には、短期間で基礎をしっかり身につけられる講座がおすすめです。ここでは、初心者に特に評判の高い2つの講座をご紹介します。
NECラーニング「プロジェクトマネジメント-入門編-(1日間)」
この講座は、1日でプロジェクトの「企画」「計画」「実施」「評価」それぞれの段階のポイントを効率的に学ぶ内容です。事前の知識は一切不要で、はじめてプロジェクトに関わる方や現場に出て間もない若手の方にも安心して受講いただけます。受講形式は遠隔でのライブ配信なので、自宅や職場から参加できます。受講料は約3万6,300円です。
例えば、社内で新しいイベントを担当することになったけれど、何から始めれば良いかわからない場合、この講座では実際にイベントをどう企画し、どのように進めると良いかの基礎を学べます。
SAT「誰でも使えるプロジェクトマネジメント|技術者スターター講座100」
SATのこの講座は、動画を使って約8時間でプロジェクトマネジメントの基礎を学べます。現場で役立つ考え方やツール、PMBOK第7版の主要な内容(「原理・原則」「パフォーマンス領域」など)に加え、人との関わり方や論理的な進め方もわかりやすく解説しています。受講料は9,900円と手ごろで、視聴期間も90日あるため、繰り返し学びなおしたい方に最適です。
たとえば、仕事をしながらプロジェクトマネジメントの基本を自宅でマイペースに学びたい社会人や、新しくプロジェクト担当になった方におすすめです。
これらの講座は、全体像をコンパクトに把握し、現場ですぐに使える知識を身につけられる点がポイントです。次は「実務直結:ケース演習・ツール活用中心」についてご紹介します。
実務直結:ケース演習・ツール活用中心
実践的なプロジェクトマネジメントを学びたい方には、ケース演習や現場で使えるツールを活用する研修がおすすめです。ここでは、日本PMO協会とリカレントが提供する具体的な講座を紹介します。
対話・ゲーム・グループワークで身につく実践力
日本PMO協会の「実践型 プロジェクトマネジメント研修」は、法人向けに設計されています。特長は、知識だけでなく、『対話』『ゲーム』『グループワーク』を通じて、実務で即戦力となるスキルを身につける点です。たとえば、グループである課題を解決する体験を何度も行い、知識が現場で使える力になることを目指します。
豊富なツールで具体的に学ぶ
研修では、WBS(作業分解構成図)、ガントチャート、RACI(役割分担表)、コスト・リスク管理表、ビジョン/宣言書など、現場で役立つツールの使い方を徹底して学びます。これらはすべて、プロジェクト管理の現場でよく利用されるものです。例えば、WBS作成をグループで体験することで、実際のタスク整理や担当割り振りのイメージが掴めます。
段階的計画と実行力アップを強化
計画から実行までの流れも段階ごとに学びます。ケース演習では、計画立案だけでなく「マヌーバリング実行」(柔軟な対応力)が求められます。予想外の問題にどう対応するかなど、実践さながらの体験ができます。これにより、現場リーダーや管理職が突然のトラブルにも落ち着いて対応できる力が養われます。
新任PM・リーダーも安心の短期集中講座
リカレントの「プロジェクトマネジメント研修」では、プロジェクトの立ち上げから終結までを短期間で体系的に学習できます。PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを具体的に体験し、自己流から脱却したマネジメント力が身につきます。またオンライン対応があるため、忙しい方や遠方の方でも受講しやすいのも特長です。
このような『実務直結』のプロジェクトマネジメント講座は、すぐに現場で成果を出したい方、座学だけでは物足りない方に特におすすめです。
次の章に記載するタイトル:体系学習:PMBOK第7版と価値志向をしっかり学ぶ
体系学習:PMBOK第7版と価値志向をしっかり学ぶ
プロジェクトマネジメントを本格的に学びたい方には、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)第7版に基づいた体系的な学習が非常に有効です。ここでは、PMBOK第7版が重視する「価値の提供」という視点を含め、しっかりと理解できる講座について解説します。
JASA「プロジェクトマネジメント講座(オンライン、全6回)」
この講座は、基礎知識から実務で使える技法までを6回にわたり学べる内容です。特徴的なのは、オンラインのライブ配信とオンデマンド(録画)視聴の両方に対応しており、何度も繰り返し学び直せる点です。たとえば、1回の配信で分からなかった箇所を後日見直せるため、知識が定着しやすいのが魅力です。
最新のPMBOK第7版の内容を分かりやすく解説し、「なぜそうするのか」「現場でどう役立つのか」まで掘り下げます。プロジェクトの目的を「単なる成果物の完成」だけでなく、「いかにして価値を生み出せるか」という視点で考える力を養えるようになっています。理論と実践のバランスを重視したい個人や法人の方におすすめです。
ユーキャン法人向け「プロジェクトマネジメント関連eラーニング」
このeラーニング講座は、PMBOKに準拠した各プロジェクトフェーズごとの要点と、実務で活用するための手法を幅広くカバーしています。初心者から、これからプロジェクトリーダーを目指す方まで、段階に応じて学べることが特徴です。
オンライン教材なので、忙しい合間に少しずつ学ぶことも可能です。座学とミニケーススタディなどの実践型素材を組み合わせているため、知識とスキルの両輪で力がつきます。実践例では、プロジェクト開始から終了までに直面しやすいトラブルにどのように対応するか、現場に即した事例で学べます。
本格的にプロジェクトマネジメントの理論を体系立てて理解したい方や、組織で標準的な手法を身につけたい方に最適です。
次の章に記載するタイトル:受講形式で選ぶ:ライブ/オンデマンド/対面/派遣
受講形式で選ぶ:ライブ/オンデマンド/対面/派遣
プロジェクトマネジメント講座を選ぶ際には、その受講形式が自分に合っているかどうかがとても重要です。ここでは主な受講スタイルについて、それぞれの特徴とメリットを分かりやすくご紹介します。
ライブオンライン講座
リアルタイムで講師の話を聞き、双方向で質問ができるのが特徴です。決まった日時にパソコンやタブレットから参加する必要があります。仲間と一緒に学ぶことでモチベーションを維持しやすく、わからないことがあればその場で解決できます。ただし、スケジュール調整が難しい場合もあるので注意が必要です。
オンデマンド(動画eラーニング)
自分の好きなタイミングで動画を視聴できる形式です。通勤時間やちょっとした隙間時間にも学習が進められます。分からなければ何度でも繰り返し再生し、復習も簡単です。費用面も比較的安く、コストパフォーマンスに優れています。忙しい方や時間に余裕がない方にもおすすめです。
対面(集合)型研修
会場に集まり、講師や他の受講者と直接やり取りしながら学びます。グループワークやディスカッションにより実践的なスキルが身に付きやすいのが魅力です。特に現場感覚や反応を重視する方にはうってつけです。料金はやや高めですが、交流やネットワーク作りがしやすいという利点もあります。
派遣(講師派遣型)研修
職場や希望する場所に講師が出張してくれる形式です。自社の課題や希望に合わせてカリキュラムをカスタマイズできるのが最大の強みです。グループ全体でしっかり学びたい場合や、研修の内容を現場に密着させたい場合におすすめです。費用は集合型やオンラインより高くなりますが、効果的な深い学びが期待できます。
料金の目安
- 集合研修:3万円~5.5万円/日
- オンライン研修:2万円~5万円/日
- 講師派遣研修:20万円~30万円
- 動画eラーニング:1千円~3万円/回
学び方はライフスタイルや目的によってさまざまです。それぞれの形式の違いを意識して、自分にぴったりの講座を選びましょう。
次の章に記載するタイトル:PMBOK第7版対応と学習ポイント
PMBOK第7版対応と学習ポイント
PMBOK第7版とは何か?
プロジェクトマネジメントの世界的な標準であるPMBOKガイドは、第7版で大きく方向性が変わりました。従来の「成果物の流れ」中心から、「価値をどうやって提供するか」に主眼が移っています。つまり、計画の立て方やチェックリストではなく、どう案件が成果として社会や会社に貢献するかを意識することが求められます。
注目ポイント: 原理・原則とパフォーマンス領域
第7版では10個の原理と、8つのパフォーマンス領域が強調されています。原理とは、「なぜその行動やプロセスが必要なのか?」という理由を理解することです。パフォーマンス領域とは、例えば「チーム管理」「リスク対応」など、プロジェクトの様々な局面で重点的に考えるべきポイント群を指します。具体例として、単に日程をこなすのでなく、チームのモチベーションや品質向上にも目を向ける必要があります。
価値提供志向とテーラリング
プロジェクトごとに最適な運営方法を選ぶ「テーラリング」もキーワードです。第7版では、企業や案件ごとに「どうアレンジすれば最大の価値を出せるか?」という視点を持つことが大切です。
主なプロジェクトマネジメント講座の第7版対応例
・JASAは第7版に沿い、「なぜ価値提供が重要か」という理由から丁寧に学べます。
・SATの講座は10の原理、8つの領域、テーラリングまで丁寧に扱うため、実際の現場に応用しやすいです。
・ユーキャンはPMBOKの考え方に沿いつつ、要点を中心にした実務重視型。効率良く基礎から学べます。
・各種実務研修は、標準的な流れ・ツールに加え、現場で活用する力も鍛えます。
学習ポイントのまとめ
この章で述べたように、PMBOK第7版を踏まえた講座では「理由を重視し、カスタマイズできる力」を身につけることが大切です。次の章では、「目的別おすすめの選び方」について詳しくご案内します。
目的別おすすめの選び方
プロジェクトマネジメント講座は、学びたい目的によって選び方が大きく変わります。ここでは代表的なニーズごとに、おすすめの講座を具体的にご紹介します。
1. 基礎から体系的に学びたい方
個人でしっかり基本から身につけたい方には、「JASA全6回オンライン講座」がおすすめです。6回に分かれており、計画的に知識を積み重ねられます。オンラインで受講できるので、忙しい方でも自分のペースで学習できます。例えば仕事終わりや週末を活用して、段階的に理解を深めたい方に最適です。
2. 反復学習で着実に習得したい方
コストを抑えて何度も復習したい方には、「SAT」や「ユーキャン」のeラーニングコースが便利です。どちらもインターネットで繰り返し学べるため、理解が不安な箇所を重点的に見直せます。PMBOK第7版に対応しているため、最新の考え方も無理なく習得できます。
3. 部署やチームで実務に落とし込みたい方
組織としてプロジェクトマネジメント力を高めたい場合は、「日本PMO協会の実践型法人研修」がおすすめです。実際のケースやプロジェクト管理ツールの導入など、職場で実践しやすい内容が用意されています。チームで参加することで、共通の知識を身につけやすくなります。
4. 新任プロジェクトマネージャーや管理職に短期間で基本を
短期間で集中して基礎を学びたい方には、「リカレント短期集中研修」が良いでしょう。必要な知識を効率的に学べるカリキュラムですので、新しく役割を任された方や、短期間でスキルアップしたい管理職にぴったりです。
5. まず全体像を掴みたい方
すぐにプロジェクトマネジメントの全体像を理解したいなら、「NECラーニング1日入門編」がおすすめです。一日という短い時間で主要ポイントを把握できるため、初めて学ぶ人や急いで準備したい方に適しています。
次の章に記載するタイトル:比較早見(要点)
比較早見(要点)
各講座の特徴を一目で比較
プロジェクトマネジメント講座には、多数の選択肢があり、それぞれ特徴やメリットが異なります。ここでは、主要な比較ポイントを表にまとめ、分かりやすく解説します。
比較ポイント | 主な講座例 | 特徴まとめ |
---|---|---|
PMBOK第7版対応 | JASA, SAT, ユーキャン | 最新基準を盛り込んだ内容で学びたい方におすすめ |
実践演習重視 | 日本PMO協会 | グループワークやケース実習で実務力を高めたい方に適す |
価格帯(集合研修) | 各社 | 1日3万~5.5万円。対面指導でしっかり学べる |
価格帯(オンライン) | 各社 | 1日目安2万~5万円。自宅や職場から参加可能 |
価格帯(eラーニング) | SAT, ユーキャン | 1万円前後でコスト重視派に人気 |
柔軟な学習形式 | JASA, SAT, ユーキャン | ライブ+オンデマンドやeラーニングで忙しい方にも最適 |
主な対象者 | NEC, SAT, PMO協会, リカレント | 初心者~新任PM、管理職、法人研修用と幅広い |
選ぶ時のポイント
- 最新ガイドラインで学びたい方:JASAやSAT、ユーキャンなどPMBOK第7版対応講座が安心です。
- 実務ですぐに使いたい方:日本PMO協会のような演習型やケース中心の講座が合います。
- 価格重視派:eラーニング形式が手頃で無理なく続けられます。
- 柔軟さを求める方:ライブ授業+オンデマンドやeラーニング対応講座なら自分のペースで学習できます。
- 対象者ごとの選びやすさ:初心者、新任PM、管理職、法人と、講座ごとにおすすめポイントが明確です。
次の章に記載するタイトル:申し込み前のチェックリスト
申し込み前のチェックリスト
1. 学習目的の整理
まず、プロジェクトマネジメント講座への申し込みを考える際に、何を一番の学習目的とするのかをはっきりさせましょう。例えば、「短期間で基礎を身につけたい」「本格的に資格取得を目指したい」「実際の仕事で役立つツールを使えるようになりたい」などが該当します。漠然と始めるよりも、目的を明確にすると自分に合う講座が見つかりやすくなります。
2. 実務で使いたい内容を確認
多くの講座がWBS(作業分解構成図)、ガントチャート、RACI(役割分担表)、リスク管理表、コスト管理シートといったプロジェクト管理の主要ツールをカバーしています。しかし講座によって強みや重点が異なるため、特に仕事上で克服したい課題や学びたいツールが明確な場合は、カリキュラム内容の詳細を事前に比較しましょう。
3. 受講形式・時間を決定
講座には「1日で完結する集中型」「複数回に分かれた標準型」「自分のペースで進められるオンデマンド型」などがあります。スケジュールや勤務形態に合わせて最適な形式を選びましょう。また、オンデマンドの場合、受講可能な期限や視聴可能時間数の有無もチェックしましょう。
4. 費用と規模をチェック
個人受講か法人導入かによって費用の負担や申し込み方法が異なります。個人の場合は相場を調べて予算を決め、法人向け検討の場合は受講管理や社内展開のしやすさも重要なポイントです。
5. レベルと前提条件を再確認
初心者向け、マネージャー・リーダー候補向けなど、講座側の想定受講者レベルを事前によく確認しましょう。必要な前提知識や推奨スキルが提示されている場合、それに自分が合致しているかをしっかりチェックしましょう。
次の章に記載するタイトル: 各講座の要点メモ
各講座の要点メモ
JASA「プロジェクトマネジメント講座(オンライン)」
JASAの講座は全6回のセットで、基礎から実践までしっかりカバーします。PMBOK第7版に対応し、「価値提供」を中心に学ぶことができます。授業形式はライブとオンデマンドの組み合わせなので、都合に合わせて学習を進めたい方におすすめです。
NECラーニング「入門編(1日間)」
NECラーニングの入門講座は、1日でプロジェクト企画から評価までを整理できる内容です。前提知識がなくても受講でき、遠隔ライブで開催されるため、初めてプロジェクトマネジメントを学ぶ方に適しています。
リカレント「最短でPM力」
リカレントの講座は、プロジェクトの立ち上げから終結までの方法論をオンラインで学べます。PDCA(計画・実行・確認・改善)を重点的に強化し、新人プロジェクトマネージャーが自己流にならず基本を身につけるサポートが特徴です。
ユーキャン法人「eラーニング一覧」
ユーキャン法人向け講座はPMBOKに沿った幅広いコース展開が特徴で、実務での活用もしやすい内容です。座学と演習の組み合わせで、幅広い対象者に対応しています。オンラインで学ぶことができ、業務と両立したい方にも便利です。
SAT「誰でも使えるPM」
SATの講座は約8時間で完結し、動画で学習できる点が魅力です。リーズナブルな価格設定(約9,900円)で、第7版PMBOKに準拠した基礎から応用まで学べます。原理・原則やパフォーマンス領域、テーラリング(状況に応じた調整)まで網羅します。
日本PMO協会「実践型研修」
この講座は、対話、ゲーム、グループワークを取り入れた実践的な内容です。未来志向で目標を設定し、段階ごとに計画を立てます。マヌーバリング(臨機応変な対応)、WBS(作業構成)、ガントチャート、RACI(役割分担)、コストやリスク管理なども体験的に学べます。
価格相場
集合研修は1日あたり3~5.5万円程度、オンラインは2~5万円ほど、講師派遣型は1回20~30万円、eラーニングは1,000円~3万円程度が目安となります。自分の希望や予算に合わせて選ぶことが大切です。