目次
結論:迷ったらこれを選ぶ(2025年版の最有力)
プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を目指す方が、「どの資格を選べばいいのか?」と迷うことはよくあります。2025年時点で、迷ったらまず選んで間違いない最有力資格を整理しました。
実務経験がある方向けの王道「PMP」
すでにプロジェクト管理に関わった経験がある方には、国際資格のPMP(Project Management Professional)が圧倒的におすすめです。PMPは世界的な認知度があり、どの業界でも通用しやすいのが魅力です。さらに、試験は自宅やテストセンターでオンデマンド受験できるため、自分の都合に合わせてスケジュールを組みやすいです。学習時間の目安は100~200時間と、比較的取り組みやすさもあります。
IT系や国家資格重視の方には「IPAプロジェクトマネージャ試験」
IT分野や大手企業で国家資格が重視される場合は、IPA(情報処理推進機構)のプロジェクトマネージャ試験(PM)も強い評価を受けています。国家試験なので難易度は高めですが、一度取得すれば評価は長期的。年1回の筆記試験が中心ですので、十分な準備期間を確保しましょう。
初学者や若手の基礎固めには「PMC」・「シングルスター」
これからPM・PMOの道に進む初学者や、20代など若手ビジネスパーソンでは、PMI日本支部系のProject Management Coordinator(PMC)や日本PMO協会のPMOスペシャリスト(シングルスター)が短期間で取得できます。内容も基礎中心で、仕事の合間に受験対策しやすいです。
PMO志望者向けの最有力は「PMOスペシャリスト」
特にPMO志望の場合、日本PMO協会が提供するPMOスペシャリストや関連資格が人気です。数日~数週間で取得でき、実務で役立つ基礎スキルの証明になります。
次の章では、各資格の比較ポイント(難易度・学習時間・受験しやすさ)について詳しく解説します。
主要資格の比較ポイント(難易度・学習時間・受験性)
主要なプロジェクトマネジメント資格は、難易度や学習時間、受験のしやすさなど複数の視点で違いがあります。ここでは、それぞれの資格の特徴を分かりやすく説明します。
難易度について
PMP(国際資格)は一定の実務経験と研修受講が前提となるため、初心者にはハードルが高めです。一方で、Project+やPRINCE2は未経験者や入門者向けの設計がなされており、比較的易しい内容です。日本の国家資格であるプロジェクトマネージャ試験(IPA)は、論述式の試験を含み総合力が問われるため、対策に十分な時間が必要です。P2Mは複雑なプロジェクトのマネジメントを重視するため、中〜上級者向けです。PMOスペシャリストの初級資格は、実務に直結した内容で、基礎レベルであれば比較的容易に取得できます。
学習時間の違い
PMPは目安として100〜200時間程度が必要です。プロジェクトマネージャ試験(IPA)は200〜300時間と負担が大きめです。P2Mも同様にまとまった学習期間を要します。PRINCE2やProject+、そしてPMOスペシャリスト初級は、短期間(1〜2か月)で合格を目指せるため、忙しい社会人にも向いています。
受験のしやすさ、費用
PMPは世界中で実施されており、受験機会が多いのが特長です。しかし、やや高めの受験料が必要になります。IPAの国家試験は年1回と機会が限定され、申込期間にも注意が必要です。P2MやPRINCE2、Project+は随時受験できるケースが多く、費用や試験日程の柔軟性が魅力です。PMOスペシャリスト(初級)は安価な費用設定がされており、受験しやすさもメリットです。
次の章では、レベルごとのおすすめの取得ルート(目安となる学習期間)について解説します。
レベル別おすすめルート(学習期間の目安つき)
プロジェクトマネジメントの資格は、経験年数やキャリアに応じて最適なルートが異なります。ここでは、初級・中級・上級の3つのレベルごとに、おすすめの資格取得ルートと学習期間の目安をご紹介します。
初級(PM未経験~1年経験)
プロジェクトマネジメントの実務経験がない方や、これからプロジェクト管理を担当される方向けです。まずは「PMC」や「PMOスペシャリスト(シングルスター)」など、基礎的な内容を学べる資格で全体像をつかみましょう。これらの資格なら、初学者でも2~3か月ほどの学習で十分に合格を目指せます。その後、「CompTIA Project+」や「PMS(プロジェクトマネジメントサーティファイドスペシャリスト)」に挑戦すると、実務で使える知識も付きます。初級レベルの流れ全体で、おおむね3~5か月程度を見込んで計画するのが安心です。
例:初級・学習の流れ
- 1~2か月:「PMC」や「PMOスペシャリスト(シングルスター)」の基礎学習
- 1~3か月:「CompTIA Project+」「PMS」など実務知識習得
中級(2~5年経験)
現場でのプロジェクト管理を2年以上経験している方は、「PMP」や、「PMOスペシャリスト(中級)」、海外標準である「PRINCE2」の学習がおすすめです。「PMP」は認知度も高く、実務スキルを体系化できます。学習にはおおよそ100~200時間(3~6か月)が一般的です。合わせて、国家資格「IPAプロジェクトマネージャ(PM)」も、年次計画に含めて取り組むのが効果的です。
例:中級・学習の流れ
- 3~6か月:「PMP」学習と受験
- 2~3か月:「PMOスペシャリスト(中級)」「PRINCE2」などの補完資格
- 年間計画:IPAプロジェクトマネージャ(春/秋実施)
上級(5年以上・リード・プログラムマネージャ志向)
5年以上の経験があり、複数のプロジェクトや大規模案件のリードを目指す方には、「PMP」と「IPAプロジェクトマネージャ」の両方を取得することをおすすめします。さらにステップアップしたい場合や、PMO(プロジェクト支援組織)での上位職を志す場合は、「P2M」や「日本PMO協会」の上位資格(ダブル・トリプルスター、PMAなど)を選ぶと、より高度なプログラムマネジメントやPMOスキルを身につけられます。
例:上級・学習の流れ
- 6か月~1年:「PMP」+「IPAプロジェクトマネージャ」両方に挑戦
- 3~6か月:「P2M」「PMOスペシャリスト(ダブルスター以上)」「PMA」など上位資格
次の章では、PMとPMOで異なる「おすすめ」について詳しくご説明します。
PMとPMOで異なる「おすすめ」
PM(プロジェクトマネージャー)志望の方へ
PMを目指す方にとって最もおすすめなのは、やはり「PMP」資格です。PMPはプロジェクトの予算、品質、スコープといった全体責任を担う立場の証明として国内外で非常に高い知名度があります。転職やキャリアアップの際にも、「PMP」があれば自分の経験や能力を分かりやすく伝えやすくなります。
もしPMPの取得が難しい場合や、まずは日本国内で経験を積みたい方には、IPAのプロジェクトマネージャ試験(PM)もおすすめです。IPA PMは日本独自の国家資格ですが、体系的な知識と実務能力を示せるため、社内外で実力をアピールしやすいです。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)志望の方へ
PMOを志望する方には、「PMOスペシャリスト」が特におすすめです。この資格は、プロジェクト全体のルール作りや進め方の統制、他のプロジェクトの支援など、PMO独自の業務に特化しています。「シングルスター」から「ダブルスター」「トリプルスター」へと段階的にステップアップできる仕組みがあり、自分の経験や知識の成長が目に見える形で表れます。
こうしたステップ式の資格は、初心者から中級者まで、着実にスキルアップしたい方にとても有効です。さらに標準化やガバナンスの知識を高めたい場合、「PMP」や「P2M」も並行して取得すると、より幅広い役割に対応できるようになります。
次の章で紹介する内容
具体的なおすすめ資格と「向いている人」について説明します。
具体的なおすすめ資格と「向いている人」
PMP(Project Management Professional)
PMPは、実務経験が豊富で海外プロジェクトや大手企業、コンサルタント業界で普遍的なスキルを証明したい方にとてもおすすめです。国際的な認知度が高い資格で、どの国や業界でも通用しやすいことが特長です。オンライン試験にも対応しており、受験形式の柔軟さもポイントです。試験範囲は、最新のプロジェクトマネジメント手法や知識体系をきちんとカバーしています。仕事で多様な人たちと協力したり、国境を越えた案件に関わる方には非常に向いています。
IPA プロジェクトマネージャ試験
IT企業やシステムインテグレーター(SIer)など、特に国内で社内評価や昇進、公共事業の入札の際にアピールしたい方に適しています。論述問題があり、知識だけでなく実務経験から得られたノウハウを文章で的確に伝える力が問われます。日本国内のIT系プロジェクトを主戦場とする方、自分の実践力や考え方をアピールしたい方にフィットします。
P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント資格)
P2Mは、複数プロジェクトの同時進行や、全体を束ねて価値を最大化するマネジメント層に適した資格です。特に大手企業で、プロジェクトより広い範囲(プログラム)を管理したい場合に有利です。イノベーション推進や新規事業開発が求められる方、より大きな組織で調整力を発揮したい方におすすめです。
PMOスペシャリスト
プロジェクトマネジメントの事務局業務(PMO)を専門的に目指す方には、PMOスペシャリスト資格が良い選択です。主に実務の基礎を短期間で証明したい若手や未経験者に合っています。受験のハードルが低く、最初の一歩を踏み出しやすいことが魅力です。
PMC・CompTIA Project+など入門資格
これからプロジェクトマネジメントの基礎を学びたい方や、新人・若手向けにはPMC(プロジェクトマネジメントコーディネーター)やCompTIA Project+がおすすめです。短期間の学習でプロジェクト進行の基本を身につけられるので、「まずは現場で動きながら体系的に知識を身につけたい」方や、専門職への第一歩を踏み出したい方にピッタリです。
次の章に記載するタイトル: 難易度・学習時間・費用・受験性の比較(要点)
難易度・学習時間・費用・受験性の比較(要点)
難易度の比較
プロジェクトマネジメント系資格はそれぞれ難易度が異なります。
- PMP:世界的に有名な資格で、実務経験が一定期間必要です。問題も実践的ですので、難易度は高めです。
- IPAプロジェクトマネージャ(PM):国内の公的な資格で、論述・記述式も含まれるため、応用力が求められます。合格率は10~15%程度とPMP同様に難関です。
- PMOスペシャリスト初級:入門者向けで基礎知識を問います。難易度は低めなので、初めて資格を取る方にもおすすめです。
学習時間の比較
それぞれの資格で求められる学習時間は異なります。
- PMP:未経験からなら約100~200時間。実務経験者ならもう少し短縮も可能です。
- IPA PM:平均して約200~300時間が必要です。内容が広く深いため、計画的な勉強が大切です。
- PMOスペシャリスト初級:目安は約25時間です。短期間での取得が可能です。
受験費用の比較
- PMP:おおよそ60,000円程度(米ドル建て、レートにより変動します)。再受験も考えると、さらに費用がかかる場合あり。
- IPA PM:5,700円程度と比較的安価です。
- PMOスペシャリスト初級:10,000円前後と低コストで受験できます。
※費用は2024年時点の目安です。最新の金額は必ず公式サイトでご確認ください。
受験性(受けやすさ)の比較
- PMP:通年で世界中の会場やオンラインで受験できます。忙しい人にも日程調整しやすいです。
- IPA PM:毎年1回(秋期)の実施です。日時が限られるため、スケジュール管理が重要です。
- PMOスペシャリスト初級:全国のCBT会場や自宅からオンライン受験が可能です。
次の章:キャリア別ロードマップ(例)
キャリア別ロードマップ(例)
SIer・ITコンサルティング会社のPM志望者
SIerやITコンサルでプロジェクトマネージャーを目指す場合、現場での経験が重要です。まず、WBS(作業分解構成図)やスコープ管理、リスク管理といった実務を経験しながら、プロジェクトの全体像を理解します。そのうえで「PMP」資格の学習に着手し、合格を目標とします。時間に余裕があれば、さらに上位であるIPAプロジェクトマネージャ試験にも挑戦し、知識の幅を広げましょう。
事業会社のプロダクトリーダー・PM志望者
事業会社のプロダクトリーダーや社内PM志望の場合、まずはPM入門資格(「PMC」や「Project+」など)で知識の基礎を固めます。その後「PMP」で実務力の証明と応用力を身につけ、さらにステップアップしたいなら「P2M」資格でプログラムマネジメント(複数プロジェクト横断管理)の視点を補えます。この流れで、事業やサービスの全体統括力も強化できます。
PMOスペシャリスト志望者
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)で専門性を高めたい方は、まず「PMOシングルスター」から着手するのが手堅いです。次に「ダブルスター」「トリプルスター」と段階を追って取得し、実践的な標準化や統制スキルを身につけましょう。それから「PMP」や「P2M」資格にも挑戦することで、ガバナンスやプロジェクト全体の品質向上にも貢献できるようになります。
次の章に記載するタイトル:よくある質問(FAQ)
よくある質問(FAQ)
Q1. PMPとIPA PMのどちらが転職に有利ですか?
PMPは外資系企業やグローバルなプロジェクトで非常に高く評価されます。特に海外とのやりとりが多い企業や大規模ITプロジェクトでは、その認知度の高さが強みです。一方、IPA PM(情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ)は日本国内のIT業界や公共分野で根強い信頼があります。そのため、勤務したい業界や会社に合わせて選ぶのが良いでしょう。理想は両方取得ですが、現実には業務内容や将来性を考慮して優先順位を決めましょう。
Q2. 初心者はどの資格から始めるべき?
初学者には、PMの基礎を短期間で身につけやすいPMCやPMOスペシャリスト初級がおすすめです。これらは学習負担が比較的少なく、初めてでも無理なく合格を目指せます。実際のプロジェクトに関わる機会が増えた後、PMPやIPA PMにチャレンジしていく流れが一般的です。
Q3. PMO職でもPMPは必要?
必ずしも必要ではありませんが、取得すると社内外での説得力や標準化に関する提案力がアップします。特に大規模プロジェクトや多国籍チームとのやり取りが多い場合は、PMP取得が評価されやすい傾向があります。
Q4. できれば両方の資格を取った方が良い?
それぞれ強みが異なるため、両方取得することで広い業界・職種でアピールできます。ですが、一度に両方目指すのはハードルが高いので、まず1つに集中し、経験やキャリアアップを通じて段階的に取り組んでいくことをおすすめします。
次の章に記載するタイトル:参考になるランキング・比較記事(要点抜粋)
参考になるランキング・比較記事(要点抜粋)
プロジェクトマネジメント関連の資格選びに役立つランキングや比較記事についてご紹介します。2025年版の資格比較記事では、初級から上級までのレベル別一覧や、学習期間を考慮したおすすめルートが示されています。これにより、ご自身が現在どのレベルにいるかを確認し、実際の学習の道筋をイメージしやすくなっています。
「おすすめ資格10選」などのまとめ記事では、PMPやCAPMといったプロジェクトマネジメントの定番資格だけでなく、スクラム系や会計系資格もピックアップ。実際に業務範囲の広い方、技術と管理の両面を目指す方にとって参考になる選び方の軸が示されています。
総合的な資格比較のまとめ記事では、PMPが多くの場面で最上位評価となっている一方で、PRINCE2やP2M、そしてPMO関連資格の特長や位置づけも分かりやすく整理されています。PMOに特化した記事も存在し、PMO志望者向けに「PMOスペシャリスト」「IPA PM」「PMP」「P2M」など、適した資格のセットが一覧でまとめられています。
主要な4資格を横並びに比較した記事では、試験時間や形式、受験可能な頻度、費用が一目で理解できる表となっているため、具体的な受験計画を立てたい方には非常に便利です。
また、フリーランス向けの記事では、独立した際に有利な「IPA PM」「PMP」「P2M」などそれぞれの難易度や合格率、免除制度の詳細が掲載されています。これらは自己投資を検討する際の判断材料にもなります。
最後に、SaaSツールを活用した学習サポート記事では、資格ごとの学習時間の目安もまとめられています(例:PMP100~200時間、PMO25時間、IPA200時間など)。ご自分の状況にあわせて無理なく挑戦できる資格を選ぶ際の参考になります。