目次
はじめに
「人材育成支援コースって、どの会社や従業員が対象なの?」
「研修にかかった費用は、どのくらい助成してもらえるの?」と気になっていませんか。
従業員に職業訓練を受けてもらいたいと思っても、対象となる訓練や助成される費用、申請するタイミングが分からないと、準備を進めにくいものです。
この記事では、対象となる事業主や労働者、助成内容、申請方法や必要書類を整理します。制度を利用する前に確認したいポイントを、順を追って説明していきます。
人材育成支援コースとは?
人材育成支援コースを利用するには、対象となる企業や労働者、助成対象となる訓練の条件を確認する必要があります。
ここでは、人材育成支援コースの概要から対象となる企業・労働者、対象となる訓練まで順に説明します。
人材育成支援コースの概要
人材育成支援コースは、職務に必要な知識や技能を身につけるための訓練を行った事業主に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。
令和8年度は「人材育成訓練」「認定実習併用職業訓練」「有期実習型訓練」の3つの訓練メニューがあります。
OFF-JTを中心とした訓練のほか、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練も対象となります。
対象となる企業・労働者
対象となるのは、原則として雇用保険の適用事業所で、対象となる労働者を雇用している事業主です。
事業内職業能力開発計画の作成・周知や、職業能力開発推進者の選任などの要件もあります。
労働者は雇用保険被保険者が基本ですが、訓練メニューによって条件が異なるため、事前に確認しておきましょう。
対象となる訓練
対象となるのは、職務に関連する知識や技能を身につけるための訓練です。
人材育成訓練では10時間以上のOFF-JT、認定実習併用職業訓練では認定を受けたOJTとOFF-JTの組み合わせなど、それぞれ条件が定められています。
有期実習型訓練は有期契約労働者等の正社員等への転換を目指す訓練となるため、実施前に該当するメニューと要件を確認することが大切です。
人材育成支援コースの訓練メニューと主な要件
人材育成支援コースには、訓練の目的や雇用形態などに応じて複数の訓練メニューがあります。
ここでは、人材育成訓練、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練の特徴と主な要件を順に説明します。
人材育成訓練
人材育成訓練は、労働者に職務に必要な知識や技能を身につけてもらうため、OFF-JTを実施する訓練です。
企業内で行う研修だけでなく、教育訓練機関などで受講する訓練も対象となります。
令和8年度は実訓練時間が10時間以上で、訓練内容や対象労働者などの要件を満たす必要があります。
認定実習併用職業訓練
認定実習併用職業訓練は、企業内で行うOJTと、教育訓練機関などで行うOFF-JTを組み合わせた実践的な訓練です。
対象となるには厚生労働大臣の認定が必要で、対象者は15歳以上45歳未満、訓練期間は6か月以上2年以下などの基準があります。
さらに、年間換算850時間以上の訓練を行い、OJTを総訓練時間の20%以上80%以下にすることなども求められます。
有期実習型訓練
有期実習型訓練は、非正規雇用労働者を対象に、OJTとOFF-JTを組み合わせて正社員等への転換を目指す訓練です。
実務を通して職業能力を身につけながら、OFF-JTで必要な知識や技能を学んでいきます。
対象となる労働者や訓練期間などの要件を確認し、あらかじめ作成した計画に沿って実施する必要があります。
人材育成支援コースの助成内容
人材育成支援コースを利用すると、訓練にかかった費用や訓練期間中の賃金の一部について助成を受けられる場合があります。
ここでは、助成の対象となる費用と、助成率・賃金助成・限度額について順に説明します。
助成の対象となる費用
人材育成支援コースでは、OFF-JTに必要な入学料や受講料、教科書代などが助成対象になります。
ただし、訓練に直接必要な経費として認められるものに限られ、訓練に関係しない費用は対象になりません。
申請する際は、予定している費用が対象になるか事前に確認しておきましょう。
助成率・賃金助成・限度額
人材育成訓練の経費助成率は、正規雇用労働者の場合、中小企業45%・大企業30%、非正規雇用労働者の場合は70%です。
認定実習併用職業訓練は45%(大企業30%)、有期実習型訓練は75%で、OFF-JTでは1人1時間あたり800円(大企業400円)の賃金助成も受けられます。
OJTの実施助成は、認定実習併用職業訓練が1人20万円(大企業11万円)、有期実習型訓練が1人10万円(大企業9万円)です。
人材育成支援コースの対象外となる訓練
人材育成支援コースは、すべての社内研修や職業訓練が助成対象になるわけではありません。
ここでは、助成の対象にならない主なケースを確認します。
助成の対象にならない主なケース
職務に関連しない訓練や、訓練時間・実施方法などの要件を満たしていない場合は、助成の対象になりません。
また、必要な手続きをせずに訓練を始めた場合や、対象外の労働者が受講した場合も、助成を受けられないことがあります。
訓練に直接必要ではない費用や、幅広い用途に使える物品なども対象外となる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
人材育成支援コースの申請方法と流れ
人材育成支援コースの助成を受けるには、訓練を実施する前に必要な計画を届け出たうえで、訓練終了後に支給申請を行う必要があります。
ここでは、訓練実施前の計画届の提出から、訓練実施後の支給申請までの流れを順に説明します。
訓練実施前に計画届を提出する
人材育成支援コースを利用する場合は、訓練開始前に必要な書類をそろえて職業訓練実施計画届を提出します。
提出期間は原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までで、開始後の提出はできません。
訓練内容や対象労働者、期間、経費などを確認し、助成要件を満たしているか確認してから手続きを進めましょう。
訓練を実施して支給申請を行う
計画届を提出したら、届け出た内容に沿って訓練を実施し、終了後に支給申請を行います。
申請期限は原則として訓練終了日の翌日から2か月以内です。
訓練の実施状況や経費、賃金の支払いなどを確認できる書類をそろえ、期限内に申請しましょう。
人材育成支援コースを利用できるか確認するポイント
人材育成支援コースを利用する前に、対象となる労働者や訓練内容が助成の要件を満たしているか確認しておくことが大切です。
また、訓練時間や実施方法だけでなく、訓練を始める前に必要な計画届を提出できるかも確認しておきましょう。
対象者や訓練内容、事前の手続きなどが要件を満たしていないと、助成を受けられない場合があります。ここでは、利用前に確認しておきたいポイントを順に説明します。
まとめ
人材育成支援コースは、職務に関連する知識や技能を習得するための訓練を実施した事業主に対し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。
人材育成訓練、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練があり、それぞれ対象者や訓練時間、OJT・OFF-JTの実施方法などの要件が異なります。
利用する際は、対象者と訓練内容が要件を満たしているかを確認したうえで、訓練開始前に計画届を提出し、訓練終了後に支給申請を行う必要があります。
助成率や賃金助成額、対象経費、申請期限も確認し、必要な手続きを訓練開始前から準備しておくことが大切です。