リーダーシップとマネジメントスキル

2025年最新情報でわかるPM/PMOコンサル会社の賢い選び方

目次

PM/PMOコンサル会社の比較(2025年版)

PM(プロジェクトマネジメント)やPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)コンサル会社は年々多様化しています。2025年版の比較では、PMOに特化した専門会社から、幅広いコンサルティング領域を持つ総合コンサルタントまで、さまざまなタイプの企業が存在しています。最適なコンサル会社を選ぶには、いくつかの重要な観点がポイントになります。

比較する際の主なポイント

  • ベンダー中立性: 企業によっては特定のシステムやサービスを推奨せず、中立的な立場で顧客の利益を最優先します。ベンダー選定やマルチベンダー環境でのプロジェクトを想定する場合に重視されます。
  • 伴走型支援: 導入初期の設計だけでなく、実際のプロジェクト進行中もサポートを続ける姿勢を示します。現場に寄り添った支援を求める場合にマッチします。
  • 標準メソドロジの有無: 独自のノウハウやテンプレート、ガイドラインを用意しているかも選定材料です。安定した品質管理や効率的な運用体制の立ち上げに有効です。

注目される20社の傾向

最近は、コンサル会社自らが料金・事例・評判を積極的に公開する傾向が強まっています。特に、過去の導入事例で同じ業界や類似プロジェクトへの対応実績を持つかは、選ぶ際の重要な決め手です。

主要なタイプごとの特徴

  1. PMO専門コンサル群(ベンダー中立・標準化に強い)
  2. 主なサービスに、PMO立上げ支援やプロジェクトガバナンス、KPI設計、マルチベンダー環境のコントロールなどがあります。
  3. こうした特化型企業は、要件定義からシステム移行まで全工程を横断的に管理することが増えています。
  4. 総合コンサル系のPMO提供(戦略から実行への橋渡し)
  5. 経営方針との一貫性(アラインメント)を重視し、投資対効果や組織変更のマネジメントも内容に含む点が特徴です。
  6. エンジニアリング/開発起点のPMO(現場実装力)
  7. 開発効率の最大化やテスト、品質保証、アジャイル手法の導入支援など、技術現場の課題解決を得意とします。

当記事は、各社の特徴・事例・費用を比較しやすくまとめており、PM/PMOコンサル会社の候補を一次的にスクリーニングしたい方に役立つ内容です。

次の章:実装力まで含めたPM体制を求める場合:大手SIerの最新ランキング活用

実装力まで含めたPM体制を求める場合:大手SIerの最新ランキング活用

プロジェクトを成功させるためには、企画・管理だけでなく、実際のシステム開発や導入まで一貫して対応できる「実装力」が重要です。特に大規模プロジェクトでは、多数のエンジニアや協力会社を束ねる体制が必須となります。こうした場合、大手SIer(システムインテグレーター)のランキングを参考にする方法が非常に有効です。

SIerの売上規模ランキングとは

大手SIerは売上高や従業員数からランキングされています。売上規模が大きい企業ほど、大規模案件に必要な人材やノウハウ、マルチベンダー統制(複数の会社をまとめる力)を持つ場合が多いです。たとえば年商1,000億円規模ともなれば、並行して複数の大規模プロジェクトを進める人員確保も現実的です。

具体的な企業例と得意分野

  • 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC):インフラやクラウド、セキュリティ分野が強みで、基盤系プロジェクトのPMに向いています。たとえば大規模なクラウド移行や、セキュリティ要件の高い基盤刷新などで安心して任せられるポイントです。
  • エクシオグループ:通信インフラ、5G、IoT、ネットワークに強い特長があります。新しいネットワーク・インフラの構築や、5G時代への対応プロジェクトなど、通信分野でのPMに適性があります。
  • 大塚商会:中堅・中小企業へのSI提案とスピード感ある導入に定評があります。すぐにPM体制を立ち上げたい場合や、短期間で成果が求められるケースで活躍しています。

売上規模による評価のメリットと注意点

売上規模だけでなく「自社の案件規模」や「検討中の領域」が実際にそのSIerの強みと合っているかも重要です。例えば、通信インフラの案件にIT基盤が得意な会社をアサインしても最適とは限りません。それぞれのSIerが得意とする領域や、これまでの実績も確認しましょう。

次の章に記載するタイトル:「経営アラインメントを重視する場合:総合コンサルの候補」

経営アラインメントを重視する場合:総合コンサルの候補

企業がプロジェクト管理(PM)体制を検討する際、経営戦略と現場の業務をしっかり結びつけたい場合は、総合コンサルティング会社への依頼が有力です。総合コンサルは、経営層が考える「全体方針」と、各部門の具体的な取り組みをつなぐ役割を得意としています。単なるITシステム導入だけでなく、会社全体としての方向性を見失わないように、プロジェクトを総合的にサポートします。

総合コンサルの強みと候補

総合コンサルは、戦略立案、業務改革、システム導入の全プロセスを一括で支援する力があります。例えば、野村総合研究所(NRI)は、コンサル部門とITソリューション部門の両輪で、有名です。政策提言から業務改革、さらに実際のシステム実装まで一貫してサポートできるため、一社で幅広い要件に対応できます。また、アクセンチュアやデロイトなども、経営×ITの両面に精通したコンサルティングサービスを展開しており、社内の複数の課題を同時に整理・推進したいケースに適しています。

期待される価値

このような企業を活用すると、例えば複数の新規事業やシステム投資を総合的に管理する「投資ポートフォリオ管理(PPM)」や、長期的視点での変革の道筋(ロードマップ)の策定、会社全体の大規模なPMO(全社PMO、EPMO)体制づくりなど、より上位のマネジメントレベルにも強みが発揮されます。これにより、バラバラだったプロジェクト活動が会社のビジョンのもとに整理され、意思決定もスムーズになります。

このように、経営の方向性や全社的な戦略をPM体制にしっかり反映させたい場合は、総合コンサルティングファームを候補として積極的に検討するとよいでしょう。

次の章では、異業種の「PMランキング」との混同に注意についてご紹介します。

異業種の「PMランキング」との混同に注意(プロパティマネジメント)

IT分野やシステム開発のプロジェクトマネジメント(PM)会社を探しているとき、インターネット検索などで「PMランキング」といった情報を目にすることがあるかもしれません。しかし、ここでいうPMは、プロジェクトマネジメント(Project Management)ではなく、プロパティマネジメント(Property Management)、つまり不動産管理を指す場合があるので注意が必要です。

例えば、不動産業界では総合型PM会社の「受託面積ランキング」などが公開されており、これが不動産PMの指標とされています。具体例として、シービーアールイーという企業が、前年比24%増の実績で1位となった年もありました。しかし、このランキングにはビルマネジメント(BM)部門も含めて回答する企業が一部除外されているなど、集計条件にも注意が求められます。

このような不動産分野のランキングは、たとえばオフィス用不動産の管理を任せたい、またはマンションなどの住居系不動産に強い会社を知りたいといった場合に役立つ情報です。ただし、ITや業務システム導入、DX推進のためのPM会社選びには別物ですので、異業種ランキングを参考にしないようご注意ください。

次の章では、目的別でおすすめできるPM/PMOコンサル会社の選定フローと実践的なチェックリストについてご紹介します。

目的別おすすめ選定フローとチェックリスト

目的に合わせたPM/PMOコンサル会社の選び方

まず、導入するプロジェクトマネジメント(PM)やPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の目的を明確に整理しましょう。
- 戦略全体を統括する「戦略PM」「EPMO」と呼ばれる体制が必要か
- 個別プロジェクト単位での「案件PMO」なのか
- 開発現場に寄り添う「開発PM」が必要か
このように目的を自社の課題や事業フェーズから特定すると、候補企業を絞りやすくなります。

業界適合・実績の確認

次に、同じ業界や類似規模のプロジェクト実績があるかを調べます。具体的には、過去の導入事例やKPI(達成指標)、失敗しやすいパターンとその回避策の提案力が重要です。実際の成果報告書や顧客の成功例などを提案時に確認しましょう。

スケール:必要なリソースは足りているか?

プロジェクトの規模やピーク時の作業量を想定し、必要な人数(FTE:定常的な作業員数)が確保できる会社を選びます。フェーズごとにどれだけ人員が調整できるかも比較のポイントとなります。

メソドロジと標準化資産

自社の流れにフィットする標準化されたテンプレート、ダッシュボード、リスクや品質管理の基準など、各種サポート資産を持っているかをチェックします。これにより、運用の属人化(特定の人物に依存する状態)を防ぐことができます。

契約とベンダー中立性

成果物の責任範囲や、準委任(作業を一部おまかせする)契約の運用が明確か、可視化された進捗やKPI、定期的なレビュー体制が約束されているかにも注意しましょう。特に複数のベンダーが関与する場合、公平な立場で調整できるかがとても大切です。

提案依頼時のチェックリスト

選定時に各社へ提案を依頼する際は、以下の観点でチェックしてください。
- PMOの立ち上げから安定稼働までの具体的な計画(WBSや重要マイルストーン)
- 明確なガバナンス設計(意思決定体制や課題管理方法)
- ベンダーマネジメント(サービス品質や変更管理ルール)
- 予算・調達など横断的な管理方法
- アジャイルやDevOpsの現場でも対応可能か
- 分かりやすいレポートやダッシュボードのサンプル
- ノウハウや知識の移転計画(将来的な内製化や現場への教育も含む)

こういった流れとチェックポイントを整理することで、自社に合ったPM/PMOコンサル会社を効率的に選ぶことができます。

次の章では「失敗しない見積・契約のコツ」について解説します。

失敗しない見積・契約のコツ

1. 見積もりのポイント

見積もりを依頼するとき、単に提示された金額だけで判断するのは危険です。金額の裏にある業務範囲(スコープ)や、期待できる成果までしっかり確認しましょう。例えば「月額100万円」とあっても、どこまでのサポートや成果物が含まれているかは会社によって違います。

  • 見積金額の内訳を必ずチェックしましょう。
  • 成果のイメージ(例:PMO体制図、改善レポート、会議ファシリテートなど)を明確に。
  • スコープの境界(例:本社だけか、グループ全体か)を事前に取り決めることが大切です。

2. 準委任契約ならKPI設定が肝心

準委任契約方式(「やった分だけ料金が発生する」タイプ)の場合は、とくに運用の成果指標(KPI)を取り決めましょう。例として「週次進捗報告の精度」「課題発見数」「経営層へのレポート回数」など、定性的・定量的な目標や進捗項目を設定すると安心です。

3. 複数社を比較する視点

複数社を比較検討する際は、以下のポイントも並べてみましょう。

  • リードタイム(契約〜着手までどれだけ早いか)
  • 立ち上げ速度(初期対応〜安定運用までは何週間?)
  • メンバー構成比(実務リーダーやシニアメンバーが多いか)

一覧で比較することで、単なる価格比較だけでなく、サービス品質が見えやすくなります。

4. 大規模案件なら「デュアル体制」設計を検討

数十億円規模や全社横断プロジェクトなど大規模案件の場合、1社だけに任せず、「中立的なPMOコンサル」と「実装を担当するSIer(システム会社)」の2社体制を基本設計とするケースが増えています。こうした体制なら、依頼側にとっても中立性が担保でき、実作業もスムーズに進むためおすすめです。

次の章に記載するタイトル:用途別・編集型ショートリスト(一次選定の出発点)

用途別・編集型ショートリスト(一次選定の出発点)

1. ベンダー中立型PMO特化で立上げから運用まで一貫対応を希望する場合

ベンダーに依存せず、企業側の立場でプロジェクトマネジメント全体をサポートしてくれるPMOコンサル会社を探す時は、まず20社程度の主要企業リストから検討を始めるのが効果的です。事例が自社と近いかどうか、同業や同規模のプロジェクトで実績が豊富かなどを比較検討し、まずは3社程度に絞って指名競争に進む方法が現実的です。例えば、社名を挙げると「PMO Japan」「クロス・フィールド」「アクションラーニング」などが候補に入りやすくなります。

2. 基盤刷新やクラウド移行など実装・伴走を重視したい場合

ITシステムの基盤刷新やクラウド化など、特に技術的な側面でも手厚い支援が必要な場合は、SIerの中でも領域特化型の企業を中心に検討します。具体的には「CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)」「エクシオグループ」といった、インフラやクラウド分野での強みを持つ企業が代表的です。この場合、中立的なPMOを外部からアドオンして支援力を強化する方法もおすすめです。

3. 全社変革やEPMO(エンタープライズPMO)を志向する場合

単一プロジェクトを超えて、全社の経営変革や大規模なポートフォリオ管理、投資マネジメント、チェンジマネジメントまでカバーしたい場合は、総合コンサルティング会社が適しています。「NRI(野村総合研究所)」などは戦略策定から実行、全社レベルでの変革推進まで一気通貫で担当できます。また、全社横断型のEPMO体制を構築したい場合にも実績があります。

次の章では、よくある疑問や想定Q&Aにお答えします。

想定Q&A

よくある質問とその答え

Q: SEO会社ランキングはPM会社の選定に参考になりますか?

A: いいえ、直接は参考になりません。SEO会社ランキングは主にWeb集客や検索エンジン対策を専門とする企業を対象としたもので、プロジェクトマネジメント会社(PM/PMOコンサル)とは別の領域です。目的や注力分野が大きく異なるため、PM会社を選ぶ際にはプロジェクトマネジメントに強みのある企業の情報を収集しましょう。

Q: 不動産業界のプロパティマネジメント(PM)ランキングはITやシステムプロジェクトのPM会社選びに使えますか?

A: 使えません。不動産分野のPMランキングは、主に建物管理や賃貸業務などを評価するもので、ITプロジェクトの進行や業務改革を支援するPM会社とは評価基準や管理対象がまったく違います。間違えやすいですが、混同しないようご注意ください。

Q: PM/PMO会社を選ぶ際に、会社規模や知名度だけで判断しても大丈夫ですか?

A: 会社規模や知名度だけでは十分とはいえません。大手には安心感がありますが、実際のプロジェクト目的や体制、求める専門性にマッチするかが重要です。各社の得意分野や直近の実績、導入事例まで調べて比較しましょう。

Q: ショートリスト作成後、どのように最終候補をしぼるべきですか?

A: ショートリスト作成後は、実際に提案内容や見積もりを比較するだけでなく、候補企業の担当者の対応力も確認しましょう。問い合せからのレスポンスや見積もり説明の明確さも大切な判断材料です。

次の章に記載するタイトル: PM/PMOコンサル会社の比較(2025年版)

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