プロジェクトマネジメント

ネットワーク工程表PERTの基礎問題を解く手順がわかる工程管理の基本

目次

はじめに

「PERTの問題を解こうとしても、どこから計算を始めればよいのか分からない……」
「ネットワーク工程表を見ても矢印や結合点が複雑で、答えの出し方が理解できない……」と感じていませんか。

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、工程管理の学習では、PERTを使ったネットワーク工程表の問題がよく出題されます。

この記事では、ネットワーク工程表とPERTの基本的な考え方から、基礎問題を解く手順、最早時刻やクリティカルパスの求め方まで分かりやすく整理しています。

初めて学ぶ方でも流れを追いながら理解できるよう、順を追って説明していきます。

『ネットワーク工程表PERT』とは?

PERT(ネットワーク工程表)は、作業同士の前後関係や所要日数を整理し、プロジェクト全体の流れを把握するための工程管理手法です。

ここでは、PERTの基本的な考え方と、試験でよく問われるポイントを確認していきます。

作業の順番と所要日数を図で整理する工程管理の方法

PERTは、作業の前後関係と所要日数をネットワーク図で表し、プロジェクト全体の流れを管理する手法です。

作業を線で結び、「作業Aは3日」「作業Bは5日」のように日数を書き込むことで、どの作業を先に進めるのか、次に何を行うのかを整理できます。

作業の順番と日数を同時に確認できるため、全体の完了までに必要な期間や、遅れやすい作業を把握しやすくなります。

基礎問題では全体日数とクリティカルパスがよく問われる

PERTの基礎問題では、ネットワーク図からプロジェクト全体の所要日数を求める問題と、クリティカルパスを特定する問題がよく出題されます。

所要日数は開始から終了までの最長経路を確認し、クリティカルパスは余裕時間がない経路として判断します。

そのため、各作業の日数を合計し、複数の経路を比較することが基本的な解き方になります。

PERTの基礎問題で最初に確認するポイント

PERTの基礎問題は、いきなり計算を始めるのではなく、図に書かれている情報を正しく読み取ることが重要です。

まずは問題を解く前に確認しておきたいポイントを順番に見ていきましょう。

作業名・所要日数・先行作業を読み取る

PERT基礎問題では、最初に各作業の名称、所要日数、先行作業の有無を確認します。

作業Aが3日、作業Bが5日といった日数だけでなく、「作業Bは作業A完了後に開始」「作業Dは作業Bと作業Cの完了後に開始」のような前後関係まで読み取ることが大切です。

先行作業を間違えるとネットワーク図や計算結果が変わってしまうため、問題文の条件を一つずつ丁寧に確認しましょう。

どの作業から始まり、どの作業で終わるかを確認する

ネットワーク図を作成する前に、先行作業を持たない開始作業と、後続作業を持たない終了作業を確認します。

開始作業を間違えると全体の流れがずれ、終了作業を誤ると総所要日数の計算結果も変わってしまいます。

そのため、問題文や作業一覧を見ながら、どの作業から始まり、どの作業で終わるのかを最初に整理しておくことが大切です。

合流する作業と分岐する作業を見落とさない

PERT基礎問題では、複数の作業が1つに集まる合流点と、1つの作業から複数に分かれる分岐点を見落とさないことが大切です。

合流点を間違えると待つべき作業を見落とし、分岐点を誤ると後続作業の流れが変わってしまいます。

そのため、作業の前後関係を確認する段階で、どこで合流し、どこで分岐しているのかを整理しておきましょう。

ネットワーク工程表を作る基本手順

ネットワーク工程表は、作業を思いつく順番に配置するのではなく、先行作業と後続作業の関係に沿って作成します。

ここでは、ネットワーク工程表を作成するときの基本的な流れを順番に確認していきましょう。

先行作業がないものから左に並べる

ネットワーク工程表は、先行作業を持たない作業を開始位置として左側に配置するところから作成します。

先行条件がない作業を先に置くことで、その後の作業を前後関係に沿って右方向へつなげていけます。

開始作業の位置を間違えると全体の流れもずれてしまうため、最初に先行作業がない作業を確認してから配置しましょう。

前後関係に合わせて矢印でつなぐ

作業を配置した後は、問題文で示された前後関係に合わせて矢印でつなぎます。

例えば、作業Bが作業Aの完了後に始まる場合はAからBへ矢印を引きます。複数の作業が終わってから開始する作業は、それぞれの作業から後続作業へ接続します。

矢印の向きが作業の流れを表すため、前後関係を確認しながら丁寧に作図しましょう。

複数の作業が終わってから始まる作業は合流点を作る

作業Dが作業Bと作業Cの両方の完了後に開始する場合は、作業Bと作業Cを1つの合流点に集めてから作業Dへ接続します。

合流点を作ることで、すべての先行作業が終わってから次の作業を始める流れを正しく表せます。

合流点を省略すると前後関係を誤ってしまうことがあるため、接続方法を丁寧に確認しながら作図しましょう。

最早開始時刻・最早完了時刻の求め方

最早開始時刻と最早完了時刻は、ネットワーク工程表の計算で最初に求める基本的な時刻です。

ここでは、最早開始時刻と最早完了時刻の求め方を順番に確認していきましょう。

左から右へ順番に計算する

最早開始時刻と最早完了時刻は、開始点から終了点へ向かって左から右へ順番に計算します。

開始点を0として、各作業の所要日数を足しながら後続作業へ進めていきます。前の作業の計算結果が次の作業の基準になるため、途中を飛ばさずに順番どおり計算することが大切です。

そうすることで、各作業の最も早い開始時刻と完了時刻を求められます。

作業日数を足して最早完了時刻を出す

最早完了時刻は、最早開始時刻にその作業の所要日数を加えて求めます。

例えば、最早開始時刻が4日で所要日数が3日なら、最早完了時刻は7日です。

最も早く始められる時刻に必要日数を足すことで、作業がいつ完了するのかを計算できます。

合流点では一番大きい値を採用する

複数の作業が1つの合流点に集まる場合は、それぞれの経路から到達する時刻のうち、一番大きい値を採用します。

後続作業はすべての先行作業が終わってからでなければ開始できないため、最も遅く完了する作業の時刻が基準になります。

合流点では小さい値を選ばず、一番大きい値を確認することが大切です。

最遅開始時刻・最遅完了時刻の求め方

最遅開始時刻と最遅完了時刻は、工程全体の完了日に影響を与えない範囲で、どこまで作業を遅らせられるかを確認するために求めます。

ここでは、最遅開始時刻と最遅完了時刻の計算手順を順番に見ていきましょう。

右から左へ逆向きに計算する

最遅開始時刻と最遅完了時刻は、終了点から開始点へ向かって右から左へ計算します。

最終結合点の時刻を基準にして、各作業の所要日数を引きながら前の作業へ戻っていきます。

後続作業の最遅時刻が前の作業の基準になるため、終了側から順番に逆向きで計算していくことが大切です。

作業日数を引いて最遅開始時刻を出す

最遅開始時刻は、最遅完了時刻からその作業の所要日数を引いて求めます。

例えば、最遅完了時刻が12日で所要日数が4日なら、最遅開始時刻は8日です。

最遅完了時刻までに作業を終える必要があるため、必要日数を差し引いて開始できる限界の時刻を計算します。

分岐点では一番小さい値を採用する

1つの作業から複数の後続作業へ分岐している場合は、それぞれの経路から求めた値のうち、一番小さい値を採用します。

後続作業の中で最も早く始まる作業に間に合わせる必要があるためです。

そのため、分岐点では大きい値ではなく、一番小さい値を選んで最遅完了時刻を決定します。

クリティカルパスの見つけ方

クリティカルパスは、プロジェクト全体の完了日を左右する重要な経路です。

ここでは、クリティカルパスを見つけるための確認方法と判断のポイントを順番に見ていきましょう。

余裕時間が0の作業を確認する

クリティカルパスを見つけるときは、余裕時間が0日の作業を確認します。

余裕時間が0の作業は、1日でも遅れるとプロジェクト全体の完了日も同じだけ遅れてしまうためです。

各作業の余裕時間を計算した後、0となる作業を順番に確認していくことで、クリティカルパスを見つけられます。

全体日数を決める一番長い経路をたどる

クリティカルパスは、開始から終了までの経路のうち、総所要日数が最も長い経路です。

複数の経路がある場合は、それぞれの作業日数を合計して比較し、一番日数が大きい経路を確認します。

その経路がプロジェクト全体の完了日数を決めるため、クリティカルパスとして管理されます。

クリティカルパス上の遅れは全体工程の遅れにつながる

クリティカルパス上の作業は余裕時間が0日のため、1日遅れるとプロジェクト全体の完了日も同じだけ遅れてしまいます。

ほかの経路に余裕があっても、クリティカルパスが予定どおり進まなければ全体工程は予定どおり終わりません。

そのため、工程管理ではクリティカルパス上の作業を優先して確認することが大切です。

PERT基礎問題を解くときの注意点

PERTの基礎問題は、計算方法を理解していても細かなルールを見落とすと答えを間違えやすくなります。

ここでは、PERT基礎問題を解くときに注意したいポイントを順番に確認していきましょう。

最早計算と最遅計算の向きを混同しない

最早計算は開始点から終了点へ向かって左から右へ進め、最遅計算は終了点から開始点へ向かって右から左へ戻ります。

計算する向きを間違えると、最早時刻や最遅時刻を正しく求められません。

最早計算は日数を足し、最遅計算は日数を引くことを意識し、それぞれの計算方法を区別して進めることが大切です。

合流点と分岐点で選ぶ数値を間違えない

最早計算の合流点では複数の値のうち一番大きい値を選び、最遅計算の分岐点では一番小さい値を選びます。

ここで数値を逆にすると、その後の最早時刻や最遅時刻も変わってしまいます。

合流点は最大値、分岐点は最小値と覚えて、計算を進めることが大切です。

クリティカルパスを作業数ではなく日数で判断する

クリティカルパスは、作業数が最も多い経路ではなく、作業日数の合計が最も大きい経路です。

例えば、作業が3個でも合計12日なら、作業が5個で合計10日の経路より長くなります。

作業数だけで判断せず、各経路の所要日数を合計して比較することが大切です。

PERT基礎問題を解く流れをチェックリストで確認

PERTの基礎問題は、解き方の流れを決めておくと途中で迷いにくくなります。

ここでは、問題を解くときに順番に確認したいポイントをチェックリスト形式で見ていきましょう。

問題文から作業の前後関係を整理する

問題文を読んだら、どの作業を先に行い、どの作業が終わった後に次へ進むのかを整理します。

「作業Cは作業Aと作業Bの完了後に開始する」といった条件を見落とすと、ネットワーク図の接続が変わってしまいます。

そのため、作業名と先行条件を確認しながら、前後関係を丁寧に整理していくことが大切です。

ネットワーク図を書いて日数を入れる

前後関係を整理した後は、作業をネットワーク図に配置し、それぞれの所要日数を書き込みます。

作業のつながりと日数を図にまとめることで、最早時刻や最遅時刻の計算を進めやすくなります。

日数の記入漏れや接続ミスがないか、この段階で確認しておくことが大切です。

最早・最遅・余裕時間の順に確認する

ネットワーク図が完成したら、まず最早開始時刻と最早完了時刻を求め、次に最遅開始時刻と最遅完了時刻を計算します。

余裕時間は最早時刻と最遅時刻が確定してから求めるため、この順番で確認することが大切です。

順序どおりに計算すれば、余裕時間やクリティカルパスを正しく判断できます。

まとめ

PERT(ネットワーク工程表)の基礎問題は、一つひとつの計算方法を覚えることよりも、決まった順番で解いていくことが大切です。

まずは問題文から作業の前後関係と所要日数を整理し、ネットワーク図を作成します。

その後、最早時刻、最遅時刻、余裕時間の順に確認していけば、クリティカルパスも自然に見つけられます。

途中で計算方法に迷ったときは、「最早計算は左から右」「最遅計算は右から左」という基本に戻ると整理しやすくなります。

また、クリティカルパスは作業数ではなく、作業日数の合計が最も大きい経路であることも押さえておきたいポイントです。

最初は複雑に感じるかもしれませんが、問題文の確認、ネットワーク図の作成、時刻の計算という流れを繰り返すうちに、少しずつ解き方のパターンが身についていきます。

焦らず順番に確認しながら、PERTの基礎問題に取り組んでみてください。

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