プロジェクトマネジメント

PMPとプロジェクトマネージャ試験はどっちを選ぶべき?

はじめに

PMPとプロジェクトマネージャ試験のどちらを受けるべきか迷っていませんか。

「転職や昇進で評価されやすいのはどっち?
」「IT業界で働いているならプロジェクトマネージャ試験のほうがいいの?」
「PMPは受験条件があると聞くけれど、自分でも受けられるの?」と悩む方は少なくありません。

どちらもプロジェクトマネジメントに関する知識や経験を示せる資格ですが、試験の目的や出題内容、評価されやすい場面には違いがあります。

この記事では、PMPとプロジェクトマネージャ試験の違い、難易度、勉強時間、受験条件、向いている人を順を追って説明していきます。

PMPとプロジェクトマネージャ試験の違いを比較

比較項目プロジェクトマネージャ試験PMP
資格の位置づけ日本の国家試験国際資格
主な評価される場面国内IT企業、SIer、情報システム部門、官公庁案件外資系企業、海外案件、グローバルプロジェクト、業界横断
試験内容知識問題・長文読解・論述選択式(状況判断問題)
受験資格制限なし実務経験・35時間以上の学習が必要
更新制度なし3年ごとに更新が必要
資格維持合格後の手続き不要3年間で60PDU取得・更新費用が必要
受験料7,500円PMI会員405米ドル、非会員555米ドル(目安)
受験方法・頻度2026年度からCBT方式(実施期間内に受験)Pearson VUEで日程を予約して受験
向いている人国内IT企業での評価を重視したい人、まず資格取得を目指したい人海外案件や外資系企業での評価を重視したい人、実務経験を活かしたい人

PMPとプロジェクトマネージャ試験は、どちらもプロジェクトを管理する力を示せる資格ですが、資格の位置づけ、試験で問われる内容、受験に必要な経験、取得後にかかる手間や費用には違いがあります。

名前だけを見ると似ていますが、実際には「日本国内のITプロジェクトで評価されやすい資格」と「海外や業界を問わず使いやすい国際資格」という違いがあります。

ここでは、国家資格と国際資格の違いから、試験内容、受験条件、更新制度、費用、受験できる回数まで、選ぶ前に確認しておきたいポイントを順番に整理します。

国家資格と国際資格の違い

PMPは、プロジェクトマネジメントの実務経験と35時間以上の学習を満たしたうえで申請する必要があります。

一方、プロジェクトマネージャ試験には受験資格がなく、年齢や学歴、実務経験に関係なく受験できます。

そのため、実務経験を活かして挑戦したい人はPMP、まずは試験対策から始めたい人はプロジェクトマネージャ試験を選びやすいでしょう。

試験内容・出題形式の違い

PMPは、プロジェクトで起こるさまざまな場面をもとに、最も適切な対応を選ぶ選択式の試験です。

一方、プロジェクトマネージャ試験は、知識問題に加えて長文読解や論述問題もあり、内容を理解して自分の考えを文章でまとめる力が求められます。

そのため、PMPは状況判断力、プロジェクトマネージャ試験は読解力や記述力も重視される点が大きな違いです。

受験条件・実務経験の違い

PMPは、一定期間のプロジェクトマネジメント実務経験と35時間以上の学習を満たしたうえで申請する必要があります。

一方、プロジェクトマネージャ試験には受験資格がなく、年齢や学歴、実務経験に関係なく申し込めます。

そのため、実務経験を活かして挑戦したい人はPMP、まずは資格取得を目指したい人はプロジェクトマネージャ試験を選びやすいでしょ

更新制度・維持費の違い

PMPは、資格取得後も3年ごとに更新が必要で、3年間で60PDUを取得し、更新手続きと費用の支払いを行います。

一方、プロジェクトマネージャ試験は、一度合格すれば更新手続きや維持費はかかりません。

そのため、資格取得後も継続的な管理が必要なのはPMPで、長く資格を維持しやすいのはプロジェクトマネージャ試験です。

費用・受験頻度の違い

PMPの受験料は、PMI会員405米ドル、非会員555米ドルが目安で、自分の都合に合わせて受験日を予約できます。

一方、プロジェクトマネージャ試験の受験手数料は7,500円で、2026年度からはCBT方式に移行予定です。

そのため、費用や受験方法に違いがあるため、自分の予算や受験しやすさに合わせて選ぶとよいでしょう。

PMPとプロジェクトマネージャ試験はどっちが難しい?

PMPとプロジェクトマネージャ試験は、どちらも簡単に合格できる試験ではありませんが、難しさの種類が異なります。

PMPは、実際のプロジェクト現場で起こる判断場面を想定し、状況に応じてどう動くべきかを選ぶ力が求められます。

ここでは、実務ベースの判断力、論述対策、勉強時間、未経験者の取りやすさという視点から、どちらの難易度が高いのかを整理します。

PMPは実務ベースの判断力が求められる

PMPでは、知識を覚えるだけでなく、プロジェクトの状況に応じて適切な対応を判断する力が求められます。

問題では、進捗遅れやリスク発生、変更依頼などの場面が示され、その状況で最も適切な対応を選ぶ形式です。

そのため、プロジェクトの流れやPMとしての考え方を理解し、実務をイメージしながら判断できることが大切になります。

プロジェクトマネージャ試験は論述対策が必要

プロジェクトマネージャ試験では、午後Ⅱで論述問題が出題されるため、知識を覚えるだけでなく、文章で説明する力も必要です。

設問に合わせて、プロジェクトの課題や対応、結果を順序立ててまとめることが求められます。

そのため、事前に自分の経験や書きやすい題材を整理し、論述の練習を重ねておくことが合格につながります。

勉強時間の目安を比較

PMPの勉強時間は100〜200時間前後、プロジェクトマネージャ試験は150〜300時間前後が一般的な目安です。

PMPは実務に沿った判断力を身につける学習が中心で、プロジェクトマネージャ試験は選択式に加えて論述対策も必要になります。

そのため、論述まで含めて幅広く準備するプロジェクトマネージャ試験のほうが、学習時間は長くなりやすい傾向があります。

未経験者はどちらが取りやすい?

未経験者が挑戦しやすいのは、受験資格がないプロジェクトマネージャ試験です。

年齢や学歴、実務経験に関係なく受験できるため、これからプロジェクトマネジメントを学びたい人でも目指せます。

一方、PMPは受験時に一定の実務経験が必要になるため、経験が少ない段階では受験条件を満たしにくい点に注意が必要です。

PMPが向いている人

PMPは、日本国内のIT資格として評価されるというより、プロジェクトマネジメントの経験や知識を業界を問わず示したい人に向いています。

特に、海外メンバーと進める案件、外資系企業への転職、社内での評価向上、IT以外の業界でのプロジェクト管理に活かしたい場合は、PMPを取得するメリットを感じやすいです。

ここでは、PMPが向いている人を、グローバル案件、実務経験の評価、業界をまたいだ活用という視点から整理します。

グローバル案件や外資系を目指したい人

グローバル案件や外資系企業を目指すなら、PMPが向いています。

PMPは国際的に認知されている資格のため、海外企業や海外メンバーとのプロジェクトでも、プロジェクトマネジメントの知識や実務経験を伝えやすいです。

そのため、海外案件に携わりたい人や、グローバルな環境でキャリアを広げたい人に選ばれています。

実務経験を活かして評価を上げたい人

PMPは、これまでのプロジェクトマネジメント経験を資格として証明したい人に向いています。

受験には実務経験が必要なため、実際に担当してきた管理業務を客観的に示しやすくなります。

そのため、昇進や転職、社内異動などで、これまでの経験を評価につなげたい人に適した資格です。

IT以外の業界でも活用したい人

PMPは、IT業界だけでなく、建設や製造、金融、医療など幅広い業界で活用しやすい資格です。

プロジェクトの計画や進捗管理、リスク対応など、業界を問わず役立つ考え方を学べるため、さまざまな分野で実務に活かしやすくなります。

そのため、業界を限定せずプロジェクトマネジメントに携わりたい人に向いています。

プロジェクトマネージャ試験が向いている人

プロジェクトマネージャ試験は、主に日本国内のIT企業や情報システム部門で評価されやすい資格です。

IPAの情報処理技術者試験として位置づけられているため、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、高度試験へと段階的に資格を取得してきた人にとっても選びやすい試験です。

ここでは、国内企業での評価、IPA資格との相性、論述試験への向き不向きという視点から、プロジェクトマネージャ試験が向いている人を整理します。

国内企業での評価を重視したい人

国内のIT企業やSIer、情報システム部門での評価を重視するなら、プロジェクトマネージャ試験が向いています。

国家試験として広く認知されているため、資格名だけでプロジェクトマネジメントに関する知識や実力を伝えやすいです。

そのため、国内企業での昇進や異動、転職を目指す人に適した資格といえます。

IPA資格を順番に取得したい人

IPA資格を段階的に取得したい人には、プロジェクトマネージャ試験が向いています。

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の次に目指しやすく、ITプロジェクトを管理する力を示しやすい資格です。

これまで積み上げてきたIT知識を活かしながら、国内のIT分野で評価を高めたい人に適しています。

論述試験が苦ではない人

プロジェクトマネージャ試験は、文章で考えや経験をまとめることが苦ではない人に向いています。

午後Ⅱでは、プロジェクトでの課題や対応を、設問に沿って分かりやすく論述する力が求められます。

そのため、自分の経験を整理しながら文章を書く練習を続けられる人は、試験対策を進めやすいでしょう。

PMPとプロジェクトマネージャ試験のどちらを選ぶべき?

PMPとプロジェクトマネージャ試験のどちらを選ぶべきかは、今の実務経験、目指したい業界、転職や昇進で評価されたい場所によって変わります。

プロジェクト経験がまだ少ない人、IT業界でキャリアアップしたい人、日本国内の企業で評価されたい人では、優先しやすい資格が異なります。

ここでは、実務経験の量、IT業界との相性、国内評価の重視度、迷ったときの判断、両方取得する意味という視点から、選び方を整理します。

実務経験が少ない場合

実務経験が少ない場合は、まずプロジェクトマネージャ試験を目指すほうが取り組みやすいでしょう。

受験資格がないため、経験が浅い段階でも挑戦しやすく、プロジェクトマネジメントの知識を体系的に身につけられます。

実務経験を積んでPMPの受験条件を満たしたタイミングで、次のステップとして挑戦するのもおすすめです。

IT業界でキャリアアップしたい場合

IT業界でキャリアアップを目指すなら、まずプロジェクトマネージャ試験を選ぶと評価につながりやすいです。

国内のIT企業やSIer、情報システム部門で認知度が高く、プロジェクトマネジメントの知識や実力を示しやすい資格です。

そのため、昇進や社内異動、転職を視野に入れている人にも適しています。

国内評価を重視する場合

国内での評価を重視するなら、プロジェクトマネージャ試験を選ぶほうが向いています。

国内のIT企業やSIer、情報システム部門で認知度が高く、プロジェクトマネジメントに関する知識や実力を伝えやすい資格です。

そのため、日本国内での昇進や社内異動、転職を目指す人に適しています。

迷ったらどちらを選ぶべき?

迷ったときは、まずPMPの受験条件を満たしているかを確認しましょう。

実務経験がまだ足りない場合は、受験資格がないプロジェクトマネージャ試験のほうが進めやすいです。

どちらも受けられるなら、国内IT企業で評価されたい人はプロジェクトマネージャ試験、海外案件や外資系を意識する人はPMPを選ぶと判断しやすくなります。

両方取得するのはあり?

両方取得するのは、十分にありです。

プロジェクトマネージャ試験は国内IT企業での評価に強く、PMPは海外案件や外資系企業で経験を伝えやすい資格です。

ただし、それぞれ対策内容や維持の負担が異なるため、同時に進めるよりも、まず1つ取得してから次の資格を目指すほうが無理なく進めやすいでしょう。

まとめ

PMPとプロジェクトマネージャ試験は、どちらもプロジェクトマネジメントの知識や経験を示せる資格ですが、評価されやすい場面や受験しやすさには違いがあります。

国内のIT企業やSIerでの評価を重視するなら、国家試験であるプロジェクトマネージャ試験が選びやすいでしょう。

一方で、外資系企業や海外案件、業界を問わず活かしたい場合は、国際資格であるPMPが向いています。

また、プロジェクトマネージャ試験には受験資格がないため、実務経験が少ない人でも挑戦しやすいです。

PMPは一定の実務経験や学習時間が必要になるため、経験を積んでから取得を目指す方法も現実的です。

大切なのは、「難しそうだから」「有名だから」という理由だけで選ぶのではなく、自分が目指す働き方やキャリアに合った資格を選ぶことです。

この記事を参考に、それぞれの特徴を比べながら、自分に合った資格選びにつなげてみてください。

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