目次
はじめに
「管理職1人で、部下は何人まで見るのが適切なの?」
「部下の人数が増えて、面談や進捗確認まで手が回らないけれど、今の体制に問題があるの?」と気になっていませんか。
複数の部下から相談を受けながら、自分の担当業務や会議、上司への報告もこなしていると、一人ひとりの状況を十分に把握できず、管理職の人数を増やすべきか迷うこともありますよね。
この記事では、管理職が直接管理できる人数を考える「スパン・オブ・コントロール」の意味や人数の目安、適正人数を決めるときの判断ポイントを解説します。
スパン・オブ・コントロールとは?
スパン・オブ・コントロールは、管理職1人が何人の部下を直接管理するのが適切かを考える際に使われる考え方です。
まずは、スパン・オブ・コントロールの意味と人数を考える目的を確認したうえで、適正人数が状況によって変わる理由を見ていきます。
スパン・オブ・コントロールの意味と管理できる人数を考える目的
スパン・オブ・コントロールとは、管理職1人が直接指示や進捗確認、相談対応などを行う部下の人数を示す考え方です。
管理する人数を考えることで、部下一人ひとりの状況を把握し、必要な指示や支援を無理なく続けられる範囲を判断しやすくなります。
管理職1人あたりの人数は状況によって変わる
管理職1人あたりの適正人数は、業務内容や部下の経験、管理職の役割によって変わります。
部下が自分で判断して仕事を進められる場合は担当人数を増やしやすい一方、指示や相談対応が頻繁に必要な場合は、一人にかかる時間が増えるため担当人数を抑える必要があります。
管理職1人あたりの適正人数の目安
管理職1人が担当する部下の人数を決める際は、一定の人数を目安として考える方法があります。
ここでは、管理職1人あたりの人数の一般的な目安を確認したうえで、人数だけでは判断できない管理のしやすさについて説明します。
一般的な目安は5〜10人程度とされる
管理職1人が直接管理する部下の人数は、一般的に5〜10人程度が一つの目安とされます。
この程度であれば、進捗確認や指示、相談対応などの時間を確保しやすくなります。
ただし、適正な人数は業務内容や部下の経験などによって変わるため、5〜10人はあくまで目安として考えましょう。
人数だけでなく管理のしやすさを考える必要がある
適正人数を考えるときは、部下の人数だけでなく、一人ひとりに必要な対応ができるかも確認することが大切です。
部下が自分で仕事を進められれば10人でも管理しやすい一方、指示や相談対応が頻繁に必要な場合は、5人程度でも管理職の負担が大きくなることがあります。
管理職1人あたりの人数が多すぎる場合・少なすぎる場合の問題
管理職が担当する部下の人数は、多すぎても少なすぎても組織運営に影響する可能性があります。
ここでは、部下が多すぎる場合と少なすぎる場合に分けて、それぞれ生じやすい問題を説明します。
部下が多すぎるとフォローや意思決定が遅れやすくなる
管理職が担当する部下が多すぎると、一人ひとりの進捗確認や相談対応に使える時間が少なくなります。
その結果、問題の把握や必要な判断が遅れ、確認や承認を待つ時間が増えるなど、業務の進行にも影響することがあります。
部下が少なすぎると管理コストが増える場合がある
管理職が担当する部下が少なすぎると、部下の人数に対して管理職が多くなり、人件費などの管理コストが増える場合があります。
また、管理職が増えることで報告や情報共有、承認の機会も多くなり、業務を進めるまでに時間がかかることもあります。
管理職1人あたりの適正人数が変わる判断基準
管理職1人あたりの適正人数は、一律に決めるのではなく、チームや業務の状況に合わせて判断する必要があります。
ここでは、適正人数を判断するときに確認したい4つの基準について説明します。
部下の経験やスキルによって管理できる人数は変わる
部下が業務を理解し、自分で判断して仕事を進められる場合は、管理職による指示や確認が少なくなるため、担当人数を増やしやすくなります。
一方、入社直後や経験の浅い部下が多い場合は、指示や相談対応に時間がかかるため、無理なく管理できる人数は少なくなります。
業務の複雑さや専門性によって必要な管理量は変わる
複数の工程や判断が必要な業務では、進捗や作業内容を確認する機会が増え、部下一人あたりに必要な管理時間も長くなります。
専門的な判断や確認を管理職が行う場合も対応に時間がかかるため、担当できる人数は少なくなる傾向があります。
管理職の担当範囲や役割によって適正人数は変わる
管理職が部下の管理に加えて、顧客対応や資料作成などの実務を担当している場合は、部下への対応に使える時間が限られます。
そのため、適正人数を考えるときは、進捗確認や面談、相談対応などにどの程度の時間を使えるのかを確認することが大切です。
チームの自律性やコミュニケーション頻度も影響する
部下同士で情報を共有し、自分たちで判断や調整ができるチームでは、管理職が個別に対応する機会が減るため、担当人数を増やしやすくなります。
一方、報告や相談が頻繁に必要な場合は対応時間が増えるため、勤務時間内に無理なく対応できる人数かを確認しましょう。
自社の管理職人数が適正か確認するポイント
自社の管理職人数が適正かを判断するときは、管理職1人あたりの部下の人数だけを見るのではなく、実際のマネジメントに支障が出ていないかを確認する必要があります。
ここでは、部下へのフォロー状況と判断・業務進行の遅れという2つの視点から確認するポイントを説明します。
管理職が部下へのフォローや相談対応を十分にできているか確認する
管理職が予定どおり進捗確認や面談を行い、相談にも必要な時間を確保できているかを確認します。
面談の延期や相談への回答の遅れが続いている場合は、担当人数に対して管理職の対応時間が不足している可能性があります。
判断や業務進行に遅れが発生していないか確認する
管理職の確認や承認を待つことで、部下の業務が止まっていないかも確認しましょう。
確認事項がたまり、当日中に判断できない状態が続いている場合は、担当人数や業務量が多すぎる可能性があります。
判断までにかかる時間や業務が止まる頻度を確認し、現在の人数で無理なく進められているか判断します。
管理職の適正人数を決めるときに注意すべきこと
管理職1人あたりの適正人数を決めるときは、一般的な人数の目安をそのまま自社に当てはめないことが大切です。
ここでは、人数目安の捉え方と管理体制を調整する際の考え方について説明します。
一般的な人数目安だけで判断しない
管理職1人あたり5〜10人程度という目安だけで、適正人数を決めないことが大切です。
同じ人数でも、指示や進捗確認、相談対応にかかる時間によって管理職の負担は変わります。
実際の対応時間や相談・承認の件数を確認し、勤務時間内に無理なく管理できる人数かを判断しましょう。
組織状況に合わせて管理体制を調整する
事業の拡大や人員配置の変更によって部下の人数や業務内容が変わった場合は、管理体制も見直す必要があります。
相談対応が増えたり、承認や判断の遅れが続いたりする場合は、担当する部下を分けるなど、状況に合わせて人数配置を調整しましょう。
まとめ
管理職1人あたりの適正人数は、5〜10人程度が一つの目安ですが、部下の経験や業務内容、管理職の役割などによって変わります。
そのため、人数だけを見るのではなく、必要なフォローや相談対応を無理なく行えているかを確認することが大切です。
面談や承認が遅れる状態が続いている場合は、管理職の負担が大きくなっている可能性があります。
一度決めた人数にこだわらず、チームの状況や業務量の変化に合わせて担当人数を見直し、管理職と部下の双方が仕事を進めやすい体制を整えていきましょう。