目次
個人で受けられるプロジェクトマネジメント研修の全体像
プロジェクトマネジメント研修は、個人でも気軽に受講できる研修が増えてきました。主な受講方法は大きく分けて三つあります。まず一つ目は、公開講座です。これは決められた日時に開催されるもので、教室に通う「通学型」やオンラインで講師の話をリアルタイムで聞ける「オンラインライブ型」の二つに分かれます。二つ目はeラーニングです。好きな時間に自分のペースで学習できるオンデマンド形式で、忙しい方でも利用しやすいのが特長です。三つ目は、少人数のワークショップ形式で開かれる応用やケーススタディ重視の講座です。グループディスカッションやロールプレイなど、実践的な学びが得られます。
また、学習レベルにも段階があります。基礎レベルは、プロジェクトマネジメントの全体像を理解したい方や、初めてPM(プロジェクトマネージャー)を任された方向けです。応用レベルは、すでに現場で活躍しているPL(プロジェクトリーダー)やPMが日々の悩みを解決するための内容が中心となります。そしてITや開発手法に特化した講座では、ウォーターフォール型やアジャイル型など、具体的なプロジェクトの進め方を学ぶことができます。
このような研修の対象となるのは、主にプロジェクト運営を任されたばかりの方、PL・管理職、ITエンジニアなどです。最近はオンライン対応の講座も多く、自宅や職場からでも学びやすくなっています。
次の章では、「基礎を短期で身につける:公開講座」について詳しくご紹介します。
基礎を短期で身につける:公開講座(インソースの例)
公開講座の特徴と目的
プロジェクトマネジメントを初めて学ぶ方や、これからプロジェクトの運営を任される方にとって、基礎をしっかり・短期間で身につけたいというニーズは非常に多いです。インソースが提供する公開講座では、こうした方々を対象に、プロジェクトの全体像と必要な手順をワークを交えながら、1日で凝縮して学べるプログラムです。「どこから手をつけていいか分からない」という不安を解消し、現場ですぐ使える具体的な知識を身につけられるよう設計されています。
カリキュラムの具体的な内容
カリキュラムは、大きく4つのステップに分かれています。
- プロジェクト定義: どんな問題を解決したいのか、目的は何かを明確にします。例えば「新商品発売プロジェクト」であれば、発売日までに何を達成すればいいのか、関係者は誰か、などを明らかにします。
- 計画(スケジュール・リスク・コスト): 実際にプロジェクトを進めるための道筋を描きます。いつまでに何をするか、予算や期限、発生しそうなトラブルを事前に洗い出し、対策を考えます。例として、新商品の製造スケジュールや予想される材料不足への事前準備があります。
- 実施(進捗・ステークホルダーコミュニケーション): 計画通りに進んでいるかを確認する方法や、関係者との連絡・調整のコツを実習します。進捗報告の仕方や意見が分かれた時のまとめ方など、すぐに現場で役立つ内容です。
- 終結(PDCAと評価): プロジェクト終了後の振り返りや、良かった点・改善点を整理して、次に活かす方法を学びます。たとえば、「無事発売できたが、追加コストが発生した要因を検証する」など具体的なケースを取り上げます。
受講形式と学習のしやすさ
インソースの公開講座は、講義形式に加えて、参加者同士で考えをシェアするグループワークが中心です。オンライン参加でもライブでグループディスカッションができるため、実務に近い形で練習できます。「理論だけでなく実際を体験しながら覚えたい」「他の人の意見も聞いてみたい」といった要望にも応えられる内容です。
受講後の効果
1日でプロジェクトマネジメントの基本的な流れを全て抑え、翌日から職場で使える基礎が身につきます。「現場にどう適用するか」という視点で学ぶため、座学で終わらせず、実践的な感覚を持ち帰ることができます。
次の章に記載するタイトル:応用で“現場の悩み”に効かせる:現役PM/PL向け研修(SmileWayの例)
応用で“現場の悩み”に効かせる:現役PM/PL向け研修(SmileWayの例)
現場の悩みに寄り添う応用研修とは
プロジェクトマネジメントの基礎知識を身につけた方の多くが、次に直面するのは「理論通りには進まない現場の課題」です。SmileWayの現役PM/PL向け研修は、実際の現場で起きやすいトラブルや、調整の難しさといった“生の悩み”をテーマに設計されています。
課題解決力を実践で鍛える
応用研修は、典型的な課題例(スケジュール遅延、関係者の意見対立など)をもとに、どのように解決策を見つけ、実際に行動できるかを重視します。たとえば、受講者同士で課題シナリオに取り組み、グループディスカッションを通じて多角的な対応策を考えるワークも含まれています。
利害調整・交渉のスキルアップ
現場では、関係者の思惑が食い違い、調整が難航しがちです。この研修では、具体的な交渉ロールプレイや意見の合意形成に挑戦する時間も充実。実際の調整・説得の流れを擬似体験し、納得感のある進め方を身につけます。
失敗事例からの学び
また、“プロジェクトの失敗”事例から「なぜうまくいかなかったのか」「次はどうするか」を分析し、現場で役立つ再発防止策を具体的に考えます。理論と現実のギャップを埋める力が養えるのがSmileWay応用研修の大きな特長です。
次の章に記載するタイトル:ITプロジェクトに特化して学ぶ:ウォーターフォール/アジャイル編(リカレントの例)
ITプロジェクトに特化して学ぶ:ウォーターフォール/アジャイル編(リカレントの例)
ITプロジェクトの管理は、一般的なマネジメントとは異なるノウハウや手法が必要とされます。特に個人で学ぶ際には「実践でどう活かすか」が大きな壁となることも多いです。リカレントが提供するITプロジェクトマネジメントの研修は、その壁を乗り越える手助けになります。
ITプロジェクトマネジメントの体系的な知識
リカレントの研修では、ITプロジェクトにおける基本的な進め方や全体像について体系的に学べます。たとえば「要件定義から開発・テスト・納品までの一連の流れ」や「品質を維持し納期を守るためのポイント」など、教科書に出てくるような知識だけでなく、現場でありがちな課題もカバーしています。
2つの主要な進行方法:ウォーターフォールとアジャイル
ウォーターフォール方式は、工程を基本的に順番どおりに進める方法です。たとえば『最初に計画を立て、その後で設計・開発・テストと進みます』。こうした順序に従うことで、大型プロジェクトでも全体の進捗把握がしやすくなります。一方、アジャイル方式は短いサイクルで小さな成果を繰り返し出していく手法です。利用者の声をすぐに反映したい時や、状況が変わりやすいプロジェクトに向いています。
ワークやケーススタディで「実際の現場」を疑似体験
どちらの方式も、単なる知識だけでなくワークやケーススタディが組み込まれているのが特徴です。グループでスケジュールを立てたり、よくあるトラブル対応をシミュレーションしたりと、実際に体を動かしながら考えることで理解度が深まります。「普段、自分一人では経験できないこと」を研修で体験することで、現場に出たときの対応力が身につきやすくなります。
柔軟な受講時間と近縁コース
また、ウォーターフォール版・アジャイル版ともに1日(7時間)が基本となっていますが、都合に合わせて受講時間の調整も可能です。さらに、立ち上げ~終結までプロジェクトの全工程を短期間で一気に体験できる集中型のコースもあるので、自分の課題や目的に合わせて選びやすいです。
次の章では、自分のペースで学びたい方に向けて、eラーニングやPDU取得についてご紹介します。
自分のペースで学べる:eラーニングとPDU取得(LDCUBEの例)
LDCUBEは、パソコンやスマートフォンから受講できるeラーニング型プロジェクトマネジメント研修を提供しています。自宅や通勤時間など、都合の良いタイミングで進められるのが最大の特長です。
初心者向け基礎コースの内容
初めてプロジェクトマネジメントを学ぶ方には、標準コースが用意されています。ここでは、プロジェクトの定義を明確にする方法から始め、ゴール達成までの流れを段階的に学びます。例えば、マイルストーンの設定や細かな作業に分割するWBSマトリックスの使い方、経営資源(人・時間・お金など)の確保と配分の考え方を、動画やワークシートを通じて習得できます。進行管理のスキルについてもポイントを絞って説明しているため、未経験でも安心です。
PMP資格保持者向けのPDU取得
PMP資格をすでに持っている方にとって重要なのが、資格を維持するためのPDU(継続学習単位)取得です。LDCUBEでは実践的なスキルをテーマにした応用コースが多く用意されています。例えば「問題解決」「交渉・コンフリクトの扱い方」「心理的安全性を高めるコミュニケーション」など、現場で役立つ知識・ノウハウを深く学ぶことができます。PDU取得対象のコースなので、計画的に単位を積み重ねやすい点も魅力です。
自分に合ったスタイルで続けやすい
eラーニングなら復習や見直しも簡単です。自分専用の学習スケジュールが組めるので、仕事や家庭の都合を気にせず進められます。「スキマ時間に一日20分だけ」「週末にまとめて学習」など、生活リズムに合わせて無理なく取り組めます。
次の章に記載するタイトル:比較観点:個人受講で失敗しない選び方
比較観点:個人受講で失敗しない選び方
自分に合った学び方を選ぶ
プロジェクトマネジメントの研修を個人で選ぶときには、まず「自分に合った学び方」が何かを考えることが大切です。たとえば、決まった日時に参加できる方や、講師とのやりとり・仲間とのディスカッションを重視したい方には、リアルタイムで行う公開講座やグループワーク型の研修が適しています。逆に、忙しくて決まった時間の確保が難しい方や、すき間時間に繰り返し学びたい方には、eラーニング形式のコースが便利です。
習得したい内容から選択する
プロジェクトマネジメントには基礎から応用、さらにはITなど特定分野に特化した内容まで、幅広いコースがあります。初めて学ぶ場合は基礎講座からスタートしましょう。すでに経験がある方や、現場で困っている具体的な課題がある方は、応用や専門的な分野にフォーカスしたコースが役立ちます。たとえば、IT開発ではウォーターフォール型やアジャイル型の研修など、実際の業務に近い内容を選ぶと、学んだことをすぐ活かしやすくなります。
実践的な内容かどうかを確認する
コース内容には「ケーススタディ(事例研究)」「ロールプレイ(模擬体験)」「失敗事例の振り返り」など、実務に直結する演習が盛り込まれているものがおすすめです。具体的な流れや体験談から自分に合った対応法を学べるので、現場ですぐ使える知識が得られます。
資格更新や証明に活かせるか
PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)資格をお持ちの方は、更新に必要な「PDU(プロフェッショナル開発単位)」が取得できるかどうかを確認しましょう。eラーニングにはPDU付与対象のコースも多く、自分の都合に合わせて効率よく単位取得が可能です。
まとめ
個人受講のプロジェクトマネジメント研修は、学びたい内容・自分の生活リズム・実務ニーズ・資格の要件など、複数の観点から比較すると失敗が少なくなります。
次の章に記載するタイトル:代表的な講座・情報源(個人が検討しやすいもの)
代表的な講座・情報源(個人が検討しやすいもの)
個人で受講できる代表的なプロジェクトマネジメント講座
プロジェクトマネジメントを学びたいと考える個人の方が、利用しやすい代表的な講座や情報源をご紹介します。
1. インソース公開講座「プロジェクトマネジメント基礎研修」
インソースの基礎研修では、初めてPM業務に携わる方から、業務企画や課題解決を目指す方まで、幅広い層に対応しています。講座はワークが中心の構成です。例えば、グループでの課題解決演習やシナリオを使ったケーススタディがあり、理解を深めやすい設計となっています。また、オンラインで双方向にやり取りできる形式も選択できるため、場所を問わず参加できます。
2. SmileWay「応用研修」
SmileWayの応用研修は、既にプロジェクトリーダーやマネージャーとして経験を積んだ方におすすめです。具体的には、現場ならではの課題にフォーカスし、学んだ知識を実務に落とし込むワークが豊富です。「納期遅延の原因分析」や「リスクの洗い出し」など、現役PMが直面しやすいテーマを扱っています。
3. リカレント「ITプロマネ研修」
リカレントが提供するITプロマネ研修は、IT分野に特化しています。体系的な知識に加えて、多くのケーススタディや失敗事例の共有も特徴です。ウォーターフォール方式・アジャイル方式それぞれ約7時間ずつのカリキュラムで、具体的な実務イメージを掴みやすくなっています。
4. リカレント「短期集中研修」
こちらはプロジェクトの立ち上げから終結まで、全体の流れを短期間で習得したい方向けです。特にPDCA(計画・実行・確認・改善)サイクルの実践的な使い方が学べます。各フェーズの重要ポイントを押さえつつ、演習も取り入れています。
5. LDCUBEのeラーニング
LDCUBEのeラーニングは、初めて学ぶ方におすすめの標準コースや、プロジェクトマネジメントの知識維持のためのPDU取得用コースなど複数用意されています。好きな時間・場所で学べるため、忙しい方にもピッタリです。
6. 比較記事やレビューサイト
20社以上の実践重視型PM研修会社を比較した記事もネット上にあります。自分に合った研修を探す際には、受講者の感想やカリキュラム比較が役立ちます。これらも参考にすると、各講座の強みや自分との相性を見つけやすくなります。
次の章では、「よくある疑問と実務的ヒント」についてご紹介します。
よくある疑問と実務的ヒント
オンライン講座でもグループワークはできるの?
最近はオンライン講座でもZoomなどのツールを活用して、実際に他の受講者とディスカッションやグループワークが可能です。対面と同じような体験ができるか不安な方もいらっしゃいますが、講師がファシリテートし、ブレイクアウトルームを活用することで、活発な意見交換や実践的な練習ができます。オンラインで受講しつつ「生」のコミュニケーション力も身につけられるのは大きなメリットです。
初めてプロジェクトマネジメントを学ぶ場合、どのくらいで基礎を理解できる?
基礎講座の多くは1日程度の短期間カリキュラムで、プロジェクトマネジメントの全体像をつかむ内容になっています。専門用語は最小限で、実例や分かりやすいフレームワークを多く盛り込んでいるため、未経験の方でも心配せず受講できます。受講後すぐに基本的な進め方や考え方がイメージしやすくなります。
学んだ内容をすぐに現場で活かせる?
講座のカリキュラムには、座学だけでなくケースワークや失敗事例を用いたグループワーク、ロールプレイなど、現場で役立つ工夫が豊富です。例えば、自分の職場でよくある課題を題材にしてミニケースを作り、実際に解決策を考えるといった内容もあります。これにより「知識で終わらせない」ための仕組みが組み込まれていますので、受講直後から実務に応用しやすくなります。
学習を続けるこつやモチベーション維持のアイデアは?
短期集中で学びきるのが難しい方には、eラーニングの活用やSNSによる情報収集、学んだことを実際の仕事の中で少しずつ試すことがおすすめです。他の受講者と情報交換をしたり、月1回でも振り返りの機会を設けたりすることで、継続的な成長を目指せます。
次の章に記載するタイトル:サンプル学習プラン(個人向け)
サンプル学習プラン(個人向け)
ステップ1:週末に基礎を短期修得
まず、プロジェクトマネジメントの全体像を効率よくつかむため、週末を活用して基礎公開講座に参加します。たとえば、インソースのように1日でプロジェクトの流れや基本用語、役割のポイントを分かりやすくまとめてくれる講座がおすすめです。これにより、なぜプロジェクト管理が必要なのか、どのような局面で活きるのかを短時間でイメージできます。
ステップ2:実務と並行しながら応用力を強化
基礎知識を得たら、すぐに現場での作業や失敗と結びつけてみましょう。もしIT関連の現場に関わっている場合は、リカレントのITプロジェクトマネジメント研修(ウォーターフォール/アジャイル編)を受講し、7時間程度で実践的な進行管理や多様な開発手法を体験的に学びます。現場特有の悩みや困りごとも、応用型の研修で「よくあるケース」として扱ってくれるため、すぐ役立てやすいです。
ステップ3:月1本のeラーニングで継続的にスキルアップ
忙しい日常の中でも習慣化して学び続けるには、eラーニングの活用が効果的です。LDCUBEのPDU対応eラーニングコースなどを、月に1本のペースで計画的に受講することで、特定分野の知識補強や新しいプロジェクト手法のキャッチアップが可能です。資格の有無に関係なく、広く実務的な知見を積み上げていけます。「新しい仮説を試したい」「プロジェクト推進の流れを自信をもって説明したい」という方にもぴったりです。
まとめてみた学習例
- 1週目:基礎講座(対面 or オンライン)
- 2~3週目:IT特化研修(現場での適用イメージと併用)
- 4週目以降:eラーニング(月1本、年間通じて習慣化)
ご自身のスケジュールや目的に合わせて、組み合わせてみてください。
次の章に記載するタイトル:申込・比較時のチェックリスト
申込・比較時のチェックリスト
プロジェクトマネジメント研修を個人で申し込む際や複数の講座を比較する際は、いくつかの重要なポイントを押さえましょう。以下のチェックリストを参考に、ご自身の状況に最適な研修を見極めてください。
1. 対象レベル・ゴール設定の確認
講座ごとに対象者や到達目標が異なります。自分の現在のスキル、抱えている課題に合っているかを確認しましょう。
- 例:未経験者向けか、現役プロジェクトリーダー向けか。
- 例:管理全般の基礎か、IT分野に特化した実践か。
2. 内容の実務近接性
演習(ワークショップ)の比率や、教材・設問が日常業務のシチュエーションに沿っているか確認します。現場に即したケーススタディや、実際の失敗事例を扱う研修は、実務で役立ちやすいです。
3. 受講形式・サポート体制の比較
学びやすさ、継続しやすさも大切です。
- ライブ型(講師と双方向)か、録画中心か
- 質問対応や個別相談の有無
- PDU(継続学習ポイント)取得の可否
4. 時間・負荷と仕事との両立
研修日数や1回あたりの時間が生活・業務リズムに無理なく収まるか、事前にしっかり確認しましょう。
5. 受講後のフォローアップ
講座によっては以下のような受講後サポートも充実しています。
- 資料や録画の提供
- 振り返りの場や質問会
- 受講者同士のコミュニティ
- 追加講座や短期セッション
●最終的には上記項目の優先順位や、実現したいゴールに合わせて検討することをおすすめします。納得のいく講座選びにつなげてください。