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プロジェクトマネジメント業務委託契約書の作成ポイントと注意点徹底解説
プロジェクトマネジメント業務委託契約書の役割
プロジェクトマネジメント業務委託契約書は、発注者と受注者の間で約束事を明確にし、プロジェクトの成功を支える大切な書類です。たとえば、「どこまでを誰が担当するのか」「いつまでに何を作るのか」など、プロジェクトを進めるうえでよく起こる誤解やトラブルを未然に防ぐ役割を持っています。契約書がない場合や内容があいまいな場合、お互いの認識ずれが原因で『こんなはずじゃなかった』という問題が生じやすくなります。
契約書に盛り込むべき主な項目
プロジェクトマネジメント業務委託契約書で特に大切なポイントを、具体的に整理します。
- プロジェクトの目的と範囲: たとえば「新しいECサイトの構築を目指す」「既存システムの運営サポートを委託する」といった目的と、どこまでを仕事の対象とするかを具体的に示します。
- 業務内容の記載: ただ "システムの設計" と書くだけでなく、「設計書の作成」「進捗報告書の提出」「月1回の打合せ出席」など、できるだけ細かく業務内容を明記します。
- 成果物と納品のスケジュール: 例として「成果物はウェブサイトの完成版と操作マニュアルとする。納品日は2024年12月15日まで。納品後2週間以内に検査を行う」といった形で、成果物のイメージや納期を具体的に書きます。
- 責任と権限の明確化: 発注者・受注者のそれぞれの役割や担当範囲、誰が責任者になるのかも明らかにしておきましょう。
- 報酬と支払い条件: 「契約金額は200万円。納品完了後30日以内に銀行振込」など、支払い時期・方法や経費負担の有無も記載します。
- 機密保持や知的財産権: 「業務で知り得た秘密情報は漏らさない」「成果物の著作権は発注側に帰属」など、情報漏洩や権利関係のトラブル防止策を盛り込みます。
- 契約期間と終了条件: 始まりと終わりの時期や、途中で契約終了する場合の取り決め、損害が発生した場合の責任範囲などを記載します。
- その他特記事項: たとえば外部委託の許可・禁止、反社会的勢力との関係除外、裁判時の管轄裁判所の指定などを加えると、さらに安心です。
IT・システム開発業務の場合の工夫点
これらに加えて、特にITやシステム開発分野ではさらに注意が必要です。
- 要件定義や設計内容の合意: 「どういう機能が必要か?」「どこまで完成すれば納品なのか?」を、要件定義書という形で書面化し、双方が合意したことを確認しましょう。
- 変更管理手続き: プロジェクト途中で「やっぱり仕様を変えたい」となることも多いため、その場合の手順や追加費用の決め方をルール化しておきます。
- 成果物検収と不具合対応: 納品後に不具合があった場合の修正期間や責任範囲も取り決めておきましょう。
トラブルを防ぐための工夫
- 業務内容・成果物・納期などは、できる限り具体的に記載します。たとえば「売上が上がるシステムを作る」ではなく、「月末までに売上集計機能を追加する」などです。
- 報酬や支払いのルールもわかりやすく記載し、曖昧さを残しません。
- 契約終了や損害賠償の条件も明確にし、お互いが納得できる内容に仕上げましょう。
- 最後に、契約書を自作した場合も専門家のチェックを受けることをおすすめします。
このように、プロジェクトマネジメント業務委託契約書を作成する際は、具体的でわかりやすい内容にすることが基本です。次は「実際に契約作成を進める際の具体的なステップやコツ」について解説します。