リーダーシップとマネジメントスキル

組織改革とは?進め方と成功させるポイントをわかりやすく解説

目次

はじめに

「組織改革とは、具体的に何を変えればいいの?」
「社内の課題は見えているものの、どこから手をつければいい?」と迷っていませんか。

業務の進め方が部署ごとに異なっていたり、新しい方針を示しても現場に浸透しなかったりすると、組織を変える必要性を感じても具体的な進め方が分からず、計画を立てにくいことがあります。

この記事では、組織改革の意味や必要になるケース、具体的な進め方、改革を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。

組織改革とは?

組織改革とは、企業が抱える課題を解決したり、経営環境の変化に対応したりするために、組織のあり方を見直す取り組みです。

組織改革が具体的にどのような取り組みを指すのかを確認していきましょう。

組織改革は組織の仕組みや働き方を見直す取り組み

組織改革は、部署構成や人員配置、業務の進め方、役割分担などを見直し、必要に応じて変更する取り組みです。

たとえば、担当業務が重複している場合は役割を整理し、意思決定に時間がかかる場合は承認手順や権限の範囲を見直します。

組織が抱える問題を確認し、その原因となる仕組みや働き方を改善することで、課題の解決につなげていきます。

組織改革が必要になるタイミング

組織改革は、現在の組織体制や仕事の進め方では、事業を円滑に進めることが難しくなったときに検討されます。

ここでは、組織改革を検討する主なタイミングを説明します。

業績が低迷して組織の課題が表面化しているとき

売上や利益の低下が続き、業務の重複や意思決定の遅れ、部署間の連携不足などが見られる場合は、組織改革を検討するタイミングです。

どの部署や業務に問題があるのかを確認し、業績低迷との関係を整理します。

組織体制や仕事の進め方に原因がある場合は、役割分担や業務手順、意思決定の流れを見直していきます。

事業戦略や経営目標が変わったとき

事業戦略や経営目標が変わると、これまでの組織体制では必要な業務を進めにくくなることがあります。

新しい戦略に必要な部署や役割、担当者などを確認し、現在の体制との違いを整理します。

対応できない業務や役割がある場合は、組織体制や役割分担を見直すタイミングです。

組織の拡大や人員増加で従来の仕組みが合わなくなったとき

従業員や部署が増えると、少人数のときに使っていた役割分担や承認手順では、業務を進めにくくなることがあります。

担当者が分かりにくくなったり、確認や承認に時間がかかったりしている場合は、現在の仕組みが組織規模に合っているか確認します。

問題が見られる場合は、部署ごとの役割や担当範囲、承認経路を整理し直すことが大切です。

市場や働き方など外部環境が大きく変化したとき

顧客ニーズや競争環境、働き方などが変化すると、これまでの組織体制や業務手順では対応しにくくなることがあります。

外部環境の変化によって、業務や意思決定のどこに支障が出ているのかを確認します。

従来の仕組みでは対応が難しい場合は、業務の進め方や役割分担、意思決定の方法を見直すタイミングです。

組織改革では何を変えるのか

組織改革では、企業が抱える課題に応じて、組織のさまざまな部分を見直します。

ここでは、組織改革で見直す主な対象を説明します。

組織体制や役割分担を見直す

組織改革では、部署ごとの担当範囲や従業員の役割を確認し、業務の重複や担当者が曖昧な仕事を整理します。

部署の統合や人員配置を変更する場合は、誰がどの業務を担当し、どこまで責任を持つのかを決めます。

役割と責任を明確にすることで、業務の重複や抜けを防ぎやすくなります。

業務プロセスや意思決定の流れを見直す

業務の開始から完了までの流れを確認し、不要な作業や重複している確認を整理します。

意思決定についても、誰が判断し、誰が承認するのかを明確にし、必要以上に多い承認段階を見直します。

業務手順や承認経路を整理することで、作業や意思決定をスムーズに進めやすくなります。

人事制度や評価制度を見直す

組織改革では、従業員の配置や昇進、評価、報酬などに関わる制度を見直すこともあります。

現在の評価項目や基準が、従業員に求める役割や成果と合っているかを確認し、必要に応じて評価する行動や成果、昇進の条件などを調整します。

何を達成すれば評価されるのかを明確にすることで、従業員も目標を意識して働きやすくなります。

組織風土や従業員の意識を変える

新しい組織体制や制度を導入しても、従来の仕事の進め方が続いていれば、改革後の仕組みは十分に定着しません。

そのため、従業員に求める行動を明確にし、日々の業務のなかで実践できているかを確認します。

新しい考え方や行動を少しずつ浸透させることで、改革後の仕組みを組織に定着させていきます。

組織改革の進め方

組織改革を進めるときは、いきなり制度や組織体制を変更するのではなく、現在の課題を整理することから始めます。

実施後は効果を確認し、必要な改善を重ねながら新しい仕組みを定着させていきます。

現状を分析して組織の課題を特定する

組織改革では、まず部署ごとの業務内容や役割分担、意思決定の流れ、人員配置などを確認します。

そのうえで、業務の重複や担当者が曖昧な仕事、承認に時間がかかっている工程など、問題が生じている箇所と原因を整理します。

原因まで把握することで、改革で見直すべき対象を明確にできます。

目指す組織像と改革の目標を決める

課題を特定したら、改革によってどのような組織を目指すのかを決めます。

部署ごとの役割や意思決定の方法など、改革後の状態を具体的にしたうえで、達成すべき目標を設定します。

現在と目指す状態の差を整理することで、何をどこまで変える必要があるのかが見えやすくなります。

優先順位をつけて具体的な施策を策定する

改革の目標を決めたら、課題を重要度や緊急度によって整理し、取り組む順番を決めます。

優先する課題に合わせて、組織体制や役割分担、業務手順などの具体的な施策を検討します。

施策ごとに担当者と期限も決めておくことで、実行に移しやすくなります。

経営層・管理職・現場で目的を共有して実行する

施策を実行する前に、経営層から管理職や現場の従業員へ、改革の目的や変更内容を共有します。

管理職は担当部署で何が変わるのかを具体的に説明し、従業員が自分の役割や仕事の進め方を理解できるようにします。

そのうえで、各部署が決められた役割や手順に沿って施策を実行していきます。

効果を測定して改善しながら定着させる

施策を実行した後は、事前に設定した目標と結果を比較し、改革の効果を確認します。

目標に達していない場合は、問題が残っている業務や仕組みを確認し、施策の内容や進め方を見直します。

効果の確認と改善を続けながら、新しい業務手順や役割分担を日常の業務に定着させていきます。

組織改革に活用できる代表的なフレームワーク

組織改革を進める際は、組織の現状を整理したり、変革の手順を考えたりするためにフレームワークを活用できます。

ここでは、それぞれの特徴を説明します。

マッキンゼーの7S

マッキンゼーの7Sは、組織を「戦略・組織構造・システム・共通の価値観・スキル・人材・スタイル」の7つの要素から整理するフレームワークです。

組織改革では、それぞれの現状と目指す状態を比較し、どこに差があるのかを確認します。

7つの要素のつながりも踏まえて考えることで、組織のどこを見直すべきか整理しやすくなります。

レヴィンの変革モデル

レヴィンの変革モデルは、組織の変革を「解凍・変革・再凍結」の3段階で進める考え方です。

解凍では変える必要性を共有し、変革では新しい制度や業務手順を取り入れます。

再凍結では、新しい仕事の進め方を日常業務に取り入れ、組織に定着させていきます。

コッターの8段階プロセス

コッターの8段階プロセスは、組織変革を8つの段階に分けて進めるフレームワークです。

危機意識の醸成から推進チームの結成、ビジョンの策定・共有、行動の促進、短期的な成果の実現を経て、新しい方法の定着へと進みます。

変革の流れを段階ごとに整理できるため、組織全体で順序立てて取り組みやすくなります。

組織改革が失敗する主な原因

組織改革は、制度や組織体制を変更するだけでは十分な成果につながらない場合があります。

ここでは、組織改革が失敗する主な原因を説明します。

改革の目的や目指す姿が曖昧になっている

組織改革の目的や改革後の姿が曖昧なままでは、何を基準に制度や業務を変更するのか判断しにくくなります。

部署ごとに異なる判断で施策を進めると、変更内容にもばらつきが生じます。

まずは改革で解決したい課題と、最終的に目指す組織の状態を具体的に決めることが大切です。

経営層だけで進めて現場との認識にズレが生じる

経営層だけで改革を進めると、現場が目的や変更する理由を十分に理解できないことがあります。

そのままでは従来の業務手順や役割分担が残り、新しい仕組みへの切り替えが進みません。

改革の目的や変更内容を現場にも伝え、経営層と従業員の認識をそろえることが大切です。

制度や組織体制を変更しただけで終わってしまう

新しい制度の導入や部署の再編を行っても、実際の業務や従業員の行動が変わらなければ、組織改革は十分に進みません。

変更後に誰がどの業務を担当し、どのような手順で進めるのかまで具体的に決める必要があります。

制度や体制を変えるだけで終わらせず、日々の業務に定着させるところまで取り組むことが大切です。

短期的な成果だけで改革の成否を判断する

組織改革では、制度や業務手順を変更してから、新しい方法が現場に定着するまで時間がかかることがあります。

実施直後の売上や利益だけで判断すると、必要な施策まで途中で中止してしまう可能性があります。

短期的な結果だけを見るのではなく、設定した目標に対する変化を継続して確認することが大切です。

組織改革を成功させて定着させるポイント

組織改革を成功させるには、新しい制度や仕組みを導入するだけでなく、現場で継続して実行できる状態をつくることが重要です。

ここでは、組織改革を成功させ、新しい仕組みや行動を定着させるためのポイントを説明します。

経営層が改革の目的と方針を明確に示す

経営層は、組織改革によって何を解決し、どのような組織を目指すのかを具体的に示します。

あわせて、組織体制や制度、業務の進め方をどのように見直すのか、基本的な方針を明確にします。

目的と方針を一貫して示すことで、管理職や従業員も同じ方向を向いて改革を進めやすくなります。

管理職を巻き込んで現場まで改革の目的を浸透させる

管理職には、改革の目的や方針を共有し、担当部署で何を変えるのかを具体的に伝えてもらいます。

現場の従業員にも変更する業務や役割を伝え、自分が何を変える必要があるのかを理解できるようにします。

経営層から管理職、現場へと同じ方向性を共有することで、認識のズレを防ぎやすくなります。

優先順位を決めて段階的に改革を進める

複数の課題がある場合は、すべてを一度に変えるのではなく、重要度や緊急度をもとに取り組む順番を決めます。

優先度の高い課題から施策を実行し、その結果を確認しながら次の施策へ進みます。

段階を分けることで、現場への負担を抑えながら着実に改革を進めやすくなります。

効果を継続的に確認して改善を繰り返す

施策を実行した後は、設定した目標と実際の結果を定期的に比較し、改革の効果を確認します。

目標に達していない場合は、問題が残っている業務や仕組みを確認し、施策の内容や進め方を見直します。

こうした確認と改善を繰り返すことで、組織の状況に合った形へ調整していくことが大切です。

新しい仕組みや行動を組織に定着させる

新しい制度や業務手順を導入した後は、従業員が決められた方法で業務を続けられているかを確認します。

従来の方法に戻っている場合は、新しい手順や求める行動を改めて共有し、実践しやすい形に整えます。

新しい仕組みや行動が特別な対応ではなく、日常の業務として続く状態まで定着させることが大切です。

まとめ

組織改革とは、企業が抱える課題の解決や経営環境の変化への対応に向けて、組織体制や役割分担、業務プロセス、制度などを見直す取り組みです。

改革を進める際は、現状の課題を特定し、目指す組織像と目標を決めたうえで、優先順位に沿って具体的な施策を実行します。

また、制度や組織体制を変更するだけでなく、経営層から管理職、現場まで改革の目的と方針を共有することが重要です。

実施後も効果を継続的に確認して改善を重ね、新しい仕組みや行動が日常業務として継続される状態まで定着させましょう。

-リーダーシップとマネジメントスキル
-