目次
はじめに
「相手に嫌な印象を与えずに、自分の意見や要望を伝えるにはどうすればいいの?」
「アサーティブコミュニケーションを学んでも、実際の会話でうまく使えるか不安」と感じていませんか。
職場で仕事を頼まれたときに断れなかったり、相手と意見が違っても言いたいことを飲み込んでしまったりすると、どのように伝えればよいのか迷うことがあります。
この記事では、アサーティブコミュニケーションの基本から具体的なトレーニング方法、例文を使った実践方法まで整理します。
アサーティブコミュニケーションはトレーニングで身につけられる?

アサーティブコミュニケーションは、生まれつきの性格だけで決まるものではなく、考え方や伝え方を練習することで身につけられます。
ここでは、アサーティブコミュニケーションの基本的な考え方と、自分のコミュニケーションの傾向を確認する方法を説明します。
自分も相手も尊重しながら率直に伝えるコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションでは、自分の考えや希望を伝えながら、相手の意見や立場も尊重することが基本です。
自分の主張を押し通したり、反対に相手に合わせて意見を我慢したりするのではなく、相手の話を聞いたうえで自分の考えも言葉にします。
お互いの考えを伝えて確認しながら、双方が納得できる形を探していくことが大切です。
まず自分のコミュニケーションの傾向を確認する
トレーニングを始める前に、普段の会話で自分がどのような伝え方をしているか振り返ります。
相手に合わせて自分の考えを言えないことが多いのか、反対に自分の意見を優先してしまうことが多いのかを確認しましょう。
実際の会話を思い返すことで、どのような場面で伝え方を見直す必要があるのかが分かり、練習する内容も絞りやすくなります。
アサーティブコミュニケーションのトレーニング方法
アサーティブコミュニケーションを身につけるには、具体的な伝え方を理解したうえで、実際の会話を想定して繰り返し練習することが大切です。
ここでは、ロールプレイも含めて、アサーティブコミュニケーションを実践するためのトレーニング方法を説明します。
Iメッセージで自分の気持ちや考えを伝える
Iメッセージは、「私は」を主語にして、自分の気持ちや考え、希望を伝える方法です。
「あなたは間違っている」と相手を評価するのではなく、「私はこう感じています」「私はこうしてほしいです」と伝えます。
普段の会話で相手を主語にしている言葉に気づいたら、「私は」を主語にした表現へ置き換えて練習してみましょう。
DESC法で伝えたい内容を整理する
DESC法では、「事実を説明する」「自分の気持ちや考えを伝える」「具体的に提案する」「提案した結果を伝える」の4段階で内容を整理します。
相手の行動や状況を評価せずに説明したうえで、自分の気持ちと相手にしてほしいことを順番に伝えます。
会話の前に4段階に分けて書き出しておくと、伝える内容や順序を整理しながら練習できます。
相手の意見を聞きながら自分の意見も伝える
アサーティブコミュニケーションでは、自分の意見だけでなく、相手の話を最後まで聞くことも大切です。
途中で反論せず、相手が何を求めているのかを確認したうえで、「私はこう考えています」と自分の意見も伝えます。
お互いが話す時間を持つことで、どちらか一方だけが意見を押し通す会話を避けやすくなります。
ロールプレイで実際の会話を練習する
ロールプレイでは、実際に起こりそうな場面を決め、相手役と自分役に分かれて会話を練習します。
終わったあとは、自分の意見を伝えられたか、相手の話を遮らずに聞けたかを振り返ります。
うまく伝えられなかった部分は言葉や順序を見直してもう一度練習すると、実際の場面でも落ち着いて伝えやすくなります。
アサーティブコミュニケーションを例文でトレーニング
アサーティブな伝え方を身につけるには、実際に起こりやすい場面を想定して練習すると分かりやすくなります。
ここでは、断る・お願いする・異なる意見を伝えるなど、仕事で使いやすい例文を紹介します。
相手の依頼を断るとき
「お声がけいただきありがとうございます。ただ、今日は予定している業務があるため対応が難しいです。明日の午前中であれば対応できますが、いかがでしょうか」
依頼を断るときは、相手の気持ちに配慮しながら、対応できない理由と自分ができる範囲を伝えます。
ただ断るのではなく、可能であれば別の時間や方法を提案すると、相手との関係を保ちながら意思を伝えやすくなります。
相手にお願いや要望を伝えるとき
「今週の資料について、私は木曜日までに確認できると助かります。可能であれば、水曜日の夕方までに共有していただけますか」
お願いするときは、相手を責めたり一方的に指示したりせず、自分が希望することを具体的に伝えます。
「いつまでに」「何をしてほしいのか」を明確にすると、相手も対応を判断しやすくなります。
意見が合わない相手に自分の考えを伝えるとき
「その考え方も理解できます。一方で、私は費用が増える点が気になっているため、予算を確認してから決めたほうがよいと考えています」
意見が合わないときは、相手の考えをすぐに否定せず、受け止めたうえで自分の意見を伝えます。
何に懸念を感じ、どうしたいのかまで具体的に伝えると、感情的な対立を避けながら話し合いやすくなります。
上司や部下に言いにくいことを伝えるとき
「最近、提出期限を過ぎることが続いているため、私は業務への影響が気になっています。難しい事情がある場合は早めに共有してもらえると、こちらでも調整しやすくなります」
言いにくい内容ほど、相手の人格ではなく、実際に起きていることに焦点を当てて伝えます。
そのうえで自分が感じていることや希望する対応を伝えると、相手を責めすぎずに改善を求められます。
アサーティブコミュニケーションのトレーニングを続けるコツ
アサーティブコミュニケーションは、伝え方を一度学ぶだけでなく、日常の会話で繰り返し実践することが大切です。
ここでは、アサーティブな伝え方を継続して身につけるためのポイントを説明します。
身近な会話から少しずつ実践する
アサーティブな伝え方は、家族や同僚など、普段から会話する相手とのやり取りから少しずつ実践します。
まずは依頼を断る、希望を伝えるなど、身近な場面を1つ選んで自分の考えを言葉にしてみましょう。
一度にすべてを変えようとせず、実際の会話で繰り返すことで、自分に合った伝え方を身につけやすくなります。
うまく伝えられなかった会話を振り返る
うまく伝えられなかったときは、自分が使った言葉や相手の反応を振り返ります。
自分の意見を言えなかったのか、強い言い方になったのかなど、改善したい部分を確認しましょう。
「私はどうしたいのか」「相手に何をしてほしいのか」を整理し、次に同じ場面があったときに使う言葉を考えておくと実践につなげやすくなります。
相手を言い負かす伝え方になっていないか確認する
自分の意見を伝えたあとに、相手の考えを否定したり、話を遮ったりしていなかったかを振り返ります。
自分の主張を通すことだけが目的になると、アサーティブではなく一方的な伝え方になってしまいます。
相手の話にも耳を傾け、お互いが自分の意見を伝えられていたかを確認することが大切です。
まとめ
アサーティブコミュニケーションは、自分の意見や要望を率直に伝えながら、相手の考えや立場も尊重するコミュニケーション方法です。
身につけるには、IメッセージやDESC法を使って伝え方を整理し、ロールプレイや実際の会話で繰り返し練習することが大切です。
依頼を断る、要望を伝える、異なる意見を伝えるなど、日常や職場で起こりやすい場面から少しずつ実践すると、使える表現を増やせます。
うまく伝えられなかった会話も振り返りながら、自分と相手の双方が意見を伝えられるコミュニケーションを目指しましょう。