目次
はじめに:PMPとCAPMを知ってから、一歩を踏み出そう
プロジェクトマネジメントの分野でキャリアを築きたいと考えたときに、まず名前が挙がるのが
「PMP(Project Management Professional)」と「CAPM(Certified Associate in Project Management)」
という2つの資格です。
どちらもPMI(Project Management Institute)が認定する国際的な資格で、プロジェクトマネジメントの知識やスキルを「きちんと学んでいる」という強力な証明になります。
ただし、この2つの資格はまったく同じものではなく、「どんな人に向いているか」「どんなタイミングで取ると効果的か」といった点に違いがあります。自分に合った資格を選ぶためには、それぞれの特徴をやさしく整理して押さえておくことが大切です。
この記事では、PMPとCAPMの違いを分かりやすく比較しながら、「どんな人にどちらの資格が向いているのか」「どのようなキャリアプランに役立つのか」を丁寧に解説していきます。
自分の今の状況や、これから目指したい働き方をイメージしながら読み進めていただければ、自然と「自分にしっくりくるほう」が見えてくるはずです。
この記事でわかること
- PMP・CAPMそれぞれの概要と資格の目的
- 対象者・受験要件・難易度などの主要な違い
- PMPとCAPMのキャリア効果・認知度・更新要件の比較
- 経験や目指すキャリア段階に応じた資格選びのポイント
- 初心者から上級者までのキャリアステップ構築法
PMPとCAPMの概要

PMP(プロジェクトマネジメントのプロ向け資格)
PMPは、PMIが認定するプロジェクトマネジメント分野で最も知られている資格のひとつです。
日々プロジェクトを動かしている経験者に向けてつくられており、計画づくり・実行・進捗の管理・チームのリード・プロジェクト完了までを総合的に運営できる力を持っていることを示す証明になります。
対象となる人
プロジェクトのリーダーとして動いている方や、チームをまとめて進行管理をしている方に向いています。
受験に必要な条件
・4年制大学卒業の場合
36ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験(3,500時間以上)
・共通:
35時間以上のプロジェクトマネジメント教育の受講
経験や学習時間がしっかり求められるため、「本格的にPMとしてキャリアを築きたい方」のステップアップにピッタリの資格です。
CAPM(プロジェクトマネジメントの入門資格)
CAPMは、これからプロジェクトマネジメントを学びたい人のためにつくられた“入り口”の資格です。
プロジェクトを動かすための基本的な知識や考え方を身につけていることを示せるため、キャリア初期の方や「PMの基礎を学びたい」と感じている方から人気があります。
対象となる人
・初心者でも大丈夫
・プロジェクトに関わり始めたばかりの人
・PMの基礎を体系的に学びたい人
受験に必要な条件
・高卒以上
・23時間以上のプロジェクトマネジメント教育を受講していること
専門的な実務経験は不要なので、「まず基礎を固めたい」「PMの世界をのぞいてみたい」という時に最適な資格です。
PMPとCAPMの主な違い

「まずはPMPとCAPMがどう違うのかを、ひと目でわかるように表にまとめました。細かな違いはこのあと詳しく解説しますので、最初に全体像だけぜひチェックしてみてください。」
PMPとCAPMの主な違い(比較表)
| 項目 | PMP | CAPM |
|---|---|---|
| 対象となる人 | プロジェクトを実務でリードしている人向け | プロジェクトマネジメントをこれから学びたい人向け |
| 求められる経験 | 3,500時間以上の実務経験が必要 | 実務経験は不要 |
| 必要な教育時間 | 35時間以上のPM教育 | 23時間以上のPM教育 |
| 資格の認知度 | 世界中で高く評価される“プロ資格” | 基礎力を証明する入門資格 |
| キャリア効果 | 昇進・年収アップなど強い効果が期待できる | PM職への入り口として役立つ |
| 試験難易度 | ・200問 | |
| ・ケース問題が多く難易度高め | ・150問 | |
| ・PMBOK中心で基礎知識を問う | ||
| 更新方法 | 3年ごとに60PDUsが必要 | 5年ごとに再試験で更新 |
| 向いている人のタイプ | PM経験が豊富でスキル証明をしたい人 | PMの基礎から学びたい初心者 |
対象となる人のちがい
PMPは、すでにプロジェクトを動かしている実務者向けの資格。
チームをまとめたり、進行管理を担当したり、日常的にプロジェクトをリードしている人が対象です。
CAPMは、これからPMの世界に入っていきたい人向け。
基礎から学びたい方や、キャリアの最初の一歩を踏み出したい人にぴったりの“入門資格”です。
必要な経験と学習時間のちがい
PMPの場合
・3,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験
・35時間以上のプロジェクトマネジメント教育
実務経験が明確に必要となるため、「経験を積んだ上で挑戦する資格」という位置づけになります。
CAPMの場合
・23時間以上のプロジェクトマネジメント教育
・実務経験は不要
学生や未経験者でも挑戦しやすい条件になっています。
資格としての認知度やキャリア効果のちがい
PMPは、世界で広く評価される“プロ認定資格”。
保有していると専門家としての信頼度が高まり、昇進や年収アップにつながることも多いです。
CAPMは、基礎力を示す資格としてとても有用。
PMPほどのインパクトはありませんが、「PMの基礎をしっかり理解している」という証明になり、キャリアの土台づくりに役立ちます。
試験の難しさのちがい
PMP試験
・200問の選択問題
・実務寄りのケース問題も多く、難易度は高め
・幅広い知識+経験の両方が求められる
CAPM試験
・150問の選択問題
・PMBOKの内容が中心で、“基本を理解しているか”を確認する試験
・PMPに比べると取り組みやすいレベルです
資格更新のルールのちがい
PMPの場合
・3年ごとに60PDUsの取得が必要
・最新の知識を継続して学び続ける仕組みになっています
CAPMの場合
・資格は5年間有効
・更新するには再試験を受けるスタイル
・PDUsの取得は必須ではありません
PMPとCAPMを選ぶ際のポイント

PMPとCAPMのどちらを選ぶべきかは、あなたのキャリアの現状や目指す方向によって異なります。以下のポイントを参考にして、どちらが自分に適しているかを判断しましょう。
今の経験とキャリアの段階から考える
経験がしっかりあるプロジェクトマネージャーの方へ
すでにプロジェクトをリードした経験があり、次のステップとしてリーダー職や上位のポジションを目指しているなら、PMPがぴったりです。
PMPは「実務経験に裏付けられたプロフェッショナル」であることを示せるため、キャリアの格を一段引き上げてくれます。
プロジェクトマネジメントをこれから学んでいきたい方へ
まだ経験が浅い、あるいは学び始めたばかりなら、まずはCAPMがおすすめです。
PMの基礎理解を固めながら、これから現場経験を積んでいくための良いスタートラインになります。
どんなキャリアを描きたいかで選ぶ
早くキャリアアップしたい、専門性を高めたい場合
PMPは高度な知識とリーダーシップ力を証明できる資格です。
プロジェクトの責任者として活躍したい方や、キャリアの幅を一気に広げたい方に向いています。
基礎を積み重ねながら、じっくり成長していきたい場合
CAPMは基礎力を証明できる資格なので、まずは知識を固めたい方に最適です。
CAPMから始めて、経験が増えてきたらPMPに進むというステップアップも一般的で安心です。
かかる時間とコストの面から考える
PMPの場合
試験の難易度が高く、学習時間も長くなりがちです。
ただ、すでに実務経験がある方にとっては、その投資が大きくリターンにつながる資格です。
CAPMの場合
PMPよりも準備の負担が少なく、短期間で取得しやすいのが特徴です。
「まずは気軽に始めたい」「PMの世界を知りたい」という方に向いています。
まとめ:自分の今とこれからに合う資格を選ぼう

PMPとCAPMは、どちらもプロジェクトマネジメントの学びやキャリアに役立つ大切な資格です。
ただし、向いている人や目的にははっきりとした違いがあります。
PMPは、すでに実務経験を積んでいて、さらなるキャリアアップを目指したい人向け。
専門家としての信頼性が高まり、仕事の幅が大きく広がる資格です。
CAPMは、これから学び始める方や、まずは基礎を固めたい人にぴったり。
PMの世界の入り口として、とても取り組みやすい資格です。
どちらを選ぶかは、あなたが今どんな段階にいるのか、そしてこれからどんな未来を描きたいかで決まります。
自分に合った資格を選び、プロジェクトマネジメントの世界で一歩ずつ成長していきましょう。