コミュニケーションスキル

▶DESC法とは?使い方・例文と『状況→行動→結果→提案』で伝える説明の型を解説

はじめに

DESC法は、相手に状況を伝えながら自分の考えや提案を整理して伝えるための話し方の型です。
「どう伝えれば相手に誤解なく伝わるの?」「感情的にならずに意見を伝える方法はあるの?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。そうした場面で役立つのがDESC法です。

DESC法は「状況(Describe)→行動や気持ち(Express)→結果(Specify)→提案(Choose)」の順番で話すことで、相手に伝える内容を整理しながら説明できる方法です。伝えたいことを思いついた順に話すのではなく、状況から順番に言葉にしていくため、聞く側も話の流れを理解しやすくなります。

仕事での報告や意見の共有、相手に改善をお願いするときなど、感情的になりやすい場面でも落ち着いて伝えやすくなるのが特徴です。話す内容を順番に整えて伝えることで、相手に状況を理解してもらいながら、自分の提案まで自然につなげることができます。

この記事では、DESC法とは何か、どのように使うのか、実際の例文も交えながら順番に分かりやすく解説していきます。初めて聞いた方でもイメージできるように、具体的な場面を思い浮かべながら読み進めてみてください。

DESC法とは

DESC法とは、相手に意見や要望を伝えるときに使う話し方の順序です。
話す内容を「Describe(状況)→Express(感情)→Specify(提案)→Choose(結果)」の4つの段階に分けて組み立てます。まず事実として起きている状況を具体的に伝え、その状況に対して自分がどう感じているのかを言葉にします。そのうえで、相手に取ってほしい行動をはっきり示し、その行動を取った場合にどのような結果になるのかを伝えます。

この順序で話すと、最初に事実を示してから気持ちと提案を伝える流れになるため、相手は状況を理解したうえで行動の判断ができます。感情だけを先に伝えたり、いきなり要求を出したりするよりも、話の流れが整理されるため、相手に意図が伝わりやすくなります。

DESC法の構成

DESC法は、相手に状況を伝えながら自分の考えや要望を整理して伝えるための話し方の型です。感情だけで伝えるのではなく、状況→行動・気持ち→提案→結果の順で話すことで、相手に内容が伝わりやすくなります。ここでは、DESC法を構成する4つの要素について順番に説明します。

Describe(状況)

Describe(状況)は、相手に起きている事実をそのまま言葉にして伝える段階です。いつ、どこで、誰が、何をしたのかを具体的に示し、評価や感情を混ぜずに状況だけを説明します。たとえば「昨日の15時の会議で、資料の3ページ目の売上数字が先月のデータのままになっていました」というように、時間・場所・対象・行動を明確にして状況を共有します。これにより相手は自分の行動を客観的に理解でき、次の話の内容を判断しやすくなります。

Express(行動・気持ち)

Express(行動・気持ち)は、Describeで示した状況に対して、自分がどう感じたのか、どの行動に困っているのかを一人称で伝える段階です。相手を評価せず、「私は~と感じた」「私は~で困っています」という形で気持ちや影響を具体的に言葉にします。たとえば「資料の数字が更新されていなかったため、会議の説明が途中で止まり、私は予定していた報告が進められず困りました」というように、自分の行動や気持ちをそのまま伝えます。これにより相手は、自分の行動が相手にどのような影響を与えたのかを理解できます。

Specify(提案)

Specify(提案)は、相手にどの行動をしてほしいのかを具体的な行動単位で伝える段階です。「気をつけてください」「改善してください」といった曖昧な表現ではなく、誰が、いつまでに、何をするのかをはっきり示します。たとえば「次回の会議では、開始30分前までに資料の売上データを最新の数字に更新してから共有してください」というように、実行する行動と期限を明確にして伝えます。これにより相手は、次に取るべき行動を具体的に判断できます。

Consequence(結果)

Consequence(結果)は、Specifyで伝えた行動が実行された場合に、どのような結果が起きるのかを具体的に示す段階です。相手の行動によって何が変わるのかを、時間や作業の流れなど実際の結果として伝えます。たとえば「会議開始30分前までに資料の数字が更新されていれば、会議中に数字確認で説明を止める必要がなくなり、予定している報告を30分以内で最後まで進められます」というように、行動と結果の関係をそのまま言葉にします。これにより相手は、その行動を取ったときに起きる具体的な結果を理解できます。

DESC法の具体例

DESC法は、職場でのやり取りだけでなく、プレゼンや日常の会話などさまざまな場面で使える伝え方の型です。状況を説明し、自分の考えや提案を順序立てて伝えることで、相手に内容を理解してもらいやすくなります。ここでは、ビジネス・プレゼン・日常会話の場面での具体的な使い方を紹介します。

ビジネスでの例

昨日の16時に提出された営業資料の売上グラフが、5月の数字のまま更新されていませんでした。会議でその資料を使って説明する予定だったため、私は説明を途中で止めて数字を確認する必要があり、予定していた10分の報告が20分かかりました。次回からは会議開始の30分前までに資料の売上データを最新の月の数字に更新して共有してください。そうしてもらえれば会議中に数字確認で説明を止める必要がなくなり、予定している報告を10分以内で最後まで進められます。

プレゼンでの例

先週の金曜日の10時から行った営業企画のプレゼンで、説明中にスライドの内容と口頭の説明が合わない場面がありました。スライド3枚目には新規顧客数を月120件と表示していましたが、説明では月150件と話していたため、私は数字を確認するために説明を止めてスライドを見直す必要がありました。次回のプレゼンでは開始前にスライドの数字と説明内容を一度読み合わせて、表示している数値と話す内容を同じ数字にそろえてください。そうしてもらえれば説明の途中で数字確認のために話を止める必要がなくなり、予定している15分のプレゼンを最後まで途切れずに進められます。

日常会話での例

昨日の夜20時に約束していた電話が、連絡がないまま21時までかかってきませんでした。私は20時から自宅で電話を待っていたため、外出の予定を入れずに1時間そのまま待つことになりました。今後予定している時間に電話ができない場合は、遅れると分かった時点でLINEで「何分くらい遅れるか」を先に連絡してください。そうしてもらえれば私は待つか予定を変えるかをその場で判断でき、時間を無駄にせずに過ごせます。

DESC法の使い方

DESC法を使うときは、話す内容を「状況→感情→提案→結果」の順番で組み立てて伝えます。最初にDescribeとして、いつ・どこで・誰が・何をしたのかを事実だけで説明します。次にExpressとして、その状況を受けて自分がどう感じているのかを言葉にします。そのあとSpecifyとして、相手に取ってほしい行動を具体的に伝えます。最後にChooseとして、その行動を取った場合にどのような結果になるのかを示します。

この順番で話すと、相手は事実を理解したあとに感情と行動の提案を受け取ることになります。そのため、状況を把握しないまま指摘されたときに起きやすい誤解や反発が起きにくくなり、相手は提示された行動を取るかどうかを判断しやすくなります。

DESC法が向いている場面

DESC法は、状況を整理して相手に伝えながら改善案や要望を示したい場面で使われる伝え方の型です。感情だけで伝えるのではなく、事実・考え・提案・結果を順序立てて説明することで、相手が内容を理解しやすくなります。ここでは、DESC法が活用されやすい場面について説明します。

問題改善の提案

問題を改善する提案をするときは、相手の行動とその結果を順番に示しながら改善案を伝える必要があるため、DESC法が向いています。まず会議の遅刻や資料ミスなど、実際に起きた行動を日時や状況と一緒に示し、その行動によって自分の作業が何分止まったのか、どの作業に影響が出たのかを伝えます。

そのうえで「次回は会議開始10分前までに資料を更新する」「開始時刻の5分前には会議室に入る」など、具体的な行動を提案し、その行動が行われれば作業が予定時間内に終わることを示します。こうした順序で伝えることで、相手は問題の原因と改善する行動を同時に理解できます。

トラブル対応

トラブルが起きた場面では、感情だけで相手を責めると話が進まず、何が起きたのかと次に取る行動を整理して伝える必要があるため、DESC法が向いています。まず「今日の14時に送信された注文データの数量が100件ではなく10件になっていました」のように、発生した状況を時間と内容を示して伝えます。

そのうえで、その状態により自分の作業がどこで止まり、どの対応に何分かかったのかを伝えます。次に「注文データを送信する前に、数量の合計を画面で確認してから送信してください」と具体的な行動を示し、その行動が行われれば注文処理を予定どおり進められることを伝えます。こうして状況・影響・行動・結果を順番に示すことで、トラブルの原因と対応方法を相手が理解できます。

フィードバック

フィードバックを伝える場面では、相手の行動を具体的に示し、その行動が周囲に与えた影響と次の行動を順番に伝える必要があるため、DESC法が向いています。まず「昨日の17時に提出された企画書の3ページ目で、先月の売上データがそのまま使われていました」のように、日時と対象を示して状況を伝えます。

次に、その状態により会議の説明が途中で止まり、資料確認に10分かかったことを自分の立場から伝えます。そのうえで「提出前に売上データを最新の月の数字に更新してから共有してください」と具体的な行動を示し、その行動が行われれば会議を予定どおり30分以内で進められることを伝えます。こうした順序で伝えることで、相手は自分の行動と改善する方法を理解できます。

DESC法の注意点

DESC法を使うときは、4つの順序を崩さずに話すことが重要です。最初に状況を説明せずに感情や要求から話し始めると、相手は何に対する指摘なのか判断できず、防御的な反応を取りやすくなります。Describeでは日時や行動など確認できる事実だけを伝え、評価や推測を混ぜないようにします。

Expressでは「困っています」「負担に感じています」など自分の状態を言葉にし、相手の人格や能力を評価する表現は使いません。Specifyでは「次回から提出期限の18時までに送ってください」のように、相手が取る行動を時間や行為の単位まで示します。Chooseでは「期限までに提出されればそのまま確認できますが、遅れた場合は翌営業日の対応になります」のように、行動によって変わる結果を示します。この順序を守ることで、相手は状況と行動の判断材料を同時に理解できます。

DESC法のように、ビジネスでは相手に内容を整理して伝えるための話し方の型がいくつかあります。
伝える場面や目的によって使いやすい型は変わるため、結論を分かりやすく伝えたい場面や、会議・プレゼン全体の流れを整えたい場面では、ほかの型もあわせて理解しておくと役立ちます。

▶PREP(プレップ)法とは?結論→理由→具体例→結論で伝える話し方を解説
▶SDS法とは?要点→詳細→要点で分かりやすく伝える話し方
▶アジェンダとは?意味・作り方・例|会議やプレゼンで使える書き方
【図解あり】プレゼンで圧倒的な差をつけよう!パワポ資料の構成の作り方の完全ガイド!

まとめ

DESC法は、相手に改善してほしい行動を伝えるときに、感情だけで伝えるのではなく「状況→気持ち→提案→結果」の順番で話すための伝え方です。まずいつ何が起きたのかという事実を示し、その出来事によって自分の作業や行動にどのような影響が出たのかを伝えます。そのうえで相手にしてほしい行動を具体的に示し、その行動を取ればどのような結果になるのかまで説明します。

この順序で伝えることで、相手は自分の行動がどこに影響しているのかを理解しやすくなり、次に取るべき行動を判断できます。問題改善の提案やトラブル対応、部下や同僚へのフィードバックなど、相手の行動を変えてもらう必要がある場面では、DESC法を使うことで状況と行動を整理した伝え方ができます。

-コミュニケーションスキル
-