外注でプロジェクトを依頼する際、見積書の読み違いや認識ズレが原因でトラブルになるケースは非常に多いです。
特にプロジェクトマネージャー(PM)を外部から依頼する場合や、管理費をどう判断すべきか悩む場面では、見積書の理解が欠かせません。
ここでは、初めての外注でも「最低限ここだけ見れば大丈夫」というポイントを、実務向けにわかりやすくまとめます。
目次
見積書で必ず確認すべき3つの基本項目
1. スコープ(何が含まれているか)
外注トラブルの7割は「スコープ」に起因します。
必ず以下を確認します。
- 含まれる作業(In-Scope)
- 含まれない作業(Out-of-Scope)
- 追加料金が発生する条件
- 修正回数の上限
スコープが曖昧だと、途中で「それは見積に入っていません」と言われ、追加費用が膨らむ原因になります。
2. 工数・単価の根拠
“合計金額だけ”見るのは危険です。
- PM工数は妥当か?(一般的には10〜20%)
- 作業ごとの時間見積は現実的か?
- 役割ごとの単価は適切か?
- 依頼側が把握していない工数が含まれていないか?
根拠のない工数や不自然に高い/低い単価はトラブルの元になります。
3. 納期と条件
納期の書き方にも要注意。
- 「◯月◯日納品」だけでなく、
→ 検収日・修正期間・追加対応時のスケジュール - 納期遅延時の対応(誰の責任か)
- ミーティングや調整工数が含まれているか
進行時の認識ズレが最も発生しやすい部分です。
意外と見落としがちな注意ポイント
● “成果物の形式”の明記
Word、PDF、Figma、Excel など、形式が違うとやり直しが発生します。
● テスト・品質チェックの範囲
- テストは誰が実施?
- どこまでが外注側の責任?
ここが漏れていると、最終工程で揉めます。
● ミーティング回数
「月◯回まで」「オンラインのみ」「訪問は別料金」
ここも必ずチェック。
見積書トラブルの典型例(実務でよくあるケース)
- “ざっくり見積”で契約 → 納品直前に追加料金
- スコープが曖昧 → 依頼者の想定と成果物が違う
- PM工数の記載なし → 管理が手薄になり遅延
- 形式不一致(Wordで欲しかったのにPDF) → 作り直し
これらはすべて事前の見積書チェックで防げます。
初めて外注する人でも使える見積書チェックリスト
- プロジェクトの目的は明文化されているか
- スコープ(含む/含まない)は明確か
- 追加料金の発生条件が書かれているか
- 工数と単価の根拠が妥当か
- PM工数は含まれているか
- 納期の定義(納品日/検収日/修正日)は明確か
- 成果物の形式が指定されているか
- ミーティング回数と範囲が明確か
- テスト・品質管理の担当が明確か
まとめ
外注の成功は「見積書の読み方」で8割決まります。
認識ズレ・追加料金・納期遅延などのトラブルは、見積り段階でほとんど防止できます。
このまとめ記事は、外注に慣れていない社内メンバーでも理解できるように作っているため、PMと並走する担当者のリスク回避にも役立ちます。