リーダーシップとマネジメントスキル

マネジメントレターとは?目的や記載内容・受け取ったときの対応

はじめに

「監査法人からマネジメントレターを受け取ったけれど、何が書かれているの?」
「指摘された内容には、必ず対応しなければならないの?」と戸惑っていませんか。

監査を受けたあとに突然書面を渡されると、会社に重大な問題があると判断されたのではないか、どこまで対応すればよいのか分からず手が止まることがあります。

この記事では、マネジメントレターの目的や主な記載内容、受け取った際の確認事項と対応方法について、順を追って説明していきます。

マネジメントレターとは?

マネジメントレターは、監査を受ける企業にとって、監査法人からどのような内容が伝えられる書類なのか分かりにくい場合があります。

ここでは、マネジメントレターが誰から誰に提出される報告書なのかを確認したうえで、監査報告書との目的や役割の違いを説明します。

監査法人が経営者に提出する報告書

マネジメントレターは、監査法人や公認会計士が、監査の過程で把握した事項を経営者などに伝えるための報告書です。

内部統制上の問題点や業務上の改善が必要な事項について、具体的な内容や改善案が記載されます。

経営者はその内容を確認し、必要に応じて業務や管理体制の見直しにつなげます。

監査報告書とは目的や役割が異なる

マネジメントレターと監査報告書では、作成する目的や伝える内容が異なります。

監査報告書は、監査人が財務諸表に対する監査意見を示すもので、株主などの財務諸表利用者に向けて作成されます。

一方、マネジメントレターは経営者に問題点や改善案を伝え、経営管理の改善に役立てるための書類です。

マネジメントレターを作成する目的

マネジメントレターは、監査で把握した問題点を経営者に伝え、今後の改善に役立てることを目的として作成されます。

ここでは、マネジメントレターを作成する主な目的を説明します。

監査で発見した問題点を経営者に伝える

マネジメントレターは、監査の過程で見つかった問題点を経営者に伝えるために作成されます。

会計処理の誤りや内部統制上の不備など、どの業務にどのような問題があるのかが記載されます。

経営者はその内容を確認することで、対応が必要な問題を把握できます。

管理体制や業務の改善につなげる

マネジメントレターには、監査で見つかった問題点とあわせて、改善案が記載される場合があります。

経営者はその内容をもとに、社内の管理方法や業務手順で見直すべき点を確認します。

必要な改善を進めることで、同じ問題の再発防止にもつなげられます。

マネジメントレターに記載される主な内容

マネジメントレターには、監査の過程で確認された発見事項だけでなく、そこから考えられる問題点やリスクも記載されます。

ここでは、マネジメントレターに記載される主な内容を項目ごとに説明します。

監査で確認された発見事項

マネジメントレターには、監査の過程で確認された事実が発見事項として記載されます。

会計処理の誤りや内部統制の不備など、どの業務や処理に問題があったのかを具体的に整理します。

事実を明確にすることで、会社側も指摘された内容を把握しやすくなります。

発見事項から考えられる問題点やリスク

発見事項については、その状態を放置した場合に考えられる問題点やリスクも記載されます。

たとえば、確認手続きが不足している場合は、会計処理の誤りを見逃すリスクなどが考えられます。

想定される影響まで示すことで、会社側が対応の必要性を判断しやすくなります。

問題を解決するための改善案

マネジメントレターには、指摘した問題に対する改善案が記載される場合があります。

確認手続きを追加したり業務手順を変更したりするなど、問題に応じた対応方法が示されます。

会社側は改善案を参考にしながら、自社に合った対応を検討します。

指摘事項に対する会社側のコメント

マネジメントレターには、監査人からの指摘に対する会社側のコメントを記載する場合があります。

指摘内容についての認識や、今後どのように改善していくのかなど、会社側の対応方針を示します。

これにより、指摘事項に対する今後の対応を明確にできます。

マネジメントレターを受け取ったときの対応

マネジメントレターを受け取ったら、指摘内容を確認するだけで終わらせず、必要な対応を整理することが重要です。

ここでは、マネジメントレターを受け取った後に進める対応を順に説明します。

指摘された事実関係に認識違いがないか確認する

マネジメントレターを受け取ったら、まず指摘された事実関係が会社側の認識と合っているかを確認します。

対象となった取引や業務手順、提出資料などを照らし合わせ、記載内容に違いがないかを確かめます。

認識に違いがある場合は、根拠となる資料を用意して監査法人に確認しましょう。

改善が必要な事項と対応方法を整理する

事実関係を確認したら、指摘事項ごとに改善の必要性と対応方法を整理します。

改善が必要な場合は、変更する業務手順や社内規程、担当部署、対応期限などを決めます。

誰がいつまでに対応するのかを明確にしておくことで、改善を進めやすくなります。

必要な改善を実施して管理体制に反映する

対応方法が決まったら、担当部署が業務手順や社内規程などの見直しを進めます。

変更した内容は関係者に共有し、新しい手順に沿って業務を行える状態に整えます。

その後も手順どおりに運用されているかを確認し、必要に応じて管理体制を見直しましょう。

マネジメントレターを作成・確認するときのポイント

マネジメントレターを作成・確認するときは、指摘内容と改善方法が経営者や関係者に正確に伝わるように整理することが重要です。

ここでは、マネジメントレターを作成・確認する際のポイントを説明します。

事実と問題点を分けて明確に記載する

マネジメントレターでは、監査で確認した事実と、そこから考えられる問題点を分けて記載します。

たとえば、承認記録が残っていないことを事実として示し、不適切な処理を見逃す可能性があることを問題点として整理します。

両者を分けることで、なぜ対応が必要なのかを経営者が判断しやすくなります。

問題点に対応した具体的な改善案を示す

改善案は、指摘した問題点をどのように解消するのかが分かる内容にします。

承認手続きに問題がある場合は、承認者やタイミング、記録を残す方法などを具体的に示します。

問題点と改善案を対応させることで、会社側も必要な見直しを進めやすくなります。

提出前に関係者と内容を確認する

マネジメントレターを提出する前に、記載した事実や問題点を関係者と確認します。

監査担当者や対象部署で内容を確認し、事実関係の誤りや認識のずれがあれば修正します。

事前に内容を整理しておくことで、実際の状況と異なる情報が経営者に伝わることを防げます。

まとめ

マネジメントレターは、監査法人や公認会計士が監査の過程で把握した問題点や改善案を経営者へ伝えるための文書です。

監査報告書とは目的や役割が異なり、内部統制や業務上の課題を共有し、管理体制の改善につなげるために活用されます。

受け取った場合は、まず指摘された事実関係を確認し、改善が必要な事項について担当部署や対応方法、期限を整理したうえで実施することが大切です。

また、作成する際は事実と問題点を分け、問題点に対応した具体的な改善案を示し、提出前に関係者との認識にずれがないか確認しましょう。

-リーダーシップとマネジメントスキル
-,