目次
はじめに
「管理職は実務をほとんどしていないように見えるけれど、本当に仕事をしていないのだろうか」
「現場で手を動かさない管理職を見ると、サボっているように感じてしまう」
「自分ばかり忙しく働いているのに、管理職は会議やデスクワークばかりで不公平ではないのだろうか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
また、「管理職になったら実務はしなくなるの?」「現場を手伝わない管理職は普通なの?」「実務をしない管理職と、仕事をしていない管理職は何が違うのだろう」と気になっている方もいるかもしれません。
この記事では、管理職が実務をしない理由やサボりに見えてしまう背景、本来担うべき役割、実務をしない管理職が問題になりやすいケースまで、順番にわかりやすく説明していきます。
管理職が実務をしないのは普通?
管理職が実務をあまり行わない姿を見て、「仕事をしていないのでは」と感じる人は少なくありません。
ここでは、管理職の本来の役割や、実務をしない管理職と何もしない管理職の違いについて順番に解説します。
管理職の役割
管理職の役割は、自分で実務を進めることではなく、チーム全体が予定どおりに業務を進められるよう管理することです。
仕事の割り振りや進捗確認、優先順位の判断、問題が起きたときの対応などを担います。
そのため、現場作業に入る時間が少なく見えても、必要な判断や調整を行っているのであれば、管理職としての役割を果たしているといえるでしょう。
実務を減らすのはサボりではない
管理職が実務を減らしているからといって、サボっているとは限りません。
部下からは見えにくいところで、進捗確認や関係部署との調整、問題が起きたときの対応などを行っていることもあります。
そのため、現場作業に入る時間が少なく見えても、管理職としての役割を果たしている場合があります。
「実務をしない管理職」と「何もしない管理職」は違う
実務を担当していなくても、必要な判断や調整を行っていれば、管理職としての役割を果たしているといえます。
一方で、判断を先送りにしたり、問題が起きても対応しなかったりすると、「何もしない管理職」と受け取られやすくなります。
大切なのは、実務の量ではなく、管理職として求められる役割を果たしているかどうかです。
管理職が実務をしないと言われる主な理由
管理職が以前より実務に関わる時間が減ると、「何もしていないように見える」と感じられることがあります。
しかし実際には、担当業務がなくなったのではなく、仕事内容そのものが変わっているケースが少なくありません。
ここでは、管理職が実務をしないと言われやすい理由を、日々の業務内容に沿って詳しく見ていきます。
部下の進捗管理や判断業務が増えるため
管理職になると、部下ごとの進捗確認、業務の優先順位の判断、仕事の割り振り、問題が発生した場合の対応、最終的な意思決定に時間を使う場面が増えます。
これらの業務を優先するため、自分で現場作業を担当する時間は少なくなります。
その結果、周囲からは実務をしていないように見えることがあります。
会議や社内調整の業務が多くなるため
管理職は、会議への参加や関係部署との調整に時間を使う機会が増えます。
会議では方針の決定や進捗の共有を行い、社内調整では部署ごとの日程や業務内容をすり合わせます。
これらの業務に時間を割くため、自分で現場作業を担当する時間が少なくなり、実務をしていないように見えることがあります。
トラブル対応や責任を負う立場になるため
管理職は、業務上のトラブルが発生した場合の対応や、対応方針の決定、関係者への説明、最終的な責任を負う立場になります。
問題が起きたときは現場作業よりも状況確認や判断を優先するため、自分で実務を担当する時間は少なくなります。
その結果、周囲からは実務をしていないように見えることがあります。
部下育成や評価が重要な仕事になるため
管理職は、部下への仕事の割り振り、進捗確認、面談、評価、改善点の指導などに時間を使います。
部下一人ひとりの状況を確認しながら育成や評価を進める必要があるため、自分で現場作業を担当する時間は少なくなります。
その結果、実務をしていないように見えることがあります。
なぜ部下は「管理職は何もしていない」と感じやすい?
管理職は日々さまざまな業務を担当していますが、その内容は部下から見えにくいものが多くあります。
ここでは、部下がそのように感じやすくなる背景や、認識の違いが生まれる理由について解説します。
成果が見えにくい仕事が多い
管理職の仕事は、判断、調整、承認、会議、部下との面談など、形として見えにくい業務が多くあります。
現場作業のように作業量や成果が目に見えにくいため、部下からは何もしていないように見えることがあります。
その結果、管理職の仕事が正しく伝わらず、「何もしていない」という印象につながりやすくなります。
現場作業から離れて温度差が生まれやすい
管理職は会議や調整業務が増えるため、現場で作業する時間が少なくなります。
一方で、部下は毎日現場作業を担当しているため、仕事の内容や負担を直接共有する機会が減ります。
その結果、お互いの業務が見えにくくなり、「管理職は何もしていない」という印象が生まれやすくなります。
プレイヤー時代とのギャップがある
部下は、自分が担当している現場作業を基準に仕事量を判断しやすいため、プレイヤー時代の管理職と現在の働き方を比べることがあります。
以前は現場で一緒に作業していた人が管理職になり、判断や調整を中心に動くようになると、仕事が減ったように見えやすくなります。
その結果、「管理職は何もしていない」という印象につながることがあります。
会社や現場によって管理職の実務量は変わる
管理職がどのくらい実務を担当するかは、すべての会社で同じではありません。
業種や会社の規模、人員配置、組織の方針によって、管理業務を中心に行う場合もあれば、実務と管理業務を両立する場合もあります。
ここでは、会社や現場ごとに管理職の実務量が変わる主な理由について解説します。
プレイングマネージャー型の会社もある
会社によっては、管理職が部下の管理だけでなく、自分でも現場作業を担当するプレイングマネージャーとして働く場合があります。
通常業務を進めながら、部下への指示、進捗確認、会議への参加、問題発生時の対応も行うため、実務と管理業務の両方を担当する働き方になります。
管理業務中心になる会社もある
会社によっては、管理職が現場作業をほとんど担当せず、部下への指示、進捗確認、会議、関係部署との調整、予算管理、評価などを中心に担当します。
管理業務に時間を使うことが前提になっているため、実務を担当しない働き方が通常とされている会社もあります。
会社規模や人員体制で役割は変わる
管理職が担当する実務量は、会社規模や人員体制によって変わります。
担当者の人数が少ない職場では管理職も現場作業を担当することが多く、人員に余裕がある職場では管理業務に専念する場合があります。
そのため、同じ管理職でも会社によって実務量に違いが生まれます。
実務をしない管理職が問題になるケース
管理職が実務を担当しないこと自体は珍しいことではありませんが、すべてのケースで問題がないとは限りません。
本来果たすべき管理職としての役割まで十分に果たしていない場合は、現場の負担やチーム全体の業務に悪影響が及ぶことがあります。
ここでは、実務をしないことが問題になりやすい代表的なケースについて解説します。
判断や責任まで放棄している場合
管理職が実務を担当していなくても、判断や責任まで放棄している場合は問題になりやすくなります。
部下からの相談に回答しない、承認を先送りにする、問題が発生しても対応方針を決めない状態では、業務が止まりやすくなります。
管理職として必要な判断や責任を果たしていないため、組織全体の業務にも影響が出やすくなります。
現場理解が不足している場合
管理職が現場の業務内容や負担を把握していない場合は、適切な判断や指示を出しにくくなります。
実際の作業量や進め方を理解しないまま業務を割り振ったり、期限を決めたりすると、現場との認識にずれが生じやすくなります。
その結果、業務が円滑に進まなくなる原因になります。
部下への負担だけが増えている場合
管理職が判断や調整を行わず、業務だけを部下へ任せ続ける状態では、部下の負担だけが増えやすくなります。
相談しても回答が得られない、承認が進まない、問題対応まで部下が担当する状況になると、本来管理職が担う役割まで部下が引き受けることになります。
その結果、業務負担が偏り、不満が生まれやすくなります。
まとめ
管理職が実務をしないこと自体は、必ずしも仕事をしていないという意味ではありません。
管理職には、部下への指示や進捗確認、判断や調整など、チーム全体を支える大切な役割があります。
そのため、現場で手を動かす時間が少なくても、本来の役割を果たしているケースは少なくありません。
一方で、判断や責任を避けたり、部下への負担だけが増えたりしている場合は、「実務をしない管理職」ではなく、役割を十分に果たせていないと受け止められることもあります。
大切なのは、実務をしているかどうかだけで判断しないことです。
管理職に求められる役割を知ることで、「実務をしない=仕事をしていない」という思い込みを避け、自社の役割や働き方を冷静に見直しやすくなるでしょう。