リーダーシップとマネジメントスキル

管理職の勤務時間管理は必要?労働時間の扱いや管理監督者との違い

はじめに

「管理職なのだから勤務時間は管理しなくてもよいのだろうか」
「管理監督者と管理職は同じ意味なのか分からない」と感じていませんか。

管理職になると、残業時間が記録されなくなったり、勤怠管理の方法が変わったりして、「自分は労働時間の管理対象ではないのでは」と疑問を持つことがありますよね。

この記事では、管理職の勤務時間管理が必要とされる理由や、管理職と管理監督者の違い、労働時間の基本的な考え方について、順を追って説明していきます。

管理職でも勤務時間の管理は必要?

「管理職は残業代が出ないから勤務時間を管理しなくてもよい」と考えられがちですが、実際にはすべての管理職が同じ扱いになるわけではありません。

ここでは、管理職の勤務時間管理が必要かどうかや、管理監督者との違いについて順を追って確認していきましょう。

管理職は労働時間規制の対象外になるわけではない

管理職になったからといって、すべての人が労働時間の規制から外れるわけではありません。

労働基準法上の「管理監督者」に該当するかどうかは、部長や課長といった肩書きではなく、実際の権限や働き方などから判断されます。

そのため、管理職であっても管理監督者に該当しない場合は、一般の従業員と同じように労働時間の管理が必要です。

管理監督者に該当するかどうかで勤務時間の扱いが変わる

管理監督者に該当する場合は、労働時間や休憩、休日に関する一部の規制が適用されません。

ただし、経営者と一体的な立場にあるか、勤務時間に一定の裁量があるかなど、実際の働き方を踏まえて判断されます。

管理職の勤務時間を考える際は、役職名だけではなく、自分の権限や勤務状況を確認することが大切です。

自分が管理監督者に該当するのか判断しにくい場合は、管理職と一般社員の具体的な違いもあわせて確認しておくと、役割や働き方を整理しやすくなります。
▶管理職と一般社員の違いとは?役割・責任・待遇の違いを解説 

「管理職」と「管理監督者」は勤務時間の扱いが異なる

「管理職」と「管理監督者」は同じ意味で使われることがありますが、法律上は異なる考え方です。

ここでは、両者の違いと、勤務時間の扱いがどのように変わるのかを確認していきましょう。

管理監督者

管理監督者に該当すると、1日8時間・週40時間の労働時間や、休憩・休日に関する規制の一部が適用されません。

ただし、深夜労働の割増賃金や年次有給休暇などは対象となるため、すべての労働時間管理が不要になるわけではありません。

管理職

管理職であっても、必ず管理監督者に該当するわけではありません。

経営者と一体的な立場にあるか、重要な権限を持っているか、勤務時間に裁量があるか、役職に見合った待遇を受けているかなど、実際の働き方から判断されます。

そのため、部長や課長といった役職名だけで判断せず、権限や勤務状況、待遇を確認することが大切です。

管理職の勤務時間は会社が管理・把握できる

管理監督者に該当する場合でも、会社が勤務時間をまったく把握しなくてよいわけではありません。

ここでは、管理職の勤務時間を会社がどのように管理・把握できるのかについて見ていきましょう。

管理監督者でも勤務実態や労働時間の把握は必要になる

管理監督者であっても、会社が勤務実態を把握しなくてよいわけではありません。

深夜労働の割増賃金や健康管理への対応もあるため、実際の労働時間を確認できる状態にしておく必要があります。

労働時間の規制が一部適用されないことと、勤務実態を把握することは分けて考えることが大切です。

出退勤時刻の確認や勤怠記録を行うことは可能

管理監督者についても、出退勤時刻を確認したり、勤怠記録を残したりすることは可能です。

始業・終業時刻などを記録しておけば、長時間労働の状況を確認し、健康管理にも役立てられます。

勤怠を記録すること自体が、管理監督者としての働き方を制限するわけではありません。

管理職の残業代や休日労働はどのように扱われるのか

管理職の残業代や休日労働の扱いは、管理監督者に該当するかどうかによって変わります。

ここでは、管理監督者に該当した場合の時間外労働の扱いや、深夜労働・休日勤務の考え方について確認していきましょう。

管理監督者に該当する場合は時間外労働の扱いが異なる

管理監督者に該当する場合は、1日8時間・週40時間の労働時間規制が適用されないため、法定労働時間を超えて働いても、時間外労働としての割増賃金は原則発生しません。

ただし、深夜労働については別の扱いになるため、勤務した時間帯を確認しておく必要があります。

深夜労働や休日勤務では別途確認が必要になる

管理監督者であっても、22時から翌5時までの深夜労働には深夜割増賃金が適用されます。

一方、休日に関する規制は管理監督者には適用されないため、法定休日に勤務しても休日労働としての割増賃金は原則発生しません。

時間外・休日・深夜では扱いが異なるため、それぞれ分けて確認することが大切です。

管理職が管理監督者に該当するか判断するポイント

管理職が管理監督者に該当するかどうかは、役職名だけで決まるものではありません。

ここでは、管理監督者に該当するか判断する際の具体的なポイントを見ていきましょう。

重要な権限や責任を持っているか確認する

管理監督者に該当するかを判断する際は、会社の経営に関わる重要な権限や責任を持っているかがポイントになります。

採用や解雇、人事評価、労務管理などにどの程度関わり、自らの判断で組織運営を行える立場なのかを確認しましょう。

単に部下を管理しているだけでは、管理監督者と認められない場合があります。

勤務時間や業務の進め方に裁量があるか確認する

勤務時間にどの程度の裁量があるかも、管理監督者を判断するポイントの一つです。

始業・終業時刻を自分で調整できるかなど、勤務時間について自由度があるかを確認します。

会社から勤務時間を細かく指定されている場合は、管理監督者として認められにくくなることがあります。

役職に見合った待遇や処遇を受けているか確認する

管理監督者としての責任や権限に見合った待遇を受けているかも確認しましょう。

給与や役職手当などが一般の従業員と比べてどの程度優遇されているかが、判断材料の一つになります。

役職名だけが付いていて待遇にほとんど差がない場合は、管理監督者として認められにくくなることがあります。

名ばかり管理職にならないために企業が注意すべきこと

管理職という肩書きを付けたとしても、それだけで管理監督者として扱えるわけではありません。

ここでは、名ばかり管理職を防ぐために企業が確認すべきポイントについて見ていきましょう。

役職だけで管理監督者として扱うことはできない

部長や課長などの役職に就いているだけで、管理監督者として扱えるわけではありません。

重要な権限や責任を持っているか、勤務時間に裁量があるか、役職に見合った待遇を受けているかなど、実際の働き方を踏まえて判断する必要があります。

役職名だけで労働時間や残業代の扱いを決めないことが大切です。

管理職になったものの、権限や待遇が役職に見合っていないと感じる場合は、「名ばかり管理職」に当てはまるケースや判断のポイントも確認しておくとよいでしょう。
▶ 名ばかり管理職とは?判断基準や残業代請求できるケースを解説

勤務実態と権限が伴っているか確認する必要がある

管理監督者として扱う場合は、役職に見合った権限や勤務上の裁量があるかを確認しましょう。

人事や労務管理などの重要な判断に関わっているか、勤務時間を自分で調整できる立場にあるかなどが判断材料になります。

肩書きと実際の働き方に差がないかを確認したうえで、管理監督者に該当するか判断することが大切です。

まとめ

管理職だからといって、すべての人が同じように勤務時間を扱われるわけではありません。

労働基準法上の管理監督者に該当するかによって、労働時間や残業代などの扱いが変わるため、役職名だけで判断しないことが大切です。

また、管理監督者であっても、深夜労働の割増賃金や健康管理のための勤務状況の把握まで不要になるわけではありません。

権限や勤務時間の裁量、待遇など、実際の働き方を確認したうえで適切に管理する必要があります。

管理職本人も企業側も、「管理職だから労働時間を管理しなくてよい」と考えず、役割や勤務実態に合った扱いになっているかを一度確認してみましょう。

-リーダーシップとマネジメントスキル
-,