目次
はじめに
概要
この記事は「なぜなら」を英語でどう表現するかを、日常会話からビジネスの場まで使える言い換え表現と共にわかりやすく解説します。単に語句を並べるだけでなく、例文とともにニュアンスや適切な場面を示します。
本記事の目的
読者が場面に応じて自然な言い換えを選べるようにすることです。基本的な "because" から、フォーマルな "since" や "due to"、説明を補強する表現まで順に学べます。
対象読者
英会話を学び始めた方から、仕事で英語を使う機会がある方まで幅広く役立ちます。英語の細かなニュアンスに自信がない方にも配慮して説明します。
読み方のポイント
各章で例文を示しますので、まずは声に出して読んでみてください。場面(カジュアル/フォーマル)を意識することが大切です。どの表現が丁寧か、どの表現が理由に焦点を当てるかを比べながら進めると理解が深まります。
「なぜなら」の基本表現「because"
基本の使い方
"because"は理由や原因をはっきり伝えるときに使います。後ろに節(主語+動詞)を置き、理由を説明します。例:
- I’m saving money because I want to travel next year.
- She is popular because she is kind and helpful.
- The project succeeded because everyone worked together as a team.
文の中での位置と句読点
通常、主節の後にbecause節を置きます。この場合、コンマは不要です。
- I stayed home because I was tired.(○)
主節の前にbecause節を置くこともできます。この場合もコンマは省略することが多いですが、強調したいときはコンマを入れます。
- Because I was tired, I stayed home.
注意点
- becauseの後は名詞だけでなく節が続く点に注意してください。名詞の理由を表すときは"because of + 名詞"を使います(詳細は別章)。
- 口語では短縮して"’cause"や"cuz"が使われますが、書き言葉では避けてください。
- 否定文での対比表現:"not because... but because..."(~が理由ではなく、~が理由だ)もよく使います。
- I didn’t quit because I was lazy, but because I wanted a new challenge.
練習例
和訳してみましょう:
1) I’m saving money because I want to travel next year.
2) She is popular because she is kind and helpful.
実際に声に出して理由を言う練習をすると、自然に使えるようになります。
フォーマルな言い換え「since」
概要
「since」は「because」と意味が近く、理由を表しますが、よりフォーマルな場面や書き言葉で使われることが多いです。話し手と聞き手が前提として知っている事実や状況を踏まえ、その結果に焦点を当てるときに適しています。
使い方のポイント
- 文頭で使うと丁寧で説明的な印象になります。例: "Since you are not feeling well, you should take a day off."(具合が悪いので休みなさい)
- 文中で使うこともできます。ただし口語では "because" の方が自然に聞こえる場合があります。
- 注意点として「since」は「〜以来(時間)」という意味も持ちます。文脈で混同しないように注意してください。
例文と解説
- Since we have finished the project, we can relax now.(プロジェクトが終わったので、今は一息つけます)→ 結果に焦点を当てる使い方です。
- I haven’t seen her since April.(4月以来彼女に会っていません)→ 時間の意味の例。
注意事項とコツ
- 書き言葉や報告書、ビジネスメールで重宝します。
- 口語で理由を強調したいときは "because" を使うと自然です。
練習(短問)
次の日本語を英語にしてください。
1) 天気が良いので散歩しましょう。→ "Since the weather is nice, ..."
2) 彼は2019年からこの会社に勤めています。→ 時間の "since" を使う文に。
答えは文章中に自然に入れて練習してください。
「as」を使った言い換え
概要
「as」は「because」や「since」と同じく理由を表す接続詞として使えます。話し手が原因と結果を短くつなげたいときや、原因と結果がほぼ同時に起きている印象を与えたいときに自然です。ややフォーマルな場面でもよく使われます。
使い方のポイント
- 文頭で使うときは、主節と分けるためにカンマを置くことが多いです。
例: As it was raining, we stayed indoors.(雨が降っていたので、私たちは屋内にいました。) - 文中で使うときはカンマを省くことが多く、流れが自然になります。
例: We stayed indoors as it was raining.
「because」「since」との違い
- 「because」は原因をはっきり示すときに最も直接的です。
- 「since」はややフォーマルで、背景説明に向きます。
- 「as」は原因が既知で、さらりと理由を添えるときに使うと自然です。ニュアンスの違いは小さいので、場面や強調したい点で選びます。
注意点とコツ
- 「as」は時間を表す意味(〜する時に)としても使われます。文脈で誤解しないように、必要なら「because」に言い換えて確かめてください。
- 口語では「because」が分かりやすいため、相手が理解しやすい表現を選んでください。
例文(参考)
- As the meeting is at 9 AM, we need to start early.
(会議が9時にあるので、早く始める必要があります。) - I left early as I wasn't feeling well.
(具合が悪かったので早めに出ました。)
「thanks to」「due to」「because of」の使い分け
意味とニュアンス
- thanks to:肯定的な原因を表し、「〜のおかげで」という意味で使います。感謝や好結果を強調する語です。皮肉を込めて使うこともあります。
- due to:原因を示す正式な表現で、「〜のために/〜のせいで」と訳されます。書き言葉でよく使います。
- because of:最も一般的で中立的な表現。「〜のために」「〜だから」と訳し、口語・書き言葉両方で使えます。
文法ポイント
- 3つとも前置詞なので、名詞や名詞句を取ります(because of the rain, due to the accident, thanks to her help)。
- due toは形容詞的に用いられることが多く、be動詞の後に置くことが一般的です(The delay was due to snow.)。
- because ofは動詞の理由を説明するのに自然です(I missed the bus because of heavy traffic.)。
例文と解説
- I was able to make a successful presentation thanks to him. → 彼のおかげでうまく発表できた(肯定的)。
- Many employees were restructured due to the recession. → 景気後退のため、多くの従業員が配置転換された(正式)。
- I can’t go to the party because of my test tomorrow. → 明日テストがあるのでパーティーに行けない(中立)。
- Irony例:Thanks to the delay, we missed the meeting. → 遅れのおかげで(皮肉)会議を逃した。
使い分けのコツ
- 結果が良ければthanks to、堅い・公式な文脈ならdue to、普通の理由説明ならbecause ofを使うと分かりやすいです。
- 文の位置に注意:be動詞の後ろに原因を置くならdue toが自然、動作の理由を説明するならbecause ofで問題ありません。
- どれを使っても意味は通じますが、場面に合わせて語感を選ぶと表現が洗練されます。
「the reason why... is (because)」を使った言い換え
構文と意味
“The reason why ... is (because) ...”は「〜の理由は〜である」と原因や理由を明確に示す表現です。基本形は次の通りです。
- The reason why + 主語 + 動詞 + is (that/because) + 理由
フォーマルには"is that"を使うのが自然です。口語では"is because"も使われますが、やや冗長に感じられることがあります。
使い方と例
1) 元の文(becauseを使う):
- Many companies are expanding their business because they want to keep pace with diverse consumer demands.
言い換え:
- The reason why many companies are expanding their business is that they want to keep pace with diverse consumer demands.
- The reason many companies are expanding is to keep pace with diverse consumer demands.(より簡潔)
2) 元の文:
- She left early because she felt ill.
言い換え:
- The reason why she left early is that she felt ill.
- She left early because she felt ill.(簡潔で自然)
言い換えのポイント
- 強調したいときや理由をはっきり示したいときに有効です。説明文や報告書でよく使います。
- 短く言いたい場面では"because"や不定詞(to + 動詞)で言い換えると読みやすくなります。
- フォーマルな場面では"is that"を使うと誤解が少なくなります。
注意点
- "the reason why"自体を冗長と考える意見もありますが、日常では問題なく使えます。
- 同じ内容を繰り返すと文章が重くなるので、必要に応じて簡潔な表現に戻してください。
「That’s because...」「The reason is that...」
簡単な説明
「That’s because...」は会話でよく使う定番フレーズです。相手の疑問や発言に対し「それは〜だからだよ」と短く返すときに自然です。一方「The reason is that...」はややフォーマルで、理由をはっきり説明するときに向きます。
使い方の違い
-
That’s because + 文(節)
例:That’s because I got a promotion.(それは昇進したからだよ)
会話的で親しみやすいです。 -
The reason is that + 文(節)または The reason is + 名詞句
例:The reason is that I want to travel the world.(理由は世界を旅したいということです)
書き言葉や丁寧な説明に合います。
注意点とコツ
- “That”は直前の内容を指します。どの事柄を指すか明確にしましょう。
- 名詞と一緒に使う場合は “because of” や “due to” の方が自然なことがあります。
- フォーマルな場面では “The reason is that...” を使うと落ち着いて聞こえます。会話では “That’s because...” を気軽に使ってください。
練習例(短め)
1) A: Why are you smiling?
B: That’s because I got good news.
2) The reason is that the meeting was postponed.
3) That’s because of the heavy traffic.
日常会話では自然に使える表現です。場面に合わせて使い分けてみてください。
「First and foremost」「Another significant point」「Moreover」
これらの表現は、複数の理由や点を順に挙げるときに使います。ライティングやプレゼンテーションで論点を整理し、説得力を高めるのに役立ちます。
使い方とニュアンス
- First and foremost:最も重要な点を強調します。文頭で使い、後に続けて主要な理由を述べます(例:First and foremost, the location is convenient.)。丁寧でややフォーマルです。
- Another significant point:別の重要な点を提示します。「another」を使うことで追加の強調になります。文頭か中間で使えます。
- Moreover:さらに情報を付け加えるときに使います。前の点を受けて強化する働きがあり、接続副詞として文頭でカンマを伴うことが多いです。
位置と句読点
通常は文頭に置き、カンマ(,)で区切ります。文章の流れを考え、順序を工夫すると分かりやすくなります。
注意点
同じ表現を続けて使うと単調になります。First and foremost→Another significant point→Moreoverのように役割を決め、適度に類義表現(First of all, Furthermore, In addition)を混ぜると自然です。
例文
- First and foremost, the location is convenient.
- Another significant point is the price.
- Moreover, the service is excellent.
短い段落例:
First and foremost, the location is convenient. Another significant point is the price. Moreover, the service is excellent.
これらを順序と強弱を意識して使うと、話や文章に説得力が出ます。
まとめと使い分けのポイント
全体の要点
「なぜなら」を表す英語表現は場面で使い分けると自然に聞こえます。日常では because、フォーマルな文や書き言葉では since や as、名詞句の前では thanks to / due to / because of を使い分けます。
表現別のポイント(簡潔な例付き)
-
because:最も広く使います。理由を強調したいときに便利です。
例:I stayed home because I was tired.(疲れていたから家にいました。) -
since:フォーマルな場面や相手と事実を共有しているときに適します。
例:Since it rained, the event was postponed.(雨だったので、イベントは延期になりました。) -
as:原因と結果がほぼ同時に起こるとき、ややフォーマルに使います。
例:As we were late, we took a taxi.(遅れたのでタクシーを使いました。) -
thanks to / due to / because of:名詞や名詞句の前に置きます。thanks to はポジティブな原因、due to は中立〜ややフォーマルです。
例:Thanks to your help, I finished. / Due to traffic, I was late.(助けのおかげで終えました。/ 交通渋滞のため遅刻しました。) -
the reason why... is (because):理由をはっきり説明するときに使います。
例:The reason why I left is that I had an appointment. -
That’s because... / The reason is that...:相手の疑問に答えるときに便利です。
例:Why was he absent? — That’s because he was ill. -
First and foremost / Another significant point / Moreover:複数の理由を整理して述べるときに使います。文章やプレゼンで役立ちます。
最後に
日常会話は because を基準にし、書き言葉や丁寧さを求める場面で他の表現を選ぶと良いです。簡単な英語で理由を明確に伝える練習を続けてください。