プロジェクトマネジメント

12の原則とは?PMBOK第7版の考え方と12の原則をわかりやすく解説

はじめに

「PMBOK第7版に出てくる12の原則って、何を意味しているの?」
「これまでのPMBOKと何が変わったの?」
「試験対策や実務では、12の原則をどのように理解すればいいの?」と迷っていませんか。

PMBOK第7版では、プロジェクトを進めるうえで大切にしたい考え方として、12の原則が示されています。

この記事では、PMBOK第7版の基本的な考え方を整理しながら、12の原則が何を表しているのかを順を追って説明していきます。

12の原則とは?PMBOK第7版で重視される考え方

PMBOK第7版では、手順を順番どおりに進めることだけでなく、プロジェクトの状況に合わせて正しく判断する考え方が重視されています。

計画どおりに進まない場面や、関係者の意見が分かれる場面でも、何を基準に決めるべきかを見失わないために、12の原則が示されています。

PMBOK第7版で原則重視になった理由

PMBOK第7版で原則が重視されるようになったのは、プロジェクトの進め方が多様化し、決まった手順だけでは対応しにくくなったためです。

開発手法やプロジェクトの内容によって進め方が異なることも多く、状況に応じて判断することが求められる場面が増えています。

そのため、第7版では、さまざまな状況で共通して役立つ考え方として12の原則が示されていま

12の原則はプロジェクトの判断基準

12の原則は、プロジェクトで判断に迷ったときの考え方の基準となるものです。

作業の手順を細かく決めるものではなく、関係者との関わり方や価値、品質などを意識しながら、状況に合った判断を行うために役立ちます。

原則を理解しておくことで、変化のあるプロジェクトでも柔軟に対応しやすくなります。

PMBOK第7版の12の原則一覧

PMBOK第7版では、プロジェクトを成功へ導くための判断基準として、次の12の原則が示されています。

これらは「必ずこの手順で進める」というルールではなく、状況に応じて適切な判断を行うための考え方です。

プロジェクトの規模や業界を問わず共通して活用できる指針として位置付けられています。

原則内容
1. 誠実で責任ある管理者(スチュワード)である倫理観を持ち、人・資源・成果物を責任を持って管理する
2. 協力的なプロジェクトチームをつくる信頼関係を築き、協力しやすいチーム環境を整える
3. ステークホルダーと効果的に関わる利害関係者と継続的にコミュニケーションを取り、期待を調整する
4. 価値に焦点を当てる成果物だけでなく、プロジェクトが生み出す価値を重視する
5. システムの相互作用を考えるプロジェクト全体や周囲への影響を踏まえて判断する
6. リーダーシップを発揮する役職に関係なく、周囲を支援しながら目標達成へ導く
7. 状況に応じてテーラリングするプロジェクトの特性に合わせて進め方を柔軟に調整する
8. 品質をプロセスと成果物に組み込む最後に確認するだけでなく、作業の途中から品質を意識する
9. リスクへの対応を最適化するリスクだけでなく、機会も考慮して適切に対応する
10. 複雑さに対応する不確実性や変化を前提として、状況に応じて判断する
11. 適応力とレジリエンスを持つ変化に柔軟に対応し、問題が起きても立て直せる力を備える
12. 望ましい変化を実現するプロジェクトを通じて組織や利用者に価値ある変化をもたらす

これら12の原則は、それぞれが独立しているのではなく、互いに関連しながらプロジェクト運営を支えます。

PMBOK第7版では、プロジェクトの状況に合わせてこれらの原則を組み合わせて活用し、価値を生み出すことが重視されています。

12の原則をわかりやすく解説

PMBOK第7版の12の原則は、プロジェクトを進めるうえで何を大切にして判断するかを示した考え方です。

誠実な行動、チームへの支援、関係者との関わり方、価値の確認、品質やリスクへの対応など、プロジェクトマネジメントで迷いやすい場面ごとに、判断のよりどころになる内容が整理されています。

スチュワードシップ

スチュワードシップとは、プロジェクトで預かったお金や人、時間、情報を、責任を持って適切に扱うことです。

自分の都合だけで進めたり、問題を隠したりすると、納期の遅れや予算超過、関係者からの信頼低下につながる可能性があります。

決められたルールを守り、進捗や課題を正しく共有しながら、プロジェクト全体を考えて判断することが大切です。

チームを育成し支援する

チームを育成し支援するとは、メンバーが安心して作業を進められるように、役割や相談先、判断できる範囲を明確にすることです。

情報共有が不足したり、相談しにくい環境だったりすると、作業の遅れや手戻りが起こりやすくなります。

担当や必要な情報を整理し、相談しやすい環境を整えながら、チーム全体で成果を出せる状態を目指すことが大切です。

ステークホルダーと効果的に関わる

ステークホルダーと効果的に関わるとは、プロジェクトに関わる人ごとに必要な情報を整理し、適切なタイミングで共有することです。

誰に何を伝えるかが曖昧なまま進めると、認識違いや承認の遅れが起こりやすくなります。

進捗や変更点を適切に伝え、必要な場面で早めに確認を行うことが大切です。

価値に焦点を当てる

価値に焦点を当てるとは、作業を終えることではなく、成果物が依頼者や利用者に役立つかを意識して進めることです。

期限どおりに完成しても、使う人の役に立たなければ十分な成果とはいえません。

成果物がどのような価値を生み出すのかを考えながら、本当に必要な作業を進めることが大切です。

システム思考を活用する

システム思考を活用するとは、目の前の作業だけでなく、作業同士のつながりや変更による影響まで考えて判断することです。

一つの変更が、納期や品質、ほかの作業に影響することも少なくありません。

変更を行う前に全体への影響を確認し、無理のない進め方を選ぶことが大切です。

リーダーシップを発揮する

リーダーシップを発揮するとは、プロジェクトの目的に向けて、メンバーが迷わず動けるよう方向性を示し、必要な判断や調整を行うことです。

判断が先送りになると、作業の停滞や責任の押し付け合いにつながることがあります。

状況に応じて優先順位や判断基準を示し、安心して作業を進められる環境をつくることが大切です。

状況に応じてテーラリングする

状況に応じてテーラリングするとは、プロジェクトの規模や期間、関係者の数などに合わせて、進め方や管理方法を調整することです。

すべてのプロジェクトで同じ手順を使うと、管理が過剰になったり、反対に不足したりすることがあります。

状況に応じて必要な手順を選び、効率よく進めることが大切です。

プロジェクトを状況に合わせて進めるには、作業を整理する方法も重要です。
WBSとは?プロジェクトマネジメントでの作り方と具体例をわかりやすく解説

品質を組み込む

品質を組み込むとは、完成後にまとめて確認するのではなく、作業の途中から品質を確認しながら進めることです。

最後に不具合が見つかると、大きな手戻りにつながることがあります。

完成条件や確認方法を事前に決め、各工程で品質を確かめながら進めることが大切です。

複雑性に対応する

複雑性に対応するとは、関係者や作業、変更点が多いプロジェクトでも、問題になりやすい点を整理しながら進めることです。

情報が増えるほど、連絡漏れや手戻りが起こりやすくなります。

影響の大きい作業や判断が必要な場面を早めに把握し、適切に調整することが大切です。

リスクへ適切に対応する

リスクへ適切に対応するとは、起こりそうな問題を事前に洗い出し、対応方法を決めておくことです。

問題が起きてから対応すると、スケジュールや品質への影響が大きくなる場合があります。

リスクの優先順位を付け、回避や軽減などの対策をあらかじめ考えておくことが大切です。

リスクへの対応方法をさらに詳しく知りたい方は、リスク管理表の作り方や活用方法も参考になります。
プロジェクトマネジメントのリスク管理表とは?作り方・記入例を解説

適応力と回復力を高める

適応力と回復力を高めるとは、予定変更やトラブルが起きても、状況に合わせて立て直せるようにすることです。

計画どおりに進まないことは、プロジェクトでは珍しくありません。

変更点を確認しながら作業の順番や担当を見直し、できるだけ早く立て直すことが大切です。

変化を受け入れる

変化を受け入れるとは、要件や期限などが変わったときに、最初の計画にこだわらず柔軟に対応することです。

途中で状況が変わることは多く、そのまま進めると成果物が目的からずれてしまうことがあります。

変更内容と影響を確認しながら、プロジェクトの目的に合う進め方へ調整することが大切です。

12の原則を実務で活用するポイント

PMBOK第7版の12の原則は、言葉を順番に覚えるための一覧ではなく、実際のプロジェクトで判断に迷ったときに使う考え方です。

作業の進め方、関係者への伝え方、リスクへの向き合い方は案件ごとに変わるため、12の原則を状況に合わせて使い分けることが重要です。

PMBOK第7版の考え方を理解したら、実際にプロジェクトでどのように管理を進めるのかも確認しておくと、実務とのつながりをイメージしやすくなります。
プロジェクトマネジメントとは?初心者向けに意味・役割・基本の流れをわかりやすく解説

原則は暗記するものではない

PMBOK第7版の12の原則は、名前や順番を覚えるためではなく、実務で判断に迷ったときの考え方として活用するものです。

プロジェクトでは、納期や品質、関係者への対応など、状況に応じて判断を求められる場面が数多くあります。

原則を活用するときは、今どのような状況なのか、誰に影響があるのかを考えながら、適切な判断につなげることが大切です。

状況に応じて使い分けることが重要

12の原則は、すべての場面で同じように使うのではなく、プロジェクトの状況に合わせて重視する考え方を変えることが大切です。

例えば、納期が近いときはリスクへの対応を重視し、関係者との調整が必要な場面では、情報共有やコミュニケーションを優先することがあります。

状況に合った原則を選びながら判断することで、プロジェクトをより円滑に進めやすくなります。

まとめ

PMBOK第7版の12の原則は、プロジェクトを進める手順を覚えるためではなく、状況に応じて適切な判断をするための考え方です。

納期や品質、リスク、ステークホルダーとの関わりなど、さまざまな場面で「何を優先すべきか」を考える基準として役立ちます。

実務では、12の原則を順番どおりに暗記することよりも、そのときの状況に合った原則を選び、柔軟に活用することが大切です。

判断に迷ったときは、プロジェクト全体への影響や成果物の価値を意識しながら考えることで、より適切な判断につなげやすくなります。

まずは12の原則それぞれの意味を理解し、日々のプロジェクトで少しずつ意識してみましょう。

経験を重ねながら活用していくことで、PMBOK第7版の考え方を実務にも取り入れやすくなります。

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