はじめに
「PMBOKガイド第7版は、第6版までと何が変わったの?」
「12の原理や8つのプロジェクトパフォーマンス領域が出てくるけれど、どう理解すればいいの?」と戸惑っていませんか。
PMP試験の勉強を始めたり、仕事でPMBOKガイドについて調べたりすると、第6版までのプロセス中心の構成との違いが分からず、どこから押さえればよいのか迷うことがありますよね。
この記事では、PMBOKガイド第7版の概要から、12のプロジェクトマネジメント原理、8つのプロジェクトパフォーマンス領域、第6版からの主な変更点まで順を追って説明していきます。
PMBOKガイド第7版とは?
PMBOKガイド第7版を理解するには、まずどのような内容をまとめたガイドなのかを押さえたうえで、なぜ第6版から大きく改訂されたのかを確認することが大切です。
ここでは、PMBOKガイド第7版の概要、改訂された目的、第7版で重視される考え方について順番に説明します。
PMBOKガイド第7版の概要
PMBOKガイド第7版は、プロジェクトマネジメントに必要な考え方や行動の指針をまとめたガイドです。
12のプロジェクトマネジメント原理と8つのプロジェクト・パフォーマンス領域を中心に構成されており、決められた手順ではなく、プロジェクトの目的や状況に合わせて進め方を選ぶ考え方が示されています。
第7版が改訂された目的
第7版への改訂には、プロジェクトの進め方が多様化した背景があります。
従来の予測型だけでなく、アジャイル型やハイブリッド型などにも対応できるよう、特定の手順にとらわれず、状況に合わせて進め方を選べる内容へと見直されました。
第7版で重視される考え方
第7版では、成果物を完成させるだけでなく、プロジェクトを通じて価値を生み出すことが重視されています。
また、プロジェクトの目的や状況に合わせて手法やプロセスを調整する「テーラリング」も大切な考え方で、すべてのプロジェクトに同じ進め方を当てはめないことが基本です。
PMBOKガイド第7版の変更点
PMBOKガイド第7版では、第6版までのプロセスを中心とした構成から、プロジェクトを進める際の原則や成果を重視する構成へと大きく変わりました。
ここでは、プロセス中心から原則中心への変更、12の原則と8つのパフォーマンスドメイン、価値提供を重視する考え方について順番に説明します。
プロセス中心から原則中心へ変わった
PMBOKガイド第7版では、第6版の49のプロセスを中心とした構成から、判断や行動の基準となる原則を重視する構成へ変わりました。
決められたプロセスをそのまま適用するのではなく、プロジェクトの規模や状況に合わせて、適切な進め方を選ぶことが重視されています。
12の原則が追加された
第7版では、プロジェクトに関わる人の判断や行動の指針として、12のプロジェクトマネジメント原則が示されています。
スチュワードシップやチーム、ステークホルダー、価値など、プロジェクトを進めるうえで継続して意識したい考え方が整理されています。
8つのパフォーマンスドメインが導入された
第7版では、プロジェクトで成果を生み出すために重視する領域として、8つのプロジェクト・パフォーマンス・ドメインが導入されました。
ステークホルダー、チーム、計画、デリバリーなど8つの領域があり、それぞれを関連させながらプロジェクトを進めていきます。
価値提供を重視する考え方になった
第7版では、成果物を完成させることだけでなく、プロジェクトを通じて必要な価値を生み出すことが重視されています。
そのため、目的や期待する成果を確認しながら、取り組んでいる内容が価値につながっているかを意識して進めることが大切です。
PMBOKガイド第6版との違い
PMBOKガイド第6版と第7版では、内容の整理方法やプロジェクトマネジメントの捉え方が大きく変わっています。
ここでは、第6版と第7版の主な違いを比較表で整理したうえで、第7版への改訂によって第6版の内容が不要になったのかについて説明します。
第6版と第7版の違いを比較表で確認
第6版と第7版では、中心となる構成やプロジェクトマネジメントの進め方が異なります。主な違いを整理すると、以下のとおりです。
| 比較項目 | 第6版 | 第7版 |
|---|---|---|
| 中心となる構成 | 5つのプロセス群と10の知識エリア | 12の原則と8つのパフォーマンスドメイン |
| プロセス | 49のプロセスを整理 | プロセス中心の構成ではない |
| 重視する考え方 | プロセスを通じて管理する | 原則をもとに状況に応じて判断する |
| プロジェクトの進め方 | プロセスと知識エリアを軸に進める | 状況に合わせて方法を選択する |
| 成果の捉え方 | 成果物やプロセスの管理を重視する | 価値や成果の提供を重視する |
第6版の内容は不要になったのか
第7版が発行されたからといって、第6版の内容がすべて不要になったわけではありません。
第6版の49のプロセスや10の知識エリアは、プロジェクトで何を管理し、どのように進めるかを整理するときに役立ちます。
第7版の考え方を基本としながら、必要に応じて第6版のプロセスや手法を活用することもできます。
PMBOKガイド第7版はどんな人に必要?
PMBOKガイド第7版は、プロジェクトを管理する立場の人だけでなく、チームの一員としてプロジェクトに関わる人にも役立つ内容がまとめられています。
ここでは、第7版が役立つ人、実務での活かし方、PMP試験との関係について順番に説明します。
第7版が役立つ人
PMBOKガイド第7版は、プロジェクトマネージャーだけでなく、プロジェクトリーダーやチームメンバーなど、プロジェクトに関わる幅広い人に役立ちます。
特に、進捗やリスク、関係者の要望を確認しながら、状況に合わせて進め方を調整する立場の人に活用しやすい内容です。
実務でどのように活かせるのか
実務では、12の原則や8つのパフォーマンスドメインを、計画や進捗確認、問題への対応などに活かせます。
プロジェクトの目的や状況を確認しながら、必要に応じて手法やプロセスを選び、より適した進め方へ調整するときの判断に役立ちます。
PMP試験との関係
PMP試験は、PMBOKガイド第7版だけから出題されるわけではなく、試験内容の概要(ECO)に基づいて出題されます。
予測型だけでなくアジャイル型やハイブリッド型も含まれるため、第7版の暗記だけに偏らず、ECOで示された出題領域に沿って学習することが大切です。
PMBOKガイド第7版に関するよくある質問
PMBOKガイド第7版を学び始めると、「初心者でも内容を理解できるのか」「第7版だけ読めばプロジェクトマネジメントを十分に学べるのか」と迷うことがあります。
ここでは、第7版を初心者が学ぶときの考え方、第7版だけで十分かどうか、第6版も読むべきかについて順番に説明します。
PMBOKガイド第7版は初心者でも理解できる?
PMBOKガイド第7版は、初心者でも学ぶことができます。
ただし、具体的な手順よりも原則や考え方を中心に説明しているため、最初は内容をつかみにくいかもしれません。
まずはプロジェクトの基本的な流れを押さえてから、12の原則や8つのパフォーマンスドメインを確認すると理解しやすくなります。
PMBOKガイド第7版だけ学べば十分?
実務で活用する場合は、第7版だけで十分とは限りません。
第7版は原則や価値提供などの考え方が中心となっているため、実際にプロジェクトを進める際は、必要に応じて具体的なプロセスや手法についても学ぶと理解を深めやすくなります。
第6版もあわせて読むべき?
第6版は、49のプロセスや10の知識エリアをもとに、具体的な管理方法を確認したいときに役立ちます。
ただし、最初からすべてを読む必要はなく、第7版だけでは分かりにくい部分や、具体的な進め方を知りたいときに参考にする方法でもよいでしょう。
まとめ
PMBOKガイド第7版では、決められたプロセスを中心とする考え方から、状況に合わせて判断し、価値を生み出すことを重視する考え方へ変わりました。
12の原則と8つのパフォーマンスドメインを押さえることで、第7版の全体像をつかみやすくなります。
また、第6版の知識がすべて不要になったわけではありません。まずは第7版の基本的な考え方を理解し、必要に応じて第6版のプロセスや手法も参考にしながら、実務やPMP試験の学習に活かしていきましょう。