はじめに
「プロジェクトマネジメント技法には、どのような手法があるの?」
「進捗管理や課題管理など、目的によって何を使い分ければいいの?」と気になっていませんか。
プロジェクトを任され、作業の洗い出しやスケジュール作成、進捗確認を進めようとしても、WBSやガントチャートなど複数の技法があり、どの場面で何を使えばよいのか迷うことがありますよね。
この記事では、代表的なプロジェクトマネジメント技法の特徴と、目的に応じた使い分け方をわかりやすく整理します。
プロジェクトマネジメント技法とは?
プロジェクトマネジメントでは、計画作成や進捗確認、課題への対応など、目的に応じてさまざまな技法を活用します。
ここでは、プロジェクトマネジメント技法の使い分け方と、プロジェクトの各段階で使う場面について説明します。
プロジェクトマネジメント技法は目的に応じて使い分ける
プロジェクトマネジメント技法は、何を整理・管理したいのかに合わせて選びます。
作業内容を整理する場合と、進捗やコストを確認する場合では、必要な技法も異なります。
1つの技法ですべてを管理しようとせず、目的に合ったものを使い分けることで、必要な情報を把握しやすくなります。
プロジェクトの計画から完了まで技法を使う場面
プロジェクトマネジメント技法は、計画から実行、進捗管理、完了までさまざまな場面で活用します。
計画時には作業や期限を整理し、実行中は予定と実績を比べながら遅れや課題を確認します。
完了時には成果や実績を振り返るなど、それぞれの段階に合った技法を使うことが大切です。
代表的なプロジェクトマネジメント技法9選
プロジェクトマネジメントでは、作業の整理やスケジュール管理、進捗・コストの把握など、管理する対象に応じて異なる技法を活用します。
ここでは、プロジェクトの計画から実行・管理まで活用できる代表的な9つの技法について説明します。
WBS|プロジェクトの作業を細分化する
WBSは、プロジェクトに必要な作業を階層ごとに分け、実行できる単位まで細分化する技法です。
成果物や大きな作業から順に分けていくことで、必要なタスクの抜けや重複を確認しやすくなります。
整理した作業は、担当者や期限を決める際の基準としても活用できます。
ガントチャート|タスクとスケジュールを見える化する
ガントチャートは、各タスクの開始日と終了日を横棒で示し、スケジュールを見える化する技法です。
複数のタスクを同じ時間軸に並べることで、作業期間や重なり、全体の流れを確認できます。
予定と実績を比べれば、どのタスクに遅れが生じているのかも把握しやすくなります。
PERT|作業の順序と所要期間を把握する
PERTは、作業の前後関係と所要期間を整理し、プロジェクトの進行順序を把握する技法です。
どの作業が終われば次の作業を始められるのかをつなげ、それぞれに必要な期間を設定します。
作業同士の関係が見えるため、プロジェクトをどのような順番で進めるのか整理しやすくなります。
クリティカルパス|遅延すると全体に影響する作業を特定する
クリティカルパスは、プロジェクトの開始から完了までに必要な作業経路のうち、全体の所要期間を決める最長の経路です。
この経路に含まれる作業が遅れると、プロジェクト全体の完了日にも影響する可能性があります。
納期への影響が大きい作業を把握し、優先して進捗を管理する際に役立ちます。
CCPM|余裕時間を管理して納期を守る
CCPMは、作業ごとに余裕時間を設けるのではなく、バッファとしてまとめて管理する技法です。
タスクの依存関係や人員などを踏まえて作業順序を決め、実行中はバッファがどの程度使われているかを確認します。
余裕が少なくなった段階で対応することで、納期遅延のリスクを抑えやすくなります。
EVM|進捗とコストを数値で管理する
EVMは、計画した作業量、実際に完了した作業量、発生したコストを比較し、進捗とコストを管理する技法です。
計画価値のPV、出来高のEV、実コストのACを使い、それぞれの差から進捗の遅れやコスト超過を確認します。
計画からどの程度ずれているのかを、数値で把握できる点が特徴です。
リスク分析|プロジェクトの不確実性に備える
リスク分析では、将来起こる可能性のある問題を洗い出し、発生確率と影響度を確認します。
納期やコスト、品質などへの影響を整理し、重要度の高いリスクから対応策を考えておくことが大切です。
プロジェクトの進行中も状況を確認し、変化があればリスクの評価を見直します。
RACI|役割と責任の所在を明確にする
RACIは、タスクごとの役割を実行責任者(R)、最終責任者(A)、相談先(C)、報告先(I)の4つに分けて整理する技法です。
それぞれの役割を決めることで、誰が作業し、誰が最終的に判断するのかを明確にできます。
関係者が多いプロジェクトでも、相談先や報告先が分かりやすくなります。
品質管理|成果物の品質を計画・確認する
品質管理では、成果物が満たすべき基準をあらかじめ決め、その基準に沿って品質を確認します。
作成中や完成時に確認項目と照らし合わせ、不備があれば修正して再度確認します。
品質基準や確認方法を事前に決めておくことで、関係者の判断基準をそろえやすくなります。
プロジェクトの目的別に技法を使い分ける
プロジェクトマネジメント技法は、管理したい対象や解決したい課題に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、プロジェクトで達成したい目的ごとに、どの技法を使えばよいのかを説明します。
タスクを整理したいならWBSを使う
プロジェクトに必要なタスクを整理したい場合は、WBSを使います。
成果物や大きな作業から、担当者が実行できる単位まで順番に分解することで、タスクの抜けや重複を確認できます。
整理したタスクをもとに担当者や期限を決めれば、その後の計画も立てやすくなります。
スケジュールを管理したいならガントチャートやPERTを使う
スケジュールを管理したい場合は、ガントチャートやPERTが役立ちます。
ガントチャートは作業期間や進捗の確認、PERTは作業の前後関係や進める順番の整理に向いています。
日程を見える化したいのか、作業のつながりを確認したいのかに合わせて使い分けましょう。
納期への影響を把握したいならクリティカルパスを使う
納期に影響する作業を把握したい場合は、クリティカルパスを使います。
作業の前後関係と所要期間から、プロジェクト全体の期間を左右する作業経路を特定します。
対象となる作業を優先して確認することで、遅れによる納期への影響を把握しやすくなります。
納期遅延を防ぎたいならCCPMを使う
納期遅延を防ぎたい場合は、CCPMを使って余裕時間を管理します。
作業ごとではなく、複数の作業に対する余裕時間をバッファとしてまとめ、実行中にどの程度使われているかを確認します。
バッファの減り方を見ながら早めに対応することで、納期遅延のリスクを抑えやすくなります。
コストと進捗を管理したいならEVMを使う
コストと進捗をあわせて管理したい場合は、EVMを使います。
計画価値のPV、出来高のEV、実コストのACを比較することで、計画に対する進捗やコストの状況を確認できます。
作業の遅れやコスト超過を数値で把握したいときに役立つ技法です。
リスクに備えたいならリスク分析を使う
プロジェクトで起こりそうな問題に備えたい場合は、リスク分析を使います。
考えられるリスクを洗い出し、発生確率と影響度をもとに優先順位を決めて、必要な対策を準備します。
進行中も状況に合わせて評価を見直すことで、新たなリスクや変化にも対応しやすくなります。
役割分担を明確にしたいならRACIを使う
タスクごとの役割分担を明確にしたい場合は、RACIを使います。
実行責任者(R)、最終責任者(A)、相談先(C)、報告先(I)を決めることで、誰が作業や判断を担当するのか整理できます。
関係者が多く、責任や連絡先が曖昧になりやすいプロジェクトにも役立ちます。
成果物の品質を管理したいなら品質管理を行う
成果物の品質を管理したい場合は、あらかじめ品質基準と確認方法を決めておきます。
作成中や完成時に基準と照らし合わせ、不備があれば修正して再度確認します。
判断基準を事前にそろえておくことで、成果物の品質を一定に保ちやすくなります。
プロジェクトマネジメント技法を効果的に使うポイント
プロジェクトマネジメント技法を活用するときは、決められた方法をそのまま使うのではなく、プロジェクトの規模や目的に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、プロジェクトマネジメント技法を効果的に使うためのポイントを説明します。
プロジェクトの規模や目的に合う技法を選ぶ
プロジェクトマネジメント技法は、プロジェクトの規模や管理したい内容に合わせて選びます。
まずはタスク、スケジュール、コスト、リスクなど、何を管理する必要があるのかを整理しましょう。
目的に合った技法に絞ることで、必要な情報を確認しやすくなります。
複数の技法を組み合わせて管理する
1つの技法だけでは管理しにくい場合は、目的に合わせて複数の技法を組み合わせます。
たとえば、WBSでタスクを整理し、ガントチャートでスケジュールを設定すれば、作業内容と日程をあわせて確認できます。
さらにEVMでコストと進捗を確認するなど、管理したい内容に応じて技法を組み合わせることが大切です。
技法を作成すること自体を目的にしない
WBSやガントチャートなどは、作成して終わりではなく、プロジェクトの状況を確認するために活用します。
実際の進捗を反映し、予定との差や変更があれば内容を更新して、必要な対応を考えます。
定期的に確認・更新することで、プロジェクトを進めるための情報として役立てられます。
まとめ
プロジェクトマネジメント技法は、タスク、スケジュール、コスト、リスク、役割、品質など、管理する目的に応じて使い分けます。
WBSやガントチャート、PERT、クリティカルパス、CCPM、EVM、RACIなどは、それぞれ管理できる対象や確認できる情報が異なります。
プロジェクトの規模や目的を確認したうえで必要な技法を選び、複数の管理対象がある場合は技法を組み合わせることが重要です。
また、技法を作成するだけで終わらせず、実際の進捗や変更を反映しながら継続して確認・更新し、プロジェクトの判断や調整に活用しましょう。