プロジェクトマネジメント

トータルフロートがマイナスになる理由とは?A・D・Gになる考え方を解説

はじめに

「トータルフロートがマイナスになるのはなぜ?」
「問題の答えがA・D・Gになると書かれているけれど、どうやって判断するのか分からない……」と迷っていませんか。

基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、プロジェクトマネジメントの学習でネットワーク図を解いていると、通常は0以上になると思っていたトータルフロートがマイナスになり、計算結果を見て戸惑うことがあります。

この記事では、トータルフロートがマイナスになる理由や計算の考え方、A・D・Gが答えになる判断手順を順を追って説明していきます。

トータルフロートがマイナスになる作業はA・D・G

ここでは、トータルフロートがマイナスになる作業がどれなのかを確認します。

まずはマイナスになる作業の答えを整理し、そのうえで「D・Gだけでは不十分」と判断する理由を順番に見ていきましょう。

結論は作業A・D・Gがマイナスになる

最終イベントを6日に短縮した場合、トータルフロートがマイナスになるのは作業A・D・Gです。

DとGは最終イベントにつながる経路上にあり、工期短縮の影響を直接受けます。また、AはDとGの前工程にあたるため、Aが早く終わらなければ後続作業も前倒しできません。

そのため、A・D・Gのトータルフロートはマイナスになります。

作業D・Gだけでは不十分になる理由

作業Dと作業Gは最終イベントへ直接つながっていますが、どちらも前工程である作業Aの完了後でなければ開始できません。

そのため、DとGだけを短縮しても、Aが予定どおり進まなければ工期6日は達成できません。

こうした理由から、作業AもD・Gと同様にマイナスのトータルフロートを持つ作業として考える必要があります。

トータルフロートがマイナスになる意味

トータルフロートがマイナスになるときは、単に余裕時間がないだけではなく、工程全体が指定工期に収まらない状態を示しています。

ここでは、トータルフロートがマイナスになる意味と、対応が必要な作業の考え方を確認していきましょう。

指定工期に対して余裕が足りない状態を表す

トータルフロートがマイナスとは、指定された工期に対して余裕が足りない状態を表します。

例えば、トータルフロートがマイナス1日なら、現在の工程では工期に1日間に合いません。

指定工期を守るには、対象作業や前後の工程を含めて、少なくとも1日以上短縮する必要があります。

マイナスの作業は短縮が必要な作業になる

トータルフロートがマイナスの作業は、そのままでは指定工期を満たせないため、短縮を検討する必要があります。

例えば、トータルフロートがマイナス2日なら、対象作業や関連する経路を合計2日以上短縮しなければなりません。

そのため、マイナスの作業は優先的に改善を検討する作業として扱われます。

最終イベントを6日に短縮するとマイナスが発生する

最終イベントの完了時刻を6日に設定すると、通常の後退計算とは異なる結果になる場合があります。

ここでは、工期を6日に短縮した場合にどのようにマイナスが発生するのかを順番に見ていきましょう。

最早時刻と最遅時刻の差で余裕時間を確認する

余裕時間は、最遅開始時刻-最早開始時刻、または最遅完了時刻-最早完了時刻で確認できます。

計算結果が0なら余裕はなく、正の値ならその日数だけ遅らせることが可能です。

一方、マイナスになった場合は、指定工期に対して工程が不足している状態を表しています。

指定工期に合わせると一部の作業で余裕時間が不足する

最終イベントの完了日を6日に設定すると、もとの工程より短い期間で作業を終える必要があります。

その結果、一部の作業では余裕時間が0日を下回り、トータルフロートがマイナスになります。

指定工期を守るには、これらの作業や関連する工程の短縮を検討する必要があります。

なぜ作業Aもマイナスのトータルフロートに含まれるのか

作業D・Gにマイナスのトータルフロートが発生している場合でも、工期短縮の対象はそれらの作業だけとは限りません。

ここでは、なぜ作業Aもマイナスのトータルフロートを持つ作業として扱われるのかを確認していきましょう。

作業Aは後続作業D・Gに影響する前半の作業

作業Aは、作業Dと作業Gの前工程にあたります。

そのため、Aの完了が遅れると、DとGの開始時刻も遅れてしまいます。

最終イベントを6日に短縮した条件では、DとGだけでなく、その前段階にあるAにも工期短縮の影響が及ぶため、Aもマイナスのトータルフロートを持つ作業に含まれます。

Aを短縮しないと全体の工期短縮につながりにくい

作業Dと作業Gだけを短縮しても、前工程である作業Aが早く終わらなければ、DとGを前倒しで開始できません。

全体の工期を短縮するには、後続作業だけでなくAも短縮対象として考える必要があります。

そのため、作業Aもマイナスのトータルフロートを持つ作業に含まれます。

試験問題で「作業D及び作業Gであった」が不適当になる理由

試験問題では、マイナスのトータルフロートが発生している作業を正しく特定できるかが問われます。

ここでは、「作業D及び作業Gであった」という選択肢が不適当になる理由を順番に整理していきましょう。

マイナスの作業を最後の作業だけで判断してはいけない

マイナスのトータルフロートは、最終イベント直前の作業だけを見て判断するものではありません。

後続作業に影響する前工程も含めて確認することが大切です。

作業Dと作業Gがマイナスの場合でも、それらの開始時刻を左右する作業Aも工期短縮の影響を受けるため、DとGだけを対象とする判断は適切ではありません。

後続作業への影響まで含めて短縮対象を判断する

短縮対象を判断するときは、その作業だけでなく、後続作業への影響も確認する必要があります。

作業Dと作業Gがマイナスでも、前工程の作業Aを短縮しなければ、DとGを早く開始することはできません。

そのため、短縮対象はD・Gだけでなく、作業Aも含めて考える必要があります。

まとめ

トータルフロートがマイナスとは、現在の工程のままでは指定された工期に間に合わず、工期短縮が必要な状態を表します。

今回のように最終イベントを6日に短縮した場合、マイナスになるのは最終イベント直前の作業だけではありません。

作業D・Gに加え、それらの開始時刻に影響する前工程の作業Aも、工期短縮の影響を受けます。

試験問題では、最後の作業だけを見て判断するのではなく、前後のつながりまで含めて確認することが大切です。

作業同士の関係を意識しながら考えると、「作業D及び作業G」ではなく、「作業A・D・G」が正しい理由も理解しやすくなるでしょう。

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