目次
はじめに
「プロジェクトには何人のメンバーを配置すればよいのだろう」
「途中で業務が増えた場合、どの時点で人員を追加すべきなのだろう」と迷っていませんか。
プロジェクトを立ち上げる際、少人数で始めると一人あたりの作業が集中しやすく、人数を増やしすぎると連絡や確認に時間がかかるため、適正な人数を決められず悩むこともありますよね。
この記事では、小規模・中規模・大規模プロジェクトの人数目安に加え、人員を増やす場合と減らす場合の判断ポイントを紹介します。
プロジェクトマネジメントの人数に正解はある?

プロジェクトマネジメントの適正人数は、よく「○人までが理想」といわれることがありますが、実際には人数だけで判断できるものではありません。
ここでは、人数に明確な基準がない理由と、人数以上に重視すべき体制づくりの考え方について解説します。
明確な正解はない
プロジェクトマネジメントに適正な人数の正解はありません。5人で十分に進められるプロジェクトもあれば、50人以上で役割を分担しながら進めるケースもあります。
必要な人数は、プロジェクトの規模や業務内容、関係者の数、専門分野の多さによって変わります。
そのため、「何人が最適か」ではなく、必要な役割を無理なく担え、意思決定や情報共有がスムーズに行える体制になっているかを基準に考えることが大切です。
人数より意思決定できる体制
大切なのは人数の多さではなく、必要な判断を適切なタイミングで行える体制になっていることです。
承認者が不在だったり、決裁者が多すぎたりすると、判断に時間がかかり、作業が予定どおりに進まないことがあります。
一方で、役割ごとに意思決定者と権限を明確にしておけば、メンバーが増えても承認や指示が滞りにくくなり、プロジェクトを円滑に進めやすくなります。
プロジェクトマネジメントの適正人数の目安
プロジェクトマネジメントに必要な人数は、プロジェクトの規模が大きくなるほど役割分担や管理方法も変わります。
ここでは、小規模・中規模・大規模それぞれの適正人数の目安と、30人を超えるプロジェクトで意識したい体制の考え方について解説します。
プロジェクト全体の役割分担や指揮命令系統をどう整理すればよいか迷う場合は、体制図の作り方も参考になります。
プロジェクトマネジメントの体制図とは?役割・作り方・サンプルを解説
5人未満の小規模プロジェクト
5人未満の小規模プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが進捗管理や課題管理に加え、一部の実務も兼務することが一般的です。
関係者が少ないため、連絡や意思決定をスムーズに進めやすく、会議も必要最小限で済みます。
ただし、担当者が限られるため、欠員や作業の遅れが発生すると、プロジェクト全体へ影響が及びやすい点には注意が必要です。
5〜15人程度の中規模プロジェクト
5〜15人程度の中規模プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーが進捗や課題を管理し、各メンバーが役割を分担して進める体制が一般的です。
担当者が増えるため、定期的に進捗を確認し、情報を共有しなければ、作業の遅れや認識のずれが起こりやすくなります。
そのため、役割分担に加え、報告先や承認者もあらかじめ決めておくことが大切です。
15人以上の大規模プロジェクト
15人以上の大規模プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーだけで全員を管理することが難しくなるため、チームリーダーや分科会責任者を配置して管理を分担することが一般的です。
関係者が増えるほど承認や情報共有も複雑になるため、責任者や報告先を明確にしておかないと、意思決定の遅れや情報共有の漏れにつながることがあります。
そのため、指揮命令系統を整理し、管理体制を整えることが重要です。
30人以上になった場合
30人以上のプロジェクトでは、全員を1つの組織として管理するのではなく、担当業務や機能ごとに小チームへ分けて運営することが一般的です。
プロジェクトマネージャーが全員と直接やり取りすると、進捗確認や意思決定に時間がかかることがあります。
そのため、各チームに責任者を配置し、その責任者を通じて報告や承認を行う体制を整えることで、管理負荷を抑えながら進めやすくなります。
プロジェクトマネジメントで人数が多すぎると起こる問題
プロジェクトでは、人手を増やせば管理しやすくなるとは限りません。
必要以上に人数が多くなると、情報共有や意思決定、役割分担に支障が生じ、かえって進行が滞ることがあります。
ここでは、人数が多すぎることで起こりやすい代表的な問題について解説します。
コミュニケーションコストが増える
人数が増えるほど、情報共有や進捗確認に必要なやり取りも増え、コミュニケーションにかかる時間が長くなります。
会議の参加者が増えると確認や意見交換にも時間がかかり、情報共有が遅れることもあります。
その結果、意思決定や作業開始が遅れ、プロジェクト全体の進行へ影響する可能性があります。
意思決定が遅くなる
人数が多くなると、承認や合意を得る相手が増えるため、意思決定までに時間がかかりやすくなります。
複数の責任者へ順番に確認する体制では、1人でも判断が遅れると次の工程へ進めません。
その結果、課題への対応や仕様変更が遅れ、プロジェクト全体の進行にも影響が及ぶことがあります。
責任の所在が曖昧になる
人数が増えても役割分担が明確でないと、誰が判断し、誰が対応するのか分かりにくくなります。
同じ作業を複数人が進めたり、「誰かが対応するだろう」と考えて作業が止まったりすることもあります。
そのため、役割や責任者をあらかじめ明確にしておくことが大切です。
プロジェクトで人数を増やすべきケース
プロジェクトでは、少人数で運営することが適している場合もありますが、状況によってはメンバーを増やしたほうが成果につながるケースもあります。
ここでは、人数を増やすことを検討すべき代表的なケースについて解説します。
複数部門が関わる場合
複数部門が関わるプロジェクトでは、各部門との調整や情報共有を担当する人を配置することが大切です。
1人ですべての部門との連絡を担うと、確認漏れや対応の遅れが起こりやすくなります。
そのため、部門ごとに担当者や責任者を決め、連絡や調整を分担できる体制を整えましょう。
専門知識が必要な場合
専門知識が必要なプロジェクトでは、分野ごとに適切な担当者を配置することが重要です。
専門知識を持つ人がいないまま進めると、判断に時間がかかったり、品質を十分に確認できなかったりすることがあります。
そのため、必要な分野に対応できる担当者を配置し、それぞれの領域で適切に判断できる体制を整えましょう。
プロジェクト規模が拡大した場合
プロジェクトの対象範囲や業務が増えた場合は、それに合わせて人員や役割を見直すことが大切です。
既存メンバーだけで対応を続けると、業務が集中し、進捗確認や品質管理まで手が回らなくなることがあります。
そのため、増えた業務に応じて担当者を配置し、無理なく役割を分担できる体制へ見直しましょう。
プロジェクトで人数を減らすべきケース
プロジェクトでは、人数が多いほど成果が上がるとは限らず、状況によっては体制を見直して人数を減らしたほうが進めやすくなることがあります。
ここでは、人数を減らすことを検討すべき代表的なケースについて解説します。
役割が重複している場合
役割が重複している場合は、担当者を整理して人数を見直すことが大切です。
同じ業務を複数人で担当すると、確認や承認が重なり、かえって作業に時間がかかることがあります。
そのため、業務ごとに責任者を明確にすることで、重複した作業を減らし、効率よくプロジェクトを進めやすくなります。
調整業務が増えすぎている場合
調整業務が増えすぎている場合は、関係者や担当者を見直すことも検討しましょう。
確認先や承認者が多いほど、連絡や日程調整に時間がかかり、実際の作業へ取りかかるまでに時間を要することがあります。
そのため、必要な担当者だけが調整に関わる体制へ見直すことで、連絡や確認の負担を減らしやすくなります。
会議ばかりで進捗が遅い場合
会議が増えすぎて作業時間を確保できない場合は、参加者を見直すことが大切です。
全メンバーが毎回参加すると、情報共有や意見交換に時間がかかり、作業が進みにくくなることがあります。
そのため、意思決定や報告に必要な担当者だけが参加する体制にすることで、作業時間を確保しながらプロジェクトを進めやすくなります。
大人数プロジェクトを管理する方法
大人数のプロジェクトでは、全員を同じ方法で管理しようとすると、情報共有や意思決定に時間がかかり、進行が滞りやすくなります。
ここでは、大人数プロジェクトを効率よく管理するための具体的な方法を解説します。
管理を分担する際に、プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー・PMOの役割の違いが分からない場合は、それぞれの役割を整理しておくと体制を考えやすくなります。
プロジェクトマネジメントの職種とは?PM・PL・PMOの違いと役割を解説
役割を分ける
大人数のプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーは全体管理、メンバーは担当業務、ステークホルダーは意思決定や承認、SMEは専門分野の判断や助言を担うように役割を分けることが大切です。
担当範囲が曖昧だと、判断先や相談先が分からず、対応が遅れることがあります。
そのため、役割ごとの責任範囲をあらかじめ決めておくと、管理しやすい体制を整えられます。
代表者制を導入する
代表者制を導入すると、プロジェクトマネージャーは各チームの代表者を通じて進捗確認や情報共有を行えるようになります。
全員と直接やり取りする体制では、確認や調整に時間がかかり、管理負荷も大きくなりがちです。
そのため、チームごとに代表者を配置して連絡窓口を一本化すると、情報共有や意思決定をスムーズに進めやすくなります。
分科会や小チームに分ける
大人数のプロジェクトでは、担当業務や機能ごとに分科会や小チームへ分けて管理する方法が効果的です。
全員が同じ会議や進捗管理に参加すると、確認事項が増え、必要な情報を整理しにくくなることがあります。
そのため、担当領域ごとにチームを編成し、それぞれの責任者が進捗や課題を管理する体制にすると、運営しやすくなります。
まとめ
プロジェクトマネジメントでは、「何人いればよい」という決まった人数はありません。
大切なのは、プロジェクトの規模や業務内容に合わせて必要な役割を配置し、無理なく運営できる体制を整えることです。
人数が増えるほど、情報共有や意思決定は複雑になりやすいため、役割分担や責任者を明確にしておくことが欠かせません。
一方で、人数が少ない場合も、一人に負担が集中しすぎないように役割を見直すことが重要です。
プロジェクトが思うように進まないと感じたときは、人数だけを増減するのではなく、役割や管理体制もあわせて見直してみましょう。
自分たちのプロジェクトに合った体制を整えることで、スムーズに進めやすくなります。