目次
はじめに
プロジェクトでトラブルが起きたとき、「原因を徹底的に調べてから動いたほうがいいの?」「いったん全部止めるべき?」と迷ってしまいますよね。ですが、まず最初にやることは原因探しではありません。いまこの作業をいったん止めるのか、それとも動かしながら手直しできるのかを決めることが先です。
たとえば、資料の表記ゆれや軽い設定ミスのように、作業を続けながら直せる内容なら、その場で小さく修正して前に進めます。一方で、納期の変更や契約条件に関わるズレのように、あとから大きな責任問題になりそうな内容なら、いったん手を止めて関係者と確認します。
ここをあいまいにしたまま動き続けると、「とりあえず会議を開こう」という流れになり、話し合いばかり増えて実際の作業が止まってしまいます。
「どこまでなら続けていいの?」「どのタイミングで止めるの?」と感じている方のために、この記事では具体的な場面を一つずつ取り上げながら、どう動けばいいのかを順番に整理していきますね。
プロジェクトマネジメントで『困ったとき』に最初にやること
プロジェクトで予定が崩れたり、関係者の意見が対立したり、想定外の問題が発生したときに、感覚や勢いで動くと状況はさらに混乱します。まず必要なのは「何から手をつけるか」を順番で整理することです。ここでは、感情に引きずられずに立て直すための基本的な進め方を、段階ごとに確認します。
①まずプロジェクトの事実を感情抜きで整理する

プロジェクトで問題が起きたときは、まず「今何が起きているのか」を紙や画面に書き出します。感想や推測ではなく、確認できる事実だけを並べます。たとえば「納期が遅れている」ではなく、「当初3月10日納品予定だったが、3月15日時点でテストが完了していない」と具体的に記録します。
次に、予定と実績を数字で比べます。スケジュールなら開始日・終了予定日・現在の進捗率、コストなら予算額と実績支出額、品質なら合格基準と現在のテスト結果を並べます。
最後に、「確定している事実」と「未確認の事項」を分けます。未確認の事項は「誰に確認が必要か」まで書き出します。ここでは対策は考えません。事実を整理することだけに集中します。
②次にプロジェクトへの影響範囲と緊急度を確認する

事実が整理できたら、その問題がどこまで影響するかを確認します。スケジュールなら「どの工程が何日遅れるのか」「後続工程は何日ずれるのか」を日付で確認します。コストなら「追加でいくら発生するのか」「予算内に収まるのか」を金額で出します。品質なら「どの成果物が基準未達か」「再作業に何時間かかるか」を見積もります。
次に、影響する範囲を確認します。自チーム内だけで完結するのか、他部署や外部ベンダー、顧客への説明が必要かを具体的に書き出します。
最後に、「今日中に判断が必要か」「今週中で間に合うか」と期限ベースで緊急度を区分します。ここではまだ作業の順番は決めません。影響の大きさと期限を明確にすることが目的です。
③その上で今やるべき作業の優先順位を決め直す

影響範囲と緊急度が分かったら、必要な対応作業をすべて洗い出します。たとえば「顧客への状況説明」「再見積の作成」「テスト再実施」「外部ベンダーへの確認連絡」など、具体的な作業単位で書きます。
そのうえで、「今日中に着手しないと影響が拡大する作業」「今週中で間に合う作業」「後回しにできる作業」に分けます。判断基準は“重要そうかどうか”ではなく、“影響の大きさと期限”です。
同時に、今すぐやらなくてよい作業を止めます。影響が小さい改善作業や、期限が遠い資料作成は一時的に凍結します。この段階では順番を決めることに集中します。まだ担当者や期限の再設定は行いません。
④最後に担当者と期限を決め直して動きを再開する

優先順位が決まったら、各作業に担当者と期限を割り当てます。「顧客へ状況報告」は「山田が本日17時までにメール送信」、「再見積作成」は「佐藤が明日10時までに金額算出」のように、名前と日時まで具体的に決めます。
さらに、「完了の状態」も明確にします。「連絡する」ではなく「メール送信し、送信履歴を共有」「修正版見積をPDF化して共有フォルダに保存」など、終わったかどうか判断できる状態にします。
最後に、決めた内容を議事録やタスク管理ツールに記録し、全員が確認できる状態にします。
ここまで実行して初めて、プロジェクトは再び具体的な行動に戻ります。
プロジェクトの『進捗が遅れたとき』にやるべきこと
プロジェクトの進捗が遅れたときに、すぐに人を責めたり作業量を増やしたりしても状況は改善しません。まずは「どこが遅れているのか」「本当に納期に影響するのか」を順番に確認することが立て直しの出発点になります。ここでは、遅延が発生した直後に取るべき具体的な対応を、段階ごとに整理します。
①まず遅延している作業を特定する

進捗が遅れていると感じたら、まず「どの作業が予定より遅れているのか」を数字で特定します。スケジュール表やガントチャートを開き、各作業の「終了予定日」と「現在の進捗率」を確認します。
たとえば、3月5日終了予定の設計作業が、3月7日時点で進捗60%なら、完了予定日を2日過ぎており、作業量も40%残っています。このように「何日遅れているか」「どれだけ未完了か」を具体的に出します。
複数の作業が並行している場合は、「終了予定日を過ぎている作業」と「予定進捗率に達していない作業」に印を付けます。ここでは原因や対策は考えません。遅れている作業を正確に特定することだけに集中します。
②次に納期に直結しないタスクを整理する

遅延している作業が分かったら、納期を守るために優先すべき作業と、後回しにできる作業を分けます。最終納品に必要な作業だけを残すのが目的です。
たとえば、最終成果物が「システム本番リリース」なら、本番稼働に必須のテストや設定作業は残します。一方、将来機能の検討メモ作成や、社内向け資料の体裁修正など、本番リリースの条件になっていない作業は後回しにします。
各タスクについて「これが終わらなくても納品は可能か」を一つずつ確認します。納期達成に直接関係しない作業には印を付け、一時停止または延期します。ここではスケジュールはまだ引き直しません。作業量を減らすことに集中します。
③その上で進捗確認の間隔を短くする

納期に必要な作業だけを残したら、確認頻度を上げます。週1回の確認だった場合は、遅延が解消するまで毎日確認に切り替えます。
毎日決まった時刻に10分〜15分の進捗確認を行い、「昨日完了した作業」「今日実施する作業」「残り作業量」を数字で報告させます。たとえば「テスト50件中30件完了、残り20件」「設計書20ページ中15ページ完了」など、具体的な数で確認します。
ここではスケジュールの再設計は行いません。現状の進み具合を日単位で把握することが目的です。遅れが拡大していないかを毎日確認できる状態にします。
④最後に残り日数に合わせてスケジュールを引き直す

進捗を日単位で把握できたら、改めてスケジュールを組み直します。まず納期までの残り営業日数を数えます。たとえば残り10日と確定させます。
次に、完了が必要な作業と残り作業時間を合計します。「テスト残り20件=10時間」「修正対応=6時間」など、時間で合算します。その合計時間を残り日数で割り、「1日あたり何時間必要か」を算出します。1日2時間で足りるのか、4時間必要なのかを数字で判断します。
足りない場合は「作業をさらに削減する」「担当者を追加する」「納期を再調整する」のいずれかを選びます。ここで初めて新しい日程を確定させます。
プロジェクトの『予算が足りなくなりそうなとき』にやること
プロジェクトの予算が足りなくなりそうなときに、いきなり「削るか、追加するか」を判断すると話がこじれやすくなります。まずは数字を事実として確認し、どの変更や判断が金額に影響しているのかを整理することが先です。ここでは、感覚ではなく根拠で立て直すための手順を、順番に確認していきます。
①まず何にいくら使っているかを確認する

予算が足りなくなりそうだと感じたら、現在の支出内訳を正確に把握します。会計データを開き、「費目ごとの予算額」と「費目ごとの実績支出額」を並べます。たとえば、人件費300万円中250万円使用、外注費150万円中120万円使用、ツール利用料50万円中40万円使用、といった形で項目別に出します。
次に、未請求だが支払いが確定している金額も加えます。契約済み外注費や、月末請求予定のクラウド利用料などを足し込み、実質的な残額を算出します。
ここでは原因は考えません。「どの費目にどれだけ使っているか」を正確に数字で出すことが目的です。
②次に仕様変更が金額に反映されているかを確かめる

次に、当初計画から増えた作業があるかを確認します。変更履歴や議事録を見て、「当初見積に含まれていなかった追加内容」を洗い出します。たとえば、画面追加、機能追加、対応環境の拡大などです。それぞれについて「追加費用が正式な見積書や契約変更に反映されているか」を確認します。
社内作業も同様に確認します。仕様変更によって作業時間が増えた場合、その増加分の工数を時間単位で算出します。ここでは「増えた作業量」を把握することに集中します。まだ予算申請の資料は作りません。
③その上で作業の優先順位を整理する

支出内訳と増加作業量が分かったら、残り予算の範囲内で実行可能な内容に絞ります。
現在予定している作業を一覧にし、それぞれの必要費用を金額で並べます。そのうえで、「納品に必須の作業」と「削減可能な作業」に分けます。たとえば、必須機能開発は残し、デザイン刷新や将来拡張機能は削減対象にします。削減する場合は「完全削除」「簡易対応に変更」「次フェーズへ延期」など、具体的に決めます。
ここでは追加予算の話はしません。まずは現予算内で成立する形を作ります。
④最後に必要であれば追加予算の根拠をまとめる

優先順位を整理しても予算内に収まらない場合のみ、追加予算の根拠をまとめます。ここでは初めて全体を整理します。「現在の確定支出」「今後必須の残作業費用」「不足額」を1枚にまとめます。たとえば「確定支出420万円」「必須残作業120万円」「合計540万円」「当初予算500万円」「不足40万円」と明示します。
次に、不足が発生した理由を簡潔に列挙します。仕様追加、外部要因、法改正対応など、事実ベースで整理します。
最後に、「追加予算を認めない場合の選択肢」も明記します。機能削減、納期延長、品質範囲縮小などです。金額・理由・代替案をセットで提示します。
プロジェクトで『要件がずれたとき』にやるべきこと
プロジェクトで要件がずれたときに、そのまま作業を続けると手戻りが一気に増えます。まずは「何を完成形とするのか」が言葉で共有できているかを確認することが立て直しの出発点です。ここでは、認識のずれを整理し、合意を取り直してから再スタートするための順番を確認します。
①まず最終成果物を文章で書き直す

要件がずれていると感じたら、最終成果物を一文で書き直します。ここでは「完成形は何か」だけに集中します。たとえば、「社内向け勤怠管理システムを構築し、2024年9月1日から全社員が打刻・申請・承認を行える状態で本番稼働させる」といった形で、対象・利用者・利用開始日・到達状態を含めて書きます。
この段階では、除外項目や将来検討事項までは広げません。まずは「完成したと言える状態」を一文で固定します。誰が読んでも同じ完成イメージを思い浮かべられる文章にします。
②次に決裁者と完成イメージをすり合わせる

書き直した最終成果物の文章を、決裁者と確認します。文章を読み上げながら、「この状態で完成と判断するか」を直接確認します。
可能であれば、画面モックや帳票サンプルを提示し、「この画面構成でよいか」「この帳票形式でよいか」と具体的に確認します。抽象的な「問題ないです」ではなく、項目単位で了承を取ります。
ここでは“完成イメージが一致しているか”を確認することが目的です。まだ変更点の整理や契約調整は行いません。
③その上で変更内容を合意してから作業を再開する

完成イメージが一致したら、当初計画から変わった点を整理します。「画面数10→12に変更」「スマートフォン対応を追加」など、変更前と変更後を並べて書きます。あわせて、「追加工数20時間」「外注費+15万円」「納期+1週間」など、影響するスケジュールと費用を明記します。
変更一覧を文書化し、決裁者から承認を取得します。ここで初めて正式な変更として確定します。承認が確認できてからタスクと日程を更新します。
④最後に「やらないこと」を明確にして範囲を固定する

変更を確定させたら、今回の範囲外を明文化します。ここで初めて「やらないこと」を固定します。たとえば、「アプリ版は今回開発しない」「多言語対応は対象外」「外部システム自動連携は行わない」といった除外項目を列挙します。さらに、「将来検討事項」として別リストを作ります。今後のフェーズで扱う内容と、今回の対象外を明確に分けます。
この除外リストを議事録や要件定義書に記載し、関係者全員に共有します。ここまで行って初めて範囲が固定されます。
プロジェクトで『意見が対立したとき』にやるべきこと
プロジェクトで意見が対立したときに、その場の空気や立場の強さで決めてしまうと、後から不満ややり直しが発生します。まずは感情と事実を分け、誰にどんな影響が出るのかを整理することが立て直しの出発点です。ここでは、衝突を広げずに判断へ進むための順番を確認します。
①まず感情を切り離して事実だけを整理する

意見が対立したら、最初に行うのは「発言の記録」と「客観データの整理」です。会議で出た発言をそのまま書き出します。
「営業部長が『リリース日は変更できない』と発言」「開発リーダーが『現在の人員では4月15日が限界』と発言」といったように、主語と発言内容をそのまま記録します。評価や感想は書きません。
あわせて、現在の進捗率、残り作業時間、契約納期、確保できる人員数など、確認できる数字を並べます。この段階では、誰に影響が出るかや解決案は考えません。事実と主張を切り分けることに集中します。
②次にその決定で影響を受ける人を洗い出す

次に行うのは、「どの案を採用した場合に誰が影響を受けるか」を具体的に洗い出すことです。
たとえば、リリース日を固定する場合は、開発メンバーA・B・Cが1日2時間追加作業を行う必要がある、といった形で名前まで出します。延期する場合は、営業担当Dが顧客へ再説明を行い、契約再調整が必要になる、と明示します。
顧客、外注先、社内関係部署も含めます。ここでは「どちらが正しいか」は判断しません。影響対象を具体的に可視化することだけが目的です。
③その上で合意できる最小ラインを設定する

影響範囲が明確になったら、両者が受け入れ可能な下限条件を探します。
たとえば、「3月31日までに必須機能のみ公開」「追加機能は4月15日までに段階公開」といったように、納期と範囲を分解します。
あるいは、「残業は月20時間以内」「追加予算は50万円以内」など、受け入れ可能な上限を設定します。ここでは“妥協案を作る”ことに集中します。まだ決裁者判断には持ち込みません。
④最後に必要であれば決裁者に判断を仰ぐ

最小ラインでも合意できない場合のみ、決裁者に判断を依頼します。
この段階では、「案Aと案B」「それぞれの結果」「なぜ現場で決めきれなかったか」を整理して提示します。
すでに影響対象と妥協案は整理済みなので、決裁者は選択肢を選ぶだけの状態にします。
決裁者には、「納期優先か」「負荷軽減優先か」「追加予算容認か」を選んでもらいます。決定事項は記録し、関係者に共有します。
プロジェクトで『担当者の作業が止まったとき』にやるべきこと
プロジェクトで担当者の作業が止まったときに、表面的な進捗だけを見て急かしても状況は改善しません。まずは役割や作業量、期限の設定に無理がないかを整理することが立て直しの出発点になります。ここでは、原因を確認しながら作業を再開させるための順番を整理します。
①まず担当者の役割を明確にし直す

作業が止まっている場合、最初に確認するのは「その担当者の責任範囲」です。タスク一覧やWBSを開き、担当者の作業を文章で明確に書き直します。
たとえば、「設計書作成」ではなく、「画面仕様書1〜10ページを作成し、3月15日までにレビュー依頼を出す」と具体化します。成果物・範囲・提出先まで明記します。
また、「作成のみ担当か」「レビュー依頼まで担当か」「関係部署調整まで担当か」を切り分けます。この段階では進捗確認はしません。まず“責任の境界線”を明確にします。
②次に作業量と期限が現実的かを確認する

役割が明確になったら、残り作業量と期限を数字で照合します。
残タスクを細かく分解し、必要時間を合計します。例として、「画面仕様書10ページ×2時間=20時間」「API仕様3本×3時間=9時間」など、具体的に出します。
次に、担当者が1日に確保できる実働時間を算出します。仮に1日2時間なら、29時間の作業は約15日必要です。設定されている期限と照らし合わせ、物理的に可能かどうかを判断します。
ここでは本人との面談はまだ行いません。数字だけで現実性を確認します。
③その上で1対1で状況を直接確認する

役割と時間計算を整理したうえで、担当者本人と面談します。
ここでは「実際の進捗」と「止まっている具体的理由」を確認します。たとえば、「画面仕様書10ページ中、何ページまで完成しているか」「レビュー待ちなのか、仕様が不明なのか」などを具体的に聞きます。
あわせて、「再開するために必要な条件」を明確にします。仕様確定、レビュー担当の決定、時間確保など、止まりを解消する条件を特定します。
この段階は“原因の確定”が目的です。
④最後に小さな期限を設定して作業を再開させる

原因が分かったら、いきなり最終期限を設定せず、短い区切りを作ります。
「10ページを1週間で完成」ではなく、「明日17時までに1〜2ページを提出」と具体化します。提出方法も明示します。「共有フォルダに保存し、チャットで報告」まで決めます。
小さな期限を守れたら次の区切りを設定します。短い成功を積み重ねて再起動させます。
プロジェクトで状況を悪化させる行動
プロジェクトがうまく進まないとき、良かれと思って取った行動がかえって状況を悪化させることがあります。特に、焦りや不安からの判断は、混乱や遅延を広げやすくなります。ここでは、立て直そうとして逆効果になりやすい行動を、具体的に確認します。
【NG】原因の追及ばかりして作業を止める

作業が遅れた直後に、責任の所在を細かく洗い出すことを優先すると、目の前の成果物が止まります。
たとえば設計書が2日遅れた場合、今やるべきなのは「現在の完成ページ数」と「今日中に増やせるページ数」を確定させることです。ところが、「報告が遅れた理由」「なぜ見積もりが甘かったか」と過去の経緯を長時間振り返ると、その間は設計書が1ページも増えません。
このNG行動の問題は、“未来の作業時間を削る”ことです。原因整理は後回しにし、まず作業を再開させる判断を優先しなければ、遅れは拡大します。
【NG】作業を整理せずに担当者だけ増やして混乱を広げる

人数を増やす前にやるべきなのは、作業の分解と担当範囲の切り分けです。これを行わずに人だけ増やすと、作業が重複します。
たとえば「設計が遅れているから2人追加」と決めても、「画面Aは誰」「画面Bは誰」と割り振らなければ、同じ画面を複数人が修正します。最終的に差分調整が発生し、統合作業に時間を使います。
このNG行動の問題は、“作業量ではなく調整量が増える”ことです。人数増加が即効薬になるのは、タスクが明確に分割されている場合だけです。
【NG】完成イメージを決めないまま日程だけを引き直して再び遅れる

納期を延ばす前に、「何をもって完了とするか」を文章で確定させなければ意味がありません。
たとえばWeb公開なら、「トップのみ」「下層10ページ含む」「フォーム動作確認完了」など、どこまでが完成なのかを固定します。これを決めずに「2週間延長」としても、作業範囲が変わらないため再び遅れます。
このNG行動の問題は、“ゴールが曖昧なまま距離だけ伸ばす”ことです。距離が伸びても目的地が決まっていなければ到達しません。
【NG】会議を増やすだけで担当と期限を決めずに終わらせる

会議は「決定」を作る場であり、「議論」を増やす場ではありません。
毎日30分集まっても、「では引き続きお願いします」で終われば、誰が何をいつまでにやるのかは未確定のままです。議事録に「対応する」とだけ書いても作業は動きません。
このNG行動の問題は、“決定事項が生まれない”ことです。各議題ごとに「担当者名」「具体作業」「日時」をその場で確定しなければ、会議は消費時間になります。
まとめ
プロジェクトで問題が起きたときにやるべきことは、感情で反応することではありません。まず「今この瞬間に作業を進めるのか、一度止めて整理するのか」を決めます。判断を先送りにすると、現場は迷い、時間だけが減ります。
次に、事実を数字と文章で固定します。進捗は「何ページ完了」「残り何時間」と具体的に出します。役割は「誰がどこまで担当するか」を文章で明確にします。期限は「◯月◯日◯時まで」と時刻まで決めます。曖昧な表現を残さないことが、再発防止になります。
対立が起きた場合は、感情を切り離し、影響を受ける人を洗い出し、合意できる最小ラインを決めます。作業が止まった場合は、役割・作業量・期限を数字で確認し、小さな期限を設定して再開させます。状況が悪化する行動は共通しています。原因追及に時間を使う、人数だけ増やす、ゴールを決めない、担当と期限を決めない。この4つを避けるだけで、混乱は大きく減ります。
迷ったときの基準はシンプルです。「今週やる作業を三つに絞れるか」。三つに絞れない状態は、整理ができていない状態です。やること・やらないこと・担当・期限が明確であれば、プロジェクトは立て直せます。