目次
はじめに
「プロジェクトの途中で仕様やスケジュールが変わったら、どのように対応すればいいの?」
「変更を受け入れたことで、納期や予算に影響が出ないか心配」と感じていませんか。
開発を進めている途中で顧客から仕様変更の依頼が入ったり、予定していた作業に追加対応が必要になったりすると、誰が判断し、どこまで確認すればよいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、プロジェクトマネジメントにおける変更管理の意味や基本的な進め方、変更時に確認したいポイントを順を追って説明していきます。
プロジェクトマネジメントの変更管理とは?
プロジェクトでは、進行中に顧客からの要望や仕様変更、スケジュールの見直しなどが発生することがあります。
ここでは、変更管理の基本的な仕組みと、プロジェクトで変更管理が必要になる主な場面を説明します。
変更管理
変更管理は、プロジェクトで発生した変更要求を記録し、作業範囲・スケジュール・費用・品質への影響を確認したうえで、実施するかを判断する仕組みです。
変更内容と理由、追加・削除される作業や納期、費用への影響を確認し、承認された変更だけを実施します。
変更後はプロジェクト計画や関連資料にも反映することで、関係者の認識のずれを防ぎやすくなります。
プロジェクトで変更管理が必要になる主な場面
変更管理は、顧客から機能追加を求められた場合や、仕様変更によって作業内容を見直す場合などに必要です。
また、作業の遅れで納期を変更したり、追加作業で費用が増えたりする場合も、変更による影響を確認して判断します。
当初の計画と実際の作業内容にずれが生じないよう、変更が発生した時点で記録・評価・承認を行うことが大切です。
プロジェクトマネジメントで変更管理が重要な理由
プロジェクトでは、変更を受け入れるたびに作業範囲や納期、費用などが変わる可能性があります。
ここでは、変更管理が重要となる3つの理由を説明します。
変更によるスコープの拡大を防ぐため
変更を受け入れる際は、追加される作業と当初の作業範囲との差を確認することで、必要以上に作業が増えることを防ぎやすくなります。
追加・削除される機能や成果物を明確にし、当初の計画に含まれない作業は、正式な変更として承認するか、現在のスコープでは対応しないかを判断します。
スケジュールやコストへの影響を把握するため
変更によって作業が増えると、必要な工数や期間が増え、納期や費用にも影響する可能性があります。
そのため、追加される作業時間や人員、費用を確認し、予定している納期や予算の範囲で対応できるかを判断することで、大きな超過を防ぎやすくなります。
関係者の認識や判断のずれを防ぐため
変更内容と承認結果を記録して共有することで、何をどのように変更するのかを関係者が確認できます。
変更後の作業内容や納期、費用を関連資料に反映し、口頭だけで伝えたり承認前に作業を始めたりせず、関係者の認識をそろえてから実施することが大切です。
プロジェクトマネジメントにおける変更管理の進め方
プロジェクトで変更が発生した場合は、内容を確認せずにそのまま作業へ反映するのではなく、変更要求の記録から実施後の確認まで順番に進めることが大切です。
ここでは、変更管理を進める具体的な手順を説明します。
変更要求の内容と理由を記録する
変更要求を受けたら、変更する内容と必要になった理由を記録します。
対象となる機能や成果物、変更前後の内容に加えて、誰からいつ要求されたのかも残しておくことで、後から確認しやすくなります。
プロジェクトへの影響を分析する
変更内容をもとに、作業範囲やスケジュール、コスト、品質への影響を確認します。
追加作業の工数や必要な人員、納期、費用などを具体的に整理することで、計画をどこまで見直す必要があるか判断しやすくなります。
変更を承認するか却下するか判断する
影響分析の結果をもとに、変更を実施するか却下するかを判断します。
追加作業や納期、費用への影響を確認し、既存の計画を見直して対応できる場合は承認し、影響を許容できない場合は却下して判断結果を記録します。
承認された変更を計画に反映して実施する
変更が承認されたら、作業内容やスケジュール、担当者、予算などをプロジェクト計画に反映します。
更新した計画を関係者へ共有し、誰が何をいつまでに行うのかを確認してから変更を実施します。
変更結果を確認して記録を残す
変更を実施した後は、承認された内容が成果物や作業に反映されているかを確認します。
あわせて、スケジュールやコスト、品質への実際の影響も記録しておくことで、変更内容と対応結果を後から確認できます。
プロジェクトの変更時に確認するポイント
プロジェクトで変更を受け入れる際は、変更内容だけでなく、現在の計画や成果物にどのような影響が出るのかを確認する必要があります。
ここでは、プロジェクトの変更時に確認したいポイントを具体的に説明します。
スコープへの影響を確認する
変更によって追加・削除される機能や作業、成果物を確認し、当初のスコープから変わる部分を明確にします。
追加作業がある場合は、必要な作業内容や工数を整理し、現在の計画の範囲で対応できるかを判断してから変更を進めます。
スケジュールへの影響を確認する
変更に必要な作業時間を確認し、納期や各工程の予定に影響が出るかを確認します。
必要な工数を既存の作業予定と照らし合わせ、納期までに完了できない場合は、新しい完了日を設定して計画を更新します。
コストへの影響を確認する
変更によって増える作業時間や人員、外部委託などの費用を確認し、現在の予算内で対応できるかを判断します。
予算を超える場合は、追加費用を関係者に共有し、変更を実施するか判断してから作業を進めます。
品質や成果物への影響を確認する
変更によって成果物の仕様や品質基準が変わるかを確認し、変更後も必要な品質を保てるか判断します。
検査や確認作業を追加する必要がある場合は、その内容を計画に反映してから変更を実施します。
人員やリソースへの影響を確認する
変更に必要な作業量を確認し、現在の担当者数や稼働時間で対応できるかを判断します。
既存の人員だけでは難しい場合は、担当者の変更や人員の追加が必要かを確認してから変更を進めます。
リスクやステークホルダーへの影響を確認する
変更によって新たなリスクが発生しないか、既存のリスクが大きくならないかを確認します。
あわせて、顧客やプロジェクトメンバーなど影響を受ける関係者を確認し、必要な変更内容を共有して認識を合わせてから実施します。
プロジェクトの変更管理で失敗を防ぐための注意点
プロジェクトの変更管理では、変更を記録して影響を確認するだけでなく、判断や反映の手順を適切に管理する必要があります。
ここでは、変更管理で失敗を防ぐために注意したいポイントを説明します。
小さな変更でも記録を残す
変更の規模にかかわらず、変更内容や理由、実施日、承認結果を記録します。
小さな変更でも記録を残しておくことで、後から変更前後の違いや、誰がどのような判断をしたのかを確認しやすくなります。
影響を確認する前に変更を実施しない
変更要求を受けても、作業範囲やスケジュール、コスト、品質への影響を確認するまでは実施しません。
追加作業や納期、予算への影響を確認し、問題なく対応できるか判断してから作業を始めることが大切です。
変更の承認者と判断基準を明確にする
変更を誰が承認するのかを決め、承認や却下の判断基準も明確にしておきます。
追加費用や納期への影響など、確認する条件をあらかじめ定めておくことで、担当者によって判断が変わることを防ぎやすくなります。
変更後は計画書や関連文書も更新する
変更を実施した後は、プロジェクト計画書やスケジュール、仕様書なども変更内容に合わせて更新します。
関係者が古い情報をもとに作業しないよう、最新の計画や仕様を確認できる状態にしておくことが大切です。
まとめ
プロジェクトの変更管理では、変更内容をそのまま実施するのではなく、スコープや納期、コスト、品質などへの影響を確認し、承認を得てから進めることが大切です。
小さな変更でも記録を残し、変更後は計画書や仕様書にも反映することで、関係者の認識のずれや予定外の作業を防ぎやすくなります。
変更が発生したときに慌てないよう、あらかじめ承認者や判断基準、記録方法を決めておき、プロジェクトの状況に合わせて変更を管理できる体制を整えていきましょう。